量的緩和の有効性について転向したクルーグマンですが、またもや日本銀行に「おカネをもっと刷れ」と言ったようです。
日本には十分な国内資産があるため、ギリシャのようにデフォルトの懸念にさらされることはありません。それより重要なのはおカネをもっと刷って、デフレから完全に脱却することなのです。
「おカネを刷る」は、実際には日銀が銀行等が保有する国債等を日銀当座預金と交換することを意味します。
今の日銀の異次元緩和は厳密には紙幣印刷ではない。日銀の口座に準備預金が積み上がっているだけで、実際に市中に紙幣がどんどん出回っているわけではないからです。その準備預金も金利がゼロではなくて、わずかながらも金利をつけている、資産の性質から言うと、短期国債と変わりません。この意味で異次元緩和は、長期の国債を買って、それを短期の国債に置き換える操作をしているに過ぎないともいえます。
日銀にリフレ政策を迫っていたかつてのクルーグマンの主張については、過去記事を参照してください。