(昌代)おかしいんだよ。
父ちゃんったら。
私が田舎出てってさぞ怒ってんだろうと思ったらいきなり湘南はどんなとこだったか話してみろって。
(昌代)一度でいいから見てみたいんだって。
ギャルを。
水着着た本物のギャル。
(由美)ギャルって…。
おじいちゃん。
(一郎)余計なこと言うな。
(和子)あのね。
母ちゃん。
この家ね今日不動産屋さんが来て…。
(昌代)売っちゃったの?
(吾郎)いやいや。
あのう。
まだですけど。
(吾郎)はっ。
えっ?
(昌代)田舎に高速道路が通ることになってさ。
うちの田んぼの端っこが引っ掛かってたのよ予定地に。
(和子・由美)えーっ?
(昌代)まあねいい値が付いたからそんじゃ売っちゃおうかって。
ねえ?父ちゃん。
(一郎)うん。
売ったの?
(一郎)うん。
(昌代)2,000万。
(由美)うん!?
(昌代)こんだけあったら吾郎さん。
この家手放さなくていいでしょ?あっいや。
しかし。
しかしこんなことをされたら…。
ああー。
ああー。
(昌代)その代わり私らここに置いてほしいんだわ。
あっ。
翔也君のいた部屋空いてるでしょ?どうする?いや。
駄目です。
こんな大事なお金使えません。
(一郎)おらたちいたら迷惑か?いや。
そんなことはありませんが。
(一郎)したら使ってくれ。
娘ここまで面倒見てもらってはおらお前はんに感謝してんだ。
吾郎さん。
(吾郎)お父さん。
お母さん。
それではこのお金ありがたく使わせていただきます。
(吾郎)本当にありがとうございました。
(和子・由美)ありがとうございます。
(一郎)うんうん…。
(昌代)ほら。
あんた。
(一郎)うん?うん。
こっちこそよろしく頼みます。
(吾郎)ああ。
よろしくお願いします。
よろしく。
(吾郎)おはようございます。
(昌代)あっ。
おはようさん。
おはよう。
(吾郎)あっ。
お父さん。
おはようございます。
(一郎)おう。
(吾郎のせき)
(吾郎)昨日はよく眠れましたか?ああ。
(吾郎)ああ。
そりゃよかったよかった。
ねえ。
長旅で疲れていらっしゃるでしょうからやっぱりゆっくり眠れるっていうことは…。
・
(由美)おじいちゃん。
洗面所のコップに入れ歯入れないでよ。
(吾郎)由美!いいだろ?お前。
入れ歯ぐらい。
お前。
何がたがたうるさい…。
(由美)やだよ。
(吾郎)あのう。
お父さん。
気になさらないでください。
(吾郎のせきばらい)
(吾郎)あっ。
お父さん。
今度一緒に行きませんか?歴史研究会。
これね面白いんですよ。
今あのう。
鎌倉幕府の勉強してるんです。
(吾郎のせきばらい)
(吾郎)あっ。
うちね家庭菜園で畑やってるんですけど。
今度ぜひプロの技をご指導していただきたいですね。
エヘヘ…。
それじゃ行きますか?今度の日曜日海岸に。
もうギャルうじゃうじゃですよ?
(昌代)気にしないでね。
慣れたらそのうちしゃべるから。
(吾郎)はい。
皆さんに大変ご心配かけましたけど何とか家も売らずに今までどおり暮らしていけることになりました。
(一同)ああ。
よかった。
ありがとうございました。
(晃司)よかったね吾郎さん。
(吾郎)ええ…。
(純一)あれ?どうしたの?ゴローちゃん。
何かお疲れみたいね?うちの父に気を使い過ぎて疲れちゃってんです。
この人。
気難しい人だから。
(純一)そういう人はねあまり余計な気を使わない方がいいの。
気安くしちゃえばいいんだよ。
思い切って。
気安く。
(吾郎)気安く?思い切って。
(純一)そう。
(智恵子)書いてるし。
(純一)俺も書くかな。
そういえば香織さん。
ウガンダへはいつ?
(香織)うん。
純ちゃんのキックボクシングの試合が終わったら行こうかなって。
(純一)じゃあ香織さんに安心して出発してもらうためにも絶対勝たないとね。
(晃司)頼むよ。
純ちゃん。
(純一)任せときなさいって。
(智恵子)そうか。
いよいよ出発するんだね。
香織さん。
(香織)うん。
(晃司)それじゃ俺も早くチェロを完成させないと。
香織に聴いてもらいたいんだ。
俺のつくったチェロの音をね。
(香織)楽しみにしてます。
(晃司)うん。
(純一)そうか。
こうやってみんなで会えるのもあとわずかか。
(智恵子)純ちゃん。
(純一)うん。
あのね。
実はうち店閉めることにしたんだよね。
えっ?どうしてですか?
(智恵子)家賃が上がってね。
それでいいところ探してたんだけどどこも家賃が高くって。
(純一)まあ俺の病気のこともあるからお店がこう家からあんまり離れちゃうとね。
仕事の方はねホテルとかレストランの家具のコーディネートで何となく細々とやっていくつもりなの。
ホントにみんなでこうやって会える時間なくなってしまうんですね。
せっかく仲良しになったのに。
(純一)何か湿っぽくなっちゃいましたね。
じゃあねっ?明るくやりましょうか。
楽しくね。
楽しくやりましょうよ。
(晃司)そうそうそうそう。
今日は吾郎さんちの問題解決のお祝いだ。
(純一)ああ。
そうそう…。
そうよね。
(吾郎)今日のワインはですねわが家でおごらせていただきます。
(一同)おおー。
すごいすごい。
(純一)じゃあゴローちゃんが…。
(吾郎)ワインをもう少し…。
(純一)ゴローちゃんがごちそう…。
ワイン10本お願いします。
(吾郎)10本もですか?
(男性)小町通りで一杯やってく?
(男性)いいっすね。
で母さん落ち着いたの?分かった。
じゃあ今日行くから。
うん。
後でね。
はいはい。
お兄さん?うん。
どうかした?お母さん。
えっ?何かね「智恵子に会いたい」って騒ぎだしたんだって。
それで兄さんが「智恵子はここにいないよ」って言ったら「智恵子を捜しに行く」って大騒ぎになったんだってさ。
認知症進んでるのかな?すぐ行ってあげて。
うん。
純ちゃん大丈夫?大丈夫。
じゃあお願いね。
うん。
いってきます。
うん。
(晃司)そう。
チーちゃんも大変だね。
(純一)うん。
その点お宅はいいよね。
時枝さんしっかりしてるし。
(晃司)うん。
まあね。
今日だって書道の仲間と温泉に行ったよ。
湯河原まで。
へえー。
元気だね。
いや。
それより試合の相手決まったの?まだだけどもうじき。
(晃司)そうか。
ふーん。
(純一)あのね晃司さん。
(晃司)うん。
(純一)これは余計なことなんだけどさ。
えっ?何だよ?
(純一)うん。
ホントに香織さんウガンダに行かせていいの?ああ。
(純一)そう。
どうして?いや。
何かね最近のお宅ら結構いい感じだからさ。
(晃司)そう?
(純一)何でこの2人が別れるのかよく分からないけど。
(晃司)そうかな?
(純一)そうですよ。
でも決めたことだから。
(女性)すいません。
はい。
(女性)いいですか?はい。
今伺います。
(吾郎)ハハハ。
いやぁ。
さすが年季が入ってますね。
パパさん。
やっぱりすごいわね。
パパさん。
ねえ?パパさん。
(一郎)パパさんって呼ぶな。
おらはお前の父親じゃねえ。
(吾郎)はい。
(吾郎)ほいっ。
(一郎)力入れ過ぎなんじゃねえか?
(吾郎)はい。
(純一)おかえり。
ただいま。
(純一)どうだった?お母さん。
どうなのかしらね?うん?うん?私のことは分かるみたいなんだけど。
だから帰るって言ったら駄々こねて大騒ぎになっちゃって。
そう。
あれじゃお兄さんのとこは無理かもね。
だったらうちに来てもらえば?えっ?ありがとう。
でもさうちはうちで店とか色々あるから。
俺の病気も色々のうち?そうじゃなくて。
俺自分のことはできるだけ頑張るから。
だからお母さん呼んであげて。
ねっ?純ちゃん。
ありがとう。
うん。
・
(晃司)ああ…。
・はい。
伊佐山です。
(時枝)ただいま。
(時枝)何だ。
いるじゃない。
ただいま。
いいお湯だったわよ。
湯河原。
(晃司)その湯河原の老人ホームから電話があった。
(時枝)えっ?
(晃司)母さんが眼鏡を忘れたんでこっちに送ってくれたってさ。
(時枝)そう。
(晃司)何だよ?体験入所って。
(時枝)どんなとこか試しに一日過ごすのよ。
(晃司)そんなことは分かってるよ。
どうしてそんなとこ行ったか聞いてんだよ。
(時枝)思ったよりいいとこだったわよ。
(時枝)お食事はおいしかったし職員は親切だし。
それに書道のお仲間もいるの。
(晃司)もう。
母さん。
(時枝)お金のことは心配いらないの。
お父さんの生命保険も残ってるし月々のことは遺族年金で何とか賄える。
俺はそんなこと認めないから。
何で老人ホームなんか入るの?
(時枝)だってつまんないんだもん。
あんたといても。
(晃司)うん?ああ。
何か疲れちゃった。
少し横になるわ。
えっ?
(純一)老人ホームね。
ただそれ時枝さんの本心じゃないような気がするんだけど。
うん?どういうこと?
(純一)まあ何となくそう思っただけ。
ああそう。
(吾郎)うちはその逆ですよ。
(晃司)逆?老人ホームにいるおふくろが私と一緒に暮らしたいと言ってるそうです。
へえー。
(晃司)えっ?でどうするの?
(吾郎)女房の両親が一緒にいますからね。
しかもお金出してもらっちゃってるし。
なかなか簡単にはいきませんよ。
(晃司)確かにね。
(純一)うちねチーちゃんのおふくろさん引き取ることになるかもしれないの。
(晃司)えっ?ホント?
(純一)うん。
まあ俺はいいんだけどさ。
でもチーちゃんが大変でしょ?同じ病気が2人もいたら。
(吾郎)確かに。
お互い大変だね。
でも親には長生きしてほしいんだよね。
(吾郎)うん。
(純一)うん。
(晃司)うん。
お母さんを?それで一緒に?まだ決めてないけど。
純ちゃんはそうしろって言ってくれてる。
俺は大丈夫だからって。
優しいのね純ちゃん。
うん。
でもそういうのが余計につらくてね。
その優しさが。
分かります。
うちも同じですから。
お宅も?主人のお母さんが一緒に暮らしたいって。
あの老人ホームに入ってらっしゃる?だけど主人は口に出さないの。
私に遠慮して。
そうよね。
和子さんのご両親と一緒にいるんだもんね。
お金出してもらってるでしょ?本当は引き取りたい気持ちでいっぱいなのよ主人。
優しいのね吾郎さんも。
出たい人もいれば入りたい人もいるわけだ。
誰?入りたい人って。
うん?うん?時枝さんだけど?聞いてないんですか?えっ?・
(戸の開く音)・こんにちは。
晃司は出掛けてますよ。
いえ。
お母さんにお話が。
そう。
はい。
お母さん。
老人ホームに入るってホントですか?あなたには関係ないことよ。
そりゃそうなんですけど。
でももしかして私のせいで…。
あなたのせいじゃないの。
私がしたいからそうするの。
はあ…。
私はいいんだけど晃司がね。
晃司さんが何か?お茶漬けひとつ満足にできないんだからあの子。
ほっといたら同じ下着何日でも着てるし。
ハンカチのアイロンひとつかけられやしないんだから。
あなたが一番よく知ってるわよね?そんなこと。
はい。
私が老人ホーム入ったら晃司どうするか心配でね。
香織さん。
はい。
晃司のためにこのうちに戻ってやってくれない?お母さん。
このとおりです。
お願いします。
お母さん。
ちょっ…。
やめてください。
晃司を一人にしないで。
ねえ。
香織さん。
お願いします。
お母さん。
お母さん…。
はい。
・
(ドアの開く音)
(晃司)あっ。
悪いね呼び出して。
いえ。
ううん。
まだ?
(晃司)うん。
驚いちゃった。
どういうこと?分からない。
でもどうしても会いたいっていうから。
ふーん。
(晃司)でも彼女と2人で会ってるとあらぬ誤解を招くかもしれないからね。
うん。
こんなことを頼めるのは君しかいないんだ。
すまないけど俺の横に座っててくれよ。
分かりました。
(晃司)うん。
・
(ドアの開く音)
(美咲)奥さま。
その節は大変申し訳ないこといたしました。
(美咲)母の遺品を整理していたら昔の日記が出てきたんです。
私初めて知ったんです。
母が伊佐山さんのお母さんにお金を要求したこと。
そのお金で伊佐山さんと別れたって。
(美咲)その300万円でお店を出したって日記に書いてあったんです。
(晃司)その話やめましょう。
(美咲)ごめんなさい。
私そんなことも知らず伊佐山さんのこと恨んで。
(晃司)やめましょう。
その話は。
私が優柔不断だったから。
そんな私を断ち切るためにお金の力を借りたのかもしれない。
あのころ私はホントにあなたのお母さんのことを愛していました。
あのまま結婚していれば自分の人生はどうなったのか?そんなこともよく考えました。
でも今回あなたが私の前に現れていろんなことが分かってきた。
私がどれだけあなたのお母さんを傷つけていたか。
そしてそのことであなたまで傷つけていた。
(晃司)美咲さん。
私が言うのも何だけどもう過去のことは忘れてこれからは自分の人生をしっかり歩んでください。
そしてどうか…。
どうか幸せになってください。
お母さんの分まで。
さっき言ってたことホント?
(晃司)えっ?映子さんと結婚してたらどうなってただろうってそう考えてたって。
(晃司)ああ。
うん。
私と結婚してからもそう考えてた?時々。
バカ正直ね。
いまさら嘘ついても仕方ないだろ?そうね。
(晃司)怒った?いまさら怒ってもね。
怒った顔してる。
もう。
(晃司)でもね…。
うん?
(晃司)そんなことを考えたときに必ずたどりつく答えがあった。
香織と結婚できてよかった。
これ以上の幸せはなかったってね。
2015/05/26(火) 13:25〜13:55
関西テレビ1
プラチナエイジ #42[字][デ]【60歳、ここから人生が輝き出す。】
和子(宮崎美子)の夫は詐欺に騙され、智恵子(池上季実子)の店は移転先が決まらない。香織(榊原郁恵)は姑に復縁を求められ…。人生の岐路に立った3人が選んだ先には…
詳細情報
番組内容
和子(宮崎美子)の母・昌代(田根楽子)とともに父の一郎(車だん吉)が岩村家に現れ、一緒に住みたいと言う。家を売らなくてはいけないので無理だと言う和子や吾郎(中本賢)の前に、一郎がおもむろに2,000万円を差し出す。実家の敷地に高速道路が通ることが決まり、大金が入ったと言うのだ。一郎たちに救われ、和子と吾郎は家を売らなくて済むことに。
番組内容2
久しぶりに香織(榊原郁恵)、智恵子(池上季実子)、和子がそれぞれの夫とともに集まって、楽しいひとときを過ごす。その最中、智恵子が店の今後について語り出し…。
香織は時枝(長内美那子)が老人ホームに入ろうとしていると知り、何とか考えを変えるよう説得する。すると時枝から、自分がいなくなった後、伊佐山家に戻って来てくれないかと頼みこまれる。
出演者
伊佐山香織:榊原郁恵
速水智恵子:池上季実子
岩村和子:宮崎美子
速水純一:春田純一
岩村吾郎:中本 賢
伊佐山晃司:宅麻 伸
スタッフ
原作・脚本:清水有生
演出:阿部雄一
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
浦井孝行(国際放映)
河角直樹(国際放映)
音楽:佐藤舞希子
主題歌:郷ひろみ「100の願い」(ソニー・ミュージックレコーズ)
制作著作:国際放映
制作:東海テレビ
ご案内
【公式サイト】
http://tokai−tv.com/platinumage
【公式ツイッター】
@hirudoraTokaitv
【LINE】
@hirudora
【YouTube】
東海テレビ公式チャンネルも好評配信中!
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0x0820)
EventID:26766(0x688E)