少年閻魔の魔改造によってできた、世界を憎む男の物語 作:桜日紅葉雪
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再度の半日更新。もう一回…いけるかな??
※わーにんぐ・わーにんぐ
今回の話ははっちゃけまくってます。表現がくどいと感じる方がおられる可能性がありますが、それでもよいと感じる方だけ、お進みください。それが嫌だと感じる方は、前半のシュライクについてだけ流し読み、速やかに戻ることをお勧めいたします。
今回は文章量少なめで(おまけのせいで通常より多くなってしまいましたが。)
前半は、シュライクの詳細
後半は、料理回
このように、本編とほとんど関係ないことですが、まあこれでより道もいったん終了なのでお付き合いいただけたらなと思います。
おまけについては…まあ、ノリで。
第33話※わーにんぐ・わーにんぐ
今回の話ははっちゃけまくってます。表現がくどいと感じる方がおられる可能性がありますが、それでもよいと感じる方だけ、お進みください。それが嫌だと感じる方は、前半のシュライクについてだけ流し読み、速やかに戻ることをお勧めいたします。
今回は文章量少なめで(おまけのせいで通常より多くなってしまいましたが。)
前半は、シュライクの詳細
後半は、料理回
このように、本編とほとんど関係ないことですが、まあこれでより道もいったん終了なのでお付き合いいただけたらなと思います。
おまけについては…まあ、ノリで。
~~~~天霧 衣side~~~~
目を覚ます。時計にはPM6:30と表示されていた。
「飯…作らないと…」
そう呟いて、階段を下りる。寝ている間に何かがあった気がしたけど、思い出せない。
そうそう、フェイトは先に起きていたらしく、アルフと一緒に何かを話している。…何でアルフはあんなにニヤニヤしているんだ??
「起きましたか。マスター」
「んあ??ああ、シュライクか。おはよう…というかおそよう」
「はい。おそようございます」
俺の手首にはめられたブレスレットからシュライクの声が響く。翔との戦闘の後、いわゆる待機モードってやつになったらしい。ちなみにライブラ結果はこうなってる。
契約前
[シュライク] 種族 なし
インテリジェントデバイスと呼ばれるデバイス
魔力切れで現在使用不可。
未知の技術で作られたデバイスで特定の資質を持つ者にしか扱うことができなくなっている。
状態 ソードフォルム
マスター 未設定
HP / MP 0/
契約後
[シュライク] 種族 なし
インテリジェントデバイスと呼ばれるデバイス
新たなマスターと再契約したことで一部の機能がリセットされている。
未知の技術で作られたデバイスで特定の資質を持つ者にしか扱うことができなくなっている。
*使用者の適性が一定以上…幾度も戦闘行為を行うことで自律進化(使用できるフォルムの増加)の可能性。
*使用者の適性が一定以上…詳細不明
*使用者の適性が一定以上…詳細不明
*使用者の適性が一定以上…詳細不明
*能力が完全解放可能になりました。解放されると…詳細不明…となります。
状態 スタンドフォルム
マスター 天霧 衣
HP / MP /
…うん。俺にはよく分らんが、使い続けていると勝手に進化的なことをするとかっていうのは凄いことなんじゃないだろうか?
詳細不明っていうのも、たぶんきっとそのうちわかるんだと思う。
ちなみに現在使うことのできるフォルムは3つらしい。うん。あんま数がなくて良かった。一気に来ても覚えられないもんね。
一つ目が今のスタンドフォルム。待機モードでこの時の形は自由に変えられるらしい。どういう技術を使ってんの…でも流石に小さくするのにも限界があるようで、ビー玉サイズが最小となっている。基本的に持ち運びしやすい形にするのだけど、広い世界だ。どこかに待機状態=家にしている奴もいるんだろう。
Ω<へっくし…だれか噂をしているな?まあ、悪口じゃないみたいだからいいけど。
ほら、やっぱりいた。てか、誰だよお前…
ちなみにこの状態では普通、碌な魔法が使えない。使うこと自体はできても、本来の出力の10分の1程度まで落ちてしまうらしい。どうやら、魔力回路…人間でいう血管をギリギリまで狭めた感じらしいぞ?
2つ目は、翔との戦闘で使ったソードフォルム。基本的に、インファイト専用で元々はバインド、ソニックスリープ、飛翔の3つの戦闘補助的な魔法しか無かったらしいのだが、翔が魔法に射撃系はロマン!!とか何とか言って、無理やり追加したらしい。まあ、そのおかげで翔に勝てた部分もあるのだからラッキーとしておこう。
3つ目はスタッフフォルム。外見はまあ、名前の通り杖。
これは、完全オリジナルの魔法を登録するところみたいだけど、適応体系っていうのがミッド式とかベルガ式とかよく分らない。どうやら俺の魔法はそのどちらでもないようなので、暫くは日の目を見ることのないフォルムだろう。
「フェイトー、今日の晩御飯何がいい?」
今日一日怖い思いをしたのだから、慰めになるかはどうか知らないが晩飯ぐらいはフェイトの好きなものを作ってやりたいな。
「え?えーと…おいしいものが食べたい…かな?」
何それかわいい。とか思っていると、隣から
「肉!肉がいい!!」
と雰囲気をぶち壊してくれる声が。全く、空気を読まない人め…
「はいはいわかったわかった。アルフさんだけはミートボールでも作ってやるよ。フェイト、刺身でいいか??」
「なっ!あたしだけ仲間外れかいっ!!やだよっ!?あt「うん。お刺身でいいよ」フェイトェ…」
話を遮られたアルフさんがなんか言ってるけど、まあいいや。
「了解。部屋にでも上がっててくれ」
「あたしは仲間はずれは嫌だからね!!」
はいはい。手を振って2人を見送った後、台所に立つ。手を洗って冷凍庫に手をかけた瞬間
pipipipipi
あ、なんか懐かしい音。最近聞いたのって…あ、あれ?まだ先月ぐらいじゃん。意外と最近だった。
そう思いつつ、携帯を開く。
差出人:閻魔
件名:お疲れ様
本文
「それは、なかなか話を進めない上司(作者)が悪い」
え?なんの話だ??
「それはともかく、戦闘お疲れ様。ちゃんと頑張ってたみたいだね。相手が予想外に強かったけど何とかなってよかったよ」
ああ、どうも。おまけのおかげで何とかなったよ。
「どういたしまして。というか、僕が間違えて彼のいる世界へと送っちゃったのが原因なんだから、謝る必要はないよ」
そういえばそうだったな。むしろ、お前が謝れ。
「しまったな、言うんじゃなかった…まあ、ごめん。とりあえず、ここからが本題なんだ」
本題?
「君が拾った彼のデバイスだけど、時空管理局って奴らが来ても、何が何でも解析させないで。彼らにとってそれは、黄金の山よりも価値がある。それこそ、誰が何人死のうと問題ないと言い切るぐらいにはね」
うわぁ…それは、まためんどくさそうな奴らだな。
「そういうわけだから気をつけて。それじゃね」
メールはここで終わっている。毎度のことながら、不思議なメールだ。
(…そういえば、こっちからメール出したらどうなるんだろ?あとでやってみよ。)
楽しみが一つ増えたな。そんなことを考えながら、今度こそ冷凍庫を開く。
中から冷凍の[肉]を取り出して自然解凍を待つ。同時に米を研ぐ。米を潰さないように柔らかく、それでも汚れは落ちるようにしっかりと早く。3回ほど繰り返すと、研ぎ汁は真っ白ではなく、微妙になら底が見える。程度の透明度になったので、その研ぎ汁を別の器に移して、新しく水を入れた。いつもより、少し少なめに。炊飯器に入れたが、まだスイッチは押さない。今回は少し水を吸わせてからだ。肉の解凍が終わったようなので、軽く火を通して、中に火が通ったか通ってないか位の所であげる。脂取り紙の上に置いて、しばし放置。細菌類が怖いので、後でもう一度火を通す予定だ。今回の過熱は粗方の除菌だからな。
「凝ってますね。マスター」
シュライクが声を掛けてきたが、少し顔に笑みを浮かべるだけに抑える。今日のメインはこれでは無いのだから。
ニンジンを細かく切り、油揚げをお湯につけて油を抜いて、ごぼうを笹掻きにする。ここまで言えば、分かった人も多いんじゃないだろうか?そう、あれである。
水を多少吸った米に醤油を大匙一杯と酢を小匙半分ほど入れる。醤油が強いのは知られているが、酢も意外と強い。たったこれだけでも、独特の甘酸っぱさが出てくるだろう。
その中に、油揚げとニンジン、ごぼうに油揚げを入れる前のお湯で戻したシイタケを入れる。最後に再加熱した肉を入れて軽く混ぜ、ここでやっとスイッチを押した。
使った調理器具、食材をかたずけ、冷蔵庫に手をかける。
「さて、メインディッシュだ…」
冷蔵庫から、今朝買って来ていた刺身用の鯛を取り出す。パックから出し、ごく少量ながら発生した汁を流しに捨て、いったん鯛も洗い流す。
流しの下から刺身包丁を出してこれも一度洗ってから、鯛を薄く切り始める。ここまで言えばわかると思うが、今日は鯛の薄作りだ。どう見ても偽物…というか量産品ではあるが、それでも美しい漆器に乗せれば薄紅の入った白色にその下の漆器が透けて見え、その薄さと白さを逆に強調することができる、それは作る苦労に見合ったもの以上のものになるだろうと、確信できる。
が、その薄く切るという作業ゆえに、たくさん切らなければならず、その厚さを、一定でキープしなければならないのだ。それは、家事EXを持ってして、楽なものでは無かった。
切って、飾る。黒い皿に映える白と薄紅の模様が浮き上がるように。切って、飾る。その見た目で、味を更に高めるように。切って、飾る。それを食べるものに、幸せを…。切って、飾る。切って、飾る。切って飾る。切って飾る切って飾る切って飾る…
それを幾度繰り返しただろうか?4分の3ほどまで切り、知らず知らず浮かんでいた汗を袖でふく。軽く息を整えて一度、包丁を握る力を弱めて肩の力を抜く。さて、あと少しだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最後の1枚を飾り終わる。
3枚の皿の上に静かに乗る美しい白と薄紅。しかしそれは、どこか儚げで、吹けば消えてしまいそうな美しさだ。
俺は、小さく息をのむ。そして深く呼吸をして、呟く。
「さあ、最後の仕上げだ…」
白と薄紅の儚さをふき散らしてしまわないように、静かに置かれる緑。大葉である。
本来ならば、刺身の下に敷くことが多いであろうそれは、下の黒を透けさせることによって白色を強調させている今回に限っては邪魔でしかない。しかし、脇にふわりと置かれているとどうだろう?白と薄紅の美しさに、青々とした生命力にあふれる緑。たった一枚の大葉で、その儚さが不安を煽るものではなく、華奢で可憐な雰囲気をにじませるようになった。決して主役以上には目立たず、それでも確かにそこにあることを主張する大葉は、決して、邪魔者などでは無かった。
「完成…」
最後にその横に、その薄作り一点に注がれる視線を大葉も含めた全体に向けさせるように鮮やかな目線を引く食用菊がおかれ、それは、ここに誕生した。
時計を見れば、まだPM6:50。
たったの15分ほどの時間だったのに本当に長く感じた。
目に映る、自分の力作に思わずほほが緩む。ぽつりと、声が漏れる。
「シュライク、凝るっていうのはこういうことだよ」
その呟くに、俺の腕輪がかすかに震える。
「凄い…いや、これは…」
シュライクの声はそこで途切れ、しばらくして炊飯が終わった。
「よっし。フェイトでも呼んでくるかね」
心地よい疲労を感じながら、フェイトを呼ぶために階段を上って行った。
~~~~天霧 衣side out~~~~
おまけ
~~~~NO SIDE~~~~
とある大型動画サイトに、一つの動画が上がった。
タイトルは「少年、本気の料理」
動画を挙げたユーザーの名前は、「主like」それまでに動画を上げたことはないような新人だった。
動画につけたコメントは「マスター、なめてました。」の一言。
この、なぞの一言に、そのサイトの住民は興味を持った。とはいっても、最初は全員が全員釣りだと思っていたようだが。
動画の再生時間は約20分。
最初の携帯をつついている少年に、「釣・り・だ・っ・たww」というコメントを発端に同様のコメントが流れる。しかし、少年が冷凍庫を開けたところでその流れがピタリと止まる。なぜなら、冷凍庫から取り出したのはレトルトのようなインスタント物ではなく、本物の生肉だったから。
どうやって撮っているのかは分からないが、少年の手元を、ちょうど綺麗に写していた。
最初の携帯をつついているところから普通の大人ではなく少年であるということは間違いない事を知っている。しかし、周りに大人の姿はない。本当に少年一人だ。
少年はおもむろに、日の当るところへとその肉を置くと、そのまま離れ米を取り出した。同時に隣で鍋に水を入れて沸かしている。
ささっと米を洗い、炊飯器に入れているもののスイッチは押さない。ふたを開けたまま放置して、沸かしている鍋に干ししいたけを少しの間入れ、すぐに油揚げと入れ替え炊飯器に落とす。その後にきれいな手際で切った野菜と一緒にだ。
「wwww」 「私より上手いんだけど」
「すげぇ」
「自信なくすわ」 「この子に教えた人俺にも教えて…」
「何でもいい。まずは食わせろ」
「←落ち着けって」
などのコメントがあふれかえる。そこに聞こえる、撮影していると思われる女性の声。少年はかすかに笑うだけで返事はしなかった。その後に、処理をした肉を入れて、ここでやっとスイッチを入れた。
「凄いっ!!」 「食いたい!!」
「完成乙!!」
「88888888」 「今日のご飯は炊き込みかな」
「8888888」
などのコメントがあふれる画面で、一人の住民がそれに気付いた。
「あれ?残りの時間は何なんだ?」と。
そこに表示される、投稿者コメント。曰く、「ここからが本番…」
「え?」 「なんだなんだ??」
「??」
「まだあるのか…」
「あれで、本番じゃないとww」
静かに聞こえる少年の声
「さて、メインディッシュだ…」
冷蔵庫から、鯛を取り出す。丁寧に下処理をし、刺身包丁を取り出す。そして、非常に薄く、それでいてギリギリかまなければならないという絶妙の厚さで鯛は減ってゆき、皿の上に置かれてゆく。心憎い事に、一枚一枚皿をずらしておいていき、全貌をつかむことが出来ない。それでも徐々に出来上がっていく綺麗な刺身に、住民のテンションが上がっていく。
最後の一枚を皿に置いた時、それは一つの芸術となっていた。しかし、それは儚すぎる。
「これを食えと??」 「てか、何これすごい…」
「←同じく」
「店で出せ」 「←そこらの店よりもすごいだろ…」
「←同じく、もったいなくて食べれない」
コメントがすごい勢いで流れる。
それも、深呼吸した少年が一言呟くまでだったが。
「さあ、最後の仕上げだ…」
まだ先がある。そのことに、コメントの流れはピタリと止まり、その仕上げを待つ。
まずは、大葉。刺身の儚さが消え、美しさを引き出した。
その後、刺身に吸い込まれる視線を全体に散らさせるかのような食用菊。
漆器に生えるそれらは、文句なしのメインディッシュだった。
ここで、終わりを告げる少年の声
「完成…」
ふっとまた、口元をゆるめるとカメラのほうに目を向け、
「シュライク、凝るっていうのはこういうことだよ」
と呟いて、その動画は終わった。
「凝るっていうのはこういうことだよ…(キリッ)」 「8888888」
「8888888」 「明日の昼休憩が楽しみね…」
「少年もうp主も乙!!」
「もはやプロ。親御さんの顔がいい意味で見たい。」
「さっきから子供がこれ食べたいってうるさいんだけど…」
「このセリフ、なんかかっこいいね」
「これは勝てない。」 「888888888」
「どう見ても俺の同級生です。本当に(ry」
「←kwsk!!」
この後も、順調に再生数は伸び、ここに新たなタグ「凝るっていうのはこういうことだよ」が誕生した。
次の年から、和食料理人を目指す学生にこの動画が見せられるようになったのは、誰も知らなくていい話。
~~~~SIDE OUT~~~~
燃え尽きた。
主likeについては、パッと出てきただけでこれを狙っての名前ではありません。ちゃんと意味…作って…たっけ??
ま、まあ、主likeは狙っていたわけではないとだけ、ご理解を願います。
…別にむきになってたりはしませんからね!!
最後に少しだけ登場したアリサさんと鈴木君に気付いた方は何人いるんでしょうか…
読了ありがとうございました。