2015年06月03日

購入記録(2015.06.02)

森福都 ご近所美術館 創元推理文庫 ¥685

久しぶりに森福都の新刊を購入。
美術館を舞台とした日常系ミステリィといったところでしょうか。
同じような作品が多いので,何処まで独自性があるか楽しみ。
森福都は中国史ミステリィの印象が強いのですよね。
素直に好みの作品が多かったので,是非とも新作を期待したいものです。
最近は新作そのものをあまり見かけない印象なのですけれども。

〈2015年書籍購入覚書〉 計42冊
posted by 森山樹 at 07:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入記録

2015年06月02日

2015年7月書籍購入予定

07.07 朱川湊人 『箱庭旅団』 PHP文芸文庫
07.07 加藤実秋 『アー・ユー・テディ?(4)』 PHP文芸文庫
07.08 宮下規久朗 『モチーフで読む美術史(2)』 ちくま文庫
07.10 畠中恵 『ときぐすり』 文春文庫
07.10 ロベール・ド・ポロン 『魔術師マーリン』 講談社学術文庫
07.10 小松和彦 『妖怪学新考』 講談社学術文庫
07.15 堀川アサコ 『幻想探偵社』 講談社文庫
07.21 森谷明子 『白の祝宴』 創元推理文庫
07.23 中田勇次郎 『中国書人伝』 中公文庫
07.23 S.E.グローブ 『ソフィアとガラスの地図(上)』 ハヤカワ文庫FT
07.23 S.E.グローブ 『ソフィアとガラスの地図(下)』 ハヤカワ文庫FT
07.25 小松和彦 『異界と日本人』 角川文庫
07.25 小野不由美 『鬼談百景』 角川文庫
07.29 小野不由美 『残穢』 新潮文庫

量的は多いけれど,質的には今一つの感があります。
どうしても読みたい作品には欠ける印象なのですよね。
笠井潔の『吸血鬼の精神分析』も文庫化される予定。
但し,単行本で持っているから購入しなくてもいいかなあ。
それよりも早く『煉獄の時』を刊行して欲しいものです。
早川書房と東京創元社は店頭での印象次第で増えそう。
ライトノベル系も個人的には気を惹かれる作品はなさそうです。
積んでいる本を崩しに行く一か月になるかもしれません。
posted by 森山樹 at 05:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 購入予定

2015年06月01日

2015年5月読書記録

2015年5月に読んだ本は以下の通り。
上田早夕里 『妖怪探偵・百目(2)廃墟を満たす禍』
太田紫織 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 骨と石榴と夏休み』
吉田篤弘 『レインコートを着た犬』
宵野ゆめ 『グイン・サーガ(136)イリスの炎』
加藤実秋 『インディゴの夜 ロケットスカイ』

5月に読了した本は5冊。
4月に比べると大幅に増やすことが出来ました。
それでも往時に比べるとかなり少ないのですけれども。
6月も最低限これくらいは読みたいものです。
『妖怪探偵・百目』はさまざまな想いが交差して楽しい。
巨悪に一致して戦うという展開に至るのかどうか。
次巻あたりで終わってしまいそうな予感もあります。
『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』は前巻よりも面白かった。
とは言え,やはりキャラクター優先というのは馴染めません。
家族の在り方という重い題材もあるにはあるのですけれども。
『レインコートを着た犬』は待望の月舟町を舞台とした作品。
相変わらず,何処かおとぎ話めいた雰囲気がたまらなく好み。
つむじ風食堂も月舟シネマも足を運んでみたくなります。
『グイン・サーガ(136)イリスの炎』はケイロニア皇位問題決着。
とは言え,選帝侯が一枚岩でないという不穏さが残ります。
ワルスタット侯ディモスの変節は更なる混沌を呼び起こしそう。
全て復活したあの人が影で糸を引くというのは安直な気もします。
『ロケットスカイ』は短篇集に戻った〈インディゴの夜〉の最新作。
これまでにない展開が待っていました。
この事態が次巻以降に如何なる影響を及ぼすのか興味深いです。
ちょっと寂しくなってしまいます。
posted by 森山樹 at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書記録

2015年05月31日

笹本祐一『ARIEL SS 地球篇』

〈2015年読書感想10冊目〉
笹本祐一『ARIEL SS 地球篇』


 〈ARIEL〉番外篇シリーズを集めた短篇集の第2集。題名通りに地球人側を主人公とした4篇が収録されています。いずれも本篇よりも過去の時間軸ということでエリアル開発の裏面が描かれているのが興味深い。何処までが事前の設定としてあったのかは不明ですが,どの作品も非常に〈ARIEL〉らしい説得力のある技術開発の物語に仕上がっています。何よりも,エリアル開発史ということで本篇以上に岸田博士や天本教授の出番が多いのが嬉しい。このふたりの天才性を存分に堪能することが出来ます。また,美亜や絢,和美らが如何なる経緯を経て,エリアルに搭乗することになったのかが明かされたのも興味深い。特に他のふたりよりも搭乗者としての力量には劣ると感じていた絢が何故選ばれたのかという理由が面白かったです。惜しむらくは和美の友人の由貴とエミの出番がなかったということ。本篇開始より以前ということで仕方のない部分はあるのですが,或る意味で本篇では一番化けた登場人物である由貴の姿は見たかったように思います。

 収録されているのは美亜の「初めて歩いた日」,絢の「電子頭脳の騙し方教えます」,和美の「夢見る機械人形」に,若き日の岸田博士と天本教授の冒険譚「昭和一五年のからくり天狗」を加えた4篇。物語としては圧倒的に「昭和一五年のからくり天狗」が面白い。東北奥地で連続する神隠し事件の意外な真相が楽しいです。SCEBAIの両巨頭は若き日からそれ程変わっていないのだなあということがよく分かります。欲を言えば,おばばこと羽那らいてうの活躍ももっと楽しみたかった。また,岸田博士の愛妻でエリアルの外見上のモデルとなったあゆみにも触れて欲しかったところであります。この事件が後の本篇に繋がるという構成は王道ですが,番外篇としては望むところでありましょう。残る3篇はどれもお気に入りなのですが,特に「夢見る機械人形」が好み。エリアルの動作制御実験としてケーキ作りを提案する和美の思考の柔軟性が素晴らしい。それを一笑に付すことなく実際に行う岸田博士も流石と思わせます。何よりも和美の操縦を参考にケーキ作りのシミュレーションをするエリアルが可愛過ぎます。「初めて歩いた日」と「電子頭脳の騙し方教えます」からも〈ARIEL〉の真の主人公はエリアルと岸田博士と思ってしまいます。

 どの作品も〈ARIEL〉らしさに満ちた素敵な作品でありました。地球人側だけでも宇宙人側だけでも物語がきちんと成立するのが素晴らしいです。岸田博士の限りなく御都合主義に近い,インチキめいた天才性を存分に味わうことが出来ました。美亜,絢,和美の三人娘もやはり大変魅力的。また,〈ARIEL〉本篇を再読したくなってきます。あの予想外の結末から続く物語にいつか出逢える日を待ち望んで止みません。如何なる形でも良いので,新たな〈ARIEL〉の物語を綴って欲しいものであります。勿論,それはSCEBAI三巨頭の語られざる若き日の冒険譚でも全く問題なのですけれども。
タグ:笹本祐一
posted by 森山樹 at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想

2015年05月27日

さよなら,タニス・リー

英国の幻想作家タニス・リーが亡くなったとのこと。
68歳ということですから,まだ若くしてという印象が拭えません。
タニス・リーは自分の人生の一時期において最も好きな作家でありました。
現在においても自分の中で大きな存在であります。
特に〈平たい地球〉の狂おしい美しさには大変影響を受けました。
その著作の殆どが日本では未訳或いは絶版となっているのが悲しい。
〈パラディスの秘録〉など単発的に刊行はされているのですけれどね。
早川書房や東京創元社からの復刊を望みたいところであります。

長い間,本当にお疲れ様でした。
そして,自分に多大な影響を与えてくれたことに感謝します。
ありがとうございました。
posted by 森山樹 at 06:55| Comment(2) | TrackBack(0) | 情報