くらし☆解説「ケネディ大使のメッセージ」 2015.05.26


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
「くらしきらり解説」です。
きょうのテーマはケネディ大使のメッセージです。
道傳愛子解説委員です。
道傳さん、ケネディ大使といえば初の女性大使ということで注目を集めましたね。
道傳⇒伝説的なケネディ大統領の長女、オバマ大統領にも近いということで当初、大きな期待が集まりました。
これまで、アメリカの駐日大使はライシャワー大使のような知日派の学者アメリカ議会の重鎮、大物上院議員などが送られてきました。
アメリカが同盟国としての日本との関係を大事に考えてきたからです。
ケネディ大使はオバマ大統領のアジア重視する政策を打ち出した中職業外交官でない大使として送り込まれましたので安全保障や経済問題など、どうかじ取りをするのか未知数であったことも確かなんです。
ただ大使のドレスちょっとご覧いただけますか。
扇子の柄ですね。
日本の古い着物を仕立て直したワンピースです。
日本の古い着物の柄はとてもおしゃれせっかく日本に住んでいるんですからと公務のときにも、好んでこうしたスカートやワンピースを上手に着ています。
初めての女性大使ならではのおしゃれ。
ここに自分らしさの表現があるのかもしれません。
この大使ですけれども、どういう思いで駐日大使を務めているんでしょうか。
それを知る機会は、なかなかないんです。
というのも日米関係もその時々に課題を抱えていますしアメリカにもし王家があったとしたらばそれは、ケネディ家だろうといわれるぐらい特別な存在である家を背負っているためか大使はこれまでマスコミの取材に対しては、とても慎重でインタビューに応じることはほとんどありませんでした。
着任から1年半ことしは戦後70年でもあります。
その節目に何を伝えたいかインタビューしました。
大使は公邸内の図書室を案内してくれました。
ここには歴代の大統領の肖像画や写真があります。
ケネディ大統領の公式写真にはねだって、してもらったというサインがありました。
大使は日本とアメリカの今についてどう考えているのか、聞きました。
日米の先人たちの勇気ということばがありました。
どうしてこのことばを使ったんでしょうか。
勇気ということばに注目です。
これは敵味方に分かれて戦っていた国どうしにもかかわらず今、強い同盟関係で結ばれているのは一歩踏み出した日本とアメリカの人たちの勇気があったからこそという意味です。
ケネディ大使も戦後70年日米関係を築いてきたたくさんの人たちの積み重ねがあってみずからが大使として日本にいることを実感しているのではないかと思います。
勇気ということばはケネディ大使にとって特別な意味を持っていることばだと思います。
父親のケネディ大統領はピュリツァー賞を受賞した著書の中で勇気について、人はどのような障害や危険があろうと倫理観の問題としてやらなければならない時がある。
その勇気を忘れてはならないと述べているからです。
職業外交官ではない大使初めての女性大使として時には大使も、自分自身の勇気が問われると感じてることもあるかもしれません。
大使は父のケネディ大統領の考え方が支えになっているんですね。
そうかもしれませんね。
先日東京の早稲田大学で開催されたシンポジウムで大使は学生たちにこのように語りかけました。
大使が言う父の遺産はケネディ大統領の遺産ということですね。
レガシーJFKレガシーということばがあります。
レガシーというのは先人が残した遺産、業績という意味でJFKつまりケネディ大統領の残した業績です。
その時代というのはアメリカは東西冷戦のさなかですし核戦争の一歩手前まで緊張が高まったキューバ危機人種による差別をなくすことを目指した公民権運動の高まりなど多くの課題を抱えて緊張感があった時代でもありました。
当時40代の若々しいケネディ大統領のイメージと相まってそれでもアメリカは前を向いて進むという意味でJFKレガシーということばが使われることがあります。
大使にケネディ大統領の業績考え方を今にどう生かしたいかを尋ねたときにいちばんことばを尽くして説明したのが今、大使が話しをした、すべての人が分け隔てなく参加できる社会その多様性についてでした。
ケネディ大使には特別な思いがあることが分かります。
ダイバーシティというのは通常多様性と訳されますが大使は多様な人々を認め尊重する社会というふうにおっしゃっていました。
人種や国籍、宗教、性別の違いをしぶしぶ受け入れるのではなくて違うことを理由に仲間外れにするのではなくて尊重するという意味です。
多様性のある社会とは違いを受け入れて認め尊重し、共存しともに前に進む社会だと言っていました。
一人一人が持てる力を合わせるからこそ社会を豊かにすることができるということなんです。
ダイバーシティということばを女性の活躍を応援するときにも使っていましたね。
去年、日本で開かれた女性が輝く社会のための世界会議でも1人で世界を変えることはできないそれぞれの体験や、アイデアを皆で共有し力を合わせると1人ではできないことが達成できると話していました。
被災地の宮城県南三陸でも女性たちが作るNPOを訪ねています。
環境に優しいエコたわしで起業して被災した女性たちが製作、販売している取り組みを応援するためです。
女性の活躍を推進することは女性の力を社会に生かすことでありどこにいても、いつの時代でもどんな状況でも誰も仲間外れにすることなく多様な考え方、働き方を尊重する社会が大事だという考え方は差別のない社会目指したケネディ大統領が語った、ダイバーシティにも通じることがあるかもしれません。
大使は控えめな印象ですけれどどんな印象を持ちましたか。
歴代の大使の中でも異色の大使かもしれません。
大使は今や日米は安全保障や政治経済にとどまらず気候変動や女性の活躍推進など、幅広い分野でのパートナーへと深化していると話しをしていました。
日米関係は政治家や経済人外交官だけでなく一人一人の市民が女性も男性も加わる中で豊かで強いものになって大使は、自分の立ち位置も1人のアメリカ人としてその積み重ねのなかにあると信じているかもしれないと思いました。
道傳愛子解説委員でした。
これから国会で論戦が本格化する安全保障法制について皆さんからの質問を募集します。
安全保障法制は、とにかく分かりにくいという声を多くの方からいただいています。
ご質問は解説委員室のホームページからお送りください。
2015/05/26(火) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「ケネディ大使のメッセージ」[字]

NHK解説委員…道傳愛子,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…道傳愛子,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
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