西堀岳路
2015年6月5日19時53分
小説やイラスト、コスプレなど、その道で「腕に覚えがある」若者7人が、埼玉県鶴ケ島市の地域おこしに新風を吹き込んでいる。市内を舞台にしたライトノベル(ラノベ)を出版してアニメやゲーム化を目指す一方、キャラクターを市内企業の商品PRに提供。官や民の施設で関連イベント開催にも力を入れる。
ラノベは2月に発売された「鶴ケ島コンビニ戦記」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、税抜き1300円)。コンビニ各社を代表する少女戦士らがバトルスーツを着て全国一の座をかけて戦うファンタジー。市内で育った幻夜軌跡(まぼやのきせき)さん(30)の本格デビュー作だ。店員に求められる仕事能力が武器やスーツの性能に反映されるなど、コンビニ勤務10年以上の経験と知識が物語や設定に織り込まれている。
学生時代から作家志望。東京の出版社などで働きながら小説を書いてきた。4年前に仕事に行き詰まって帰郷。「故郷のぬくもりに癒やされて立ち直れた」という。鶴ケ島への愛情と感謝の思いが強くなり、恩返しをしたいと思った。
ラノベ風の小説を書くと周囲の評判が良く、ラノベでの地域おこしを思い立った。鶴ケ島をファンが訪れる「聖地」にしたいと、デザイン学校の同期でイラストレーターの芳村拓哉さん(26)に相談。アニメやゲームなど映像化しやすいキャラクター設定にした。
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