(土方)ばあさんいつもの。
ああトシさん。
あんた宝くじに興味ないかい?
(土方)俺が今までここにタバコ以外のもん買いにきたことがあるか?そうじゃなくってさこれ。
ん?バラで宝くじ買ったお客さんが1枚落としていっちゃって。
ずっと保管してたんだけどあんたいる?悪いが紙切れ1枚に託せる軽い夢なんざ持ち合わせちゃいねえよ。
相変わらず遊びのない男だねぇ。
そりゃ年々タバコの本数も増えるはずだ。
宝くじなんて誰も本気で当たるなんて思っちゃいないよ。
結果よりもそれまでにあれやこれやと夢や妄想をふくらませんのが醍醐味なんだから。
眉間にしわ寄せて帳簿とばかりにらめっこしないでこの紙切れ1枚懐に入れといてみな。
それだけできっと世の中が違って見えるから。
しつけえなばあさん。
だいたい俺は警察だぞ。
落とし物ネコババできるわけねえだろ。
落とし物預かるのも警察の仕事だろ。
《土方:くだらねえ。
こんな紙切れ1枚で買えるほど俺の夢は安かねえ》
(沖田)近藤さん何を熱心に読んでるんでぃ?
(近藤)宝くじの当選発表だよ。
気まぐれに10枚ほど買ったんだが惜しかったな〜。
もうちょいで3億だったのに。
《侍の夢とは誰でもない己自身の剣によって斬りとるものだ。
何より宝くじでカネで手に入るような夢は夢とは言わねえ。
こんな惰弱な紙切れ侍には必要ねえ》
(沖田)なんすかこの番号。
近藤さんV以外全部見当外れじゃないすか。
V−五七三九六二八ですよ。
これで惜しいなら前髪V字の土方さんだって惜しいって言ってもいいでさぁ。
ねえ土方さ…。
何が?全然V字じゃないけど。
全然惜しくなんかないけど。
全然宝くじなんか興味ありませんけど。
土方…さん?おいトシ〜!?ちょっとトシ〜!《あ…当たってた…。
3億…当たってた。
ウ…ウソだろ。
たまたまもらった宝くじがたまたま当たってる確率なんざたまたま生まれた双子がたまたま2人ともオカマでたまたまいらずだったくらいの天文学的たまたま率だぞ。
おお…落ち着け。
と…とにかく換金しないと。
ピーコとおすぎのたまたまを。
違う違う違う!宝くじだ宝くじ!で…でもいいのか?これは落とし物。
俺はそれを預かっただけじゃなかったのか!?いやしかしこのままでいるのも危険だ。
いつ何時何者かが3億のありかに気づいて宝くじを奪いにくるともかぎらん。
いったん3億を…。
マヨネーズに換金するほうが安全だ。
そうだ。
マヨネーズ御殿マヨネーズプールに換えてそのうえで俺が預かってるだけだ。
土地やマヨネーズなら資産価値もそう上下しない。
すぐに返せる。
よし。
そうとなれば早速銀行に…》みんな:ヘッヘッヘ。
あいつ3億の宝くじ持ってるぜ〜!ここいつは…。
これを1枚懐に入れといてみな。
それだけできっと世の中が違って見えるから《土方:せ…世界が違って見える!み…みんなモヒカンに見える!》2人:ヒャッハー!宝くじだぜ〜!《に見える!た…たった紙切れ1枚懐にしただけで世の中すべてがこいつを狙うモヒカンに見えてくるなんて…。
お…俺はなんて恐ろしい悪魔の紙切れを手にしてしまったんだっ!落ち着け!幻聴だ!幻覚だ!消え失せろっモヒカンども!!お前たちはもう死んでいる!!》
(銀時)お…おいおいあっぶねえな。
何やってんだてめえ。
《や…やばい!モヒカンどころかよりによって今いちばん会いたくねえやつに…。
ラオウに出くわしちまった!!》んだか知んねえけど白昼一般人に斬りかかるたぁこりゃ警察による立派な不祥事じゃねえの?こりゃあ慰謝料3億くらいもらわねえと気が済ま…。
3億なんて持ってるわけねえだろ!!断固3億なんて持ってねぇ!絶対3億なんて持ってねぇ!天地神明に誓って3億なんて持ってねぇ!!い…いやわかってるよ冗談だろ…。
冗談でも言っていいことと悪いことがあるだろ!謝れよ俺と3億に謝れよ!!え?俺が謝るの?俺が悪いの?《何なんだこいつなぜ3億という数字を…。
まさか知っているのか!?》ずいぶん3億に反応するじゃねぇか。
ひょっとしてお前宝くじ買ってた?実は俺もなけなしのカネはたいて夢を買ったはいいが見事玉砕しちまってな。
知ってる?あの3丁目のタバコ屋3億出たらしいぜ。
俺もあっこでバラ10枚買ってたんだけどさ1枚どっかに落としちまったみてぇでババアに聞いても知らぬ存ぜぬよ。
もしかしてあの1枚が…なんてこと思うとどうにも諦めきれなくてな。
《こっこっこっ…こいつだった!!3億の宝くじこいつのだった!!やはりこいつすべてを知ってる。
とぼけてやがるが宝くじを取り返しにきやがったんだ!なぜだ!よりによってなぜこんなチンピラ侍に3億が!こんなやつに3億明け渡すくらいならいっそケツ拭いて便所に流すほうがマシだ!こいつ懐に何か…まさかっ!》紛失届出すから見つかったら教えてくれ。
あの世からな…。
《上等だ!!そっちがそのつもりならっ!》今日オープンしました御苑屋で〜す!よろしければ…ウッヒャ〜!《しまった!すでに仲間を背後に!いや違う!》何ボーッとしてやがんだ〜!早く逃げるぞ!すでにてめえにも刺客が差し向けられていやがる!えっ刺客?どこに?さてはてめえばあさんとの話を誰かに聞かれたな!だから何の話だ?見てわからねえのか!俺たちは…いやこの宝くじは何らかのモヒカン組織に狙われている!いやどんな組織だよ!
(土方)短期間でここまで街中にモヒカンを配するとは…。
敵は間違いなくモヒカンのプロ!それも相当巨大なモヒカン組織だ!モヒカンなんてどこにもいねえよ!つうかモヒカン組織っていったい何!?危ねえ!モヒカンによる硫酸攻撃だ!うわぁ!わぁ〜!危ねえ!モヒカンカーによる特攻だ!うわぁ〜!
(土方)危ねえ!モヒカンのバンドマンだ!今どき流行んないよ。
何が危ねえんだ!危ねえのはお前だろ!いったい何が見えてんだてめえは!!お前街中にいるあのモヒカンヒットマンが見えねえのか?だからモヒカンなんていねえつってんだろうが!!えっウソ?ウソだよね?ウソじゃねえよ!さっきから1人で何やってんだてめえは!《ま…まさかこれも全部3億の宝くじを持つがゆえの幻覚?そういや結局こいつも俺が当たりくじ持ってるの知らねえみたいだし…》う…うん…。
そうかどうやら俺は長い間悪い夢でも見てたようだ。
見苦しいところを見せた。
忘れてくれ。
では俺は銀行に用があるからこれで…。
待たんかい。
夢なんかじゃねえよ。
少なくともお前が俺にしでかした慰謝料もんの不祥事は…。
お前さっき宝くじが何とかって言ってたよな?銀行に何しに行くの?
(土方)当たってない当たってない!当たるわけねえだろ!何を根拠に当たったなんて言ってんだ?てめえは!当たったなんてひと言も言ってねえよ。
当たったんか?当たってねえって言ってんだろ!帰れよてめえ忘れろよ!いくらだ?ん?いくら当たったんだ?わかったわかったチョコレートパフェおごってやっからなんぼでも食わせてやっから頼むから帰ってくんない?手あげろ。
手あげろって言ってんだ。
はいはい幻覚はもう見飽きたってんだ。
(土方)どけよおら邪魔なんだよ腐れモヒカン。
あん?土方君土方く〜ん!それ本物のモヒカン。
あ…。
騒ぐんじゃねえぞ。
1人でもおかしな真似してみろ全員まとめて蜂の巣にするからな。
《なんでこんなことになった!?あらゆるモヒカンの幻覚を乗り越えあと一歩で宝くじを換金できるところまできたのに。
ゴール直前でモヒカンの銀行強盗に出くわすだと!?もうどれが幻覚のモヒカンでどれが現実のモヒカンなのかわからなくなってきた》面倒なことになっちまったな。
お前警察だろ。
目の前で犯罪起きてんのに恥ずかしくないんだ?すごいね警察って。
俺なら顔真っ赤っかだけどね。
《うるせえ!てめえは引っ込んでろ!今の俺はただの警察じゃねえんだよ!懐に3億の宝くじを隠し持ってる全身にエサがぶら下がった警察なんだよ。
もし強盗どもにこの宝くじの存在を気づかれでもしたら…》ヒャッハ〜!こいつは思わぬ副産物だぜ!《いや何よりこいつに気づかれたりしたら…。
やはり下手に動けねえ。
人質の命そして3億がかかってんだ。
ここはおとなしく嵐が過ぎ去るのを待って…》よしお前ら持ち物検査するぞ。
金めのもんを持ってるなら今のうちに全部出しな。
《げっ!》おいおい。
銀行強盗に来といて庶民から小銭まで巻き上げようってのか?ずいぶんケチな強盗だね〜。
うっ?おい今しゃべったの誰だ。
《余計なことしゃべんじゃねえ!》すみません止めたんすけど正義感だだ漏れのやつで。
《おっ俺!?》そのへんにしとけって。
いや俺は!うっ。
生意気な野郎だ。
てめえから調べてやる持ってるもん全部出せ。
《てめえ何してくれてんだ!?た宝くじだけは絶対見せらんねえ》早くしろ!《ここうなったら…》こいつでいいのか?けっ警察手帳!?まさかてめえは!真選組副長土方十四郎だ。
ざ残念だがてめえらの計画はとっくに警察がつかんでいる。
ここの銀行はすでに真選組によって包囲されているんだよ。
俺が合図を送れば一斉突入。
てめえら全員なます斬りだ!よっしゃ〜!しっぽ斬った〜!やっぱ非番暇っすね。
(土方)死にたくなければ武器を捨てて投降しろ。
悪いようにはしねえ。
《頼む信じてくれ。
かかってくれ…》ククソ…。
まさかサツに全部洩れてたなんて。
どうすんだ?あの人斬り集団が相手じゃ勝ち目はねえぞ!《土方:きた〜!》落ち着け。
斬り込みなんてそう簡単にできるわけねえだろ。
あんたらには俺たち人質がついてんだぜ。
《てめえはどっちの肩持ってんだ!?》そもそもそんな真似できるなら人質取られる前に斬り込んできてるって。
つまりやつらは何らかの理由でまだここに揃っちゃいねえんだ。
わかる?ななるほど。
《土方:人質の態度じゃねえよ。
いったいどのスタンスでしゃべってんだてめえは!》とはいってもサツが来るのも時間の問題。
逃げるなら今しかねえよ。
だが人質ぞろぞろ連れてたんじゃ邪魔になる。
人質なんてのは警察まくのに効果的なやつ一人で事足りるんだよ。
つまり…。
(2人)あぁ!警察のあいつってことっすね!《ちょっと待て〜!》そういうこと。
あとのことは俺がうまくやっとくから。
お前らもうまくやれや。
(モヒカンたち)ありがとうございやした!《ありがとうじゃねえ!もはや強盗団の主犯格になってんだろうが!》土方君もあとのことは気にしないでいいから。
全部俺がうまくやっとくよ。
《ん!?や野郎…。
やっぱり気づいてやがった》《あばよ警察ならぬネコババ泥棒が。
せめて3億の中から300円くらいは葬式の花代に使って安らかに眠るがいい》待て!ちょっと待て〜!あいつ3億持ってます。
えっ。
お前何やってんの。
自分から3億持ってんのバラしてどうすんだ!てめえにくれてやるくらいならこいつらにくれてやったほうがマシだ。
くれるもクソもあれはもともと俺が落とした…。
ばあさんが俺にくれたんだ。
その前の事情なんざ知ったこっちゃねえ!警察がネコババしていいのかよ。
ネコババしたのはババアだ。
俺はそれをもらっただけだ!ケンカはよしなさい。
3億。
思わぬ棚ぼただ。
どこにあるのか教えてもらおうか。
《そうだ。
こいつらまだ宝くじのことは…》あぁあのあれだ。
こいつの資産家のばあさんがこの間亡くなってな遺産全部こいつに転がりこんだんだよ。
なあ?そうだよな?ああぁ。
俺おばあちゃんっ子だったからさ。
《そうまだ護れる。
まだ宝くじは護れるぞ》で?その遺産はどこに?いいかてめえは黙ってカネだけ下ろしてこい。
妙な真似したらこいつを即撃ち殺すからな。
あ全然今撃ち殺してもらったほうがいいんすけど。
いいわけねえだろ!わかってるよな?お前。
わかってるよな?お前。
《わかるわけねえだろ!3億なんて貯金どこにあんだ!ババアなんてどこにいるんだ!?》《お前ならできる。
信じてるからなお前はおばあちゃんっ子だって》《3億なんてこれ使うしかねえだろ。
でもそれじゃあ宝くじ護った意味がねえし。
しかたねえ》いらっしゃいませご用件は?あの今は見せられないんですけど…。
これで絶対返すんでとりあえず黙って3億出してもらえます?
(みんな)ヒャッハ〜!銀行強盗じゃん!完全なる銀行強盗じゃん!人聞きの悪いこと言うな!借りただけだ!ちゃんと宝くじチラ見せしてきたから!あのツラで懐まさぐってたら拳銃にしか見えねえよ!あん!?宝くじとお前の命つないでやっただけでもありがたく思えバカ野郎!やるなぁ兄ちゃん。
まさか獲物持たないで3億引き出しちまうたあ。
《認められちゃったよ。
強盗に一目置かれちゃったよ》
(サイレン)そこのトラック止まりなさい!ササツだ!俺たちパクりに来やがった!違うよねお前だよね絶対お前だよね。
お…俺は何も犯罪なんて犯してねあっ!なんだこれ。
宝くじ…あ〜!何も見てねえよな?宝くじなんて見てねえよな!?うわ〜!何を言ってるんだキミは!
(みんな)ヒャッハ〜!警察まいてんじゃん!身を挺して強盗団助けてんじゃん!人聞きの悪いことを言うな。
俺はあれを取りに行っただけだ。
元はといえばてめえが不注意であれを飛ばすから!助かったぜ。
てめえたいした根性してんな!このままなんとかみんなで逃げきろうぜ!《仲間意識が芽生え始めてるよ!連帯感が生まれつつあるよ!やべえよこのままじゃ俺たち強盗団の仲間入りだぞ!》まずいぞ!道が封鎖されてやがる!完全に先回りされた!おいどうする?どうするって何だ!?完全に俺たち強盗団の司令塔扱いじゃねえか!よし今のうちに!待てこら!てめえ人の宝くじ持ってどこ行くつもりだ!このままじゃこいつらと一緒にパクられんだろうが!逃げるのは今しかねえ!ふざけんな!これは俺んだ置いてけ!待て待て破れる破れる。
破れる!よし俺たちならあんな壁破れる!
(2人)いやそういう意味じゃなくて〜!
(みんな)ヒャッハ〜!よっしゃ〜!越えたぜ!あんたらがいれば怖いもんなんてねえ!ここからは各自分散して警察をまけ!
(みんな)わ〜!土方さん坂田さん生きて会えたら1杯やろうぜ。
じゃねえだろ!完全に強盗団の主犯だよ。
こんなところ見つかったら宝くじどころか俺たちもおしまいだぞ!おいどういうことだ!なんで俺たちのほうにばかり警察が?また幻覚か?こいつのせいで幻覚を見てんのか俺は!こいつを手にしてからすべてが変わっちまった。
こいつを手にしてから何もかもおかしくなっちまった。
フッ…紙切れ1枚に振り回されるたあ俺たちもまだまだってことか。
終わりにしようぜ。
あぁそろそろ目覚ます頃だな。
3億の夢なんざ俺たちの手にあまらぁ。
(土方)振り回されんのはてめえの夢だけで十分だ。
後悔してももう遅いぞ。
しねえよ。
3億ならここにあるから。
なんでてめえがそれ持ってきてんだ!?おめえが宝くじ譲りそうにねえからこっちで我慢しようと思って。
ふざけろよ!俺たちだけ追われてんのは幻覚どころかてめえのせいじゃねえかよ!ああそうだったんだ。
じゃああれは盗んだ金ではなく強盗団から取り返した金だと…。
(2人)そそうだよ…。
(沖田)すみません。
どう見ても泥棒2人の会話だったんで。
まあ強盗団も捕まえたし潜入捜査ってことで片づけときまさぁ。
ただ燃えた3億のほうはこっちじゃ責任取れませんので。
ん?返すあてでもあるんで?
(土方/銀時)宝くじ…買ってくる。
(幸村)いけジンライドラゴン!
(佐助)ブロックだ!ムシャモサウルス!2015/05/27(水) 18:00〜18:30
テレビ大阪1
銀魂「人間五十年下天のうちをくらぶれば夢宝くじの如くなり」[字]
アニメ銀魂は、多くの皆様のご理解とご協力、そして沢山の夢に支えられています。
そんな沢山の夢は、決して宝くじなどで買えるものではありません。
詳細情報
あらすじ
第8話
「人間五十年下天のうちをくらぶれば夢宝くじの如くなり」
土方が、1枚の宝くじを譲り受けてひと騒動。どうやら3億円があたってしまったみたいです。
声の出演1
土方十四郎:中井和哉
坂田銀時:杉田智和
沖田総悟:鈴村健一
近藤勲:千葉進歩
声の出演2
小山剛志、峰かずこ ほか
音楽
【オープニングテーマ】
「DAY × DAY」
唄:BLUE ENCOUNT
【エンディングテーマ】
「DESTINY」
唄:ねごと
スタッフ
【原作】空知英秋
(集英社「週刊少年ジャンプ」連載中)
【監修】藤田陽一
【監督】宮脇千鶴
【キャラクターデザイン】竹内進二
【脚本】赤尾でこ
【演出】山口ひかる
製作
テレビ東京
電通
BN Pictures
ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:38719(0x973F)