クラウドは今や"ニューノーマル"に、変化を示す「8つのパターン」(2)
ポイント3:顧客のニーズは多様で、それぞれ異なる
AWSが他のどのインフラストラクチャー提供会社よりも秀でているものの一つは「豊富で多様なサービスと機能」です。他社がAWSにおけるEC2やS3などのいわゆる「コアサービス」相当のラインナップなのに対し、AWSはそれらに加えて分析、モバイル、デスクトップと言ったテーマ別のサービス、また資格試験や技術部隊の存在などがあり、それでいて各要素の「進化」はとどまるところを知りません。
実際の業務のサイズやカタチは「千差万別」であるのが正直なところ。AWSでは顧客のニーズにあったプラットフォームを用意しており、必要最低限に併せて標準化を行うことで柔軟な対応を行っています。「さまざまなワークロード、要望に対して一つ一つ解を出してきたことがクラウドがニューノーマルになった背景にもつながってくるのでは」と長崎氏はここまでAWSが成長した要因として、この点を挙げていました。
ポイント4:企業のデータ活用はかつてないほどに拡大
データの収集/保管/分析/共有といった作業は、かつてはとても困難を伴うものでした。ですが現在では、これら困難なタスクについても、実現するためのスキームがそろっています。RedshiftやKinesis、EMRなど、顧客の使い方に応じて選択可能になっており、利用の敷居はグンと低くなっています。
多くの企業がビッグデータ分析をAWSで実施していますが、最近ではより効果的なデータ活用に向けて、機械学習を利用する顧客が急増しています。機械学習といえば、専門家が必要な領域でもあり、決して簡単なものではありません。
そんな「機械学習」、実はAmazonではその歴史は非常に長いものを持っています。Amazonで商品を購入する際、「この商品を買ったお客さまは、こんな商品を買っています」と目にすることが多いと思いますが、あの情報を処理している部分で機械学習(この場合は"レコメンデーション"という手法)が活用されているのです。
2015年4月に発表された「Amazon Machine Learning」も、そのような背景から生まれたものでした。社内ですでに実践されていた機械学習のノウハウを、誰でも使うようにできないか、というのがサービス開発のきっかけだったそうです。
ポイント5:古い足かせからの開放
遅々として進んでこなかった分野についても、昨今では改善・改革が加速しています。昔であればDWH(データウェアハウス)がそうでした。しかし現在では、この分野についてはAmazon Redshiftというサービスが登場しています。RDSの分野でもAuroraが、そしてデスクトップ環境ではAmazon Workspacesが登場しました。