68万2!もしもし?もしも〜し。
68万3!ごめん。
全然聞こえない。
たっちゃん頑張れ。
いいぞいいぞ。
あ〜!こんにちは中江有里です。
表現の力を身につける「国語表現」。
今日のテーマは「漢字と語彙の力をつける」。
…はずなんですけどいつもとちょっと状況が違いますよね。
何を考え込んでんの?え?あの〜今日囲碁の勉強だって聞いたんで。
いやいや…何何?あんたそんなベタなボケのためだけにこのセット用意したの?まあ昨日の夜思いついたんで発注しときました。
いやいやうそでしょ?え?という訳で改めて…漢字の成り立ちや仕組みそして日本語の奥深さを学びます。
今日は6名の皆さんに演習に参加して頂きます。
よろしくお願いします。
(生徒一同)よろしくお願いします。
実はねあらかじめ皆さんには自分の名前の中で一番好きな漢字を1文字書いてもらってるんですけど。
では見せて下さい。
ジャン。
いろいろ並んでいますけど理由を聞いていきましょう。
優津季さんから。
はい。
多分親も優しい子に育ってほしいと思って付けてくれたと思うのでこの「優」が…。
一番好きと。
優しいっていう意味だよね。
この左右対称な雰囲気が非常に図形的にすばらしいという事とあと下の線が長くヒュッと通っている感じがどっしりとしていて好きですね。
「己」っていう漢字が入ってるじゃないですか。
これが男らしくてかっこいいなと思って…。
みんなそれぞれやっぱりこだわりというか理由がありますね。
では今日の演習を始めましょう。
漢字が苦手だっていう人も…今日の講師は坂口陽子先生です。
先生よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日は皆さんに漢字の魅力をたっぷりお伝えしたいと思います。
(岩崎)先生すいません。
冒頭で私が囲碁のボケをするために畳を用意してもらってそのまま畳使ってもらう形に…。
いやむしろ先生のために用意されてたんじゃないの?あんたがそれを利用したんでしょ。
先生は書道も教えていらっしゃるという事なんですけど今日は道具も持ってきて頂きました。
では早速書いてみますね。
お願い致します。
何という字が…。
(岩崎)先生これ…絵描いてますよ。
ちょっとこの人絵描いてます。
あのね違うんですよ。
これ絵じゃないんですよね先生。
はい。
これは甲骨文字といって現在使われてる漢字の古い形なんです。
(槙尾)はあ〜甲骨文字。
何という字に見えますか?あ〜ちょっと惜しいですね。
これは実は動物なんです。
ちょっとここの部分の形に注目して頂きたいんですが…。
更にヒントを言うとモーって鳴きます。
もう分かっちゃいますね。
はいそうです。
正面から見た牛の形に見えますよね。
皆さんが使っている漢字の「牛」とほぼ同じ形ですよね。
そして…ジャジャ〜ン。
こちらをご覧下さい。
これも先生に書いて頂きました。
動物を表したものが多いようです。
甲骨文字はその名のとおり亀の甲羅や動物の骨に刻まれました。
古代の人たちにとって動物は生きるための食料であるだけでなく文字を書き残す大切な道具だったんです。
そして長い歴史を経てたくさんの漢字が生まれていきました。
現在の漢字を分類すると大きく4つに分けられます。
そして意味を表す意符と音を表す音符を組み合わせた形声文字。
漢字全体のおよそ9割が形声文字なんです。
ところで先生。
漢字が苦手だという人って多いですよね。
この中で漢字が苦手だっていうやつ。
「やつ」とか…。
何で急にそんなキャラなの?わ〜えっ全員挙げてる。
(岩崎)すいませ〜ん。
全員ですか。
でも漢字は…そこで今日はパズルを使って楽しく学んでみたいと思います。
よしじゃあみんな頑張ろう。
(生徒一同)オ〜!10個の漢字があります。
皆さんも考えてみてね。
(槙尾)3つを組み合わせるとかもあるんですか?はい。
3つもありですね。
はい。
(岩崎)おっ来た。
じゃあどっちが…。
瑞生から。
(瑞生)はい。
もちろんあります。
(岩崎)その辺からね。
(槙尾)これは…。
(岩崎)「門」はいろいろありそうだね。
はい理乃。
(理乃)計算の「計」。
はいすばらしいです。
(岩崎)そういうのだよ。
茉愛羅。
(茉愛羅)はい。
はいありますね。
(岩崎)美しいですねこれは。
じゃあ宏紀。
(槙尾)おっ。
(宏紀)「呆れる」。
はいありますね。
大変よくできました。
優津季。
はい「桃」ですね。
あります。
(岩崎)圭祐。
はい。
一旦の「旦」。
すばらしいです。
元旦とかの「旦」であります。
はい宏紀。
これです。
(岩崎)あ〜。
「困る」。
なのでちょっと違いましたね。
10個のパーツからこんなにたくさんの漢字が出来上がりましたけど改めてこうやって見てみると同じパーツがいろんな使われ方されてるのがよく分かりますね。
漢字によって偏になったりつくりになったりしていますね。
例えば「口」の場合「叶」「杏」「如」「問」などがありますが同じ「口」を使っていても漢字によって部首が変わる場合があるんです。
同じ「口」を使っていても漢字によって部首が変わる場合がある。
じゃあこの漢字「叶」の部首は何だと思いますか?圭祐君。
そのとおりですね。
大正解です。
じゃあ次茉愛羅さん「如」。
はい大正解です。
では瑞生君こちらの「杏」は?はいそのとおり。
大正解です。
先生部首には何か法則があるんでしょうか。
はい。
右側のつくりよりも左側の偏が。
下の脚よりも上の冠が部首になる漢字が多いのでまずはそれが基本だという事を覚えましょう。
なるほど。
ではこちらの「問」どうでしょうか。
理乃さん。
もんがまえだと思います。
「問」の部首はもんがまえではないんですよね。
はい。
(槙尾)えっそうなんですか?何ですかそれ。
引っ掛け問題みたいな…。
先ほど形声文字って事を話しましたけれども漢字の多くは音を表す音符と意味を表す意符から出来ていて意味を表す部分が部首になってる場合が多いんです。
「間」とかこちらの「閑」というのは部首もんがまえなんですがこちらは読むと「問」。
つまりこの「門」の部分が音を表していて質問するっていうのは口でする事ですよね。
ですから部首はもんがまえではなく…だから意味を表す部分が部首になる。
そういう場合が多いって覚えておけばいいんですね。
はいそうです。
奥深え。
街で見かけた言葉の…同音異義語がある言葉はまだまだたくさんあります。
みんなも探してみよう。
言葉の…。
(一同)言葉のプロに聞いてみよう。
1999年に当時最年少で芥川賞を受賞した作家の平野啓一郎さん。
日本語が持つ表現の豊かさについて聞きました。
日本語っていうのはすごく語感が豊かだと思うんですがやっぱり日本語の奥深さみたいなものっていうのはお書きになってて感じられます?そうですね。
まず…例えば色を例えるにしてもものすごい色の量があるけども単純に黄色と言ってみたり赤と言ってみたりしますけどもね。
色はねやっぱり難しいんですよね。
それはもう世界各国の色の名前全部比喩なんですよ。
その中で実際どれ…どういう言葉を使えるのかという選別っていうのをやっぱり小説の場合は…例えば表現を豊かにしたいって思った時にはどうしたらいいというふうに思われます?ネットとかで…言葉がやせてくる。
だんだんまた自分の中の言葉が満ちてくるというか…。
語彙が増える事もあるし言い回しとかリズムとか…。
あと雰囲気っていう事とも通じますけど格調高さみたいな…。
はい。
こんな言い回しあるんだっていうのを…。
あえて真似をしていく。
真似するとか…。
もちろんまるまる何ページコピペとかは駄目ですよ。
だけどこの表現いいなとかいうのはそれはもう人類が始まって以来みんな代々やってきた事ですからいい表現を真似するっていうのは文章うまくなる一番の近道です。
漢字と語彙について学ぶ今日の演習。
さて後半は?岩崎さんこれは何ですか?手?
(笑い声)まあそうですよね。
いきなりばかにされた感じの質問だったんで…。
そりゃ手でしょ。
ではお手上げという言葉はどういう意味ですか?やべえボケなきゃ…。
じゃあ…万歳!万歳万歳。
すごいベタなボケしたね。
違いますよね。
そのとおりです。
つまりお手上げとは単に手を上げる動作ではなく別の意味を表している訳です。
日本語にはこういう表現がたくさんあるんです。
そこで生徒の皆さんには今日は「手」を使ったさまざまな表現を考えてもらいます。
(生徒一同)はい。
「手」を使った表現ってどんなものがあるでしょう。
番組をご覧の皆さんも一緒に考えてみましょう。
じゃあ茉愛羅。
(茉愛羅)はい。
これはどういう意味ですか?そのまんまの…。
それはそのまんまですけど…。
よし圭祐。
どういう意味ですか?そのとおりです。
ですから…次…じゃあ理乃。
(理乃)はい。
理乃さんどういう意味ですか?そのとおりです。
すばらしいです。
(岩崎)はいほかに。
(優津季)はい。
じゃあ優津季。
はいあります。
優津季さん意味は?そのとおりです。
すばらしいです。
手を組むとか握るとかいうんですけれども…。
手を結ぶっていうのもありますよね。
はい。
みんな同じ意味です。
皆さん「手」を使ったいろいろな表現を考えてくれました。
最後にこれを分類していきます。
分類?どういうふうにですか?え〜っとねもとの意味で使われているもの。
そして派生的な意味で使われているもの。
その両方の意味を持つもの。
この3つに分類するんです。
なるほど。
まず「手をたたく」を考えてくれた茉愛羅。
(茉愛羅)はい。
もとの意味。
(岩崎)そう。
正解です。
(槙尾)今使う時はほとんどもとの意味で使うんですよね。
「手が離せない」を考えた圭祐。
はい。
これは派生的な意味だと思います。
(岩崎)正解。
(槙尾)お〜。
今はこれはもうほとんど派生的な意味でのみ使うんですね。
そうですね。
「手がとどく」を考えてくれた理乃。
両方の意味だと思います。
(岩崎)正解。
先生も先ほどおっしゃってましたけどね「実際に手が届く」と「夢とか目標に手が届く」って両方の意味があるんですね。
分類してみると派生的な意味や両方の意味を持つ表現が多い事が分かります。
日本語って奥深いですね。
今日の演習で皆さん漢字って面白いなって感じてもらえたんじゃないでしょうか。
そうであってほしいですね。
日本人は漢字と出会う事でさまざまな情報を伝え進化してきたんです。
先生今日はありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
(宏紀)曲がれ。
曲がれ。
曲がれ。
皆さん今日の演習はいかがでしたか?甲骨文字で昔はあんなにぐちゃぐちゃだったのが今はこんなにきれいになっててもしかしたら何千年か後には今の形も変化してまた別の形になってるのかなって思いました。
一つの文字をアレンジする事でいろんな言葉だったり意味が出来る事に驚きました。
最近携帯やパソコンを使う事が多くて文字を書く機会がほとんどなかったんですけどこれを機に漢字を書いていこうかなって思いました。
いいですね。
皆さん最初漢字が苦手だって言ってましたけども何かちょっと漢字に対して興味を持ってくれたのかなというふうな感じがします。
それでは恒例の締めをお願い致します。
分かりました。
よ〜しこれでみんなも漢字の達人じゃ〜。
じゃ〜。
バイバ〜イ。
(一同)バイバ〜イ。
小説や新聞雑誌など…
(礼央)僕たちはいつのころからか「それ」を曖昧にしてきた。
2015/05/26(火) 14:10〜14:30
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 国語表現「漢字と語彙の力をつける」[字]
読む、書く、聞く、話す。あらゆる教科で必要な表現の基礎力を養います。ユニークな演習や様々な分野で活躍する表現の達人へのインタビューで、表現のコツを学びます。
詳細情報
番組内容
今回は漢字について学ぶ。携帯やパソコンが普及したことで漢字を書くことが苦手という人たちも多いだろうが、漢字の仕組みを理解すると意味や読みを理解することは難しくなくなる。演習では部首を組み合わせて漢字を作るパズルに挑戦したり、「手」という言葉をつかった慣用句を考える。【出演】中江有里・かもめんたる、【ゲスト】平野啓一郎、【講師】坂口陽子(富士見丘学園高等学校)
出演者
【講師】富士見丘中学校・高等学校教諭…坂口陽子,【ゲスト】平野啓一郎,【司会】中江有里,【出演】かもめんたる,中嶋理乃,モーガン茉愛羅,大野瑞生,佐奈宏紀,佐藤優津季,斉藤圭祐,【語り】田中杏沙
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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