0道徳ドキュメント「いのちの判断」 2015.05.28


さあじゃあ帰ってくるまで新聞でも読むか。

(テーマ音楽)みなさんは臓器移植という言葉をごぞんじでしょうか?移植とはある場所からある場所に移して植えることです。
では臓器とはなんでしょうか?こちらのもけいをごらんください。
わたしたちの体から皮ふを取りのぞくとこのようになっています。
体全体をおおっているのはきん肉です。
そのきん肉を取りのぞくと…。
血えきを体じゅうに送る心臓。
さんそを体に取りこむ肺。
食べ物を消化吸収する腸などがあります。
これらをまとめて臓器といいます。
いわゆる内臓です。
病気や事故でこの臓器が正しく働かなくなり薬や手じゅつでは治せなくなることがあります。
そんなときほかの人の健康な臓器と取りかえる臓器移植を行います。
その健康な臓器は事故などで亡くなった人からもらう場合があります。
そこで問題になるのが…道徳ドキュメント「キミならどうする?」。
今回は臓器移植を認めるかどうかでなやみになやんだごふうふのドキュメントです。
なんかおかしいる?いやいい。
わかりました。
2人が臓器移植を認めるかどうかの判断をせまられたのは13年前のことです。
長男の洋介さんが事故にあったのです。
人の役に立ちたいと医者になるのがゆめだった洋介さん。
大学の医学部に入学しゆめに向かって大きく一歩をふみ出していました。
ただ一つゆるせないのは親より先に亡くなった。
大学4年生だった洋介さんは風に当たろうと校しゃのまどにこしかけました。
そこでバランスをくずし5階から転落したのです。
意しき不明になった洋介さんはすぐに集中治りょう室に運びこまれました。
大洋さんと晶子さんが病院にかけつけた時そこには首を固定され人工呼吸器を取り付けられたむすこの変わり果てたすがたがありました。
名前をよんでも手をにぎってもまったく反のうがありません。
首のほねが折れ頭を強く打ったため脳がはれていました。
ゆめならなんとかっていう言葉ありますけども…4日後じょうたいはさらに悪くなりました。
脳全体の機のうが止まる脳死に近くなったと医者から告げられます。
むすこのとつぜんの事たいにぼうぜんとする大洋さんと晶子さんふうふ。
食事ものどを通らなくなります。
そんな時洋介さんのさいふからある一まいのカードが見つかります。
自分が死んだとき自分の臓器をどうしてほしいか書いたカードです。
洋介さんはすべての臓器をほかの人に移植してほしいと書いていました。
これが残された家族に大きなはもんを投げかけることになります。
洋介さんが持っていたのと同じ臓器提供意思表示カードです。
注目してほしいのはうらです。
それを大きくしたのがこちら。
ここにはどういうときにどの臓器を移植していいのか悪いのかが書かれています。
人の死を2つの場合に分けています。
脳死という場合と心臓が停止した死という場合です。
実は2つの場合には大きなちがいがあるんです。
まず心臓が停止した死の場合を見てみましょう。
心臓が止まると体の中を流れる血が止まります。
すると必要なさんそが行きわたらないうえ体にとって悪いものがたまるので多くの臓器は働かなくなります。
体全体は冷たくなりほっておくとくさり始めます。
これまで人が死ぬというのはこの心臓が止まった死のことをいいました。
一方脳死とは脳全体の機のうが止まり治らなくなることです。
しかし人工呼吸器などをつけると心臓や肺肝臓など多くの臓器が働き続けます。
体も温かくしばらくこのじょうたいをたもてる場合があります。
この脳死のときなら心臓や肺肝臓などの移植ができ多くの命が救えます。
あ〜お帰り!空港のとう着ロビーにあらわれたこの女せい。
実は重い心臓の病気がありました。
ドイツで脳死した人から心臓の移植を受け帰国したのです。
全国からぼ金をつのってこの女せいはドイツへわたりそこで1年以上待った後手じゅつを受けました。
むすこの洋介さんが脳死のじょうたいに近づいていると聞かされた大洋さんと晶子さんふうふ。
移植を認めるかどうかの選たくをせまられます。
大洋さんはむすこの洋介さんが臓器提供意思表示カードを持っていることすら知りませんでした。
脳死になったら臓器移植をしてほしいという洋介さんの気持ちを知った家族は病院のかたすみで話し合いを始めました。
話し合いは夜をこえ朝をむかえようとしていました。
晶子さんが意を決して大洋さんに話しかけました。
話し合いを始めて24時間がたったころ大洋さんと晶子さんは臓器移植を認めると医者に伝えました。
その5日後洋介さんは亡くなりました。
むすこを亡くしてから大洋さんは新聞やテレビの臓器移植に関するニュースをあえて見ないようにしてきました。
自分たちの判断は本当に正しかったのか。
思いなやむ日々が続きました。
洋介さんの死から13年。
大洋さんは少しずつ臓器移植と向き合うようになりました。
なやんできた日々を文章にまとめたり看護師を目ざすわか者に自分の体験を話したりする活動を始めています。
この日はかつてむすこの臓器移植を認めてそのことで思いなやんでいるという女せいと会うことになりました。
女せいはこりつする心のうちをなみだながらにうったえました。
大洋さんは女せいの話に静かに耳をかたむけました。
そして最後に…そう約束しました。
脳死での臓器移植で多くの人の命が救われます。
ただそれはわかっていてもまだ体が温かく息もしている家族を死んだと認めるのはとてもつらいことです。
今日もどこかでこのむずかしい判断をせまられている人がいます。
キミならどう考えますか?2015/05/28(木) 09:50〜10:05
NHKEテレ1大阪
道徳ドキュメント「いのちの判断」[解][字]

北海道に住むある夫婦は13年前「命の判断」を迫られた。息子が不慮の事故で“脳死に近い”状態となり、臓器移植を認めるかどうかの判断を求められたのだ。2012年取材

詳細情報
番組内容
「他人の命を救うために、呼吸もして体の温かい家族の死を認めることはできますか?」北海道旭川市に暮らす永吉大洋さんと晶子さん夫婦は、13年前、この問題に直面した。当時、医学生だった長男の洋介さん(享年24)が大学校舎から転落し、医師から「脳死に近づいている」と告げられたのだ。直後、洋介さんの財布から、ふたりに大きな波紋を投げかける一枚のカードが見つかる。夫婦が下した判断とは…。(2012年取材)
出演者
【司会】堀伸浩,【語り】北郷三穂子

ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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