こんばんは。 Red-ipsこと赤ネコです。
昨日から非常に引っかかっていたことを文章にまとめてみました。
もっと言うと私は非常に恐ろしいことに気が付いてしまい、驚愕して震えている。
まずこれは昨日出した、憲法9条と自衛隊・集団的自衛権についてのチャートですね。
最低限理屈上さすがに取り得ない見解はグレーで潰しましたが
「理論上は一応存在する」見解は、残してあります。
しかし憲法学上とても取り得ない見解も並列にあり、あたかもその見解が取り得ることがあるのではないかという誤解を招く危険な図表だと、投下した自分も当初から認識しておりました。
さて、そこから私は
「憲法学上とても取り得るとは認められないトンデモ見解」を更に除外してみました。その図表は以下です。
憲法学にのっとり除外した根拠は次の3つです。
@解釈改憲は認められない。
A集団的自衛権は違憲である。
B現在の自衛隊を違憲と解する以上は自衛隊は廃止される方向に行かねばならない。
この3点は、どんなに変な人から非難を受けようが否定すべくもない憲法学上から来る当然の常識です。イデオロギーの問題ではありません。学問上の問題なのです。
批判があるでしょうから、一応説明します。
@解釈改憲 A集団的自衛権は違憲である
この2つについては、大勢の学者が書いてあることなので飛ばします。
私自身も以前このブログで触れたことがありますし。
Aについても憲法学上の常識であると見てくれれば、先日の衆院憲法審査会で立場の異なる3人の憲法学者が揃って違憲判断を出したことも納得いかれると思います。
B現在の自衛隊を違憲と解する以上は自衛隊は廃止される方向に行かねばならない。
私が今、最も問題視し、恐れを抱いてしまったのはこのBです。
昨日も書きましたが、当初のチャートをツイッター上で上げたときに、自分の立場を報告して下さった方々が結構いらっしゃいました。ありがとうございます。
結構いらっしゃったんですよ。I〜Oを取る立場の方。
特に多かったのはLですね。
「自衛隊も集団的自衛権も違憲。そして方法は憲法改正以外ありえない」
という立場です。
これは一見マトモに見えますけど、それは大間違いです。
要は、自衛隊は憲法に違反しているとした上で、自衛隊を肯定している(廃止する方向へとは向かわない)ため、憲法を変える方がいいとしている立場です。
怖いことを書きます。つまり・・・
彼らにとって
「憲法は破って当然のもの」なんです。
既に破られており、当然破るものであり
今後も、必要に応じて憲法は破られるべきものなのです。
私は今まで、政治家や官僚によって憲法が破られるつつあることに危機感を感じていましたし、何としても憲法は守らなければならないと思っていました。
これは、今まで憲法が守られているものだと思っていたからです。
けれど、L等を選んだ人達にとっては違うのです。
憲法はもうとっくに破られているものだったのです。
憲法よりも現実の方が重いので、当然憲法を現実や、現実の必要性に合わせるべきだと思っているんです。
彼らにとっては、憲法は最高法規ではないんです。
つまり、私の知らないところで、既に憲法を初めとした法秩序は崩壊していたんです。
私にとってはとんでもないことですが、そう考えると
「現在の憲法をいかに安保法制に適応させていけばいいのか」
という、とんちんかんな見解こそが、筋道に合っていることになるのです。
みんな、知らない間に「現実に憲法をあわせる」という一部の人達が繰り返し繰り返し述べていたことを受け容れていませんか。
もしもその理屈が通じるなら、戦後の日本の変化はありませんでした。
多くの差別が廃止されることなく、憲法の改正を待つことになったでしょう。
社会と憲法が乖離しているときに、社会を憲法に合わせることにより、理想の社会へと進化していったわけです。
憲法を「理想主義だ」と言う人もいますが、理想主義で当然なんです。
そこに向けて進んでいくものなんだから。
自衛隊が違憲だと言うのなら、すべきことは自衛隊の廃止でしかない。
廃止した上で「必要だから」憲法を改正して自衛隊を持とう、というのなら分かる。
しかし「必要だから」「憲法に違反していても自衛隊は持つべき」とか言うのなら、それは憲法の最高法規性の否定であり、ひいては憲法を最高法規とした法秩序を全て否定することにつながる。
それが「当たり前」だと考えている人達の多さに、私は愕然とした。
これが私の感じる「恐ろしいこと」であるけれど、
私の恐怖は、ひょっとすると誰にも分かってもらえないかも知れない。
みんなにとって「当たり前」となってしまっているのなら、
最早もう手遅れであるし、私が孤独に恐怖に震えるだけだ。
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