韓国 ＭＥＲＳ感染者５０人に １人は退院

6月6日 17時18分

重い肺炎などを引き起こす「ＭＥＲＳコロナウイルス」の感染者が増えている韓国では、これまでに５０人の感染が確認された一方、このうちの１人は症状が治まり、ウイルス検査でも陰性の結果が出たことから初めて退院しました。

韓国では先月、中東から帰国した男性が「ＭＥＲＳコロナウイルス」に感染したことが確認され、男性が入院した病院を中心に感染が広がっています。
韓国の保健福祉省は６日、新たに９人の感染が確認されたことを明らかにし、これまでの感染者は死亡した４人を含め５０人となりました。
一方、感染が確認された人のうち、病院で治療を受けていた６３歳の女性は発熱などの症状が治まり、２度にわたるウイルス検査でも陰性の結果が出たことから、５日に退院したということです。韓国で「ＭＥＲＳコロナウイルス」の感染者が退院したのは初めてです。
また、保健福祉省は、感染した人の体液から採取したウイルスをアメリカなどの専門機関とともに詳しく分析した結果を発表しました。それによりますと、ウイルスの遺伝子の配列は、これまでに中東などで発見されている「ＭＥＲＳコロナウイルス」とほぼ一致し、ヒトからヒトに感染しやすくなるような変異は確認されなかったということです。
韓国政府は、感染者に接触した人などおよそ１５００人を医療機関や自宅に隔離する措置を取って、感染拡大の防止に全力を挙げています。