二人で一夏   作:超人類DX
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戦闘?

え、えぇ、勢いで誤魔化してますよ?

ていうか、これ……描写が描写になってないと思います。


ドS? 違う、いぢめたいのさ……by完全一体化一夏

『フッ!』


決勝戦の開始を告げるアナウンスと共に、ラウラへと特攻を仕掛ける一夏。
その手には雪片が握られている。


「ふん、この前と同じ……ぬ!?」


迎えてラウラ、この前と同じく直線的な動きで此方に特攻してきた一夏を鼻で笑いながら右手を前へ出そうとするが、途中で止まる。
何故か? それは……。


『お前の相手は後さ……くく、シャルル……貴様から潰させて貰うっ!』

「え、僕!?」

「さっきの会話の流れ的にお前がボーデヴィッヒでは無かったのか!?」


まさかの裏切り。
なんと一夏……ラウラへでは無く、その後方で援護をしようとライフルを構えていたシャルロットへ特攻したのだ。
これには襲われる本人も、味方である箒も驚く。


『ヌハハハ! 会話の流れで俺がボーデヴィッヒさんとタイマン張るだなどと何時から錯覚していた?
くっくっくっ! シャルルのISに搭載されている豊富な武装は厄介だからなぁ……先にそちらから潰させて貰うぜっ! ヒャッハー!!』

「くっ……!? 予想外だよ一夏!」


雪片をブン回し、ぶっ飛ばしたくなるくらいの憎たらしい顔しながらシャルロットへ斬りかかる一夏。
先程までの空気がぶち壊しである。


『後方支援を先に潰すのは戦いの鉄則……そうだろ?』

「ぐっ!? お、重い……」


軽く人間のソレを超えてる一夏の一撃は、これまた予想外に重く、手持ちの拳銃タイプの武器で捌こうとしたシャルロットの手から拳銃が落ちる。


『無駄ァ!!』

「ぐっ!?」


そしてそのまま丸腰となったシャルロットの腹部に、腰の入った強烈なショートフックが入る。
何度も言うが、絶対防御があるとはいえ、衝撃は誤魔化せない。
シャルロットは思わず腹部を抱え、宙に浮かびながらその場に蹲る。
胃の中の物を吐き出しそうになってしまうが、ギリギリの所で踏ん張った。
しかし……。


『ドラァッ!』

「がっ!?」


全く容赦の無い一夏のハンマーブローが蹲るシャルロットの背中へクリーンヒッツ!
余りの威力と衝撃に、そのまま地面へと叩き付けられた。


この間……約10秒の出来事である。


『先ずは、一人……死ねいっ!!』


殺る気満々な声と共に、地に伏せるシャルロットの背中目掛け、零落白夜を発動させた雪片を持って急降下する一夏。


「う……ごほっ!」


まるでトラックに跳ねられたとすら思える程の衝撃を腹部に受け、苦しみから咳き込むシャルロット。
しかし、そこは代表候補生。
痛みはあれど戦えない事は無い。
そう自分に自己暗示をかけたシャルロットは、こちらに向かって急降下する一夏をギンッ! と鋭い目で見据える。


『ハハハハハッ!』


動けない……と思っているシャルロット目掛け、バカ笑いしながら急降下してくる一夏。
それに対し、シャルロットは直ぐ様右手に近接ブレードを呼び出しつつ左手に拳銃タイプの武器を呼び出して応戦する。


『……え、嘘っ!?』


まさかの回復、そして反撃に、一夏は面を喰らう。


『チッ!』


撃ち出される弾丸を雪片を振って弾き飛ばしながら防ぐ。


「僕を見くびられたら困るよ……一夏!」

『くそっ!』


拳銃タイプの武器のマガジンが切れる直前で、高速切替で別の武器を呼び出して撃つ、呼び出して撃つの繰り返しにより、一夏はシャルロットへ近付く事が出来ずに居た。
遠距離に対する対抗法が殆ど無い一夏にとって、この戦法は中々骨が折れる。
プラス、この戦いはタイマン勝負では無い……そう、お互いにペアが居るのだ。


「ラウラ!」


高速切替武装全始動攻撃に一夏がもたつく間に、シャルロットはペアであるラウラの名を呼ぶ。
攻撃を避ける事に神経を集中させる一夏に、周りに気を使う暇を持たせない……それはつまり。


「了解した……全く、てっきり私を狙っているかと思ったのだが、な……」

『っ!?』


レールカノンの照準をピッタリ合わせたラウラに攻撃され放題……という事だ。


『箒!』


しかし、ペアが居るのは一夏とて同じ事。
直ぐに相棒である箒の名を呼ぶ。


「突っ走り過ぎだ……少しは私を頼って欲しいものだな……」

「!?」


一夏の呼び声と共に、既に手は打っていたという表情をしつつ、瞬時加速でラウラの背後に回る。


「私のは訓練機故、余り火力は無いが、攻撃を阻止するという意味では充分だ……ハッ!」

「チッ!! そうは行くか!」


ラウラの持ち味である慣性停止結界も、奇襲には流石に対応は出来ない。
しかし、防ぐ手立てが無い訳では無い。
持ち前の反射神経で箒の斬撃を横に避け、それと同時にシュヴァルツェア・レーゲンの肩部に搭載されているワイヤーブレードで、拘束を試みるが。


「奥義・弾丸すべり……」


特に慌てた様子も無くポツリとそう呟く。
すると、どういう訳か箒を拘束しようとしていたワイヤーブレードは当たらず『箒の身体をすり抜けていく』かの如く通過していく。


「な、なんだと……?」


これにはラウラも驚いた。
完全に捉えていた筈のワイヤーブレードが、拘束する処か掠りもしなかったのだから。
しかも、不可解な現象というオマケ付きだ。


「生身でしか試した事は無かったが……ふむ、どうやら成功だ」


ワイヤーブレードを掻い潜り、一旦距離を置いた箒はニヤリと笑みを溢す。
奥義・弾丸すべり。
己に向かってくる弾丸、それに連なる全ての飛び道具を手を使って軌道を反らし、見た者には『弾丸がすり抜けている』かの様に魅せる奥義。


「何をした……!」

「何を……? ふむ、余り言いたくは無いが、敵の技の正体が分からないからと言って、それを敵に聞くのか?
そしてそれを素直に教えると思うか?」

「……っ!」


全くの正論。
ラウラは返す言葉も無く只顔を歪ませる。
そんな彼女の様子を見て、箒はニヒルな笑みを崩さない。


「なに、私は小細工でも使わんと、時間稼ぎすら出来ぬからな……フッフッフッ」

「く……とんだかくし球だったか、篠ノ之箒……!」

「ふっ、お褒めに預かり光栄だな」


忌々しげに睨むラウラを軽く受け流しつつ、嫌味とも取れる言動で返すら。
良くも悪くも、一夏のキャラに少し染まりつつある箒なのだった。


「一夏がデュノアを倒して此処に来るまで、悪いが私と付き合って貰うぞ?」

「チィッ!」





そしてこちらは一夏サイド。
高速切替の連打に足止めを食らっていたのだったが……。


『URYYYYYYYYYYーーーー!!! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ 無 駄 な ん だ よ ぉぉぉぉぉ!!!!』

「え、嘘? は、速すぎるんだけど……」


全ての銃撃を雪片で防ぎきっていた一夏だったが、突如として例の奇声を叫げたかと思えば、おおよそ人の血が通った者とは思えない目で、シャルロットを見据える。
そこからが、一夏のターンだった。
それまで銃撃を雪片で防いでいたというその行動を止め、ダメージ覚悟の特攻を仕掛け始めたのだ。


『ムゥン!』

「く、くっ!?」


既に何発か被弾している白式。
それでも構わず一夏は、距離を一気に縮めて雪片を斜めに振る。


「す、凄い力だね……咄嗟に盾を展開したけど……」


間一髪で盾で斬撃を防ぐシャルロットだったが、予想通り一夏の一撃はすこぶる重く。
まるでバットでアスファルトのような硬い物を殴った時の様な痺れと衝撃が腕を襲っていた。
恐らく、もう一度でも同じ力で来られたら盾を剥がせれてしまうだろう。


(でも、さっきのやり取りで、一夏には相当なダメージがあるはず……!)


プスプスと、至る箇所から煙と火花が散っている白式を見て、ダメージの有無を確認するシャルロット。
そう、銃撃によって白式にダメージはある筈なのだ。
ある筈なのに……。


『クッハハハ!!』

(うぅ……全くそう思えないのは何でさ?)


一夏の見せる狂気な瞳が、何故かそうさせなかった。
それどころか、逆に自分が食らいつくされそうにすら感じさせる。


(あの目をしている時の一夏は、ただ『獲物を仕留める』とだけしか考えていない……。
それが怖い……でも……)

『オラァッ!!』

(何故か……その目で僕だけを見ていて欲しい……そう思う自分が居る。
フフ……どうしちゃったんだろうな、僕は)


そんな一夏の瞳が心地よいと思い始めていた。
シャルロット・デュノア……目覚めの時は近かった。


『無駄ァ!』


そんな彼女の心境を知るよしも無い一夏は、相変わらずの馬鹿力で両手で持っている盾を文字通りの力技で斬り飛ばす。


「うっ……!?」

『(ニッ) トドメだっ!!』


盾を失い、丸腰になったシャルロットの見てニヤリと笑う。
そしてそのまま首目掛けて雪片を横に振るった。
しかし、ここに来て異様なまでに頭が冴え渡っていたシャルロットは、自分でも驚く程の手際の良さで近接ブレードを手にし、再び斬りかかった一夏の斬撃を防ぐ。


『チッ、そう簡単には殺れねぇか……』

「ふ、ふふ……此処まで来て僕も負けたくは無いん、でね」

『ほぅ……?』


一夏の規格外の腕力では、鍔迫り合いは自殺行為。
既にシャルロットは力負けをして、地に片膝を付いて今にも押し潰されそうになっていた。


「これ以上……一夏に弱いところは見せたく無いっ!」


決して諦めない。
シャルロットは嘗て無い程の強い目をした女へとなった。


『……くくく』


その目を受け、一夏は静かに笑う。


『クックックッ……!』

「……っ!?」


一夏の腕に力が込もる。
織斑一夏は……どちらかと言えばSだ。
そう……Sなのだ。
なので……。


「うっ、く……これ以上押し潰されて堪るか~!」

『ヒヒヒヒヒ!!』


そんな目をした奴を叩き潰すのが、大好きで仕方ないのだ。



『いい声で泣いてくれよ?』




織斑一夏ver完全一体化……ドSモード発動。



オマケ
前回の続き


DQNとドSの融合した一夏に注意



一夏
「……」←ベットに足組んで腰かけながら蔑んだ目で見下ろしている

楯無
「……」←まだ例の格好で床に正座

シャル
「あ、あの……何か飲まれます?」←居たたまれない


楯無
「え!? じゃ、じゃあ--「皿に水道水」……うぇ?」

シャル
「い、一夏……?」

一夏
「皿から四つん這いになって飲みたいんだってさ、この人」

楯無
「ちょっと待って、そんな事言ってな--」

一夏
「あ゛?」

楯無
「い、いえ……何でもありません……。(な、何でかしら、一夏くんに逆らえない)」

シャル
「えと、じゃ、じゃあ皆要らないって事で、ね?」

一夏
「……。てかさ、アンタ何で俺を下の名前で呼んでるの? 何時許可した?」

楯無
「え、そ、それはこんなキュートなおねーさんに下の名前で呼ばれたら喜ぶかなぁって……」

一夏
「は? 何? もっかい言って?」

楯無
「だ、だから……キュートで可愛いオネーサンニ…」←ものっそい真顔で聞き返されて語尾が段々小さくなる

一夏
「は? 聞こえねーんですけど。もっとデケェ声で言えねーの?」

楯無
「だ……から……きゅ、キュートで可愛い…………う、うぅ~!」←決壊寸前

一夏
「う~じゃねーし、早く理由を言えよ、ほら。その無駄に回りそうな口でよぉ!」

楯無
「うわぁぁ~ん!!! 一夏くんの馬鹿ァァァ!!!」←マジ泣き

シャル
「い、一夏!!」 ←流石に見てられなくなった




一夏
「……チッ、こんな程度か……」←メンタルの度合いをチェックしていた外道



第二人格
『強そうに見えたのにねぇ……』←以下同文



数分後


シャル
「大丈夫ですか?」

楯無
「う、うん……」

シャル
「もう、一夏! 先輩でしかも女の子を泣かしちゃ駄目じゃ無いか!!」

一夏
「へーいへい……」←ゲームやってる

シャル
「こらっ! ゲームやってないでちゃんと謝るの!!」←ゲーム機没収

一夏
「あっ!? 折角ミル〇ラース撃破寸前だったのに!?」←反省する気ゼロ

楯無
「い、いいのよ……こんなはしたない格好で一夏くんの部屋に勝手に入った私が悪いのよ……ひっく」←替えの服が無いのでそのまま

シャル
「え、まさかその格好で此処まで来たんですか?」

楯無
「う、うん……」←頬を紅く染める

シャル
「す、凄いですね……なんというか……」

一夏
「なんだ、やっぱ売られたかったんじゃねーか」

楯無
「ち、違うもん! 一夏くんに喜んで貰いたかっただけだもん!」←ちょっと幼児退行している

一夏
「結果はごらんの有り様だけど? ザマァねーな(笑)」

シャル
「一夏っ!!」

楯無
「うわぁぁぁん!!」←大決壊その2

シャル
「仮にも一夏の為(本当はそこら辺についてはちょっぴり無いと思ってる)にやってくれたのに、どうしてそんな言い方を……」

一夏
「いや、ダチの箒やセシリアや鈴や布仏さんにやって貰ったらそら後方8回転返りしながら喜ぶけど、何でこんな知らん奴に喜ばなければいけないわけ?」

シャル
「そ、それでも……ふぁっ!?」←突然一夏に肩掴まれる

一夏
「(コイツの手前、デカイ声じゃ言えないが、ダチってのはお前も入ってるからな……)」←3部格ゲーDIO様ボイスで耳打ち

シャル
「……」←堕ちた

一夏
「あ、あれ? シャルル? …………気ぃ失ってらぁ」

楯無
「くすん……酷いわ一夏くん……」

一夏
「アンタまだ居たの? 帰れば?」

楯無
「この時間じゃ外に人が一杯いて帰れないわよ!!」

一夏
「じゃあ、何で着替えも持たずに来たの? 見られてビクンビクンしたい変態だからしゃねーの? 違うとしたらなんなの? まさか考えて無かったとか言うつもりなの? 馬鹿なの?」←爽やかスマイル

楯無
「う……違うもん……」←決壊その3 寸前


一夏
「あぁ、次泣いたら窓から捨てるよ?」←良い笑顔

楯無
「……っ」←決壊を止める

一夏
「ほう? やれば出来るじゃん」

楯無
「(悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい!! でも……)」



一夏
「で、結局の所何しに来たの? もう変な事言わないから言ってみ?」

楯無
「は、ハイ…………じゃ無かった! えっと、今日来たのは……(終わってみれば何故かそんなに嫌じゃないと思っている私が居るッ!!)」←色々な意味でぐらつき始めた





第二人格
『ふむ、もう3押しくらいで墜ちるな……』←皆の様子を見ているだけ