一郎・太郎「アナログが大事」マイナンバー制度懸念で意気投合
「生活の党と山本太郎となかまたち」の山本太郎参院議員(40)、小沢一郎衆院議員(73)の両代表が2日、国会内で会見し、日本年金機構がサイバー攻撃され、年金受給者や加入者の個人情報約125万件が流出した事態を問題視し、政府が導入を目指すマイナンバー制度に懸念を示した。
山本氏はかりゆしウェア、小沢氏はスーツ姿とバラバラだったが、両者の息はピッタリと合っていた。個人情報の流出が、2007年に起きた「消えた年金」問題に発展する恐れについて報道陣から問われ、両者はそれぞれ見解を述べた。
山本氏「125万件から(流出情報は)もっと増えるかもしれない。(ずさんな管理を)サイバーアタックをどう防御するかという問題にすり替えられそう。あってはならないことが連発する(安倍)政権だから。(「消えた年金」の再発は)あるんじゃないですかね? 小沢さん」。
小沢氏「んー。あるんじゃないですか。みんなコンピュータに(情報を)入れ込んでそこに盗っ人が張り込んでくるんでしょ。なんで切断できないのか。シロウトの考えだけど、ハッカーにやられちゃいけないものはつながなきゃいいと思うんだけど」。
山本氏「おっしゃるとおり。紙での管理でもよいと思う。シロウトと言いながら本質のことを言われたと思う」。
小沢氏「アナログが大事。人間はアナログだから。デジタルと両方使うべきだと思うな」。33歳も年の離れた両者は意気投合してうなずき合った。
心配されるのは、政府が個人情報番号の一元化を目指すマイナンバー(社会保障・税番号)制度と年金機構との連携が実現した場合だ。マイナンバーが導入されれば基礎年金番号と結びつけられ、流出した場合は、住民票などの情報も流れる危険にさらされる。
内閣委員会で疑問を投げかけている山本氏は「どうして無理に一つの番号でくくろうとするのか。設定自体がおかしい。企業側に情報として売っていく。これは企業に利活用させる金もうけの話ですよ。もっと大きい被害が出る可能性がある。皆さんへの監視が高まるだけ。分野別にしたほうがリスクが分散される、と言ってるけど、(政府は)分かろうとしませんね」と警鐘を鳴らした。