日本では「学者バカ」と言う。時の総理、吉田茂氏は、東大総長を「曲学阿世の徒」と決め付けた。ところが、韓国では「学者」と言うと「万能なる賢者」のイメージがある。韓国マスコミが「日本の学者が『慰安婦は強制連行』と認めた」と狂喜したのは、そうしたイメージ格差の悪用にとどまらない。日本の左派と、韓国マスコミの“節操なき相互利用”を見せ付ける醜態であり、韓国人を知的奈落に落とし込む、滑り台だ。
「日本の歴史学者6900人『慰安婦強制連行を認めるべきだ』」(中央日報、5月26日)、「日本の歴史学者1万3800人、慰安婦は『強制連行された』」(ハンギョレ新聞、5月26日)…などなどと、韓国では右の新聞も左の新聞も大はしゃぎした。
日本の歴史学者の数が6900人と1万3800人…。なぜ、2倍の差があるのか不思議だ。が、その前に、ほとんどの日本人は「日本の歴史学者」がそんな決議をした事実も知らない。
当然だ。日本の「大」新聞では「朝日」しか報じなかったと韓国紙が書いているのを見て、ようやく私も、そんなことがあったのかと知った。
「日本の歴史学者」とは−大学教授+民間の泰斗(たいと=その分野の第一人者)と、私は思うのだが、歴史学科がある日本の大学は50あるかどうかだろう。一般教養の教授として大学に在籍する「学者」もいるが、1万3800人も…。
韓国紙が狂喜する事実の中核的行為者である、日本の「歴史学研究会」とは、どんな存在なのか。HPを見た。