韓国産牛乳、1年ぶりに対中輸出再開へ

中国の殺菌方式に従い生産ライン拡充

 昨年5月から中断していた韓国製殺菌牛乳の中国向け輸出が、約1年ぶりに再開されることになった。中国が要求した殺菌方式に従い、メーカー各社が生産ラインを拡充したためだ。

 農林畜産食品部(省に相当)は3日、南陽乳業、ソウル牛乳、延世牛乳の3社が中国政府の定める方式で牛乳を生産することになり、中国当局に登録を済ませたと明らかにした。3社は準備を経て今月半ばごろから牛乳の対中輸出を再開する予定だという。

 韓国メーカーはこれまで、主に130度以上で2-3秒間殺菌する超高温殺菌を採用していた。この方式で製造された韓国製牛乳は中国で新鮮で味が良いと評価され、対中輸出量は2011年が138トン、12年が1948トン、13年が4941トンと増加を続けた。

 だが、中国が昨年5月1日から海外乳製品生産者の登録制度を導入し、韓国メーカーの殺菌方式を問題視して輸出を禁止した。中国は生乳を72度で15秒間殺菌する自国の高温短時間殺菌を採用するよう要求、韓国メーカーが生産ラインを拡充して対応したため、輸出が可能になった。

 牛乳の対中輸出が再開されれば、韓国に残っている在庫の処理も進みそうだ。農林畜産食品部のカン・ヘヨン輸出振興課長は「中国人は韓国の牛乳を『プレミアム製品』と認識しており、中国での需要は大きい」と話している。

 農林畜産食品部によると、韓国国民1人当たりの牛乳消費量は13年の33.5キロから14年には32.5キロに減少した。だが、生産は減っていないため、粉ミルクなどとして残っている在庫量は13年の7328トンから14年には1万8484トンと2倍以上に増えた。

郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者
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