AKB48『選抜総選挙』詳報 HKT48勢の躍進とSKE48の力強さが際立つ結果に
リアルサウンド 6月7日(日)0時7分配信
AKB48グループが6月6日、福岡・ヤフオク!ドームで『41thシングル選抜総選挙』を実施。5月20日に投票券の封入されているシングル『僕たちは戦わない』がリリースされ、翌日の21日には1回目の中間速報が発表された。松井玲奈や小嶋陽菜、入山杏奈などの不出馬を選び取ったメンバーもいるなか、若手からベテランまでが総力戦を繰り広げた。
19位の峯岸みなみ(AKB48)は、「卒業するたかみな(高橋みなみ)といつ卒業するかわからない(小嶋陽菜)と会える時間が少なくなって、2人に追いつけない自分がいた」と、同期2人に対する劣等感を明かすと、18位の須田亜香里(SKE48)は「皆さんに頂いた順位を今年1年は守り続けることはできなくて…私の努力不足でした。ずっと自分の首を絞め続けることでしか頑張れなくて、何回も限界だと思ったけど、そのなかで楽しむことを忘れていた。だからこうなってしまったんだと思います」と猛省。速報では選抜順位に入っていたが、アンダーガールズのセンターへと順位を下げた兒玉遥(HKT48/AKB48)は「選抜入りを目標にしていて、さっしー(指原莉乃)や(宮脇)咲良と一緒に歌いたいと思ってたけど、少しずつ進んでいる感じが実感できて嬉しい」と、ファンへの感謝を先に述べた。
そして選抜入りを果たした16名のうち、まず名前を呼ばれたのは16位の武藤十夢(AKB48)。速報順位からの大幅躍進を遂げた武藤は「総選挙はお祭りではなくチャンスを掴む場。期待されていなかったメンバーからすれば、自分の存在を知ってもらえるところだし、みんなにもこうやって光が見れることを証明できた」とスピーチ。15位の柴田阿弥(SKE48)は「最近、SKE48をたくさんのメンバーが卒業していきました。でも、SKE48にはまだまだ未来しかないと思っている。だからみなさんには早くそんなメンバーを見つけて欲しい」とグループを気遣う発言を見せると、14位にランクインし、昨年はアンダーガールだった高柳明音(SKE48)は「7年目にして選抜に入ることができました! どんどんポジションが下がるのは悔しかったけど、若いメンバーを見せなきゃいけないとわかっていた」と、こちらもベテランならではの配慮と自らの思いから生まれた葛藤を語った。
さらにSKE48の勢いは止まらず、13位には松村香織(SKE48)がランクイン。松村は「AKB48選抜に入っちゃいましたー! ハゲてたんですけど、やっと治療も終わって。高須先生ありがとうございます!」と暴露しメンバーの笑いを誘うと、12位には渡辺美優紀(NMB48/AKB48)が入り、見事に選抜復帰を果たした。渡辺は「去年は私以上にファンの方に悔しい思いをさせてしまった。正直、(山本)彩ちゃんが先に進んでいるのを見て『ダメかな』と思うこともあったけど、自分で全力を出していると風向きは変わると知った。これからは、NMB48を背負って頑張りたい」と覚悟を語った。
そして、11位には先日NGT48への移籍が発表された北原里英(NGT48)の名が。北原は「この順位に恥じないような活動を絶対にしていきたい」と新グループへの決意を語ると、10位横山由依(AKB48)は例年のごとく嗚咽を漏らしながら「本当は次期総監督って不安で…。でも、AKB48が5年、15年、100年位続くグループになればいいと思っている」とグループを背負う意思を見せた。9位の島崎遥香(AKB48)は、彼女には珍しい涙を浮かべながら「私はたくさんの人から好かれるタイプじゃないけど、アイドルに向いていない私をここまで上げてくれたファンの方に感謝したい」と語ると、凛とした表情で「横山とともに後輩を引き連れて『AKB48の第2章を作りたい』という目標を決めていた。AKB48ファンのみなさん、どうか私たちの世代に力を貸してください」とファンへ向けてスピーチし、観客席が大きく沸いた。
第8位となった宮澤佐江(SNH48/SKE48)は「SNH48に行った理由は『総選挙で順位の壁を突破する』ということでもあったので、報われてよかった。SKE48のみんなにも感謝しています」と両グループへの感謝を口にすると、7位には昨年の11位からまたも順位を上げた宮脇咲良(HKT48/AKB48)が。宮脇は「ファンの方から11位という素敵なチケットを頂いて、選抜は夢にあふれていましたが、何事も進むスピードが速くて追いつくのに必死で。何に悩んでいるのかわからなくなって葛藤する日々が続いていましたが、総選挙を通じて、ファンの方が一緒に戦ってくれていると感じました」と前置きし、「HKT48はAKB48が切り開いてくれた道を歩んでいます。でも、そろそろ先輩たちに頼ってばかりではいけないし、これからは自分たちで切り開いた道を歩んでいきたい。来年は1位の席に座って、誰も見たことがない新しいAKBを作りたいし、AKB48を壊したい」と仰天発言。他のメンバーを驚かせ、場内でざわめきが起こった。
6位と5位には姉妹グループのエースがランクイン。6位の山本彩(NMB48/AKB48)は「順位は同じ6位だったんですけど、今回は9万票も愛と絆をいただいた。でも全国的にNMBの知名度はないかなと実感したり…」と語ると、5位の松井珠理奈(SKE48/AKB48)は「たくさんの背中を見て、1位のバトンを受け継ぎたいと思っていた。正直言うとすごく悔しいけど、だからこそすごく燃えています」と来年以降の躍進を誓った。
そして4位は、今年いっぱいでの卒業が決定している高橋みなみ(AKB48)。自己最高順位を獲得した高橋は「私がAKB48に入って1年くらいで、あることに気づきました。このグループでは1番になれないということです。同期には前田敦子が、2期には大島優子がいました」と語り、「私は歌手になりたくて芸能界を目指しましたがアイドルになりました。可愛いとか全然わからなくて、どうすれば人気が出るかわからなかったけどこのグループが好きで、気づいたら総監督になっていました」と自らの背景を明かした。
続いて高橋は「ここからはメンバーに聞いてもらいたい」と前置きし、「みんな色々な活動をして、100頑張っても1しか評価されないと感じている。でも人生は矛盾と戦うもの。色々と頑張らなきゃいけないし、それは一瞬ではないということを覚えて欲しい。呼ばれなかったメンバーが頑張っていなかったのか? 違います。みんな劇場公演を続け、学業と両立している。でもここに立てるのは80人なんです。いればいるほど頑張り方がわからなくなってくると思います。どうやったらテレビに出れるのか、選抜に入れるのか、人気が出るのか…でもね、未来は今なんです。頑張らないと始まらないということを忘れないで欲しい」とエールを送った。その後、高橋は「『努力は必ず報われるとは限らない』そんなの、わかってます。でも頑張っている人が報われてほしい。ファンの人は見ているから。だからこそ『努力は必ず報われる』と私、高橋みなみは人生をもって証明します」と決め台詞を述べた。
混戦が予想されたTOP3は、3位の渡辺麻友(AKB48)から発表がスタート。渡辺は「今まで2連覇をした方はいないので、実に難しいものだと改めて痛感しました。でも現状に満足せず頑張っていきたい」と冷静に語ると、2位の柏木由紀(AKB48/NGT48)は「1位を宣言してあと一歩届かなかったんですけど、これからはいろんなことから逃げません。横山由依ちゃんが背負いすぎないために、ひとりひとりがAKBを背負ってる気持ちがあればグループも大きくなる」と、グループを支える気概を明かした。そして1位に輝いたのは、2位の柏木に約3万票の差をつけた指原莉乃(HKT48)。指原は涙を浮かべながら「まさかこんなに素敵な景色をもう一度見ることができると思っていませんでした。普段はHKT48メンバーのみんなにお礼をいう機会が少ないけど、みんなは私の大事な大事な宝物です。いつも本当にありがとう」と感謝の気持ちを述べた。
指原は続けて「私はAKB48のなかでも特殊な存在ですが、どうやったら前田敦子さんや大島優子さんになれるのか考えたけど無理でした。でも指原莉乃を最後までやり通そうと決めました。開き直って1位になることができました。でもそれはスキャンダルからの大逆転、ストーリーに支えられての1位だから、『指原莉乃として評価されたい』と思った」と自身の状況を冷静に俯瞰し、分析。最後に「全国の自分に自信のないみなさん。日の当たっていないみなさん。私はもう一度1位になることができました。奇跡の1位じゃなく、自分のやってきたことを評価されての1位だと信じてます。あの日私に力をくれたアイドルのように、私がみなさんの力になれたら嬉しいです」と高らかに宣言し、長い総選挙の幕が閉じた。
終わってみればSKE48が26人、AKB48が23人、NMB48が14人、HKT48が15人、NGT48が1人、SHN48が1人と、SKE48の力強さとHKT48勢の躍進が目立った今回の総選挙。これらの選抜メンバーが今後どのように活躍するか、今後に期待ができる内容となった。
リアルサウンド編集部
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