【長崎聯合ニュース】日本が「明治日本の産業革命遺産」(全23施設)の世界文化遺産登録を推進する中、産業革命遺産の一つ、三菱重工業長崎造船所(長崎市)を3日、訪問した。韓国政府は朝鮮人の強制労働の歴史を無視し、産業革命施設として美化することに反対しているが、造船所の資料館は、朝鮮人がここへ強制動員された事実を一切取り上げていない。
史料館は、時代やテーマ別に約10のコーナーに分けて造船所の変遷を紹介しているが、朝鮮半島に侵略し植民地支配を行った歴史的背景を無視し、長崎造船所が建造した主要船舶や技術力を強調することに焦点を当てている。
展示物の中には徴用通知書に当たる「徴用令書」がある。だが、徴用対象者の欄には朝鮮人ではなく日本人と思われる名前が記載されている。
史料館の案内員に朝鮮半島から動員されこの造船所で働いていた労働者に関する展示物はないのか尋ねると、多くの人が一緒に働いていたため特定地域の出身者を区別して取り上げてはいないという趣旨の答えが返ってきた。
また、侵略戦争を正当化し、日本が加害国であるという事実を忘れているかのような展示物もあった。
「戦艦武蔵コーナー」では太平洋戦争終結までに世界最高水準の戦艦80隻を建造したとしながら、魚雷なども展示している。
造船所の周辺地域では遺産登録の経済効果に対する期待感が垣間見えた。
長崎市内のレンタカー業者は世界文化遺産への登録勧告が出されてから予約や訪れる人が増えたと話した。