経団連の記者クラブの３階が復活へ
author : abe-jp-j
2015.03.20 Friday
経団連の記者クラブの３階が復活へ
今の経団連会館の前の古いビルの中に一般紙の記者クラブが３つあ
った。１階に財界クラブ、自動車などを担当する機械クラブ、３階に鉄や繊維、化学を担当する重工クラブ、５階に電力クラブがあった。各社の経済部の記者はこのクラブを中心に取材に走り回っていた。このクラブのうち３階の重工クラブが財界の中で復活した、という声が出ている。というのも経団連会長の榊原定征・東レ会長は繊維クラブに属する。今までは安居喜造会長が経団連の副会長をしたことはあるが会長になるのは初めてである。榊原氏を引き上げた前田勝之助氏も副会長だった。
経済同友会の代表幹事に来年４月に選ばれる小林喜光・三菱ケミカルホールディングス社長は三菱化成の出身である。三菱化成は鈴木永二・会長が日経連の会長を務めて以来、財界のトップについてこなかった。こうした中で長谷川閑史・武田薬品工業会長から小林社長にバトンタッチされ久しぶりの登場と言える。小林氏は若い時にイスラエルに留学するなど変わった経歴を持ちその行動と発言が注目される。
日商の会頭は三村明夫・新日鉄相談役である。新日鉄は当時は重工クラブの取材の中心であった。「鉄は国家なり」の時代で八幡、富士製鉄が競って販売競争を繰り広げていた。両社が合併して新日鉄になった。財界にも稲山嘉寛、斎藤英四郎氏が相次いで経団連の会長になった。その後も今井敬会長が経団連の会長にもなった。今井氏も三村会頭も富士の出身であり新日鉄は財界に対して人材を出し続けている。「重厚長大」から「軽薄短小」の時代になって影が薄かった昔の３階のクラブも久しぶりに注目された。
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美術の秋に二つの美術展を見る
author : abe-jp-j
2014.11.10 Monday
美術の秋に二つの美術展を見る
　
　味の素の木暮正彰さんから電話があり「１０月２７日に味の素の同人が美術展をしているので見に行きませんか？」と誘いがあった。昨年も木暮さんからの誘いで行ったので、今年も行くことにした。木暮さんは味の素の広報室が長く、辞めてからも共通の友人の北沢栄君などと一緒に会っている。会場は中央区・京橋の「ギャラリーくぼた」である。日本記者クラブの食堂で会い食事をしてから行くことにした。木暮さんと同僚だった上原さんも来る予定だったが、別な予定が入って来られなくなった。それで昨年まで広報室長だった加賀谷豊さんを誘ったところ、来ることになった。
　加賀谷さんは食事をした後で別な用事がある、と言おうことで別れた。「悠美会展」の会場に行って作品を見た。１５人が出展している。目玉は味の素の会長である山口範雄さんである。木暮さんとは１９６７年卒の同期である。作品は「梅雨の晴れ間」「樹陰に踊る」でバラの花など静物を描いている。「河への道」は暗い絵である。木暮さんによるとこれは自分の家の近くの絵という。
　山口さんとは木暮さんとの関係でお会いしたこともあり、日本経団連の観光委員長もしていたので、取材したこともある。人柄は絵のバラのようにさわやかである。
　この会場では昔、経団連の担当をした花城康雄さんも「嫁N」「嫁M」「実験カダケス」を出品していた。
　この「ギャラリーくぼた」ではわが母校の日比谷高校の「如蘭会美術展」も偶然に開かれていた。高校の先輩で朝日新聞の社会部で活躍した柴田鉄治さんから「第３０回の記念すべき展覧会なので、私も昔行った南極の絵を出している。日比谷の友人を誘ってきてくれないか？」と言われていた。この日が初日であった。柴田さんの南極の写真は昔撮ったのだが今でもなかなかのものである。この展覧会には日比谷の卒業生だけでなく現役に生徒まで５５人が出展していた。写真を出した１９４１年卒業の小貫員義さんが最高年齢である。見回ったところ１年先輩のラクビー部の湯原直昭さんが陶芸の花器と茶碗を出していた。湯原さんにこうした趣味があるとは知らなかった。朝日新聞で学芸部だった砂山清さんはペン画を４つ出していた。柴田さんによると「なかなかのものでこれを見るだけでも価値がある」という触れ込みだった。このほか私と同期の中村裕一弁護士も油絵を出していた。また、同期の妹尾直行君の奥さんの滋子さんは日本画である。この日はいろいろな絵を鑑賞し楽しんだ。
　　
 
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２００人が集まる大石・東大名誉教授の偲ぶ会
author : abe-jp-j
2014.11.10 Monday
（大学編）
　２００人が集まる大石・東大名誉教授の偲ぶ会
　マルクス経済学が強かった東大経済学部で近代経済学に力を入れて今や一橋大や慶応大をしのぐほどになったことに功績があったのは大石康彦・名誉教授である。日本学士院会員であり東大名誉教授の根岸隆氏（大石ゼミ）は「戦後の東大経済学部の近代経済学の歴史は大石先生とともには始まったといっても過言ではない」と述べている。大石氏は１４年１月１６日に９１歳で死去し、家族で密葬は済ませた。先生のゼミで学んだ生徒は３５年にわたり６３０人に上る。今やアベノミクスの理論的なバックボーンになっている浜田宏一・エール名誉教授、金本良嗣・東大名誉教授、那須正彦・明海大名誉教授や鈴木淑夫・元日銀理事・衆院議員などが呼びかけて１１月２８日午後１時から都内の「ザ・キャピトルホテル東急」で偲ぶ会を開くことになった。
　ゼミ生の中に学界だけでなく金融界、官界などで活躍している人も多いが経済界でも秋山喜久・元関西電力社長、西松遥・元日本航空社長、新福正敞・元富士興産社長などがいる。現役で活躍している筆頭は後藤高志・西武ホールディングス社長だろう。後藤氏は第一勧業銀行に入行し、９７年ころに起きた総会屋利益供与事件の時に行内で「４人組」ということで改革を進めた。後藤氏は「私はラクビーに夢中で勉強はそれほどでもなかった」と話している。
　偲ぶ会にはゼミ生のほかに大石氏が郵政省（現総務省）の勉強会の座長などしていたことから郵政省関係者も来るなどして３００人以上の人が来る見込みである。会場もゼミ生の高橋遠氏が社長をしているホテルで開く。
 
（朝日新聞問題）
 
　朝日新聞はまじめに委員会を開いて討議するのか？
　木村伊量・朝日新聞社長は１０月１５日に新潟市で開かれた新聞協会で「東電福島原発での吉田調書をはじめ一連の混乱を招き、新聞業界全体の信頼を大きく損なわれる結果になり深くお詫びしたい」と座談会の冒頭でお詫びをした。この日、朝日は「徳洲会からの猪瀬・前都知事への５千万円提供の一連のスクープ」で新聞協会賞を受けたが、その喜びは薄かった。
　木村社長は９月１１日の記者会見で朝日新聞の立て直しのために３つの委員会を作りその結果を待って社長を辞任する、と述べた。慰安婦問題では社外の有識者による「第三者委員会」を作った。１０月９日に第一回の委員会を開いた。委員長には名古屋高裁の中込秀樹・元長官が就任し、ジャーナリストの田原総一朗、外交評論家の岡本行夫氏など７人が決まった。この中にノンフィクション作家の保坂正康氏が入っている。保坂氏は日本記者クラブで「今、昭和史から何を学ぶか」というテーマで１０月７日に講演した。保坂氏はその中で「従軍慰安婦問題については、今までかかわらなかった。慰安婦というのは軍の性病対策の上で大きなテーマである。しかし、師団長が兵隊にアンケートを出すと、一番は自由時間がほしいとか、故郷に手紙を書きたいなどで慰安婦については少ない。司令官、将校、兵隊でそれぞれ違う」と述べた。
　講演の後の質問で「今回、朝日新聞の第三者委員会の委員になりましたが、どうして受けたのですか。何をするのですか？」という質問には「頼まれたからやりますが、私の考えちと違うならやめるだけです」と答えた。保坂氏は第一回の会合には欠席だった。
　また、「信頼回復と再生のための委員会」の委員長には販売担当だった飯田真也上席執行役員が就任した。飯田氏はこの６月の総会でナンバーツーの取締役専務をやめたばかりである。こうした人を委員長にする狙いは何か？
　朝日新聞に倒産説
　朝日新聞は倒産するのではないか？という話が新聞業界で出ている。朝日新聞はニュースが遅かったり、特ダネが少なかったりしても内容は正確だ、ということで信用されてきた。こうした読者からの信頼で長年とってくれている人が多い。ところがサンゴ事件から始まり長野総局の田中康夫知事と亀井静香氏との誤報、今回の吉田調書である。その上に従軍慰安婦問題で３２年前のニュースを誤りで取り消すということまで出た。
　販売店からは読者がどんどん減ってゆくという悲鳴が出ている。こうした声があったことから杉浦信之・前編集担当は池上氏の「新聞ななめ読み」を掲載しなかった。このコラムが出れば販売店からの苦情がますます増えるということを心配したようだ、正確にどの程度減っているかは数字が出ていないが各販売店では１００部から２００部減っているようだ。６千店の販売店とすると６０万から１２０万部減っている。
　朝日の新聞広告の大手のスポンサーは、今や商品広告よりも新聞はイメージ広告のために出す。ところが朝日に出すと消費者の人から「どうして朝日に出すのか。お宅の商品は買わない」という声が増えてきている。新聞広告はテレビだけではなくインターネットにも負けている中で信頼を失った朝日の広告は減ってきている。
　こうした販売、広告の落ち込みは経営にボディーブローのように響いてきている。経営破たんした日本長期信用銀行の日下公人・元取締役調査部長は「長銀と朝日新聞は似ています。当時はまさか、と思ったことが起きました。どうなるかわかりませんよ」と週刊文春の中で述べている。
 
　（経済編）
 
　トヨタとホンダが競う燃料電池車
　トヨタ自動車は今年６月に年内に燃料電池車（FCV）を７百万円で発売する、と発表した。公害を出さない車を各社は２０年以上前から研究しているが「本命は電気自動車ではなくて燃料電池車である」（東京ガスの幹部）という。この車は酸素を取り込んで水素と反応させて生み出す電気で走る。水が出るだけで環境には問題がない。
問題は水素のスタンドをどのように普及させてゆくか、水素の安全性に対する利用者の反応である。こうしたことから日産自動車と
三菱自動車は電気自動車を発売している。ところが電気自動車も電気の充電に問題があるのと走行距離が短いことである。
　トヨタによると一回の水素の充電で７００ｋｍ走れる。電気自動車に比べると各段と距離が長い。こうしたことから将来のエコカーの本命とみられており、ホンダも燃料電池車の発売をトヨタに負けずに早ければ年内にも始める。ホンダにとってはハイブリッドカーの「プリウス」で後れを取ったことがいまだにハイブリッドカーではトヨタに追いつけない。９７年１２月にトヨタが発売開始をしたが、当時ホンダも発売する寸前だった。当時の奥田社長がトヨタの技術陣にはっぱをかけて鼻の差でホンダを抜きこの車ではトヨタが世界的に優位に立っている。そのことがあってホンダとしてはトヨタに負けずに年内には発売する予定だ。一方、日産自動車と三菱自動車は電気自動車に力を入れ、燃料電池車に進出する考えはない。
（朝日新聞問題）
 
朝日新聞の宿痾（あ）の大阪社会部
 
朝日新聞が従軍慰安婦問題で木村社長が誤報であったと謝罪しているが、この問題は朝日新聞の大阪社会部が最初に記事にした。３２年前に詐欺師と言われた吉田清治の講演は大阪で行われた。それを取材したのは大阪社会部の記者だった。大阪社会部としてはこのニュースは慰安婦問題として大きいと判断した。韓国の済州島で２００人もの女の人を軍刀で脅して集めた、という内容である。
　ところが東京ではこの記事は使われなかった。東京社会部や政治部が「大阪での講演であり、東京では使う必要がない」という理由である。その後も、産経新聞や現代史家の斧郁彦氏らが吉田氏の講演内容は間違いである、という主張があり朝日としても１３年前に検証をした。東京社会部や政治部はこの記事はおかしいので訂正すべきであると主張したが大阪社会部は「まだ間違えとは言えない」とがんばった。
大阪社会部は大阪本社のある部としての誇りがあり、東京都社会部と何かと対抗してきた。大阪社会部は広島の原爆、甲子園の高校野球、部落問題については東京にない取材源である、とがんばってきた。歴代の大阪社会部の部長は大阪生え抜きが多く、それが大阪社会部を支えてきた。大阪社会部出身の内海紀雄・元専務大阪代表や新妻義輔・元取締役などがドンとして君臨してきた。今回の問題が出て大阪社会部は何をしていたのか？と批判されている。内海氏らは今回の問題でだんまりを決め込んでいる。
（経済編）
　経済同友会の代表幹事に小林・三菱ケミカルホールディングス社長
経済同友会の長谷川閑史（やすちか）代表幹事（武田薬品工業会長）は２０１５年４月に４年に任期を終えて退任する。後任には小林喜光・三菱ケミカルホールディングス社長が就任する見通しである。代表幹事に意欲を示していた新浪剛史ローソン会長が１０月１日にサントリーホールディングス社長に就任したことから同友会の活動は当面断念した。
長谷川代表幹事は櫻井正光リコー会長の後任として颯爽としてデビューした。大阪に本社がある武田から初めての選任であり、その経営手段にも注目されての登場だった。長谷川氏が就任する前の３月に東日本大震災が起きて、同友会もこの復興に力を入れ４月６日には「東日本大震災からの復興に向けて」という緊急のアピールを出した。その中で企業としては被災者・被災地支援、事業活動の早期復旧に全力を尽くすことなどを挙げた。それとともに復興の推進体制として「東北復興院（仮称）の創設を求めた。これが現在の復興庁につながった。
東北復興のための委員会を作り委員長には副代表幹事の木村恵司・三菱地所会長を指名して積極的な活動を展開した。同友会の総会も仙台で開くなど今までにない活動である。
　こうした反面で武田薬品の後継者として英国のグラクソ・スミスクライン幹部のクリストフ・ウェバーを社長として選任した。１０年以上社長・会長として君臨しながら社内から後継者を選べなかったことは批判されても仕方がないだろう。さらに０８年に米国のミレニアム・ファーマシュティカルズを焼く１兆円かけて買収しながら生かし切れていないという問題も出ている。
このところの長谷川代表幹事の経営力についてはとかくの批判がある。
　
 
| その他 | 11:12 | - | - | pookmark |
近藤さんの努力に脱帽
author : abe-jp-j
2014.09.22 Monday
近藤さんの努力に脱帽
　近藤節夫さんは「Japan Now観光情報協会」の活動で知り合った。神奈川県立湘南高校から慶応大学を出て小田急電鉄に勤めそのあと、小田急トラベルで添乗員をして世界中を飛び回ってきた。上司の岡村進氏の誘いでこの協会に入ってきた。最初に会った時に「阿部さんはラクビーをしていたんですね。私もラクビーをしていたんですよ」ということからラクビーの話で会話が進み親しくなった。東大時代に大島くんという湘南出身のラガーメンとの話も弾んだ。湘南高校では大島君の兄弟が活躍していた、という。近藤さんはキャプテンをした後でもラクビー部のOB会の会長もしていた。
　近藤さんが「南太平洋の剛腕投手」（現代書館）という本を８月に出した。メールで「ぜひ、買ってほしい」というのでプレスセンターの下の本屋で買った。この本は旧トラック島（現ミクロネシア連邦チューク島）で大酋長をしていたススム・アイザワ（相澤進）氏が、戦後すぐの時代に日本のプロ野球の「高橋ユニオンズ」の選手をしていたことから物語が進む。相沢氏は自ら「湘南高校で野球をしてプロになった」と話していた。
　近藤さんは湘南出身でプロ野球の佐々木信也氏との接点を見つける。佐々木氏は相澤氏がプロにいたことは知っていたが「湘南で一緒にプレーしたことはない」という。
　この辺については近藤さんも「相澤氏がどこの高校を出たか謎で当時、南洋高校というのがあったのでそこではないか？」とも書いている。
　ここに元総理の森喜朗氏が登場する。森総理の父親の茂喜氏は戦争中にトラック島で守備隊帳をしていて現地の人に慕われていた。森総理の息子の祐喜さん（故人）がミクロネシアの子供の相互交流で行ったところ「モリという人がいて大変立派な人であった」という話になった時に祐喜さんが「それは私のお祖父ちゃんです」という話になり、森元総理が絡んでくる。
　この本を作るきっかけになったのは近藤さんと湘南高校で後輩の川手護氏からたまたま話を聞いてペンクラブの近藤さんが本にした。それにしても近藤さんはこの本についてはメールで知り合いの人に買うようにすすめ、本について評論家の小中陽太郎氏が出版ニュースで書いた内容を送ってくる。その熱心さには脱帽する。１１月１０日には自らが「出版記念会」を主宰してホテルの予約からすべてを仕切った。自らがこうした記念会をすることは珍しい。私はこの日は都合が悪く出られないので、近藤さんを招いて昼飯を食べることにした。
 
| その他 | 15:27 | - | - | pookmark |
両備グループ５６社の代表取締役・ＣＥＯ 　小嶋光信(こじま・みつのぶ)
author : abe-jp-j
2014.09.22 Monday
突然に東京湾を江戸時代に日本の海を走っていた朱塗りの和船が走り始めた。２０年の東京オリンピックで来る外国人を乗せ日本のよさを楽しんでもらう
東京湾に御座船｢安宅丸｣を浮かべる
　両備グループ５６社の代表取締役・ＣＥＯ
　小嶋光信(こじま・みつのぶ)　６８年３月慶応義塾大学経済学部卒。４月三井銀行(現三井住友銀行)入行。７３年両備運輸(現両備ホールディングス)常務。９９年岡山交通社長、０５年和歌山電鉄社長。１１年両備グループ代表兼ＣＥＯ。６９歳。
　―１４年４月から東京湾に突然、朱塗りの和船｢御座船｣が走り始めました。岡山の交通・運輸会社が何故、東京湾なのでしょうか？
　これには長い歴史があります。約２５年前に岡山と香川との間に瀬戸大橋ができました。そこで瀬戸大橋博覧会を催すことになったのです。当時、岡山の青年会議所の理事長だったので何とかこの博覧会を国の博覧会にしようと思い色々な手を使いましたが、それぞれの県の地方の博覧会になってしまいました。それでは大きなパビリオンを作っても直ぐに壊されてしまうということで、当面は瀬戸内海で周遊する観光船を作り将来は東京湾に持っていこうという御座船を作りました。池田家が作った御座船としてよみがえらせたのが｢備州丸｣で、博覧会の時に走らせました。しばらくは瀬戸内海で運行して、東京への進出を狙っていました。
　−どうしてそれが２０年以上も遅れたのでしょうか？
　東京湾で船を発着する場所が満杯でどうにもならなかったのです。私も色々な手を使いましたが場所の権利はダメでした。ところが息子を東京事務所長にして、この船のことを気にかけて、色々やっていました。ある時、｢親父、何とかなりそうだ｣と言ってきた。大学の先輩が東京都観光汽船の社長でその航路を貸してもらえるようになったのです。早速、岡山から東京湾に運んできました。船の名前も瀬戸内海では備州丸でしたが徳川家光の御座船の「安宅丸」に変えました。ところが東京湾に着いた時に東日本大震災が発生して、しばらくは動かせませんでした。
　−船の中でさまざまな演舞劇を見て、江戸時代に出た幕の内弁当を食べるという｢海に浮かぶ芝居小屋｣というキャッチフレーズですが。
　昨年暮れに劇団四季にいた｢ピエロ｣の森健太郎さんがこの船で歌舞伎のような劇をしたいと言ってきました。もともとこの船で芝居を見ながら食事を楽しむという仕掛けなので是非にとお願いをしました。出し物は花魁が出たり端午の時には男の祭りをしたりして飽きないようにしています。
　−値段は高いのでしょうね？
　東京湾の日の出桟橋から昼は１２時５０分出航で約４０分で４千円、夜は７時出航で約１時間３０分で７千円です。このほか食事や芝居がない周遊コースで１時間３０分で２０６０円で済みます。この御座船で東京オリンピックに来る外国の人たちに日本のよさを味わってもらいたいと思っています。
　　
 
| 観光立国 | 15:27 | - | - | pookmark |
８１歳の山口さんの国定忠治の１代記にはびっくり
author : abe-jp-j
2014.09.22 Monday
８１歳の山口さんの国定忠治の１代記にはびっくり
　第一生命の副社長を務め、第一ビルディングの社長で引退した山口隆さんとは、部長時代からの付き合いである。この山口さんとは日本興業銀行の副頭取を務め、興銀リースの社長だった清木邦夫さんと３人で日本記者クラブの食堂などでいろいろな話をする。二人とも「超右翼」でありいつも朝日新聞の論調で激論になる。と言うよりも私が防戦一方と言う形だ。両氏とも｢朝日新聞が日本をおかしくしてきた｣と慰安婦問題などいろいろなテーマで攻撃してくる。
　この会で山口さんが「今度、本を出したので持ってゆく」と８月２５日にその本を持ってきた。山口さんは経済人であり、既に８１歳だ。なんのテーマで本を書くのか、興味深深だった。山口さんはいつも男女の関係の冗談を連発していたので恋愛小説でも書いたのか、とも想像した。ところがこの日に持ってきたのは「赤城山残照―国定忠治一代記」というものだ。
　びっくりした。３４５ページのハードカバーの堂々たる本である。帯には「幕末の絹繁盛の上州で、権力に反抗し民衆を味方に並はれた行動力で駆け抜け赤城を愛しあいされて死んでいった男」とあり「現代に蘇る新たな忠治像」といかにも超右翼の山口さんが書く本である。
　上州は今は群馬県であり、私も４０年前に朝日新聞の前橋支局に２年ほど勤務していたので赤城山はもちろんのこと国定忠治もそれなりに知っていた。ところがこの本を読み始めると今までの博徒として伝えられた忠治ではない面が書かれている。忠治は当時は豊かな養蚕農家を相手にしていたが、他の賭場とは違ってあこぎなやり方はしなかったと、いう。さらに当時の農家の人たちのために領主などと交渉して税金なども安くするように運動もしていた、と言う。
　山口さんは「昨年５月から書き始めて、完成できるかどうかわからなかったので、女房にも言わずに書いてきた。どこで出版するか迷ったが上毛新聞社の幹部を知っていたので、そこから出すことにした。上毛新聞も国定忠治と言うことで了解した」と話していた。７５歳で｢織田信長の棺｣で作家としてデビューした加藤廣さんもデビュー当時から知っていた。作家として文章を書いていた加藤さんとは違い、山口さんは文筆とは縁がないと思っただけに本を出したことに敬服した。本の評判は良く早くも増刷の話が出ている。｢８１歳の山口さんに乾杯｣と清木さんと杯を上げた。
　
 
| その他 | 15:25 | - | - | pookmark |
シニアがジュニアの演奏家を支援
author : abe-jp-j
2014.09.22 Monday
シニアがジュニアの演奏家を支援
　朝日新聞経済部の５年先輩で早房長治さんがある時に「『挑戦するシニアの会』を作るのでメンバーにならないか？」と誘ってきた。早房氏によるといままでいろいろな勉強会をしてきたがスポンサーになる財界人も亡くなってゆき、会を維持するのも大変だ、という。そのために自分たち年寄りのシニアが集まって世直しや若者のために何かをしようという趣旨である。私もこの会に入った。
　この会は集団的自衛権や憲法改正、原発の再稼動などの問題に、月に１回の割合で千代田区３番町の早房さんの事務所に集まって議論する。早房さんが事前レジ目を作りそれをたたき台にする。いろいろな考えの人がおり、議論はいつも白熱する。集団的自衛権については「もっと踏み込んで日本を守るようにしなければ中国からやられてしまう」というものもあれば「今何故この議論をするのか？戦後７０年、戦争もなく来たのに今、何故これが必要なのか？」というようになる。
　この会がコンサートも開いている。３月６日に第一回を開き８０人ほどの人が来て成功した。第二回を８月２９日に開くことになった。このコンサートは赤谷慶子さんが中心になって演奏家を選んでいる。早房さんから「このコンサートを応援してくれる企業を探してほしい」と頼まれた。老人向けに製品を売っている会社を探し「ファンケル」(本社横浜市)に頼みに行った。宮島和美社長はもともとはダイエーの中内功氏の秘書をしており、そのときからの知り合いである。宮島氏は｢何とか協力しましょう｣ということになった。
　２９日はみんなで客集めをした。私は｢イイクラハンドレッドクラブ｣のメンバーの名井博明さんのほか、早稲田大学のグリークラブのＯＢの金岡隆さん、東銀ＯＢの島崎久弥さんなどにお願いした。我が家の女房にもお出ましをねがった。入場料は５００円であり、シニアの会としてはちょうど良い。
　演奏家はヴァイオリンは東京芸大附属高校の高木凛々子（りりこ）さんでピアノは桐朋学園大弦楽部嘱託演奏員の三叉瑛子さん。高木さんは小学校の時に日本演奏家コンクールで第一位になり、１２年にはベートーヴェン国際コンクールで第一になり若手では注目されている。この日奥さんと来た金岡君も「高木さんは有名ですよ」と言っていた。
　曲はバンガニーニ、サンサーンス、クライスラーなど演じたが最後に弾いたストラビンスキーの曲は２０分にわたり一番力を入れていた。女房は｢若手の力強さが良く出ていた｣と言っていた。高木さんが日本のヴァイオリン演奏者として大成することを祈った。
 
| その他 | 14:25 | - | - | pookmark |
桐山さんの追悼ゴルフ会
author : abe-jp-j
2014.09.01 Monday
桐山さんの追悼ゴルフ会
　日経新聞のロサンゼルス支局長をし、日経ＣＮＢＣ社長を務めた桐山勝君が１２年１月１６日に死んで１年半になる。桐山君とは三菱商事ＯＢの日高一雄さん、日経ＯＢの宮内章好さんと私で｢日高会｣と言うゴルフの会を年４回ほど場所はそれぞれのゴルフ場でプレーをしてきた。最初は２０００年１０月だから１０年以上になる。この会が最後にしたのは１２年１０月３１日である。桐山君のメンバーコースである｢ブリック&ウッド・クラブ｣（ＢＷＣ）である。
　この日桐山君は調子が良くて１ラウンド９７で回り、私よりも１打良かったほどである。彼には６打のハンディーをあげでプレーしているので、大負けした。日高さん、宮内さんも９０台で桐山君の大勝であった。プレーの後も元気そうに食べ飲んでいた。この年の１２月に安倍晋三首相の奥さんの昭恵さんが千代田区・神田で居酒屋をしているので見に行こうということになり、１２月上旬に神田に近い｢天亭｣と言う店で会うことになった。ところが桐山君から「調子が悪いのでいけなくなった。３人でやってくれ」という連絡があった。３人で｢桐山君はどうしたのだろうか。風邪でも引いているのかな｣と別かれた。
　それが１３年１月１６日に肺がんで死んだという知らせをもらいびっくりした。この辺のことは１３年２月５日のこのコラム「相次ぐ知人の死」で書いた。
　日高さんなどと桐山君の追悼ゴルフをしようということでお盆の８月１５日に最初にプレーした｢東京ゴルフ倶楽部｣でやることにした。桐山君と親しい日経で同期の長谷川洋三君(元ワルシャワ特派員、編集委員)に声をかけたが都合が悪いということになった。このほか２，３人の人に声をかけたがいずれも都合が付かなかった。日高さんが「桐山君とハワイで一緒にプレーした女房の典子にしよう」と言うことになった。
　桐山君とは花粉症で３月からハワイに行く日高さんの別荘で、ゴルフをした。０５年３月１６日から２０日、０６年３月９日から14日、０７年３月１３日から１９日と１週間近く「ワイメアラ」「ワイコアラ・ビレッジ」などで典子さんと楽しくプレーをした。
　この日のプレーに桐山君と一緒に撮った写真を持って行き、みんなで桐山君を偲んだ。｢桐山君の奥さんの通子さんを慰めよう｣と言う日高さんの発案で、１０月に会うことになった。桐山君の思い出は１年半たっても尽きない。
 
| その他 | 06:42 | - | - | pookmark |
｢岡目八目｣を書いていたことを思い出す
author : abe-jp-j
2014.09.01 Monday
｢岡目八目｣を書いていたことを思い出す
　公益法人協会のマスコミ懇談会が７月８日に開かれたことを前回に書いた。太田達男理事長の話が終わった後で、立食懇談会になった。飲み物と簡単な食べ物が出ていた。こうした懇談会では飲み物を飲むが食べ物は手につけない。出席している人と話すのが目的であり、食べる時間がない。
　この懇談会で松岡紀雄・神奈川大学名誉教授と会った。松岡さんは松下電器で広報関係の仕事をしていたことから親しくなった。神奈川大の最終講義にも出席した。昨年秋ごろに松岡さんから横浜で宮城まりこ子さんが経営している｢ねむの木学園｣の作品展をするので寄付してほしいと頼んできた。宮城さんには私が東京ロータリー倶楽部にいたときに、講和に来てもらった。九段中学の後輩の直井君が宮城さんを応援しているので、そのルートでお願いしたところ引き受けてくれた。こんな縁があったので、松岡さんの要請を快く受けて１万円送った。この日、松岡さんは公益法人協会の関係者として出席していた。松岡さんは「皆さんに応援してもらったおかげで４００万円以上集まり、余ったお金はねむの木学園に寄付しました。皇后様も着ていただき感激しました」と嬉しそうだった。
　国際草の交流センターの驫木ひろ子さんが来ていた。このセンターは｢ジョン万次郎ホイットフィールド記念｣の仕事を主にしている。ＮＨＫの谷村啓君が轟木さんと知り合いだったのでジョン万次郎の話になった。ジョン万次郎は米国で教育を受けて、日本に帰ってきていろいろな仕事をした。「当時の漁師の子供が米国で教育を受けて、その後、大活躍するのだから優秀だったのですね」と話が盛り上がった。
　この日、協会の広報誌である｢公益法人｣が配られた。４月号では創刊５００号記念と題して５００号の軌跡が書かれていた。私はこの広報誌に｢岡目八目｣という欄を書いていた。毎日新聞の三浦正巳記者(社会部)と日経の青柳潤一記者(学芸部)と回り持ちで書いた。当時担当していたのは事務局の土肥さんだった。土肥さんは原稿が遅れると「阿部さん、原稿まだですか？」とたびたび電話してきた。土肥さんは定年で協会を辞めていた。日経の青柳さんは死去した。三浦さんとは連絡が取れないので今回呼ぶことができなかった、と言う。事務局の長沼次長は｢土肥さんのことを覚えてくれていたんですか｣と喜ばれた。
 
| その他 | 06:41 | - | - | pookmark |
１００歳のスイマーに敬服
author : abe-jp-j
2014.09.01 Monday
１００歳のスイマーに敬服
　東京大学経済学部で大石泰彦ゼミで一緒であった橘高克幸君と長岡宏行君と７月３１日に日本プレスセンター１０階のアラスカで会った。橘高君とは朝日新聞で１年後輩の佐野洋司君と一緒に時々会っていた。ところが佐野君は兄の佐野主税（ちから）氏が７月７日に死去したことなどから、しばらく会えないということになった。橘高君とは大石泰彦先生が１月１６日に死去したことから｢お別れ会｣をすることの連絡で会う約束をしていた。
　橘高君から「長岡をつれてゆくから」と言うことでこの日の会合になった。長岡君とは久しぶりである。卒業してから大阪に本社のある住友化学に入社したことで会うことも少なかった。長岡君は顔色もよく元気だ。
　会うと直ぐに「お袋が１００歳で元気に泳いでいて世界マスターズの記録を次々に塗り替えているんだ。今度、本も出した。それを持ってきた」と話す。長岡三重子さんというのが母親である。朝日新聞などで今年の１月３日に「ひと」の欄で｢９９歳で水泳の世界記録を１１個持つ｣と紹介され、その中で長男の宏行さんに勧められ水泳をしたと書かれていた。
　頂戴した本は「私は１００歳　世界最高の現役スイマー」（光文社）である。７月１７日に出たばかりである。長岡君の話では５３歳で夫をなくして、家業の藁（わら）の加工品のおろし問屋を女でひとつで経営してきた。８０歳の時にひざを痛めて息子の長岡君がリハビリに水泳を勧めた。それからは好きだった能楽を止めて水泳一本で訓練してきた。９０歳で世界マスターズで銀メダル、９２歳で金メタルを取った。９５歳で９５−９９歳の部で世界記録２９、日本記録４７本を獲得した。
　３人が会った日の７月３１日に八重子さんは１００歳になった。今年に入ってからは１００−１０４歳の部に初参加している。１００−１０４歳部門では世界記録は５０�辰稜惘砲�と自由形があるだけであり、記録を塗り替えるのは間違いないだろう。
「１５００メートルを完泳」したことをきっかけで本を出した。｢百すぎて　熱と力で　希望の丘へ｣という文句が書いてある八重子さんの記録集も頂いた。
　この日の会合では八重子さんの話で盛り上がり、大石先生のお別れ会については１１月２８日にするので出て欲しいと伝えただけだった。
 
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