MERS開城団地流入防止へ 北が熱測定装置の支援要請

【ソウル聯合ニュース】韓国での中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染拡大を受け、北朝鮮が南北経済協力事業の開城工業団地に出入りする韓国側関係者の感染の有無を確認するため、熱を測定するサーモグラフィーを支援するよう韓国に要請した。韓国統一部当局者が4日、明らかにした。

 韓国政府は昨年11月にもエボラ出血熱対策として、北朝鮮の要請を受けサーモグラフィー3台を貸与しており、今回も要請に応じるものとみられる。

 同当局者によると、すでに韓国側の南北出入事務所にサーモグラフィーが設置されており、貸与されるサーモグラフィーは北朝鮮側の出入事務所に設置される見込みだ。

 北朝鮮は外貨稼ぎのため中東地域に多数の労働者を派遣しており、韓国でのMERSの広がりにも神経を尖らせている。朝鮮中央通信は先月23日に初めて韓国でのMERS拡大について報じて以降、継続して報道している。

 このため北朝鮮が今後、開城工業団地への出入りを禁じたり、7月に韓国南西部の光州市で開催されるユニバーシアード夏季大会への応援団派遣を取りやめたりするなど、南北交流に悪影響を及ぼす可能性もある。

 ただ、統一部当局者によると、MERS感染拡大を受けて、北朝鮮が開城工業団地に出入りする人員を制限する動きは、現在のところみられないという。

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