ゲームに時間を費やすいわゆるゲーマーは脳の活動に特徴があると分かった。
週に6時間以上ゲームをする大人で検証
カナダ、モントリオール大学を中心としたグレゴリー・ウェスト氏らの研究グループが、科学分野の国際誌、プロシーディングス・オブ・ザ・ロイヤル・ソサエティB誌において2015年5月20日に報告している。
研究グループによると、現在、ビデオゲームのプレーヤーのプレー時間を世界で合算すると1週間で合計30億時間を過ごしている。平均的なゲーマーであれば21歳になるまでにおよそ1万時間をゲームに費やしていると推定されるという。ビデオゲームに熱中することによって脳にどのような影響があるのかについては、明らかになり始めたばかり。
研究グループは、週に最低6時間ゲームをする大人を対象として検証を行った。
アルツハイマー病につながる可能性も
その結果、ゲーマーは視覚的な注意力が高いと分かった。脳の活動を調べると、ゲーマーでない人と比べて、脳の中心部にあって学習や記憶に関係している「尾状核」の活動への依存度が大きいと分かった。
過去の研究によると、尾状核に依存した脳の活動の形態を取っていると、神経細胞が集まっている灰白質の減少傾向が出てくるという。脳の両側にあって記憶に関係している「海馬」の機能につながる脳活動が下がるとも分かっている。
ビデオゲームに多くの時間を費やす人は海馬の完全性が低い可能性があると説明する。アルツハイマー病のような脳神経疾患のリスクが高まる可能性があると指摘する。
今後、神経画像を使ってより詳細に検証するという。
文献情報
Impact of video gaming on the brain.
http://www.mcgill.ca/newsroom/channels/news/impact-video-gaming-brain-252136
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