年金情報流出:沖縄、和歌山、東京…3カ所の情報が流出

毎日新聞 2015年06月06日 00時32分(最終更新 06月06日 01時55分)

 日本年金機構の加入者情報流出問題で、流出が確認された約125万件の情報は沖縄、和歌山両事務センターと東京の「記録突合センター」の3カ所で使われたものとみられることが分かった。関係者によると、沖縄が約74万件、和歌山が約1万件、記録突合センターが約50万件。計949個のファイルに分けて保管されていた。

 事務センターは都道府県ごとに置かれ、各年金事務所からの申請書類を一括処理する。記録突合センターは払った保険料の記録がなくなる「消えた年金」問題を機にでき、コンピューターと紙台帳の記録を照合している。

 また、厚生労働省によると、同省の年金担当の審議官や課長が問題を知ったのは、最初に感染が確認された5月8日から17日後の25日だった。それまでは担当係長で情報が止まっていた。係長は感染が発覚したパソコンからLAN(構内情報通信網)を抜くよう機構側に指示し、機構が19日に警察に相談した際も上司に報告しなかった。塩崎恭久厚労相は5日の記者会見で「外部の専門家らに検証していただく」と述べた。

 一方、機構によると、最初の感染確認から問題を公表した6月1日までの間、流出した約125万件のうち、住所変更届が出て処理されたケースが74件、住所と口座番号両方の変更が35件あった。

 年金受給者は基礎年金番号と氏名、生年月日を届け出れば住所変更できるため、機構は流出情報の悪用例がないか戸別訪問などで確認する。口座番号変更は金融機関の証明書が必要で、機構は流出の影響はほぼないとみている。【野倉恵、松本惇、古関俊樹】

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