「SWITCHインタビュー達人達」本日は女優鈴木京香が登場。
やって来たのは江東区のとある雑居ビル。
ここは一体…?実は最上階は現代アートのギャラリーになっている。
ギャラリーの一角には鈴木京香好みの作品が…。
初めまして。
初めまして。
鈴木京香と申します。
草間彌生と申します。
実は鈴木はかなりのアート通。
4年前には世界的アーティスト草間彌生と対談した事もある。
飾ってるんです。
鈴木のアートコレクションは美術雑誌で特集されるほど。
オークションでお目当ての作品を競り落とした事もあるという。
そんな鈴木の意中のお相手とは…。
数々のアーティストを育て上げてきた現代アートの仕掛け人らしい。
香港のオークションで5億円の値がついた奈良美智。
そして今や作品の市場価値は世界トップクラスといわれる村上隆。
村上隆と奈良美智世界的に注目を集める2人のスターを発掘したのはどんな男なのか。
その何て言うんでしょうねギャップを知りたいというんでしょうか。
あっいらした!こんにちは。
いらっしゃいませ。
すみません。
という訳でその男のギャラリーにやって来た鈴木。
今は引っ越し作業中らしいが…。
お忙しい時にありがとうございます。
この男こそ知る人ぞ知る日本の現代アートの仕掛け人なのだ。
あっ!ご覧下さい。
ベーコンで…赤いベーコンが前あったんですけど今回白いベーコンで…。
初めて見ます。
いわばアーティストのマネージャー的存在だ。
作品作りをサポートし展覧会など売り出すための戦略を練る。
ちなみにこちらは世界的グラフィックデザイナーサイトウ・マコトのペインティング。
お値段はうん千万円だそうです。
絵の具が立ってる感じ。
本当に立体的に…。
そう。
立ってる感じなんですよ。
すごいな〜。
迫力がね…すごくありますね。
それがすごいですよね。
あとはやっぱり…この顔がすごい好きだっていうふうに言ってたんですけども…。
こうやって見るとやっぱり…すごいですね。
色もね混ざり合ってきれいですよね。
バルケンホールかわいいんですよ。
結構木炭で描いてて…。
ドイツを代表する彫刻家バルケンホールのドローイングも。
彫刻作品の下書きだという。
鈴木は自宅に彼の彫刻を飾っている。
ちなみにこちらは38万円なり。
女優とギャラリスト今宵アートと演技の意外な関係が明らかに。
おうちとかにコレクションを掛けて…どういうふうにあるんですか?それが聞いてみたいなと…。
本当に?こう宗教画でこういうポーズをとったら…誰とか。
ファミレスでお誕生日お祝いしたりして…。
ミステリアスな美女から人生に疲れた主婦まで幅広い役を演じる鈴木。
私の事なんて誰も見てないのよね。
じゃあね。
年末の舞台では強烈な性悪女を演じた。
これおらの勝手にするだよ!最新作「おかあさんの木」では7人の息子を次々戦争に取られてしまう母親役を熱演している。
(汽笛)名うてのギャラリストが…イメージとかあるじゃないですか。
女優さんの。
全然…。
う〜ん。
そうなんですよね。
目立ちたいという感覚じゃない。
そういうのってあんまりないんですか?若い頃は?ドラマの中では…。
画商もいつもね悪く描かれるんですけど…はい。
こう帽子かぶって出てきたりとかね。
サングラスこんなね。
そうそう…。
画商もそうですけどちょっと気取った感じ。
だますとかねギャラアーティストからふんだくるとかそういうの。
鈴木がアートギャラリーの裏側を見てみたいという。
保管されている作品は1万点。
総額はなんと数十億円にもなるという。
ほとんどが作家から預かっているものだ。
小山さんやっぱり…そうですか?そうじゃありませんか?そうですね。
こんなに…。
こんなに大きいと思ってませんでした。
すごいんですよ作品の数が。
こんなにあるとはと思って…。
ねっ。
そうなんです。
そうですね。
ミイラみたいにこうクルクル巻きになってますけども。
そうなんです。
ここが…。
ミイラの正体はこちら。
30代の女性彫刻家大竹利絵子の木彫だ。
お値段は300万円。
小山のギャラリーで扱うアーティストは15か国50人。
小山は早い時期から海外のアートフェアに積極的に出展。
日本人アーティストを世界に売り出してきた。
近年は海外の有名アーティストの扱いも増えている。
僕らアートフェア…アートフェアがあるじゃない。
アートフェア…だけどどちらかでお会いしましたね。
ニューヨークでしたっけ?バーゼルです。
バーゼルだ。
バーゼルにいらっしゃたんですよね。
はい。
バーゼルなんかだとやっぱりいろんなギャラリーがいる訳で…。
すっごく楽しかった。
だけど僕らにしてみれば…持っていってその場でお店を広げて売るって訳ですから直売ですからね。
そういった意味では結構…そういう事を考えなくちゃいけない訳でしょ。
それがねなかなか大変なんですよ。
鈴木さん美術っていうのは基本的にどこがやっぱり一番自分にとって面白いんですか?私映画も大好きだしお芝居見に行くのも好きなんですけどやっぱり今私こういう仕事させてもらってると何て言うんでしょうね…「自分も出たい」。
…もありますし自分に置き換えて…反省だとか落ち込みみたいなものにもつながるし…。
あとは逆に…自分もやんなくちゃいけないって。
アートもあとは映画も舞台も鑑賞って使いますけど本当に…僕ゴッホとか好きなんでゴッホとか見てると…ああいうのってすごいですよね。
目の前の空気のとこにいた訳ですからね作者がね。
ああいったやっぱしこう時々あっと思いますよね。
美術愛好家として自分の好みみたいなものを仕事に反映させる割合ってどれぐらいなんですか?どういう事をなさってるんですか?日頃。
画商さんっているじゃないですか画商さんっていうのはやっぱし絵があってそれを誰かが売りたいって言った人がいたらそれを売り先を見つける。
もしくは…その作品を通してなんですけども。
ギャラリーの人たちの仕事というのはスペースを持ってて展覧会が一つの空間の中の表現にする。
それをアーティストの人と一緒に今回はどういう展示にしようかとかそういう事考える訳ですね。
それが2年…4年とず〜っとつなげていく事によって…2010年フランスベルサイユ宮殿で村上隆の大規模な展覧会が3か月にわたって開かれた。
現代アーティストとしては3人目。
アジア人としては初めての事だ。
ニューヨークグランド・セントラル駅での展示。
今や村上作品の市場価値は世界トップクラスといわれる。
小山が村上隆と出会ったのは90年代前半。
当時アニメをモチーフにした村上の作品は絵画としてほとんど誰からも評価されていなかった。
小山は銭湯を改装したギャラリーで村上の個展を企画。
アニメ風な題材を日本画の手法で描いた作品は賛否両論を呼んだものの会場は大盛況となる。
例えばアニメーション的なものをこういうペインティングにのせて美術館に飾ってしまってこれは何ですか?ちょっとアニメっぽいですねって美術館の学芸員の方が言った途端にじゃあ…小山はアメリカ各地のアートフェアに打って出た。
日本のギャラリーとしては珍しい試みだった。
ポップアートやストリートアートが花開いたアメリカなら村上の革新性が伝わると考えたのだ。
リーディングコレクターと呼ばれるアート市場に影響力を持つ人々が村上に飛びついた。
ウイルス対策ソフトで巨万の富を築いたピーター・ノートン。
彼らが作品を買い上げた事で村上は一気に注目された。
日本のアンディ・ウォーホルと呼ぶ者も現れた。
有名ブランドともコラボレーション。
村上の名は広く知られるようになる。
小山が才能を確信し海外に売り込んだ村上隆。
その作品は現代アートの世界に新しい潮流を作り出した。
そもそも…私の個人的な質問なんですけれど。
どうぞ。
ギャラリストを志すきっかけって何なんですか?ミーハーな。
ミーハーな。
ミーハーな。
アーティストと会えるというのが一番大きなところですね。
アーティストと一番近くにいる場所はギャラリーかもしれないっていうふうに思ってそれがやっぱり一番自分にとって面白いかなっていう事で村上さんとか奈良さんとかを一番初めオープンした時やってたんですけども奈良さんのドローイングが4万円とかねそういう。
村上さんのドローイングが10万円とか。
そういった時期をやってたんでそれから…2人いるっていう事自体はすごい事ですよね。
いいっていうのは売れるっていうのでいいって思うのか自分が好きだからいいと思うのかってどっちが先に来るものなんだろうとかそういう事も気になるんです。
好きなものだけやってたらダメだと思うんです。
趣味じゃなくって…そういった事は考えましたよね。
だからその中で…その時の日本というのは割とね…割と論理的なこう…それが結構嫌だったんですね。
もうちょっと風通しよくしようっていう感じを僕はすごくあって。
海外アメリカとかやるとポップアートとか新表現主義って割と具象的なものを復活した時期があったりしてそういうものがず〜っと起こってきたんですけど日本はいまだにその時現代美術は抽象だったんですよ。
そのもどかしさっていうのがあって…日本でそういう現代アートでっていう方あまり…。
だから本当にそのころ村上さんとか奈良さんやってた時は「漫画の王国」って言われてましたからね。
本当に漫画みたいなものをやるっていう場所がうちらでっていう感じで…奈良さんとか村上さんみたいなのはいわゆる分かりやすい絵ですけどもその裏にはコンセプチュアルなものが多分あるんですね。
もっと時代がたってきたりするとどんどんその意味っていうのが分かってきたりするんでそれによって彼らもそういう世界を獲得していったっていう。
でもこうやってお話いろいろ伺うと何て言うんでしょうね。
小山さんの…そういう存在もやっぱりちょっとぬきんでて変わってる感じなんでしょうね。
変わってるかもしれません。
多分ね…。
どうなんだろうな?そうかもしれませんね。
いわゆる敷居の高いなかなか入りづらいものを例えば古美術を見せる芸術を見せるっていうところの店主のイメージではやっぱりなくってエネルギッシュなやっぱりビジネスマン的なところもあるしあとは何て言うんでしょうね…そういう感じかもしれないです。
何か熱いそういうところとか頼りがいみたいなのもあるからかな。
今年4月。
京都で開催されたアートフェア。
24のギャラリーが参加した。
小山は若手アーティストの作品を中心に展示した。
中でも特に力を入れていたのが陶芸家藤田匠平の作品だ。
柔らかな色合いのまだら模様が特徴だ。
独自の技法で生み出される風合い。
小山は抹茶碗を作る事を提案した。
それが悩んでらっしゃったよねこないだね。
抹茶を入れた時引き立つ器とは。
陶芸家の藤田は5か月にわたって試作を繰り返した。
こちらが完成した抹茶碗。
どこかポップでかわいい感じが新鮮だ。
すごい面白くて…。
こういう表現は全然やんないもんね今ね。
この感じがすごいきれいなんですよね。
やっぱりかわいい。
1つ10万円の抹茶碗は3日間で完売した。
一方小山は東京でも展覧会を手がけていた。
現代陶芸の新たな旗手として注目される桑田卓郎34歳。
大胆にデフォルメされた形と鮮やかな色彩。
陶芸の伝統的な技法を使いつつ作風はポップだ。
近年はニューヨークやベルギーなど海外で個展を開く機会も増えている。
そんな桑田に対し小山が展覧会場として提案したのは世界的彫刻家イサム・ノグチが制作した石庭「天国」。
展示空間から受けるインスピレーションが桑田の作品の幅を広げるのではないかと小山は考えたのだ。
桑田が出した答えは巨大オブジェだった。
それがやっぱりすごく面白かったかなというふうに思いますね。
それがまた次に新しい作品につながっていけばいいかなっていうふうに思います。
鈴木京香もこの展覧会場を訪れたという。
普通の美術愛好家でも好きな作品を作ったアーティストには会いたいけどなかなか会えないじゃないですか。
そうですよね。
生きてるっていう事ですよね。
興味を持ったらその人を本当にそばで見れるっていう可能性があるっていうのは確かに面白いですね。
その人たちが新しい新作を作ってく訳ですよね。
もちろん役者さんもそうだと思うけど…画家の人は割と個展なんかを見た時にやっぱしある時から…フォローしちゃうっていう時があったりしてそういうのは結構残酷だなっていうかありますよね。
売れるっていう事と自分の作家というものとがぐちゃぐちゃになっちゃった時期っていうのが多分ある人がいると思うんですよね。
自分も好きな作品…作家だけどこの人またこういう作品なんだなって思うとやっぱりその作品を見てそういう作品を見て好きになったんだけど…だから何て言うんでしょう。
役者さんもそうだと思うんですけどそれの年なりの価値観とかがあってそれの演技があったりとか制作があるというのは思うんです。
よくね私ね役者…女優とか俳優は仕事してないとどうしようもなくただの普通のまあおじさんとおばさんなんていうふうに前の事務所の社長が言ってまして。
大好きな社長だったんですけど。
本当にそうだなと思うんです。
仕事してない時はだからカメラの前にいなかったら本当にどうしようもない。
結局何もしてないので。
いろいろ自分たちでチャレンジングな事をしてかないと…。
準備はするし…だから何となくはたから見たら「何してるんだろう?」っていうような時間の過ごし方をしてしまうんですよね。
そういう意味ではアーティストも作品…作る苦悩をしてる時間みたいなのがない人はダメなのかもしれないけれど。
…っていうかやっぱり仕事してなかったらいけないですもんね。
かつて1枚いい絵を描いたっていうんでは。
ず〜っとやらなくちゃダメでやっぱりその作家がちゃんと作り続けていって…ゴッホとかにしてもね。
ゴッホはだって生きる間に1個しか売れなかったでしょ?何かね現代美術の…僕は分からないギャラリーの人たちって…。
ゴッホって伝説があるじゃないですか。
画家は貧乏だ。
それで1枚しか売れなかった。
…で狂って死んじゃったっていうのがあるじゃないですか。
そういったようなものからやっぱり逃れたい。
そんな簡単じゃないと思うんですけどそういったのってみんなちょっとは思ってると思うんです。
それが…1枚の絵だけでの評価じゃないですものねやっぱりね。
芸術家っていう響きに自分とは違う憧れみたいなものを抱くのはそのせいだと思います。
やっぱり生き方とか人生ですね。
そうですね。
今年5月ピカソの「アルジェの女たち」が美術史上最高額の215億円で落札され話題を呼んだ。
作家のアート市場での価値を大きく左右するのがオークションだ。
こういったウォーホルも65億円とかそういうのがあるじゃないですか。
このクーンズのやつとかこのバルーンが…。
かわいいですけど。
これがかわいくない値段なんですよ。
65億円ぐらいなのか。
かつては印象派の絵だとかゴッホの絵とかが高値で競り落とされてたのが今現代美術の方に移ってきてますよね。
そうなんですよ。
それはやっぱり若いアーティストの人たちがいて日本のギャラリーでやって世界のギャラリーでやってそれからまたいっぱいの人がその作品を欲しがって…。
マーケットに作品が無くなっちゃうとオークションでみんな買うようになるじゃないですか。
石油の王国みたいな所が王様王女様とかが買ったりしてる訳ですよね。
そういったすごく大きな影響もあるしあとロシアとかそういう新しい国の人たちが宗教的な関係もなく美術っていうものに対してみんな心を奪われていくというのは結構面白いですね。
京香さんとかでもオークションとかやった事あるじゃないですか。
おうちとかに絵のコレクションを掛けて見るっていうのはまあ家帰るといつもある訳ですけどそれは影響ってあるんですか?女優業に。
あると思うんです。
どういうふうにあるんですか?それを聞いてみたいな。
本当に?はい。
どういうやつですか?それはでも現代美術じゃないですけどね。
例えば死んでいく息子を抱えるとした時に「あのピエタみたいに」っていうミケランジェロのピエタの形で抱えるみたいに絵画の何かこう…イメージが残ってて自分の中ではそれが分かりやすくしてくれるっていうんでしょうか。
どう抱えるかどういうふうに嘆いてるかっていうのを人に説明するのは難しいんだけど自分の中では例えばピエタもいろいろあるけどミケランジェロのピエタみたいな感じの形でいたいなとか。
そういうイメージが…。
例えば宗教画でこういうポーズをとったら…。
誰とかあるじゃないですか。
だからそういうふうに自分の中では指をさして天を意識してる時の感情みたいなのが自分なりにはあって…だからあの感じの…言葉では表情って説明できないんだけどあの表情にしたいなとか。
という事はあるんですね。
断片断片であります。
そうか。
俺は演じた事一回もないからそういう事ないんだね。
やってみて下さい。
でもあるでしょ?例えばこういうふうにやってたらみんなもうこれはムンクの「叫び」で。
こうやってやるとだってみんな何かどうしたのロダンみたいになっちゃってみたいな。
分かんないけどこうあるじゃないですか。
フィギュアというものが。
何かそれが面白いなと思って。
意外と…言葉は違っても絵が好きな人だったら何かそういうこう形で何か今自分がこんな形になってるってあの瞬間みたいなのが…。
頭の中に…。
役の事を考えた時に…それは役立ってると思ってますね。
後半は舞台をスイッチ。
戦後70年の今年。
鈴木が出演を決めた映画「おかあさんの木」。
女手一つで育てた7人の息子たちを次々と戦争に取られてしまう母親ミツの物語だ。
おめでとうございます。
ありがとうございます。
万歳!
(一同)万歳!最初に送り出したのは長男の一郎。
ミツは不安を押し殺し無理に笑顔をつくろうとする。
一人また一人と出征していく息子たち。
ミツはその度に一本の木を植えて息子の名前で呼びかける。
どうか元気でお国のために頑張っておくれや。
しかし母の願いもむなしく息子たちの戦死が次々に伝えられる。
ミツさん。
恩給を妬んで親孝行な兄弟だとかうわさするバカな村のもんもおるらしいが気にしたらいけねえぞ。
親孝行?子どもたちは親のために戦死した訳じゃない。
忠君愛国七生報国。
全てはお国のためじゃ。
ミツは毎日木に話しかけ消息不明の息子たちの帰りをひたすら待ちわびる。
今どこにいる?まだ北支かい?きっと生きてるだろうない。
(戸が開く音)母さん…。
唯一家に残っていた五郎にもついに赤紙が。
五郎。
お前の見送りなんかせん。
見送りなんかしたくねえわい。
わしは絶対行かねえ。
五郎!矢も楯もたまらず家を飛び出す母。
列車に乗り込もうとする五郎に初めて感情をあらわにして追いすがる。
五郎…。
(笛の音)この非国民が!うっ!離せ!あっ…ああ!
(汽笛)母さん!時代の流れを前になすすべもない一人の母。
鈴木は全身全霊で演じた。
お疲れさまでした。
ありがとうございます。
面白かったです。
よかったです。
ありがとうございます。
何か終わったあとしばらくはやっぱり何かあんまり…反省ばっかりして自分の。
そういうものですか。
初めて見るっておっしゃってましたもんね。
鈴木さんは結婚はされてないですよね。
はい。
あとお母さんにもなってないですよね。
はい。
子どももいらっしゃらないですよね。
それでこういう役をやる訳ですよね。
想像する事も私はできないんですけど脚本をもらってからここに至るまでどうやって作ってくのかってのはちょっと聞いてみたいな…。
オファーを受けた時は本当に短い童話のような民話のような物語だったんです。
小学校の教科書に載ってた作品だって言われてすごく短いお話だったんですけど…それは結構…お国のためでもないし何かだけど…ためじゃないんだけど日本が勝ってほしいというのは多分思ってたと思うんだけどそれがだんだん違うものになっていくっていうのは結構面白かったですね。
すごい静かに…だけど結構皆さん日本のお母さんの人たちが体験してるような静かな感情っていうか悲しさというかそういうのが伝わってきて面白かったです。
ありがとうございます。
うれしいです。
何か…何て言ったらいいんでしょうね。
本当にあの時代のお母さんたちの事はやっぱり想像するしかできないけれども…特に日本人ってあんまり感情をもともと出さないし女性は今以上に…はしたないとされててもっと出さないじゃないですか。
だからそれは本当に難しい事だなとは思うんですけど。
やってはきたんですけどこんな母親の役ってなかなかないなと思いますし日本のお母さんっていう役の最もやりがいのある役だなと感じたのであとはもう躊躇はないですね。
だからもう本当にその役がやれたっていうので今はよかったって思ってますし。
今回の撮影で鈴木はくわやすきの使い方を一から習い覚えた。
お願えだから帰ってくれや!子だくさんのお母さんの役。
撮影中7人の子役たちと過ごすうち何気ない日常の掛けがえのなさが身にしみて感じられるようになったという。
映画作る時ってすごいいっぱいスタッフがいますよね。
ああいう時スタッフさんとかっていうのはどんな感じで映画の中では接したりするもんなんですか?信頼して任せるっていうんでしょうか。
あんまりいろんな事気にしだしたらいけないと思っていて自分は自分の事をやらなきゃいけないから本当に大事な時はスタッフの方が真剣に集中して見てくれてるという事を意識してるんだけどその存在を忘れているものなので…居方が全然違うんです。
大勢いてもやっぱり私たちの動きに注目同じようにしていてもやっぱりスタッフの方とそうじゃない人はすぐ分かって。
ちょっと視線が気になるっていうんですかね。
そんな事もあるんです。
う〜んそうなんですよね。
本当に優秀ですてきな方たちとご一緒できるのがやっぱりいい映画になる重大な要素なんだと思います。
鈴木の名が全国に知られるようになったのは連続テレビ小説「君の名は」。
当時22歳。
私たち生き延びたんですのね。
ここでまた会いませんか?ええ。
あそうだ肝心な事。
君の名は?私は…。
異例の1年にわたってヒロインを務めた。
初めての主演映画は「刑法第三十九条」。
当時30歳。
鈴木は殺人犯の精神鑑定を行う小川香深を演じた。
あの事件とお芝居はどこかで結ばれているのですか?思い出して下さい。
あの夜あなたに何があったんですか?多重人格の疑いがある殺人犯。
しかし詐病である事を直感した香深は彼の心の奥に迫ろうとする。
答えましょう。
(2人)ええありましたとも。
有意義に…。
誰だ手前は?この役を演じた事が鈴木の女優人生にとってターニングポイントになったという。
柴田真樹の精神鑑定人です。
鑑定人?あなたは誰なんですか?「刑法第三十九条」って作品を。
あれすごかったですね。
ありがとうございます。
初めての映画での主役という事もありましたしその辺りで初めて何て言うんでしょう貢献したいとか役割はこうだからこれぐらいをやればいいのかとかっていう事を言っててはいけないというか…役をもっと自分で作り上げていくっていうかそれだけでもって存在感があるようなものにしてくっていうのがポイントなんですか?考えて考えて作るものだと思ってたんですけどやっぱり…演じてる時に。
だから子どもとか犬を見た時の必死さみたいな感情の爆発みたいなものを大人になるとなかなか意識が入っちゃって難しいんだなとかそういう事をうっすら考えてるそういう事をやっぱり大人になってもやらなくちゃダメだというのがだんだん分かってきたんですけど。
鈴木は去年再びターニングポイントとなる舞台作品に出会った。
バカこじきだよお前はそうだべ!鈴木が演じたのはかつて悪行の限りを尽くして追い出された先代当主の娘。
おい姉。
この家この家と言うがこれおらが買い取ったらどんなもんだ?白石加代子演じる義理の姉と家の権利を巡り壮絶な争いを繰り広げる。
兄ぃが生きてた時とおらの身分が違うだ。
赤の他人に追っ払われたお前がそんな口きけるかよ!悪党!だからよおとなしくしてるもんだみっともねえ!でこれおらの勝手にするだよ!舞台も見たんですけどすごい性格の女性の役だったんでああいう役になってる鈴木さんを見て何かこうどういう…。
家でもこうなっちゃうのかなって思うくらいすごい変わっちゃうような感じだったんですよね。
技術なのか感覚的なものでそうできるのか。
それはどこら辺なんですかね?今まではそういう瞬間がこの瞬間にそういうふうなシーンができればとか思ってやっていたのがもうとうとう出し切って2時間3時間いないとダメだというのに直面して無我夢中でやるっていう事の大切さも技術をつける事の大切さと同じぐらいのところにあるいうのに気付きました。
だからすごくその時は必死でした。
舞台だと一瞬の映画とかテレビとか出てた感じが2時間ぐらいでしたっけ?ずっと出し切らないといけなくて毎日同じのができなくちゃいけないんですよね。
同じにはなかなかできないんですけどただ一気にバ〜ッと出す出し方みたいなものが完全にではないけど自分の体で分かってきたっていう感じ。
そういうのが分かったっていうのかな。
今回の舞台「鼬」で初めて鈴木と仕事をした演出家長塚圭史は…。
一番最初にそのおとりというふうな役に…大きな存在にやっぱり変わってく事ができたんですばらしいなと思いました。
こないだの役とか「鼬」の役とか結構性格が悪い女の人の役じゃないですか。
そういうのは全然自分の生活には引きずらない方なんですね?そうですね。
全然関係ない?そうですね。
スイッチして変わる事によって楽しめちゃう?どちらかというとそうですね。
スイッチをオンオフで切り替えて…戻れない時あるんですか?ありますね。
やっぱり体が悪くって例えばどんどん死を迎えつつあるような状況だったらやっぱり元気にいれなくはなりますね。
役でそういう役やってると?そうですね。
だからそういう時に何て言うんでしょうね明るいムードが出るようではいけないと思うのでそういう時は自然に…自分でこういう映画がプロデュースできたらいいなとか思ったりしないんですか?そこがね自分の中では意外と抜けてる部分です。
あそうなんだ。
不思議なんですけど…再現する…。
呼応するような人間。
もしくは役として…だからいろんな面白いものや好きだなと思うものがあるのに…。
小説とか読んで「これやりたい」とか思わないんですか?プロデュースとかアイデアでこういうのやりたいとかそういうのは結構鈴木さんとかできそうな感じはしますけどね。
私がずっとやりたいと言ってた…テレビで見たんですね。
…で「出てこいドールズ」って日本語でしか覚えてないんで多分そうだと思うんですけど。
それで最後盛り上がったと思います。
音楽…。
・「ターンターンタタタターンタッタッタラララー」ってそれがきれいなドールズを応援する歌なんですよ。
作ったんですよねその時。
みんなに旗を渡したりして応援させるっていうので。
あれは本当に何かね…。
あのメロディーがすぐ出るというのが。
好きですね。
はい。
それできないです?しかも私腰痛がですね…。
腰痛…そうですか。
腰痛持ちなんですよ。
だからね…すごい心配なんです。
ああいうの作って下さいよ。
そうですか。
作り手ってでも…そしたらそうですね。
自分が出れなかったらほかの人にやってもらえばいいんですもんね。
アイデアをどんどん言えばいい訳ですよきっと。
自分がプロレスラーの役をやろうと思ってるともう無理だけど。
それを動かす女興行師みたいな感じで…。
そういうのできたらいいですね。
いろいろ盛り上げて作っていくといいんじゃないですかね。
今日の今日になってコンサート中止だ!?人気コント番組「LIFE!」。
去年鈴木は自ら志願して出演した。
何かお待たせしちゃってごめんなさい。
ちょっとバタバタしちゃってて!フフフ。
あっ私このホールの副館長の綾野真里子です。
副館長?どうして館長じゃないんですか?私も言ったんですけど何か館長バタバタしちゃってるとかでもう…。
本当もうやんなっちゃう!いやバタバタしてるっていったってねこっちは今日本番のつもりで来てんだよ!ですよねぇ。
何かうちの方で日にちを1か月勘違いしちゃったとかでもう…。
本当もうやんなっちゃう!え〜っとイメージとかあるじゃないですか女優さんの。
そういうのと相当違ってる訳ですよね?そういうのっていうのはあんまり気にしないですか?もっと逆にいろんな事やってみたい感じ?はい。
本当に変な役とか面白い役とか悪い役とかの方がその…何て言うんでしょうね。
集中してやれるしふだんの自分が顔を出さずに済むからもっとできるはずだなと思うし。
だからやりたいですね。
悪い役とか変な役。
そうか。
イメージっていうものはみんなが持ってるけど結構それぞれズレがある訳ですね。
ズレがあるし鈴木さんはあんまりバラエティーに出る訳でもないし素を見せるっていうのでもないからそこが裏切られる事も。
ずっと役の中でずっと来てる訳ですよね。
女優という言葉の華やかさとはちょっと違う。
目立ちたいとかそういうのないんですか?そうなんですよね。
目立ちたいっていう感覚じゃない。
有名になりたいってみんなよく言うじゃないですか。
そういうのってあんまりないんですか?若い頃は?モデルをやってたから目立つのは平気だとは思うんですけれどでも正直積極的に自分でオーディションに行ったっていう記憶がないんですよね。
もしこれが仕事をしないで…自分自身を表現しようと思って「今何かしろ」って言われたら本当に困ってしまう。
ただないからこそ何かこう…しかも…そういう人が…。
いた人がやっちゃうんだもんね。
だから何かてらいなく…やっとそれで面白くなれるというか。
女優さんはいつまでやられるんですか?何かこうスロースターターだし進みものろいと思うので何年かしたらもっと何か気付く事があって…自信を持って皆さんに喜んでもらえるって言えてるような気がするからだからずっとやっていかないとダメじゃないかと自分では思っているし本当にその…老け役というんですかね。
もともと小学校の時から老けて見られてずっと来ているものですから何か自分より老けた役というか…だけど女優さんって結構本当面白いですよね。
いろいろ変わっていきますもんね。
それも楽しみですね。
でもさっきのアーティストと一緒で画家も…だからやっぱりそれは本人がどれだけまだやりたい事が残ってるかっていう事でしかないと思うので何か私結構まだまだ…。
やれる?やりたい?やりたいと思うと思うんですよ欲張りだなと思うけど。
だから見に来て下さいね。
もちろん。
見に行きます。
鈴木は今各地の小学校を回り「おかあさんの木」の読み聞かせをしている。
出征した息子を待ち続けた母がいた事を知ってほしいとの思いからだ。
「きっと生きて帰ってきておくれや」。
はい。
映画「おかあさんの木」で主役を演じられるそうですが…思いを込めて演じた映画は間もなく公開を迎える。
一方小山は展覧会を開くためシンガポールに飛んでいた。
3年前からつきあいのある地元のアーティストイアン・ウーの個展。
今小山が見据えているのはアジアのアート市場だ。
アーティストを育てそのよさを分かってくれる人を着実に増やしたいと考えている。
女優とギャラリスト2人とも歩みを止めるつもりはない。
2015/05/28(木) 00:00〜01:00
NHKEテレ1大阪
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「鈴木京香×小山登美夫」[字][再]
女優鈴木京香の意中の人は、村上隆や奈良美智らを発掘した日本の現代アートの仕掛け人。美術市場のからくり、世界的作家の育て方、演技とアートの意外な関係まで種明かし!
詳細情報
番組内容
実は、鈴木はオークションに参加するなど筋金入りのアートコレクター。「芸術畑の人っぽくない(笑)」という小山登美夫から、売れる作品の秘密、気になる値段のからくりまで、現代アート事情を徹底的に聞き出す。ギャラリストの仕事は「寅さんの口上みたいなもの」と語る小山。絵や彫刻から演技のインスピレーションを得ることも多いという鈴木。表現する側とそれを支える側、ここでしか聞けない本音トークがさく烈する!
出演者
【出演】女優…鈴木京香,ギャラリスト…小山登美夫,演出家・俳優…長塚圭史,【語り】吉田羊,六角精児
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
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