山崎福　プロ初勝利　オリックス・福良代行　４試合目で初白星

　中日は打線が低調で今季最多の借金５となった。３点を追う６回に大島の２ランで追い上げたが、わずか４安打に封じられた。オリックスは２回に２点を先行し、６回に原拓の適時打で加点。連敗を６で止め、新人の山崎福がプロ初勝利を挙げた。

　　　　　　◇

　「奇跡の子」がオリックスの連敗を６で止めた。ドラフト１位新人の左腕、山崎福がプロ初勝利で、福良監督代行にとっての初星も飾った。

　「ようやく勝てた。長かったというのが正直な気持ち。あとの投手の方に感謝です」

　壁を初めて破った。ここ３試合はいずれも失点してきた５回を「前回まで意識していたので、今回はそこを意識せず、無心で」。三者凡退に抑え、初めて６回のマウンドへ。大島に２ランされて降板したが、抑えからセットアッパーへ配置転換された平野佳や、暫定的に抑えに指名された佐藤達ら救援陣が反撃を許さなかった。明大の先輩、岩田に投げ勝った。

　中学３年時の脳腫瘍の手術を乗り越え、日大三高（東京）では甲子園出場。「奇跡の子」と呼ばれてきた。同じ病いに苦しむ子どもたちに「どんどん勝っていくことで、少しでも勇気を与えることができたら」と、力の源泉にする決意だ。

　森脇監督の休養から４試合目にしてようやく白星をつかんだ福良監督代行は「選手みんなが頑張ってくれたから。山崎福は初安打（の記念球）もあるし、２つも手にして本当に良かった」。ウイニングボールは新人に譲った。　（吉川学）