のぶみさんのアイデアをヒントに我が家流のお絵かき遊びを開発してみて下さいね。
生字幕放送でお伝えします
こんばんは。
「ハートネットTV」WEB連動企画「チエノバ」です。
今夜も久保純子さん荻上チキさんと生放送でお送りしていきます。
生放送です。
番組へのツイートをお待ちしております。
こちらのハッシュタグをつけてお送りください。
きょうのテーマですが場面緘黙
(かんもく)という症状についてです。
聞いたことがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この場面緘黙とは家では話せるのに学校などの特定の場面だけ話せなくなってしまう症状のことで幼少期に発症することの多い不安症状の一つだといわれています。
この場面緘黙について3年前からぜひ取り上げてほしいというカキコミが届いてまして今回、カキコミ板を作りました。
たくさん180もの体験談が寄せられました。
話さないのではなく話せないのです。
切実ですね。
これ一番大事なポイントなんですね。
話せないんですね。
甘えではないことを知ってほしいというのもあります。
気持ちの問題だとか努力不足とかそういうふうにされてしまう方、多いでしょうね。
違うんですけどね。
一体、場面緘黙にはどんな苦しみがあるんでしょうか。
カキコミを寄せてくれたある親子を取材しました。
カキコミをくれたぽぽんたさんと小学4年生の長女あかりさんです。
あかりさんは家族以外の人と話すことができません。
この日は取材したディレクターがいたためふだんは話せるお母さんとも会話ができないようでした。
(母)何歳?2歳。
2歳半のあかりさんです。
幼いころから、よくしゃべるとても活発な子でした。
きょう、何して遊ぶ?おにごっこして遊ぶんだ。
えー、誰と?そんなあかりさんの様子が変わったのは3歳になり保育園に入ったころのことでした。
ところが、小学校に入ってもあかりさんの状態は悪くなる一方。
ついに、学校でひと言も話すことができなくなったのです。
お母さんが病院の児童精神科に連れていくと診断は場面緘黙
(かんもく)症。
家では普通に話せていても不安が高まる状況では話せなくなってしまう不安障害の症状だといわれました。
家族しかいない場では今も、あかりさんは不安を感じることなくリラックスして話すことができます。
しかし先生やクラスメートの前ではなぜか話すことができなくなってしまいます。
頭では話す内容を分かっていても声に出すことができません。
鉛筆を忘れてしまったとき「忘れました。
貸してください」のひと言が声に出せず誰にも気付かれないまま授業が終わってしまうこともありました。
休み時間ほかの子に話しかけられても返事ができない自分が嫌でいつの間にか、みんなから離れるようになりました。
あかりさんになんとか友達を作ってほしい。
そんな願いからお母さんは学校でよく話しかけてくれる子に声をかけ家に来てもらうようにしています。
話しかけられても今は返事ができません。
でも、心の中には伝えたいことばがあふれています。
あかりさんは、そんな気持ちを私たちに手紙で伝えてくれました。
今の手紙から本当に伝えたいことがいっぱいあるし絵を見ても楽しくお友達と遊んでいる姿だし自分がやりたいと思うことがあるのにできないつらさっていうのがあかりさんから伝わってきましたよね。
また親御さんも悩まれてると思うんですけどこういったことばがないと自分の子はなぜしゃべることができないんだろうっていうことでどうしたらいいかも分からないという状態から一歩も出られない。
だけど、そこに症状の名前が付いたりすると学校や地域と連携のヒントになることがあると思うんですけどただ、まだそこにいくまでも時間がかかったり周りの理解も必要に感じますよね。
今の映像のあかりさんとお母さんは場面緘黙のつらさをたくさんの人に知ってほしいということで勇気を持って取材を受けてくれました。
あかりさんも一生懸命手紙を書いてくれたんです。
ありがとうございました。
では、ここでゲストをご紹介します。
落語家の桂あやめさんです。
あやめさんは落語家で今は話す仕事ですけれども幼稚園から小学3年生まで場面緘黙と思われる症状を経験されたと。
きょうまで場面緘黙ということばを知らなかったんですけど今の、あかりちゃんを見てるとあ、昔のゆかちゃんがって感じしました。
どんなエピソードがあります?
まず幼稚園というのが最初の小さな社会みたいな…。
そこにいたときにうまくグループに入れなくて誰ともいられないままずっと来てて、そうなるときあるとき学芸会で「みつばちマーヤの冒険」のお芝居することになって大体、しゃべれる子から主役とか、ついていくんですけど先生が私をトンボさんというせりふのある役に抜てきしてくれたんですね。
自分ではすっごくうれしかったんですけどもちろんうれしいとも言えないけど…。
そのせりふを家で稽古したけど言おうと思ったらみんなが見てる。
どんな声を出すんやろうって目線であ…ってしゃべれなくなって何度もやり直しってなったけどそこの場面で止まっちゃうのでえーっとかなって先生も無理やねって言われて。
ただ水色の服を着て転がる水の玉という役になってしまってちょっとほっとしたんですね。
ほっとなっても転がりながら、あのせりふ私のやったのにっていろんなことを考えてるし家では稽古をしてるけど人前では言えない子でした。
いろんな思いがあったんでしょうね。
場面緘黙なんですがどのようにして発症するのかメカニズムについてまだ研究段階なんですけどもこういうふうに考えられています。
まず不安になりやすい気質というのがベースとしてあってそこに入園や入学、引っ越しなどの環境の変化やきっかけの出来事があって発症すると考えられているんです。
この辺り、詳しくお話を伺ってみたいと思います。
電話がつながっています場面緘黙に詳しい角田圭子さんです。
まず、どのくらいの人が場面緘黙と今、言われているんでしょうか。
0.5%といわれています。
200人に1人ですから学校に1人いる可能性があるかなと思います。
女の子のほうがやや多いというふうに考えられています。
子どもによって症状の背景や要因は本当にさまざまなんですね。
中には、ことばの苦手をもつ子どもや背後に発達障害があって場面緘黙の症状が出る子どももいます。
しゃべらないといいますとおとなしいんじゃないかとか引っ込み思案なんじゃないかとかちょっと恥ずかしがりやなんていわれますけどその症状とは違うってことなんですよね。
この場面緘黙は。
一番の違いは話せない状況が1か月以上とか何年か長く続くことで人見知りと違って慣れたら話せるようになるというのではないんです。
そのために、この子が持ってる本当の力を人前で発揮できにくいというのが一番の問題だと思います。
しつけの問題じゃないかとそう言われてしまうという親御さんもいらっしゃるんですけどそうでもないということですよね。
そうなんですね。
どうしても親のしつけが悪いからじゃないかという誤解がとても多いんですけどいろんな要因があって親のしつけで場面緘黙になるというわけではないです。
誤解を生んでるかもしれませんね。
その場面緘黙ですが当事者の苦しさやつらい経験について本当にたくさんのカキコミが届いています。
心が嫌ですね…。
こうした言われて嫌なことばについてはカキコミにも、ほかにこんなことばがありました。
あいうえおって言ってみてだとか家だとうるさいのに。
なんでしゃべらないの無視してる。
あ、しゃべった!
全部、言われましたね。
ちょっと発表かなんかでひと言しゃべったときにみんながしゃべった!って大騒ぎになったり休み時間にみんなに囲まれてあーって言ってみて!って何回も言われてよけいに固まってしゃべれなくなったのはあります。
そして、先ほどのことばの右側も見ていただきたいんですけども先生からのことばがあるんです。
例えば、聞こえない、もう1回。
読まないなら立ってろ。
国語の教科書だと思うんですけれども。
さぼってるって思われたりみんながみんな声を出せるはずだという認識が教師にあってそれを要求することによってしゃべれないような状況に追い込んでいってるってことなんですね。
場面緘黙ですけども成長とともに少しずつ症状が改善していったと書いてる方もいたんですね。
一方で大人になっても場面緘黙に苦しみ続けてる人もいます。
大人になっても苦しんでいるという方からのメッセージです。
ほかの障害や、ほかの症状をお持ちの方でもそうですがそれがあるから社会にいけないというのは社会の側がそれを理解してくれないから居場所を奪われてしまうという状況があったりするわけですよね。
だから、どんな特徴があってもそれでも得意な部分を発揮できる特徴のいい部分を生かせるような場所というのがあればいいんですけど若いころから教育を受ける場面がなくてなんだできないのかっていう状況が続くと二次障害ということになってしまって就職という機会だけでなく日常のできたはずのコミュニケーションも苦手にさせられてしまうのはよくあることなのでこれは気をつけなければならないんですね。
たくさんのツイッターが届いています。
こんなツイートもいただいてますね。
あるいは人によっては何?赤ちゃんなの?と言われたり嫌なことでずっと覚えててトラウマになってるという方多いと思います。
やっぱりみんなが理解するのがまず大きな一歩ですもんね。
まだまだお寄せください。
どういったサポートをしていったらいいのかということでカキコミの中で皆さんのうれしかったこととかこうしてほしいということをまとめてみました。
気にせず話しかけてくれる。
無理に発言させない。
あと、手紙や交換日記という別の手段を使うということですね。
学校とか、やたら発言機会が多かったりするのでそこの段階で、この学年でやらなきゃいけないのかというとそうじゃないものもありそうですね。
あやめさんはどんなことがうれしかった?心の支えになりました?
覚えてるのは課題図書かなんかね誰が一番先に読むかって回していくんですけど積極的な子がはい!はい!って手を挙げるんですけど委員長の男の子がみんなの中で一番本、読んでるのは入谷さんやからっていつも休み時間、本読んでるよねだから、この子一番にしようって言ってくれて自分自身はクラスで空気みたいな存在でいないって思われてると思ってたけどすごいそうやって見てくれてた子がいたということがものすごくうれしくて、でもありがとうも言えないんですよ。
だから黙って受け取って、帰ってでも、家に帰ったらおっしゃ!一番みたいな。
でも、それが言えないんです。
それがつらくて、つらくてね。
なんで伝えられなかったのか…。
最近、同窓会があってそれを言ったらうそ!お前、昔からしゃべってたよなって言われて。
私はいまだにそれはうれしかったって忘れない。
気にかけてほしい?
しゃべらへんとなんの意見もないと思われがちやけど言いたい、言いたいって思ってるけど、言えない。
もうなんにも考えてへんって思われるのがつらかった。
しゃべれるようになったんですか?
たまたま3年生になったときに転校生が来てその女の子が私にも誰にも偏見がないですよね。
たまたま、近くにいた私に教科書、何ページやってんのとか当たり前にしゃべってくれたから何ページとか一緒に帰ろうかって。
その子としゃべりだしたことで気が付いたら、みんなと今までしゃべれなかったってなってその一瞬でトンネル抜けた感じになったんです。
まだまだたくさんあるんです。
例えばプレッシャーをかけないとかね。
褒めてくれるということもあります。
では、ここで再び専門家の角田圭子さんに電話でお話伺います。
もしね、自分の子どもが場面緘黙かもしれないと思ったときにはどんな対応が必要なんでしょうか。
何よりも話せないことを責めない。
話すことを話さないとかに注目しないでほしいと思います。
リラックスできる環境を作ってあげてほしいです。
得意なこととか好きなことをさせて、褒めて自信を持たせてあげてほしいと思います。
やっぱり褒めるって大事なんですか?どんなことでもいいんですか?例えば、絵だったり興味があることということなんですかね。
はい。
相談するとしたらどこにすればいいんでしょうか。
まず、担任の先生とかスクールカウンセラーそれから発達支援センターとか発達に詳しいお医者さんとか心理士がいる専門機関に相談してほしいと思います。
ただ、まだまだ場面緘黙は認知度が低くて医療機関に行っても知らない方が多いんですけど親御さんは、どうか、めげないでそういう専門機関がどんどん増えていったらいいなと思ってます。
チキさん、いかがでしょうか。
専門機関につながりやすい社会にするっていうのはまず一つと。
あとはプレッシャーが学校とかにも多かったりしてみんなの前で大きな声で言えるまで帰せませんとかそのカリキュラムっているのかっていうのはあったりするので日常のことでも社会の側から見直していくということも場面緘黙に関わらずストレスのない社会や環境を目指すということは大事かなと思います。
この場面緘黙これからも取り上げていきたいと思います。
続いてはこちらのコーナーです。
「RoadtoRio」。
リオパラリンピックから新たに加わるこちらの競技今回、ご紹介します。
スイム、バイク、ランの3つで肉体の限界に挑む障害者アスリートによる鉄人レースです。
今月、横浜に世界15の国から59人のアスリートが集結しました。
注目は、アメリカリッジ・シャボット選手。
52歳にして世界ランク1位。
パラトライアスロン界のレジェンドと呼ばれています。
今回、シャボット選手に挑むのが日本のトップアスリートの一人木村潤平選手、30歳です。
2年前の初対決では10分以上の差をつけられていました。
もともと木村選手は水泳が専門でパラリンピックにも3回出場しています。
トライアスロンへの挑戦は2年前から。
持久力の強化を続けてきました。
レース、スタート。
最初は、スイム0.75km。
この大会では選手は障害の状態や程度によって5つのカテゴリーに分けられタイムを競います。
自分の障害に合わせ義足や器具を使うことが認められています。
視覚障害のカテゴリーでは伴走者も一緒にレースを戦います。
座って!そこ座って!はい、脱いで!これ、上、上。
スイムを終えた世界1位のシャボット選手。
先頭でバイクへの切り替え地点に入ってきました。
続いて、僅差で追う木村選手。
ここで、時間をロスすることなくバイクに乗り換えることが重要です。
乗り換えはハンドラーと呼ばれるチームのスタッフが手伝います。
最小限のサポートでハンドサイクルと呼ばれる自転車に乗り込んだ木村選手。
シャボット選手を抜き去りました。
しかし、ここからがレジェンドの本領発揮。
すぐに木村選手を捉え、逆転。
その差を広げます。
必死に追いかける木村選手。
しかし、シャボット選手のスピードは衰えず最後は独走状態。
1時間1分50秒でゴール。
貫禄を見せつけました。
一方、最後まで粘りを見せる木村選手。
シャボット選手から遅れること、5分でゴール。
前回の対決からは7分以上、差が縮まりました。
実は、木村選手途中、一時停止が不十分で失格になってしまいましたが確かな成長を感じさせる内容でした。
パラリンピックの中で最も過酷な競技の一つパラトライアスロン。
リオ大会出場をかけた選考レースはことし7月から始まります。
木村選手、これからも応援しています。
頑張ってください。
「RoadtoRio」。
きょうのテーマは場面緘黙でした。
たくさんツイッター届いています。
できることがあればサポートしてやっていきたいです。
そして、こんなツイートもいただいています。
周りのあったかい…。
あやめさんうれしいですよね。
諦めずに声かけてほしいです。
2015/05/28(木) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV WEB連動企画“チエノバ”「場面緘黙(かんもく)の悩み」[字]
家庭などでは普通に話すことができるのに、学校や職場など“特定の場面”では、不安や緊張から話せなくなってしまう「場面緘黙(かんもく)」の知られざる悩みと向き合う。
詳細情報
番組内容
学校や職場など“特定の場面”では、話したいのに話せない…▽「場面緘黙(かんもく)」は小児期に多い不安障害の症状の一つ。早期発見が大切だが日本ではまだ認知度が低く、支援が遅れている。そのため、いじめや不登校、うつ的症状など二次障害で悩む人や、大人になっても社会生活に不安を持つ人も少なくない。知られざるその悩みや必要な支援を考える▽放送中、ツイッターで意見募集▽ミニコーナーはパラトライアスロン世界大会
出演者
【ゲスト】荻上チキ,【出演】落語家…桂あやめ,【司会】久保純子,山田賢治
ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
福祉 – 社会福祉
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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