千の証言・投稿:<空襲>恐怖呼び覚ますトンネルの音=福岡県中間市の楠恵美子さん(73)

2015年06月04日

 昭和20(1945)年8月8日、福岡県八幡市(現北九州市)で八幡大空襲があった。

 八幡製鉄所などへのB29による空襲は、ものすごかった。当時、私は一家7人で製鉄所が見える小高い場所に住んでいた。空襲の間、私たちは近くの防空壕(ごう)の中で震えていた。

 爆音が消えて静かになると「八幡が燃えているぞ」と大勢の人が叫ぶ声が聞こえた。外に出ると、街は炎でオレンジ色に染まり、空は黒煙で真っ黒だった。叫び声と目にした光景、そして感じた恐怖は生涯忘れないだろう。物心ついたばかりであろうか、3歳の頃の記憶である。

 大人になっても、長いトンネルを車で通った時の「ゴー」という音がB29の襲来を思い起こさせる。こちらも嫌な感じがする。

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