MERS:検疫強化 空港など、韓国での接触者確認

毎日新聞 2015年06月04日 19時38分(最終更新 06月04日 23時44分)

MERSが発生した韓国からの帰国・入国者ら(左)に注意を呼びかける検疫所の掲示=羽田空港で2015年6月4日、山本晋撮影
MERSが発生した韓国からの帰国・入国者ら(左)に注意を呼びかける検疫所の掲示=羽田空港で2015年6月4日、山本晋撮影

 韓国での中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染拡大を受け、厚生労働省は4日、空港や港に到着した韓国からの入国者などに対し、現地で感染疑いのある人と接触したかなどを確認するよう全国の検疫所に通知した。厚労省は「韓国での感染は限定的で、すぐに日本に流入する状況ではない」との見解だが、警戒を強める必要があると判断した。

 厚労省によると、検疫所は韓国からの入国者などに、現地でMERSに感染した疑いがある人と接触したかを確認。該当者に38度以上の発熱やせきなどの症状があれば、感染症法に基づいて入院措置がとられ、国立感染症研究所などが血液を検査する。

 症状がない場合でも接触歴があれば「健康監視」の対象とする。毎日2回ずつ14日間、体温を測り検疫所に報告してもらう。

 また、厚労省はこれまで国内の医療機関に対し、発症が疑われる症状があり、14日以内に中東地域に滞在していた患者がいた場合、保健所への届け出を求めていたが、今後は対象を中東地域以外にも広げることを決めた。

 MERSは2012年にサウジアラビアで初めて報告されたウイルス性の感染症。世界保健機関(WHO)によると、今月1日までに20カ国以上で1154人の患者が確認され、少なくとも約4割にあたる431人が死亡した。【古関俊樹】

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