[PR]

 国際サッカー連盟(FIFA)は4日、2010年ワールドカップ(W杯)欧州予選で起きた誤審で本大会出場を逃したアイルランドのサッカー協会(FAI)に対し、提訴を回避する見返りに500万ドル(約6億2200万円)を提供したことを明らかにした。

 AP通信などによると、アイルランドは09年、W杯南アフリカ大会出場をかけたプレーオフでフランスと対戦。延長戦にもつれ込んだ試合は、審判が仏FWアンリのハンドを見逃した直後に決勝ゴールが決まった。試合後にアンリ自身が誤審を認めたが、判定は覆らず、アイルランドは再試合を求めた。

 FIFAの声明によると、FAIは10年1月に競技場建設のためにFIFAから500万ドルを受け取り、申し立てを取り下げることで合意した。競技場は10年に完成。資金は「アイルランドが次の14年W杯に出場できたら返済する」との条件だったという。しかしアイルランドは再び予選を突破できなかった。このため、FIFAは減損処理したとしている。

 FAIのデラニー会長は4日、ラジオのインタビューで資金受領を認めていた。ただ提供されたのは500万ドルではなく500万ユーロ(約6億9800万円)だとしている。(ロンドン=渡辺志帆)