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【アキノ比大統領記者会見】
「中国の立場が逆だったらどうか?」「安倍首相はあらゆる機会で適切に判断」
来日中のフィリピンのアキノ大統領は5日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見し、南シナ海で軍事的存在を高めている中国について改めて強い警戒感を示すとともに、中国にフィリピンの立場にたって問題解決にあたるよう求めた。また、安倍晋三首相が今夏に発表する戦後70年談話について「首相はあらゆる機会で適切な判断をしてきた。談話も適切に行うだろう」と述べた。
アキノ大統領は国賓として2日から5日まで来日していた。
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アキノ大統領会見の主な発言は次の通り。
【南シナ海問題】
2002年、この地域の緊張を制御するための取り組みとして、東南アジア諸国連合(ASEAN)と、対話のパートナー国である中国は、法的拘束力を持つ行動規範を策定しようとした。不幸にもこの取り組みは成功をみなかったが、問題の平和的解決を目指す「行動宣言」を署名することはできた。関係国すべてが署名し、現在でも署名国は行動宣言に拘束されている。あらゆる会議において、全署名国は行動宣言を守っており、行動規範の策定を目指している。行動宣言には署名国は経済、国土、人口の規模に関係なく平等であることなどが明記されている。(『小国は面倒を起こすべきではない』と発言している)中国外務省報道官に対し、われわれは行動宣言の再確認を求め、中国が宣言で誓った内容の記憶を呼び戻してもらうべきだろう。