ANA:「おもてなし」を科学 乗務員の接客、東大と研究
毎日新聞 2015年06月04日 21時57分
全日空のグループ会社「ANA総合研究所」(東京都港区)と東京大は4日、客室乗務員の接客行動を分析する共同研究を始めると発表した。客が希望するサービスを先回りして提供する「おもてなし」を科学的に分析し、人材育成に生かすのが狙いだという。
2020年の東京五輪開催などで日本ならではのおもてなしに注目が集まっている。東京大人工物工学研究センターの原辰徳・准教授(サービス工学)らはおもてなしとは「相手の欲求に気づくこと」との仮説を立てた。
共同研究では、ベテラン乗務員に小型装置を付けてもらって機内での行動パターンを記録したり、客が求めるより先に冷たいおしぼりや飲み物を提供した乗務員に、客の欲求に気づいた理由などを聞き取ったりする調査を1年かけて行う。結果を蓄積して、おもてなしができる人の共通点を探るという。
ANAグループ広報部は「お客様へのサービスのコツは、先輩から後輩に口頭で伝えられることが多かった。研究成果を効率的な人材育成に生かしたい」と話している。【斎藤広子】