スポーツのしおり
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【政治】「18歳選挙権」17日にも成立 新たに有権者240万人選挙権年齢を「二十歳以上」から「十八歳以上」に引き下げる公選法改正案が四日、衆院を通過したことを受け、与野党は来年の参院選からの適用に向けた取り組みを加速する方針だ。改正案は参院審議を経て、十七日にも成立し来年には約二百四十万人の未成年者が有権者に加わる見込み。成人年齢や少年法の対象年齢の引き下げについては、慎重に議論すべきだとの声が多い。 自民党の船田元・憲法改正推進本部長は成人年齢や少年法に関し「さまざま検討項目が残っている。そう簡単ではない」と記者団に述べ、時間を要するとの認識を示した。 公明党は近く成人年齢引き下げの是非などの検討に着手する方針だが、漆原良夫中央幹事会会長は記者会見で「統一した方が分かりやすいという考え方もあるが、各法律は目的に従って年齢を定めている」と述べるにとどめた。 共産党の志位和夫委員長は会見で少年法に関し「選挙権年齢と区別して慎重に検討する必要がある。安易に引き下げるべきではない」と強調した。 一方、参院選に向けて若年層取り込みの動きは加速しそうだ。菅義偉(すがよしひで)官房長官は会見で「若者の声が政治に反映されることになり、意義深い」と、公選法改正案の衆院通過を歓迎した。 民主党の枝野幸男幹事長は記者団に「政治に対する親近感を持ってもらう活動が一番大事だ。若い人に政策を分かりやすくどう伝えていくかが問題だ」と指摘した。 ◆消費者教育充実を選挙権年齢の十八歳以上への引き下げが、来年の参院選で実現する見通しとなった。二十歳以上を成人とする民法や、二十歳未満を保護対象とする少年法にも影響が及ぶ。自民党内では関連法を改正すべきだとの議論が出ているが、関門は多い。現状と課題を探った。 「可及的速やかな検討が必要だ」。公選法改正案の実質審議が始まった五月二十八日の衆院特別委員会。自民、民主、維新各党の議員は異口同音に、成人年齢を早期に十八歳とするよう求めた。 引き下げ実現に向け、自民党は四月に特命委員会を新設し、本格的議論を開始。積極派の議員は「世界では十八歳が主流だ。どこかで踏み切らないと、いつまでたっても法改正はできない」と訴える。党中堅も「選挙権年齢と成人年齢は合わせるのが基本だ」と主張する。 だが検討作業は容易ではない。「十八歳成人」が実現すると、何らかの影響を受ける法律は二百本を超えるためだ。自民党筋は「改正すべきかどうか精査するのに時間がかかる」と説明する。 「子ども」として扱われてきた十八、十九歳が成人に加わった場合、トラブルに巻き込まれる可能性が高まるのも悩みの種だ。十八、十九歳が親の同意なしに消費者として契約できるようになり、詐欺被害などが続発しかねない。 「(悪徳商法の怖さを)高校の授業で徹底的に教えるべきだ」。五月二十八日、成人年齢引き下げを検討する自民党特命委では、政府側に注文が付いた。被害防止を図るには、政府による高校生への消費者教育の充実が急務となる。選挙権年齢引き下げに伴う課題は、政治への参加意識を培う主権者教育にとどまらない。 政府は、たばこや酒による若者への悪影響を考慮し、飲酒・喫煙を認める対象年齢は「二十歳以上」を維持する方針だ。若者の飲酒・喫煙を禁じる法律が「二十歳未満」を禁止の対象として明記しており、成人年齢が変わっても自動的に法改正の必要が発生するわけではないという事情もある。 一方、競馬法は「未成年者」の馬券購入を禁じているため、成人年齢が変われば連動して十八、十九歳が馬券を買えるようになる。自民党議員は「世論の反発が出るかもしれない」と危ぶむ。 さまざまな問題をはらむ成人年齢の引き下げをめぐっては、慎重な検討が必要だとして自民党内で拙速を戒める声が少なくない。法相経験者の谷垣禎一幹事長は「成人は権利が拡大すると同時に、保護がなくなることを意味する」と指摘した。 PR情報
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