中国が、米国の空母を西太平洋から追い出すために開発した「空母キラー」と称するクルージングミサイルDF21も速度が遅く、米国のイージス艦が容易に撃墜できることが判明した。
ロシアから買い入れて改造し、鳴り物入りで登場させた空母「遼寧」は、南シナ海で試運転を一回しただけで、エンジン主軸が壊れて使い物にならなくなってしまった。中国の工業力では、空母を動かす二十数万馬力のエンジンを製造できない。
米海軍で広報を担当している友人は、次のように言っている。
「中国が人民日報、新華社などを介して流すニュースはすべて宣伝だ。したがって、われわれは基本的には無視することにしている。中国の宣伝機関の発表をそのまま受け入れるのは間違いだし、危険だ」
中国が、米国と戦争すると騒ぎたてても宣伝に過ぎない。米国のマスコミ同様、日本のメディアも中国政府の誇大な発表を鵜呑みにして、そのまま伝える悪習を早くやめるべきだ。
■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。