米リニア構想:州知事が山梨で試乗 実現へ前向き発言
毎日新聞 2015年06月04日 21時08分
日本政府が推進する米ワシントン−ボルティモア間の超電導リニア新幹線構想を巡り、地元メリーランド州のラリー・ホーガン知事が来日し、4日に山梨県の実験線でリニアに試乗した。試乗後に記者会見したホーガン知事は「忘れられない体験をした。実用化に向けたステップに進みたい」と述べた。メリーランド州はリニア新幹線構想に参画し、米連邦政府に高速鉄道向けの補助金を申請。交付が決まれば、ルート選定などを始める。
ホーガン知事はこの日午前中、安倍晋三首相を表敬訪問。午後は山梨県都留市の実験線で、JR東海の葛西敬之名誉会長らとリニアに試乗した。JR東海によるとホーガン知事は「補助金の交付については楽観している」と強調。日本側からの投資にも期待をみせたという。
日本政府は米リニア構想を「日米同盟の象徴」と位置づけ、安倍首相が訪米時にトップセールスを展開。JR東海の関連技術の無償提供などを提案している。日本側は、ワシントン−ボルティモアを20分以内、将来はニューヨークまで1時間程度で結ぶことで「慢性的な渋滞を改善できる」と説明している。ただ、総事業費が1兆円規模と巨額なことから、米政府内では慎重論が根強い。【山口知】