■政府経済チームは何をしているのか
専門家は円安ショックによる輸出減、MERSによる内需心理低迷を経済非常事態ととらえ、政府の経済チームが政策を総動員し、景気回復の火種を絶やさないようにすべきだと提言した。
姜万洙(カン・マンス)元企画財政部(省に相当)長官は「円安に対抗し、政策金利引き下げなどあらゆる手段を講じなければならないが放置している。韓国政府や中央銀行の無作為はおかしいという指摘が外電から聞かれるほどだ」と述べた。大韓商工会議所の李東根(イ・ドングン)副会長は「企業が最も心配するのは円安だ。政府は6月末までに輸出総合対策を発表するとしているが、確実な対策が示されるか心配だ」と語った。
延世大の金正湜(キム・ジョンシク)教授は「MERSによる経済ショックを防ぐためには、追加補正予算を含むあらゆる手段を検討する姿勢で臨むべきだ」と指摘した。追加利下げを実施した上で、追加補正予算を編成し、資金供給を増やすべきとの意見だ。
しかし、企画財政部の周亨煥(チュ・ヒョンファン)第1次官は3日、ソウル市の銀行会館で開かれたセミナーで、追加補正予算編成の可能性について、「MERSが経済に与える影響を関係官庁と点検している」と述べるにとどめ、回答を避けた。韓国銀行も「常にMERSの影響を鋭意注視している」という説明ばかりを繰り返している。
韓国経済研究院の権泰信(クォン・テシン)院長は「政策金利引き下げに触れると、家計債務が問題になり、追加補正予算に触れると、財政赤字が問題になる。輸出低迷にMERSが重なった状況で政府が一度も刀を抜けずにおり、経済主体が疲弊しつつある状況だ」と述べた上で、「現政権の経済チームと韓銀が果断な対応を取り、政界の協力を得て、経済を再生するために総力戦を展開すべきだ」と呼びかけた。