長野御嶽山に来週、調査隊 本格捜査へ安全確保
昨年九月の御嶽(おんたけ)山噴火で、行方不明となっている六人の再捜索に向けた動きがついに本格化してきた。阿部守一知事は四日、山頂の状況を確認する調査隊を来週に派遣すると発表し、「継続的に家族と連絡を取り、思いを受け取ってきた。行方不明者の発見に向けて全力で対応したい」と述べた。 再捜索は調査隊と先遣隊、捜索隊の三段階で行う。本格的な捜索を開始する前に二度の下見を重ねることで、隊員の安全確保を万全にする考えだ。 九〜十一日の間に予定される調査隊は、火山灰や登山道の状況など基本的な情報を調査する。王滝村側から入山し、王滝頂上から剣ケ峰に向かう計画で、必要があれば追加派遣も実施する。 県警は昨年十月の捜索終了後、遺留品の発見場所や登山者から寄せられた写真などを参考に不明者がどこにいるのか検証してきた。先遣隊は、調査隊が得た山頂付近の情報にこれまでの検証も加え、本格捜索の際の活動場所、手法を検討する。 会見で県の野池明登危機管理監は、再捜索に向けて行方不明者の家族と面談を重ねてきたことを明かした。面談では、意見を聞いたすべての家族が再捜索を望んだという。「ぜひ捜索をしてほしいという強い思いを感じた。家族の思いにできるだけ寄り添った対応をしたい」と話した。 ◆山頂の火山灰、まず把握「火山灰がドロドロなのか、固まっているのか。それが分からないと計画を立てようがない」。県の幹部は再捜索に向けた課題をこう語った。 昨年の捜索では重く泥状にぬかるんだ火山灰によって隊員の活動は妨げられた。火山灰が降り積もったまま冬を越した山頂付近はどうなっているのか。 県の担当者は「山頂の様子はブラックボックス。表面の雪が解けていても中は凍っているかもしれない。火山灰がどうなっているのか、実際のところ分からない」と話す。 昨年十一月の山頂調査に参加した産業技術総合研究所の石塚吉浩・火山活動研究グループ長は「火山灰は粘土分が多く、水分を含むので再捜索のころには、ぐちゃぐちゃに解けているだろう。靴にまとわり付き、転倒しやすくなるのではないか」と推測する。再捜索に向け、隊員の携行品や捜索手法など具体的な計画を立てる必要がある。火山の有識者や気象庁職員を交えた調査隊を派遣するのは、火山灰がどんな状態なのかといった基本情報を集めるためだ。 阿部知事は四日の会見で、「火山灰が冬を経てどういう状況になっているのか、調査隊が行って確認しなければ分からない。基本的な状況を把握した上で次のステップを考えないといけない」と話した。 (小西数紀) PR情報
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