8NHK高校講座 化学基礎「原子〜肉眼で見えないミクロの世界〜」 2015.05.27


(3人)こんにちは。
「化学基礎」始まります。
リホです。
ナオです。
カナです。
私は化学ってあんまり得意じゃなかったんだけど結構身近なところにも化学があるって分かってきて最近何だか面白くなってきちゃいました。
ナオちゃんはどう?うん。
いろいろな実験とかがあって楽しい。
そっか。
カナちゃん化学って意外と面白いね。
うん。
化学を学んでいくと身近にあるいろんなものの事が分かってきてもっと楽しくなるよ。
へえそうなんだ。
楽しみだねナオちゃん。
うん。
さて今日は原子についてです。
ナオちゃんも原子って聞いた事あるよね。
うん習ったけど…忘れちゃった。
え〜そうなの?じゃあどういう事かと言うと…。
ジャン!ミクロって何?とってもとっても小さいっていう意味なんだよ。
目に見えないくらい?そう。
今日は目に見えない小さな世界のお話。
どんな世界が広がっているんでしょうか。
早く知りたい。
分かりました。
それではケミストリーの世界に入りましょう。
は〜い。
は〜い。
最初のコーナーでは物質をミクロの世界で考えてみましょう。
例えばこの紙。
はいナオちゃん。
その紙を半分に切ってみて。
うん。
もっと?もっと。
まだ切るの?まだまだ。
もっと。
もう切れないよ。
そっか。
でもそれをそうやってどんどん切っていくと最後はどうなると思う?う〜ん。
目に見えないくらい小さくなる。
そうだよね。
目に見えなくなるんだから最後どうなるか分かんないよね。
カナちゃん見えない世界を知るヒントって何かない?では見えない世界をイメージできるヒントをお見せしましょう。
お願いします。
はい。
ではこんな実験をしてみましょう。
ここに水50mLと無水エタノール50mLがあります。
じゃあこの2つの液体を混ぜると体積は何mLになるでしょう。
はい。
50と50だから合わせて100mL。
すごい!そうそうです。
カナちゃん100mLになります。
はい。
ではやってみましょう。
水50mLに無水エタノール50mLを混ぜていきます。
果たして本当に100mLになるのでしょうか。
はいどうでしょうか。
あれ?98mLしかない。
100mLあるはずなのにどうして?実は物質をミクロの世界で見ると小さな小さな粒で出来ているのね。
そしてその粒の大きさは物質によって違うんです。
例えばミクロの世界で見た無水エタノールを簡単な絵にしてみると…こんな感じ。
わあ粒がいっぱい。
そうだね。
そして水の場合も同じように簡単に表すとこんな感じ。
あれ?無水エタノールより水の方が粒が小さいんだね。
そうなんです。
そしてこの2つを合わせるとこうなるんです。
無水エタノールの大きな粒の間に水の小さな粒が入り込んでしまうので実際の体積はそれぞれの体積を合わせたものより小さくなって98mLになってしまうんです。
なるほど。
このように物質はみんな小さな小さな粒から出来ています。
そしてこのような…さっき紙を半分に切っていくと最終的にどうなるのかって考えたけどその答えはこの「原子のレベルまで行き着く」です。
うん。
でも見えないのに…ずっと昔から物質は何か基本的なもので出来てるんじゃないのかなって考える人はいたのね。
でもそれはず〜っと考えでしかなかったの。
でも今から200年ぐらい前「物質が原子で出来ている」という考えに立って実験をしてその結果を化学的に解釈をした人が現れたんです。
今から遠い昔。
ギリシャの哲学者デモクリトスが全ての物質は何で出来ているのかふと疑問を持ちました。
考え続けた末彼はものを分けていくと最終的には分割できない小さな粒になるという結論に達しました。
そしてその小さな粒を「アトム」と命名。
ギリシャ語で「これ以上分けることができない」という意味です。
しかしこの時は哲学的に考えられただけで誰も原子の存在を信じませんでした。
それから2,000年以上たった…イギリスにある田舎の村の貧しい家庭に一人の男の子が生まれました。
名前はジョン・ドルトン。
ドルトンは15歳で小学校の先生を務めるほどの天才でした。
ドルトンのモットーは自分以外の科学者の研究成果をうのみにせず必ず自分で実験や観察を繰り返して確認するという事。
ドルトンは気象観察や大気の性質について興味を持ち実験研究を行っていました。
一方彼は物質は原子で出来ているという仮説を立て化学的研究も行いました。
その結果1808年に「化学哲学の新体系」という本を発表。
ドルトンは「原子説」を世に認めさせるきっかけを作り「近代化学の父」と呼ばれています。
ドルトンってすごいんだね。
そうだね。
人が言った事をうのみにしないで自分でちゃんと確認するって大事な事だよね。
うん。
ドルトンのこの「原子説」をきっかけにいろんな研究や考え方が積み重ねられて今の原子の考え方につながってきたんだよ。
なるほど。
じゃあここまでをまとめてみましょう。
このコーナーのケミカルポイント!今度は「原子の大きさ」です。
原子ってものすごく小さいんだよね。
そうだよね。
カナちゃん原子ってどのくらい小さいの?ぐらいです。
つまり1cmの間に1億個の原子を並べる事ができるほど小さいんです。
1cmってこのくらいだよね。
え!この間に原子が1億個?え!イメージできない。
ねっ。
じゃあちょっとクイズです。
目に見えないほど小さい…じゃあ次の3つの中から正解を選んでみて下さい。
1東京ドームと同じぐらいの大きさ。
2月と同じぐらいの大きさ。
3地球と同じぐらいの大きさ。
さあどれでしょう。
どれだと思う?東京ドームかな。
東京ドーム?もっと大きいんじゃないかな。
じゃあ月?月?はい。
じゃあ月にしよう。
月にします。
月ですか。
う〜ん…。
残念!正解は3の地球と同じぐらいの大きさなんです。
地球?炭素原子がこのゴルフボールと同じぐらいの大きさだとするとゴルフボールは地球とほぼ同じぐらいの大きさになるんです。
そっか。
原子って本当に小さいんだね。
そうだね。
でもそんな小さな原子を見てみたいね。
何か方法はないのかな。
先生こんにちは。
こんにちは。
教えて下さい。
原子そのものを見る事はできませんが特殊な顕微鏡を使うと原子の像を見る事はできますよ。
えっ本当ですか?見たいです。
はい分かりました。
(貝谷)この丸い一つ一つがケイ素という元素の原子を表しています。
これが原子ですか。
原子ってこんなふうに丸いんですね。
いやいや実は丸く見えるだけなんです。
えっ?どういう事ですか?例えばこの扇風機の羽根。
動いていない時はこんな形をしていますよね。
でも動かしてみますよ。
はい。
どうですか?羽根の見え方が変わったでしょう。
はい。
丸く見えます。
そうですね。
実は原子が丸く見えるのもこれに似ているんです。
そうなんですか?原子の詳しい内容についてはこれから徐々に学習していきますよ。
楽しみです。
いずれにしても私たちは肉眼で原子を見る事ができません。
しかし…目には見えないけれど私たちの周りにはミクロの世界があるっていう事ですよね。
先生ありがとうございました。
今日は…僕一円玉。
今日も迷子になっちゃった。
あっみんなが迎えに来てくれた。
僕たちの正体を教えてあげる。
よいしょよいしょ。
あっ間違えちゃった。
あっちに行かなくちゃ。
Alの出来上がり。
僕たちアルミニウムで出来ているんだ。
最後は「原子の質量」です。
質量って何?え〜っと重さの事…かな?そうだね。
質量と重さは日常会話では同じものとして使ってる場合もあるんだけど厳密には違います。
どう違うんですか?例えばある物質を宇宙に持っていったとします。
宇宙では地球の重力のような大きな引力は働かないので重さは地球の時よりもずっと軽く感じるのね。
でも質量というのは地球でも宇宙でも変わらないものなんです。
へえ。
重さは重力が変わると変わるけど質量は変わらないんだ。
うん。
じゃナオちゃん原子の質量ってどのくらいだと思う?原子がすごく小さいんだからちょっとしかない?そうだよね。
カナちゃん原子の質量ってどのくらいなんですか?はい。
じゃあこの一円硬貨これは金属のアルミニウムつまりアルミニウム原子から出来ています。
でこの一円硬貨の質量は実は1gです。
じゃあこの1gの中にアルミニウム原子は何個ぐらい入ってると思う?え〜っとそういえばさっき原子の大きさは1cmの間に1億個入るぐらいって言ってたね。
う〜ん。
一円玉の中には10億個入る?ウフフフ。
カナちゃん正解はどうなんですか?はい。
正解は…。
これです。
すごい!0がいっぱい。
ねっ!そう。
つまり2.2掛ける10の22乗個のアルミニウム原子が1gの中に入ってるんです。
だから…え?どういう事?つまりものすごく軽いって事。
そっか。
ナオちゃん原子のイメージ湧いてきたかな?うん。
ちょっと。
ウフフフ。
うん。
ちょっと信じられないような原子の世界ですが今の科学技術を使うとこんな実験もできるんです。
これは顕微鏡で見た…この原子を動かしてみましょう。
実験に使うのは原子間力顕微鏡という特殊な顕微鏡です。
この顕微鏡には先端がとても鋭くとがったプローブと呼ばれるものがついています。
原子を動かすにはこのプローブを使います。
緑色の印をつけた所でプローブを瞬間的に押し込んでみます。
やってみましょう。
プローブを押し込みました。
画像はどうなったでしょうか。
プローブを近づけた所が暗くなりました。
原子が抜けて穴が開いたのです。
すごいね。
すごいね〜。
そのそばには明るく光っている所があります。
ここでは原子が増えたのです。
この装置を使うとこんな事もできます。
大きな黄色の粒はスズ。
小さな粒はゲルマニウムの原子です。
スズとゲルマニウムの原子を入れ替えていきます。
Snと読めますね。
これはスズの元素記号Snを表しています。
こんなふうに原子を並び替える事もできるのです。
すごいね!うん。
この技術を応用すると将来新しい物質とか作れるかもしれないね。
うん。
すごいかも。
これは金を薄〜く薄〜く延ばした金ぱくです。
きれい。
ほら見て。
この薄さ。
うわ〜とっても薄い。
そうだね。
こんなに薄くてもこの厚みの中に金の原子がたくさん詰まってるんだよね。
この金ぱくは厚さが0.0001mmしかないんだけどその中になんとおよそ500個の金の原子が並んでるんです。
すご〜い。
うん。
では今日のまとめのケミカルポイント!何だかいろいろなものが粒の集まりに見えてきた。
本当に?ナオちゃんミクロの世界が見えるようになったんだ。
わあすごい。
それにしても薄いよね。
本当だよね。
物質をミクロの世界で見ると小さな小さな粒で出来ています。
原子の質量はとても小さく…2015/05/27(水) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 化学基礎「原子〜肉眼で見えないミクロの世界〜」[字]

化学基礎は平成24年度から新たに設けられた科目で、中学校から高校への橋渡しの役目をする内容です。基礎をしっかり学んで、本格的な化学の学習に役立ててください。

詳細情報
番組内容
物質を次々に小さく分割していくと、最後にはその物質としての基本粒子になる。この物質を構成する基本粒子を「原子」という。原子1個の大きさは、1センチメートルの1億分の1程度で、とても小さく、肉眼で見ることはできない。しかし、特殊な顕微鏡を使うと原子の像を見ることができる。原子はその種類によって固有の大きさと質量を持っている。
出演者
【解説】東京都立府中高等学校教諭…貝谷康治,【出演】高田里穂,吉田奈央,横畠加奈子,【語り】伊倉一恵

ジャンル :
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