宮間あやが語る澤との絆、代表への思い
女子W杯に挑むなでしこ主将<前編>
FIFA女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会に出場する日本女子代表(なでしこジャパン)のメンバーに選出された宮間あや(岡山湯郷Belle)は、5月3日に岡山県美作市内で行われた記者会見で、W杯への目標をこう語った。前回大会では米国やドイツといった強豪を破り、見事に初優勝。日本に歓喜をもたらした。あれから4年が経過し、なでしこはディフェンディングチャンピオンとしてW杯に挑む。果たしてどのような結果が待っているのだろうか。
男女含めて史上初の6度目の選出となった澤穂希(INAC神戸)や仲間との絆、W杯について、宮間が自身の思いを明かしてくれた。
澤から継承した“なでしこ魂”
自分としてはキャプテンとして過剰に意識しているわけではありません。ただ、もし何か起こった時には、チームを守れる存在でありたいと思っています。
――チームを守れるとは?
キャプテンというのは監督に意見を伝えるときも、審判に対して何か言うときにも、先頭になって交渉したり、行動を起こすのが役割だと思っています。何かがあった時にチームを守れる存在です。私はどちらかというと全員の意見を聞いてしまうタイプなので、チームが少しまとまらない状態がありました。そんなとき、前のキャプテンである澤選手から「一番大切なことは、日本代表チームという誇りと、日本代表チームを守ることだよ」と言われたことがありました。
――それはW杯が終わった後?
そうです。キャプテンになってからです。日本代表に選ばれたからには厳しさが必要ですし、日の丸がついたユニホームに袖を通す以上は、絶対に持っていなければいけない“誇り”があります。それをチーム全員に忘れさせてはいけないとも言われました。今でも何かあれば質問しています。
――“なでしこ魂”の継承ですね。
そうですね。だから自分もきちんとみんなに、また下の世代へ伝えていかないといけない。今はそれを強く感じています。
――では今回、澤選手が選出されたことは?
一緒にプレーできることがうれしいです。とにかく、いるといないで大違いです。少なくとも私はそう思っています。私にとっては何でも聴いてもらえる、本当に尊敬する存在。澤選手と同じクラブチームになったことはないですけれど、一番長く見てきたつもり。澤選手が「今、何がしたいか」は一番分かっているつもりです。
教訓となった東アジアカップの惨敗
あの東アジアカップは、メンバー間のズレが大きかった。全員の向かっている方向が一つではありませんでした。その後のナイジェリア代表との1試合目で澤選手と近賀ゆかり選手(INAC神戸)が復帰して、もう一度原点にかえろうと話し合いました。12年のロンドン五輪などでは、相手が警戒して対なでしこの戦い方をやるなか、こちらのプレスが効きませんでした。やはりサイドハーフから守備を始めなければいけない。そこの質を上げれば違う展開が生まれるのではないかとも思いました。
――ナイジェリアとの2試合で、やっとなでしこジャパンらしさが戻り、アジアカップ初優勝へとつながったと思います。
アジアカップは途中まで大儀見優季選手(ボルフスブルク)がメンバーでしたが、基本的に国内組で戦いました。ただ優勝こそしましたが、試合をコントロールして勝ち切った試合はありません。あのチーム状態では、もう一度世界チャンピオンになることはできない。課題が多く見つかった大会です。
――このアジアカップで大会MVPに選出。その賞金をユニセフに募金されたのも宮間選手らしいなと感じました。
何か賞をいただいたら、その時のチームメートのおかげ、みんなでもらった賞だと思っています。賞金は出るとは聞いていなくて、すぐ澤選手に「寄付しようと思っている」と話したら「いい考えだと思う」と。例えば自分が個人でどこかに寄付しようと思ったら「宮間あや」の名前だけです。なでしこジャパンで活動した中でいただいたものを寄付すると「宮間あや」の前に「なでしこジャパン」が付く。女子サッカーの認知度が上がればと思い、そうしました。
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2015年6月5日1時15分 更新
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