ＮＹ連銀総裁「利上げはことし後半が適切」

6月6日 10時21分

k10010105171_201506061223_201506061225.mp4

ニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁は、５日、アメリカの雇用統計が大きく改善したあと講演し、注目されるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会による利上げの時期はことし後半が適切だという考えを示しました。

アメリカでは、５日、景気の現状を示す重要な指標である先月の雇用統計が発表され、農業分野以外の就業者数が前の月より２８万人増え、市場の予想を大きく上回りました。
この発表のあと、ＦＲＢの金融政策を決める会合の副委員長を務めるニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁が、訪問先の中西部ミネソタ州で講演を行いました。
ダドリー総裁は「幅広い産業にわたって雇用の改善が確認できた」と述べて評価したうえで、焦点のゼロ金利政策を解除する時期については、「雇用情勢の改善が続き、物価が上昇を続けることへの期待がしっかり維持されれば、ことし後半の利上げが適切だ」と述べました。
アメリカでは、ことしはじめの冬場に景気が落ち込んだため、市場関係者の間では利上げの時期が遅れるのではないかという観測が広がっていました。
しかし、先月下旬にＦＲＢのイエレン議長がことし中の利上げが適切だと発言したことや、今回の雇用統計の結果を踏まえ、金融市場では、秋には利上げに踏みきるのではないかという見方が急速に増えています。
ＦＲＢは今月中旬に金融政策を決める次の会合を開く予定で、議論の行方が注目されます。