めざせ!2020年のオリンピアン「“恐怖心”を克服し金メダルを!」 2015.05.26


格闘技テコンドー。
5年後の東京オリンピックをめざす若きアスリートに先輩のオリンピック選手が世界の技を伝授する!今回の主役ネクストエイジはテコンドーの…小学2年生でテコンドーを始めめきめき上達。
抜群の反射神経からのスピードある鋭い蹴りが岸田の強さだ。
その夢の実現に立ち上がったのが日本初のメダリスト…2000年のシドニーオリンピックでは上背もパワーも勝る外国人選手を相手に超攻撃型テコンドーで見事銅メダルを獲得した。
一瞬の差が勝敗を分けるテコンドー。
5年後の金メダルに向け岸田と岡本2人の挑戦だ!さあ始まりました「めざせ!2020年のオリンピアン」。
今回一緒に若い選手を応援してくれるのは杉山愛さんです。
よろしくお願いします。
さあテコンドー。
どんな印象ですか?テコンドーって。
いやでもかっこいいというか…。
確かに。
結構激しいスポーツですよね。
接触していきますしね。
2000年のシドニーオリンピックから正式種目になった競技ですね。
漢字で書くと足と拳の武道という意味です。
ケリとパンチで戦いますね。
ケリがメインですよね。
跳び蹴りや回し蹴りなどの多彩な足技が特徴。
足のボクシングというふうに例えられてるスポーツでもありますね。
まあでもかっこいいですね回し蹴りね。
後ろからパ〜ンとして。
かっこいい。
岸田留佳さん。
この春高校生になったばかりの15歳です。
岸田さんは小学3年生でチャンピオンになられたという事で。
どうですか。
小学校3年生の頃杉山さんは何なされてました?私もちょうどテニス始めたの4歳なんですけど3年生になるとほぼ毎日3時間ぐらいテニス練習してましたね。
毎日3時間!やっぱオリンピアンになる人たちはすごいね。
小学校2〜3年でもうそんなにしっかり練習を始めてるんですね。
さあ今日の岸田留佳選手は一体どんな選手なんでしょうか。
早速VTR見てみましょう。
今回のネクストエイジ岸田留佳はこの春埼玉県内の公立高校の1年生になったばかり。
ちょうど昼休み。
性格の明るい岸田既にクラスの人気者だ。
テコンドーをやってるとは分からない。
全然ねイメージが。
昼食は毎朝母親が作ってくれるお弁当。
お〜おいしそう。
この日はボリュームたっぷりの肉野菜炒め。
更にサンドイッチだ。
これを食べてサンドイッチも食べるんですね。
すごいですね。
テコンドーはスタミナが勝負。
ニックネームは「大食い」だ。
まあ使うからねエネルギー。
エネルギーはやっぱり。
週に3日通う稽古場がこの公民館。
岸田のクラブは選手が7人。
少人数のクラブが多いテコンドーでは合同練習が盛んだ。
この日は山梨から6人のジュニアの選手がやって来た。
ジュニアの中ではぬきんでた強さの岸田。
その秘密はスピードのある蹴りにあるという。
コーチにお願いしてその速さを確かめる事にした。
ハイスピードカメラで反射神経の速さを比べてみる。
協力してくれたのは山梨から来ていた全日本ジュニア3位の選手。
あ〜でもこの子も強い。
ランプがついたら蹴る。
確かに速い。
再生して見てみると岸田はランプがついた瞬間に蹴りを始め0.3秒でミットに到達。
始動がはやい。
もう到達してる。
これはすごい確かに。
左の選手と比べると岸田の蹴りはほぼ1.5倍の速さだ。
動体視力と反射神経のよさでこのスピードが生まれているのだ。
おととしの全日本ジュニア選手権。
岸田がその鋭い蹴りをいかんなく発揮した大会だ。
準決勝。
青の岸田後ろ回し蹴りでポイントをとる。
お〜!迫力ある!すごいな!攻め込むタイミングをうかがう2人。
赤の選手が左足を蹴り出した瞬間青の岸田体を回転させながら正確に後ろ回し蹴りを出す。
自分の頭よりも随分高い位置に蹴るんですね。
岸田はスピードある蹴りで圧倒的な強さを見せた。
この大会で岸田は優勝。
その身体能力の高さが注目を集めた。
公民館での稽古以外は井上コーチの自宅の駐車場で体力づくり。
地味なトレーニングだが大柄な外国人選手と戦うにはどんな体勢からでも蹴りを出せる筋力が必要なのだ。
小学2年生で兄がやっていたテコンドーを始めた岸田。
今も一番の応援者は母親の昌子さんだ。
自宅でも練習を欠かさない岸田。
目標はもちろん…。
3月。
東京で全国のジュニア選手が対象の合宿が行われた。
日本のテコンドー界はシドニーの岡本に続けとこうした強化に力を入れてきた。
12歳から17歳まで全国から48人が選ばれ女子は岸田を含めて12人だ。
今年の世界選手権で初の金メダリストも誕生。
今伸び盛りの岸田たちに大きな期待が懸かっている。
お願いします!同年代で圧倒的な強さの岸田。
そのため試合形式の練習相手は男子となった。
当然スピードもパワーも男子選手が上回る。
そうですよね。
男子と女子じゃ全然違うし。
あ〜!怖いなこりゃ。
回し蹴りを出す岸田。
しかし重心が後ろに残ったままで相手との間合いをつめきれていない。
その一瞬の躊躇で蹴りを受けてしまったのだ。
これが今岸田が抱える課題だ。
相手が強いと思った時恐怖心を抱き自分の力を出し切れなくなるのだ。
岸田が恐怖心を感じるようになったのは半年前から。
毎日つけている練習日記。
そこに岸田が恐怖心を抱く事になった試合の事が事細かに書かれている。
それはタイで行われた国際大会での敗戦だった。
初戦は地元タイの強豪選手。
自信を持って臨んだ岸田。
第1ラウンドは2対0でリード。
しかし第2ラウンドで岸田は相手の回し蹴りを受けてしまう。
この時今までにない恐怖を感じたという。
その後立て続けにポイントをとられていく。
相手のパワーに圧倒され手も足も出なくなった。
あ〜これも入っちゃってる。
そして第3ラウンドに入っても防戦一方の岸田。
あ〜これか。
結果は3対11で惨敗。
相手の選手は優勝した。
あの蹴りがトラウマとなり恐怖心が残ってしまったのだ。
とっても岸田選手気持ちの強い選手だとは思ったんですけどやっぱりメンタルの動きってすごくあるんですね。
やっぱり怖さというかねあれだけ激しいものですからね。
実際に痛いでしょうしね。
これ今日は実際に防具です。
ちょっと見てみましょうか。
こちらがヘッドギアでこれが胴回りを守るものですね。
あっ軽い。
軽い。
え〜これだけですか?これもすごい軽いんですよ。
本当ですか。
あっ本当だ。
結構薄くないですか?そうですね。
あ〜これはちょっと怖いかもしれない。
意外にプロテクトされてるっていう感じはないですね。
テコンドーは攻撃も防御もどちらも大切で防具は最小限の危険を防ぐためのもの。
なるほど。
これで足蹴りを頭にくらう訳ですからやっぱり相当ちょっと怖いなと思ってしまうのは分かるような気がしますね。
いやこれは分かりますね。
岸田さんね蹴られるのが怖いというのありましたけどアスリートにとって恐怖心ってどういうものですか?私も体格が小さかったので180センチ190センチのパワフルな外国人選手と戦う時は実際に圧倒されるというか…。
テニスってネットを挟んだ格闘技っていわれてるぐらい結構激しいものなのでそういった意味では精神的に怖いなっていう怖さは感じますね。
さてここで恐怖心と戦う岸田さんに力を貸してくれるのはこれまでオリンピックに3回出場している岡本依子さんです。
テコンドー初のメダリストとなった…現役引退後は子どもたちを中心にテコンドーを教えている。
テコンドーが正式に採用された…パワーで向かってくる大柄な外国人選手を相手に後ろ回し蹴り。
相手が…。
うわ〜すごい。
見てますね相手の動きを。
倒されてもすぐに立ち上がり攻撃に出る岡本の闘志。
怖いな〜。
気持ちが強い。
すごい。
(実況)岡本銅メダル獲得!やりました岡本依子!大阪から岸田の地元埼玉にやって来た岡本。
実は岸田が恐怖を抱いたタイのビデオを見ていた。
岡本は岸田に何を伝授するのか。
あ〜どうもお疲れです。
こんにちは。
お願いします。
岸田の身長は164センチ。
現役時代の岡本も外国人選手と比べて小柄な身長に悩まされていた。
そうなんです。
恐怖心はテコンドーの選手なら誰でもあると岡本は言う。
岸田の練習を見守る岡本。
しばらくするとある動きが気になると言った。
指摘したのは相手に蹴りを出したあとの動きだった。
岸田は蹴りのあと必ず1歩後ろに下がる。
そこに一瞬0.3秒の隙が生まれる。
これはテコンドーで一発の蹴りにかかる時間に相当する。
相手はこの隙をチャンスと見て攻撃に出る。
う〜ん。
なるほど。
そう言われるとね。
岸田自身が作り出すこの隙が恐怖心を生んでいると岡本は見た。
岡本は下がらず蹴りを連続しろと言う。
隙を見せず攻撃し続ければ恐怖心を持つ事はないと伝授した。
(岡本)そうそうそうそう。
それやったらいいやろ?相手来た時にバ〜ッて。
岸田少しずつ手応えをつかんできた。
あ〜なるほど。
全然違う。
全然違いますね。
ゾクゾクするな何か。
できるんちゃう?ありがとうございます。
岸田が連続攻撃を繰り返し練習していると岡本が再び止めた。
もっと相手の懐に入れというのだ。
間合いをつめて蹴りを出せば自分のペースで攻撃ができ恐怖心を抱く事はない。
相手の人が絶対帰ってくんのやからそしたらそこに足上げたらめっちゃチャンスやで。
踏み込んでかなきゃいけないんだ。
間をつめろ。
そうだよね。
あ〜全然違う!すごい分かりやすい岡本先生。
間合いをつめ攻撃を続ける。
それは攻撃は最大の防御という現役時代の岡本のこだわりそのものだ。
見るよ見るよ見るよ見るよ…。
そうそうそうそう。
最後まで見る。
はい。
いいね。
すごいすごい!お〜当たった当たった。
はい。
最後に岡本が伝授したのは技ではなかった。
試合に向けての気持ちの持ち方だ。
どんな時も必ず勝てるっていうそういう自信を持っとかなあかん。
自分は強いと思え。
大きな試合に臨む前岡本も必ず自分に暗示をかけたという。
(岡本)絶対世界チャンピオン。
(岡本)なるんじゃなくて「私は世界チャンピオン」。
私は世界チャンピオン…。
う〜んすごい!すごいですね。
何かゾクゾクしますね。
いろんな今日ポイントがありましたけどまず攻撃は最大の防御。
自分が攻撃してる時は攻撃されないっていう事もあったりもしますしね。
それによってどんどんどんどん自分のパターンに持っていけるという事もありますからね。
でも分かってても間をつめたりとかもう一歩ってなかなか出てこないですよね。
怖さがねどうしてもある時は…あると思うんですけど。
でもVTRの中でさすが岡本レジェンドの言ってる事っていうのがすごく私たちにも分かりやすく…。
それによって全然今までとの動きが違ったっていう変化っていうのがすごかったですね。
ちょっと岡本依子恐るべし。
鏡の前で叫んでましたけどこういうのってやった事あります?私自身も違う方法ですけれども呼吸法とイメージトレーニングというのを併せ持ったやり方があって…。
腹式呼吸ですね丹田でしてそして自分のいいイメージ…相手が決まってる時は相手と実際に対戦してる時のイメージを…こうイメージしながら躍動感あふれる自分のテニスをするっていうものをやったりするんですけども。
いいイメージを上塗りしていくっていう事をやってますね。
でも考えたら僕もやってました。
やってますか?うん。
ステージの前とかに「大丈夫。
今日何が起きても大丈夫。
ここまでやってきたからどんな事が起きても必ずうまくいく」っていうのを言ってやってましたね。
これ岡本さんの言葉なんですけど…すばらしい言葉ですね。
また岡本さんが言うと更に説得力増しますねこの言葉。
絶対にそこに恐怖心ってあるじゃないですか。
怖いという気持ちがあるけどそれを見て見ぬふりするのではなくてそれをどうやって自分で友達にするのか向かっていくのかたたき潰すのか自分のやり方ですよね。
それを見つけられるかってすごい重要ですよね。
何かすごくオリンピアンから聞く恐怖との向き合い方というのはさまざまな場面で役に立つんじゃないかなって思います。
そうですね。
岡本さんは指導を終えたあと岸田さんにとっておきのプレゼントを用意していました。
(岡本)形になった…。
これ形やん。
でもこれどうぞ。
銅やで。
銅。
銅メダルをとった岡本は岸田に金メダルをとるための心構えを話した。
いい事言う。
すばらしいですね。
岡本さんの事をねえさんって呼びたいですね。
何か人生で行き詰まったら岡本さんの所に行ってズバッと言ってほしいぐらい何かすごい胸に響く言葉ですね。
ストレートに来ますよね。
来ますね。
「勝つ道を見つけるのは自分」とやはり言っていましたがこれはオリンピアン…まあ何を目指すのもそうかな。
これとっても大事な事ですよね。
本当そうですね。
自分のやり方っていうものを…それぞれ違いますからね見つけ出せるかっていうのが本当に超一流アスリートになれるかなれないかというところに分かれるなっていうふうに思いますね。
本当にそう思いました。
今日の2人のぶつかり合いいかがでしたでしょうか?すごく留佳ちゃんも元気じゃないですかエネルギーあって。
で吸収して。
何よりも今怖いのは恐怖心。
それを何か打破できたんじゃないかなって。
いや今日は打破できたと思いますね。
すばらしい大先輩ですね。
すばらしい先輩だったと思います。
さあ5年後に向けネクストエイジの挑戦はまだまだ続きます。
更なる成長に期待しましょう。
2015/05/26(火) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
めざせ!2020年のオリンピアン「“恐怖心”を克服し金メダルを!」[解][字]

テコンドーの新星・岸田留佳15歳。半年前の国際試合の敗戦から強い相手に恐怖心を抱くようになった。岸田にシドニー五輪銅メダルの岡本依子が恐怖心克服の秘策を伝授だ。

詳細情報
番組内容
格闘技、テコンドー期待の新星が岸田留佳15歳。抜群の反射神経から繰り出す蹴り技は、同年代では敵なしのパワーと切れ味を持つ。しかし、半年前に出場した国際試合の敗戦がトラウマとなり、強い選手との対戦で恐怖心を抱くようになった。その岸田に秘策を伝授するのが、シドニー五輪銅メダリストの岡本依子だ。超攻撃型テコンドーで知られる岡本の指導で、岸田は恐怖心を克服できるのか?金メダルを目指す二人を密着取材した。
出演者
【司会】北川悠仁,【出演】杉山愛,元テコンドー選手…岡本依子,高校1年生・テコンドー選手…岸田留佳,【語り】山上智

ジャンル :
スポーツ – オリンピック・国際大会
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ

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日本語
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