COUNT DOWN4:オルタナティブにデジタルに生きる
こんにちは。 さて、GWも明けて(まだの人もいるかな?)ちょっぴりお疲れ気味の方も多いかと思いまする今日この頃。私にいたっては、昨日はイベント、今日は遠足と子供のイベント関係で早起き&お弁当が続いて、ちょいお疲れ気味。早く来てきてWEEKENDな感じ。 だがしかし!私は今週末、何も予定がないのです。ルルルーン。 ま、そういうときはたいてい漫画の爆読みしたり、小説を何冊も用意してちょこちょこ読みしたり、雑誌をスクラップしたり...って結局なんだかんだと本まわりのことをつらつらつらつらとやってるんですけど。 今週もう一度、というか何度も読み直そうと思っているのが我らがaggiiiiiiiの手がけるZINE、「KAZAK」です。(代官山のTSUTAYAで手に入るよ!)おなじみ我らがVOGUEGIRL.JPのコラム金曜の夜はaggiiiiiii散歩で人気のアギちゃん。毎週原稿と抜群のセンスのイラストが届くのを楽しみにしている私ですが、彼女とはソフィア・コッポラの『ブリングリング』ZINEをきっかけにして、不思議なご縁が重なって知り合う事ができました。 自分で言うのもアレですが、そっち系の(西海岸のスケボーとか音楽とかファッション)カルチャーには、けっこう詳しい。と、自負していたのですが、この人にあって、自分あまちゃんだよ。って思いました。「あ、知ったかぶってて、さーっせん!(すみません)」と素直に土下座してしまうくらいの、ガーリー・カルチャー・グル。はじめて、彼女から手渡しで「KAZAK」をもらったときの感動と驚きといったら! 「げ!こんなん作られちゃったら、そこらの編集者どうするのよ」 というクオリティと知識のすごさ。そして何より先見の明があり、早い早い!(ネタがね)びっくりしました。彼女のイラストは時に手書き、ときにMACによってあがってくるところもおもしろい。なんていうか、オルタナティブでいて、きっちりデジタル。記事の中身もブロガーやネットからの引用も多く、本当にいい塩梅のコンテンツ。でも紙の選び方とか、イラストが作りがすごく素朴。そのバランスが、本当に“今”だな、というか「出たー!震撼の新世代なり〜」って思ったんです。 かつて、私とアギちゃんのグルであるソフィア・コッポラのパピーこと巨匠フランシス・フォード・コッポラが何かのインタビューで 「これから時代がデジタル化して、誰もがハンディカムで映画を作れる時代になる」と仰っておりました。 が、本当にそんな時代がやってきたのですね。と、私はこのZINEを読んで思っちゃったんです。デジタルマガジンがこれだけ普及しながらも、一方でZINEも大ブームを巻き起こしているというユニークなこの社会状況。 私はよくトークショーでデジタル化した現在を「全国民、エディター状態」 と形容しております。というのは、誰もがブログを書き、SNSで自分の思想を発表し、言論統制なく(微妙にね!)、国の壁も、言語の壁も越えていける今になってしまったから。もう自分の意見を一言ツイートしただけだって、立派なパブリッシングですよね。だってそれが世界の誰にも届くんだもん。事件になるのだもの。世界を動かせるのだもの。しかもみんな今、原稿うまいですしね。書き慣れてるから、うちのインターンも原稿すらすら書いちゃう。びっくりですわ〜。しかも早い早い、情報拡散!というか、情報をとりにいく貪欲さが凄い。 という一方で、我らプロの編集者としては、プロだからこそ、情報を如何に拾って、その編集という名の通り、如何に編んで読者の方に商品として提供するかが本当に問われる時代になり、ますますこれから厳しい時代がやってくるでしょう。だって、誰もがそのすべを持ってしまっているのだもの。だからこそ、それを上回る莫大な知識、オリジナルなセンス、知恵、そして情熱がないと!って私も本当に焦ります。 けれど、ソフィア・コッポラ(映画監督というパパがいながらだけど)という、名も無い少女が、「ヴァージン・スーサイズ」で世界を震撼させ、今度その姪っ子も見よう見まねで映画を作ってしまった。無名だったレナ・ダナムだって、今は世界中のガールズたちのリアルな心の代弁者。まさデジタル世代の恩恵だよな、と思いつつも、彼女たちが描き出す世界はあくまでいつだって変わらない普遍的な、少女たち誰もが持つひりついた痛みや、甘さや酸っぱさ。そこが面白いですね。 これを読んでいるあなただって、SNSやインスタしちゃってる以上は、ある意味編集者なんですよ! というと、自分にもチャンスが回ってきた良い時代だなって思いませんか? ちなみにアギちゃんは最新号の「KAZAK」ではフェミニズムの第三ウェーブなる、私も頭を抱える壮大なテーマに取り組んでいて、これまたため息もの。 さあ、明日はコーヒーとクッション、「KAZAK」を片手に、さあ次なるガーリー・カルチャーの行方は? と、もう一度考えてみたいと思っています。 みなさまも良き週末を! |