1<木曜劇場>医師たちの恋愛事情 #08【動き出した運命の行方!!】 2015.05.28


(春樹)不安なときにそばに寄り添ってくれる人がいる。
それだけで強くなれるんですね。
(和佳子)早く春樹には一緒に生きていく家族を見つけてほしいんですよ。
(聡)おろそう。
子供。
(仁志)俺が君と子供を守るから。
(友子)子供は誰と一緒に生きるのが一番幸せなんだろう。
(千鶴)ああいう幸せ違うかなって。
私にはやっぱり仕事と向き合ってる方が似合ってる。
(千鶴)なかったことにしよう。

(ノック)
(春樹)失礼します。
岩瀬さん。
主治医になりました第一外科の守田です。
治療の予定を説明に伺ったんですが。
(岩瀬)しねえよ。
手術なんか。
えっ?
(岩瀬)自分の足を切り落とすなんてまっぴらだ。
ですが手術をしなければ…。
(岩瀬)死ぬか?いずれ悪化すればその恐れもあります。
構わねえよ。
遅かれ早かれ人は死ぬもんだ。
とにかく手術はしねえ。

(友子)失礼します。
失礼します。
(友子)朝倉さん。
ご紹介しますね。
今度外科の担当になった近藤先生…。
(貴子)あっ。
C−250LWのオークの確保もうできてるよね?えっ?もういいです。
私がやるから。
(光弘)すいません。
朝倉さん。
病室では電話は…。
(貴子)ああ。
ごめんなさい。
もう1件だけ。
(貴子)あのう。
わざわざ来ていただいて申し訳ないんですけど私手術受けませんから。
(千鶴・友子)えっ?
(貴子)検査だけって話で入院したのに。
私そんな時間ないんです。
あっ。
もしもし。
お世話になります。
モビウッドの朝倉です。
(留美)手術?
(宗太郎)はい。
再発性の憩室炎ですので手術を。
(騒ぐ声)
(留美)こら。
静かにしなさい!
(子供)逃げろ!
(留美)すいません。
(宗太郎)いえ。
(留美)あのう。
それって幾らなんですか?やっぱお金掛かるんでしょ?
(宗太郎)それはまあ。
(留美)だったらいいです。
(宗太郎)はっ?
(留美)というか無理です。
この子たちも食べさせてかなきゃなんないんで。
(子供たち)ママ!ママ!
(留美)ちょっと。
静かにしろっつってんでしょ。
もう。
(大根)聞いた?高橋先生の患者キャバ嬢でしかも子供の父親全員違うんだってさ。
(鈴木)全員ですか?やりますね。
(大根)ミラクルシングルマザーだね。
(茜)へえー。
節操ないだけじゃないですか?
(鈴木)君が言うかな。
(茜)はっ?
(鈴木)いや…。
(大根)おっ。
ちょっ…。
高橋先生。
彼女退院したらさちょっと今度お店行ってみようよ。
(大根)「先生。
あのときはお世話になりました」とか言ってサービスしてくれるかもしんないよ。
(宗太郎)俺は結構です。
女には金を使わない主義なんで。
(大根)ああ。
失礼しました。
(谷)いいなぁ。
キャバクラか。
(山野辺)何のんきなこと言ってんだよ?
(谷)えっ?
(山野辺)あの患者さんここ1年の医療費滞納してるらしいぞ。
(谷)えっ。
そうなんですか?
(山野辺)そうだよ。
高橋先生。
ちょっといいですか?
(宗太郎)はい?整形外科から転科してきた岩瀬重雄さんなんですが。
(宗太郎)間違いなく動静脈を巻き込んでるはずだ。
右足は整形で切断してもらって横紋筋肉腫はわれわれがオペすればいいんじゃないか?ええ。
ですが足を切断することを拒んでいて。
手術拒否ですか。
(大根)まあ足を切りたくないっていうのは分からんでもないけどね。
(鈴木)でも肉腫って進行が早いものが多いから切除しないと命に関わりますよ。
(宗太郎)とにかくもう一度患者と話してみるしかないんじゃないか?はい。
ありがとうございます。
(大根)もう昼飯時間か。
食堂行く人?
(大根)何だよ!
(一同)ああ。
じゃあ私が。
行きます行きます行きます。
(大根)いいいいいい。
(鈴木)今ちょうど行こうと。
大根先生。
大根先生。
ちょっと出てきます。
退院おめでとう。
(由梨絵)うん。
あの彼とは?
(由梨絵)別れたよ。
ちゃんと。
そっか。
(由梨絵)もう彼のところには行かない。
(由梨絵)私春樹のことが好き。
好きだよ。
昔も今も。
ごめん。
由梨絵の気持ちには応えられない。
(由梨絵)そっか。
そうかなって思ってた。
やっぱりここでいい。
えっ?
(由梨絵)一人で行くよ。
駅まで。
そっか。
(由梨絵)頑張ってね。
由梨絵も。
(由梨絵)ありがとう。
じゃあね。
うん。
母さん。
もう消灯だよ。
(和佳子)あっ。
由梨絵ちゃん退院したね。
うん。
(和佳子)退屈な入院生活の話し相手が一人減っちゃったな。
母さんももうすぐ退院だろ。
(和佳子)デートの約束とかしたの?電気消しますよ。
(和佳子)振られたの?もう会わないと思う。
(和佳子)ハァー。
何だよ?
(和佳子)お前には早く幸せな家族をつくってもらいたいんだよ。
いいから早く寝て。
(和佳子)寝るわよ。
もう。
電気消すよ。
おやすみ。
(和佳子)おやすみ。
(友子)奈々にもね話したの。
うん。
(友子)産むことにしたって。
そしたらさ全力で応援するって。
奈々らしいね。
(友子)うん。
私も応援するよ。
全力で。
(友子)ありがとう。
(友子)千鶴さんは?うん?
(友子)守田先生。
何もないの?ないよ。
何にも。
(友子)ホント?うーん。
正確には…。
(友子)うん。
ないことにした。
(友子)どういうこと?それ。
ほら。
あったかい家庭とかそういう彼に望まれてる幸せをあげられるのは私じゃないし私もそういう役割は似合わないっていうこと。
柄じゃないっていうとこかな?
(友子)えっ?千鶴さん?・
(ドアの開く音)・
(足音)
家族って何だろう?
その重みに押しつぶされそうになったり…
またそのしがらみにがんじがらめになることもある
それでもそのつながりにとらわれずにはいられないのはなぜなんだろう?
守田です。
分かりました。
すぐ行きます。
はい。

(奈々)こっち準備OKだよ。
(宗太郎)了解。
(奈々)お子さん。
結構悪いの?
(宗太郎)えっ?
(奈々)ごめん。
ゆうべ見ちゃった。
奥さん泣いてるとこ。
(宗太郎)ああ。
骨髄移植が必要なんだと。
でもあいつと息子はHLAが適合せず。
(奈々)高橋先生は?
(宗太郎)結果待ち。
(奈々)適合するといいね。
(宗太郎)もししなかったら奈々先生慰めてくれる?
(奈々)いいよ。
でもきっと大丈夫。
(宗太郎)仕事するぞ。
(岩瀬)何度も言っただろ。
足は切らん。
壊死は感染すると命に関わるんですよ。
(岩瀬)俺はこの自分の足で歩きたいんだよ。
それができねえぐらいだったら死んだ方がいい。
一度ご家族とも相談されてみてはいかがでしょうか?俺に家族なんかいねえよ。
えっ?俺に家族なんかいねえっつってんだよ。
(貴子)えっ。
婦人科?今日婦人科の先生と相談しました。
今朝倉さんは右の卵巣にできた嚢胞が周囲組織と癒着して腸管子宮内膜症という病態です。
このままオペをしないでいると将来的に妊娠や出産が難しくなる可能性が高くなります。
(貴子)そうですか。
(バイブレーターの音)
(貴子)あっ。
ちょっとすいません。
大事な話ですよ。
別に構いません。
えっ?そういうことを望んでませんから。
今も将来的にも。
そんな…。
(貴子)それよりこの繰り返す痛みを取って早く仕事に復帰させてくださいよ。
ねっ?あれ?ちょっとこの病院Wi−Fi弱くないですか?お疲れさまです。
(茜)お疲れさまです。
(茜)お先に失礼します。
(一同)お疲れさまです。
お疲れさま。
お疲れさまです。
(千鶴・春樹)ハァー。
どうかした?患者さんのことでちょっと。
ああそう。
近藤先生は?私もおんなじ。
患者さんのこと。
そうですか。
お母さんの退院もうすぐだね。
ええ。
色々ありがとうございました。
ううん。
私は何も。
いえ。
(奈々)ありがとう。
うん。
はい。
(奈々)お疲れ。
ああ。
お疲れさま。
(友子)お疲れさん。
(一同)フフフ。
何か久しぶりだね。
(友子)うん。
そうだね。
(奈々)ねっ。
ちょっと夕飯でも食べていかない?
(友子)おっ。
いいね。
真人君は?お迎え大丈夫なの?
(奈々)今日はおばあちゃんが迎えに行ってくれたって。
そっか。
じゃあ軽くいきますか?
(友子)いいですね。
(奈々)でもさホントに久しぶりだよね。
(友子)うん。
まあ色々あったからね。
そうだね。
(奈々)ねっ。
体調どう?
(友子)うん。
大丈夫。
(友子)でもね旦那が諦めろって。
(奈々)えっ?じゃあ市川先生にも?
(友子)うん。
(奈々)別れちゃえばいいじゃん。
奈々。
(奈々)だってその方がすっきりするでしょ?どこにでもいい顔しようとするなんて無理だよ。
(友子)奈々は強いね。
(奈々)なんてね。
私もさホントはぐらぐら。
うん?血のつながりには勝てないよ。

(奈々)でも何かさホントの家族のところに戻れるならそれが一番いいのかもって。
(奈々)何かごめん。
暗くなっちゃって。
久しぶりに集まったのにね。
ううん。
(奈々)ねえ千鶴さん。
何か明るい話題ないの?えっ?私?
(奈々)うん。
いや。
私は別に。
(奈々)あっ。
何かあるでしょ?ないよ。
(奈々)えっ?今の何かある言い方だよね?
(友子)さあ?
(奈々)えっ?何?友子さん。
知ってんの?
(友子)えっ?
(奈々)教えてよ。
ちょっと友子。
(友子)えっ?私まだ何も言ってないよ。
(奈々)ねえ。
教えてよ。
私だけ仲間外れとかひどくない?
(従業員)パエリアお待たせいたしました。
(友子)おいしそう。
おいしそう。
(奈々)千鶴さん。
教えてよ。
(友子)食べよう食べよう。
食べよう食べよう。
(奈々)ちょっと。
千鶴さん?分かったよ。
(奈々)えっ!?守田先生?うん。
(友子)気付かなかった?
(奈々)全然。
そうなんだ。
いいじゃん。
お似合いだよ。
(友子)ねえ?そう思うんだよね私も。
(奈々)うん。
うん?向いてないんだよね私。
恋愛して幸せになるとかそういうの。
(奈々)確かに。
千鶴さんのそういう姿想像できないかも。
(友子)こら。
奈々。
でしょ?それにね守田先生にはちゃんとふさわしい相手がいるしね。
(奈々)そうなんだ。
まっ。
色々ありますね。
まっ。
今夜はさ色々忘れて飲もうよ。
(千鶴・友子)うん。
みんなソフトドリンクだけどね。
(奈々)いいから。
ほら。
乾杯。
(千鶴・友子)乾杯。
うん。
うん?近藤です。
何かあった?えっ?分かった。
10分ぐらいで行けると思う。
はい。
ごめん。
朝倉さん。
外出先で倒れたって。
(友子)えっ?
(奈々)高橋先生は?当直でしょ?何かね担当の患者さんがまた腹痛起こしたみたい。
守田先生と一緒に処置に当たってるって。
ねっ?私にはこういう方が合ってるでしょ?じゃあ後で割り勘にするから。
じゃあね。
ごめんね。
(奈々・友子)いってらっしゃい。
気を付けて。
いってらっしゃい。
千鶴さんらしいね。
(友子)うん。
(留美)ああっ。
(宗太郎)痛むのはここですね?CT室に連絡をお願いします。
(涼子)分かりました。
一外です。
前川留美さんの腹部造影のCTお願いします。
先生。
私死ぬのかな?
(宗太郎)何を言ってるんですか?緊急で採血結果教えて。
(涼子)はい。
(光弘)血圧測りますね。
急な外泊願いで帰宅されていたんですけどお仕事をされていたらしくて。
はい。
朝倉さん。
診察しますね。
膝立てますよ。
はい。
(貴子)大丈夫です。
帰らせてください。
(光弘)朝倉さん?
(貴子)あしたどうしても出なくちゃいけない会議があるの。
この仕事落とすぐらいだったら死んだ方がましよ!そんなこと私が許しませんよ。
エコーお願い。
(光弘)はい。
前川さん。
今はお子さんの幸せだけを考えてください。
(留美)えっ?お子さんのことも考えなきゃ自分の体調のことも心配しなきゃじゃ大変ですよね。
心電図持ってきてください。
(涼子)はい。
(宗太郎)聴診します。
あなたの体のことは僕たちに任せてください。
それが僕たちの仕事なんで。
安心してください。
朝倉さんのお仕事のことは私には分かりませんがあなたを救うのが私の仕事です。
痛っ。
絶対に死なせませんから安心してください。

(友子)ただいま。
(聡)おう。
おかえり。
(友子)帰ってたんだね。
(聡)うん。
(友子)ごめんね。
千鶴さんたちとちょっと夕飯してきたから。
(聡)来週の休み空けといてくれないか?
(友子)何で?
(聡)食事会。
(友子)食事会?
(聡)招待してくれたんだ。
仁志先生の奥さんが家に。
どうして?
(聡)さあ?まあ断るわけにもいかないだろ。
嫌なら俺一人で行ってくるけど?母さん。
こんなとこで何してんの?
(和佳子)息子が一生独身かと思うと眠れなくてね。
そればっかりだな。
仕方ないでしょ?この年になると子供の結婚だけが楽しみになるんだから。
そういうもんかな?そういうもんよ。
自分が病気だったりすると特にね。
ふーん。
ああ。
こうやって自分の命もつながっていくんだってちゃんと見ておきたいのよ。
さっ。
戻るかな。
うん。
おやすみ。
おやすみ。
(仁志)お疲れさまです。
(渡辺)あっ。
どうも。
第一外科で今月の個人売り上げの目標をクリアしてるのは仁志先生と高橋先生だけですよ。
(仁志)みんなよく働いてくれています。
(渡辺)そろそろ人件費の削減も視野に入れなければいけないかもしれませんね。
(仁志)誰かを辞めさせるとおっしゃるんですか?
(渡辺)必要な医師とそうでない医師を選別するだけです。
うちの科の医師たちは信念を持って取り組んでいます。
(エレベーターの到着音)
(渡辺)医師としては立派でもだからといってこの病院にふさわしいとは限らない。
(看護師)失礼します。
(看護師)前川さん。
回診ですよ。
(留美)あっ。
すいません。
そうた。
はる。
きらら。
ほら。
起きて。
先生の邪魔でしょ?
(看護師)外出てよう。
(留美)ほら。
(子供)ほら。
行くよ。
(子供)OK。
アイムカミング。
(子供)まだ靴履いてない。
まだ靴履いてない。
まだちょっと靴履けてない。
(留美)静かに。
(子供)まだちょっと靴履けて…。
(宗太郎)うん。
血圧も落ち着いてますね。
(宗太郎)だけど手術しないといつまたゆうべのようなことになるか分かりませんよ。
でも私お金が。
えっ?えっ。
これ?
(宗太郎)昨日の青臭い医者も言ってたでしょ?あなたは子供のことだけを考えていればいい。
でも…。
(宗太郎)これで立て替えてください。
滞納分も払えるでしょう。
あなたが退院したら一番に指名でお店に行きますから。
まっ。
それで相殺ってことで。

(子供たち)ママ。
ママ。
おなかすいた。
(留美)おなかすいた?
(子供)マミー。
アイムハングリー。
(子供)おなかすいた。
(留美)何食べる?
(子供たち)おなかすいた。
(留美)分かった分かった。
(貴子)ゆうべはすみませんでした。
死んだ方がましだなんて言って。
いいえ。
大事に至らなくてよかったです。
死ぬのは許さないって言ってくれたじゃないですか。
はい。
今まで誰もそんなこと言ってくれなかったから。
っていうかそんな人誰もいなかったかな。
朝倉さん。
誰も見舞いに来ないでしょ?家族いないんです。
私。
恋愛も何かもういっつもうまくいかなくって。
向いてないのかな?だから仕事しかなかったんです。
仕事でつながってれば誰もいなくなったりしない。
仕事してればきっと私が死んだら困るって言ってもらえるから。
私も一緒です。
えっ?ずっと仕事だけでした。
でもそのことに誇りを持っているし後悔はしていません。
その誇りさえあれば生きていける。
だから朝倉さんも怖がらないでください。
近藤先生。
じゃあバンコマイシンを一日3回。
30分でドリップしてください。
(平井)分かりました。
お願いします。
(光弘)守田先生。
大変です。
岩瀬さんが。
検査のために呼びに行ったんですけどどこにもいらっしゃらなくて。
車椅子もなくて。
とにかく捜そう。
(光弘)はい。

(光弘)岩瀬さん!岩瀬さん!
(光弘)駄目です。
こっちにはいません。
(平井)救急搬送口にも見当たらない。
(光弘)どこ行っちゃったんだ?岩瀬さん!・
(光弘)岩瀬さん!岩瀬さん?岩瀬さん?岩瀬さん!岩瀬さん!
(光弘)患者さん着きました。
移すよ。
(一同)はい。
1・2・3。
(看護師)ストレッチャー出します。
(光弘)点滴準備します。
(平井)酸素マスクつけます。
(看護師)モニターつけます。
エコー用意してください。
ラインとって。
採血も。
(平井)はい。
岩瀬さん。
分かりますか?手握れますか?瞳孔確認します。
頭部を強打してます。
CT用意してください。
(光弘)分かりました。
(看護師)モニターつけました。
(仁志)手伝おう。
助かります。
(光弘)救急です。
頭部CTお願いします。
男性です。
お願いします。
ありがとうございました。
(仁志)いや。
僕一人じゃもっと手間取ってました。
そうだろうな。
その傷じゃ。
あっ。
(仁志)ずっと我慢してやってたのか?大したことないと思ってたんで。
気を付けろ。
お前が動けなくなって困るのはお前だけじゃない。
守田先生を必要とする患者がここには大勢いるんだ。
はい。
すいません。
でもちょっとうらやましい。
えっ?真っすぐ患者にだけ向き合えるお前が。

(ドアの開く音)んっ。
(涼子)岩瀬さん。
意識回復しました。
すぐ行きます。
ありがとうございました。
(仁志)うん。

(ノック)・失礼します。
岩瀬さん。
気分はいかがですか?ケガしたんだって?ああ。
大したことないです。
聞かせてもらえませんか?どうして手術を拒むのか。
もうこんな無茶してほしくないんです。
家族がいないというのは嘘だ。
娘がいる。
来月結婚式を挙げる。
だったら病気を治して…。
もう全部やったんだ。
えっ?大きい会社じゃないがそこそこ出世をして家族を養った。
娘も大学を卒業させた。
定年退職してからは妻といろんな国を旅行した。
その妻をみとった。
平凡かもしれないが大満足の人生だ。
ただ一つだけやり残してることがある。
娘の結婚式でバージンロードを歩きたい。
自分の足で歩きたい。
それにこれから幸せな結婚生活を始める娘にこんな父親の面倒を見させたくない。
だから手術はしない。
僕は母の病気を治すために医者になったんです。
学生時代周りが遊んでる間も勉強ばかりしてました。
医者になってからも仕事を一番に優先して今日まで働いてきました。
だからいまだに独身です。
でもそれを不幸だと思ったことは一度もありません。
親のために何かができるってことは子供にとってとても幸せなことです。
岩瀬さんのお嬢さんもきっと同じ気持ちなはずです。
車椅子でも松葉づえでもいい。
バージンロードが最後じゃなくてその先の人生も一緒に歩きたいはずです。
岩瀬さん。
僕に手術をさせてくれませんか?お願いします。
手術。
絶対に成功するんだろうな?下手なことしたら承知しねえからな。
ぼけ医者が。
はい。
岩瀬重雄さんの横紋筋肉腫および右半結腸切除術を始めます。
よろしくお願いします。
(一同)お願いします。
(一同)メス。
はい。
鑷子。
はい。
コッヘル。
はい。
電メス。
(看護師)はい。
では朝倉貴子さんの右チョコレート嚢胞切除および小腸切除術を始めます。
よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
(一同)メス。
はい。
ガーゼ。
はい。
鑷子。
ガーゼ。
はい。
電メス。
(看護師)はい。
(宗太郎)前川留美さんのS状結腸切除術を始めます。
よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします。
(一同)メス。
はい。
鑷子。
コッヘル。
はい。
ガーゼ。
はい。
(宗太郎)電メス。
(看護師)はい。
メッツェン。
(看護師)はい。
切除完了。
手袋替えます。
(医師)左の卵巣は温存できそうですね。
小腸の癒着も何とかなりそうです。
(医師)じゃ小腸からいきましょう。
はい。
(一同)ペアン。
はい。
筋鈎。
はい。
もう1本。
(看護師)はい。
(奈々)モニターこっちに向けてください。
(谷)まだまだ癒着ありますね。
(宗太郎)剥離したら結腸を切除するよ。
(谷)はい。
(宗太郎)ツッペル。
(看護師)はい。
(宗太郎)左房内血栓は?
(奈々)なさそうです。
壁運動良好。
右室負荷もありません。
(宗太郎)了解。
GIA用意。
(看護師)はい。
腸の再建をします。
ケリー。
(看護師)はい。
(医師)標本とります。
(医師)婦人科的には切除完了しました。
後は私たちに任せてください。
(医師)はい。
では腸間膜の修復に移ります。
(一同)3−0バイクリル。
はい。
生食下さい。
はい。
続いて端々吻合に移ります。
(一同)アリス。
はい。
アリス。
はい。
(宗太郎)フォガティー。
(看護師)はい。
(谷)ブルドッグ。
(看護師)はい。
3−0バイクリル。
(看護師)はい。
(一同)GIA用意して。
はい。
ガーゼ。
はい。
クーパー。
(看護師)はい。
オペ終了。
お疲れさまでした。
(一同)お疲れさまでした。
消毒。
(看護師)はい。
手術。
無事に終わりましたよ。
(貴子)近藤先生。
ありがとうございました。

(子供たち)ママ!ママ!ママ!ママ分かる?マミー。
ママ大丈夫?
(奈々)よかったね。
(宗太郎)ああ。
家族にもいろんな形があるもんだ。
(奈々)うん。
(宗太郎)父親なんかいなくても子供は育つのかもな。
(菜穂)宗太郎。
ちょっと来て。
(宗太郎)どうした?
(菜穂)あなたの白血球の型が悠馬と一致したって。
先生が呼んでる。
(宗太郎)おっ。
分かった。
(聡)うん。
おいしい。
おいしいです。
(恵美)そうですか。
よかった。
(聡)えっ?これは?
(恵美)アクアパッツァです。
(聡)アクアパッツァ。
すごいな。
ああ。
仁志先生。
失礼しました。
いやぁ。
奥さまはお料理もお上手ですし。
仁志先生。
うらやましいですね。
(恵美)そんなことないですよ。
ねえ。
あら友子さん。
飲み物がなかったわね。
ごめんなさい。
気が付かなくって。
(友子)いえ。
(恵美)ビールがいいかしら?それともワイン?あっ。
ごめんなさい。
(恵美)アルコール駄目だったわね。
(仁志)おい。
(恵美)おなかの赤ちゃんに悪いですものね。
大事にしなきゃ。
ねえ。
だってうちの子ですもの。
うちの主人の子ですもの。
ねえ。
ねえー。
すいません。
実は…。
(聡)分かってたよ。
そんなことは。
分かってましたよ全部。
あんまりバカにするなよな。
だからなかったことにするんだろ。
(テーブルをたたく音)
(恵美)産んだらいいわその子。
(聡)はっ?
(恵美)せっかく授かったんだもの。
ねえ。
産んでいただいてうちの子として育てます。
お母さんが言ったように。
(仁志)恵美!
(恵美)その代わり絶対に会いに来ないで。
その子はうちの家族になるんです。
もうあなたのものじゃない。
主人にも二度と会わないで。
病院も辞めてどこか遠くへ行って。
とにかく私たち家族の前から消えて!
(仁志)恵美!悪いのは俺だ。
辞めるなら俺が辞める。
失礼します。

(友子)二度と会うなって。
仁志先生と。
フッ。
まあ当然だよね。
それだけの罰を受けるようなことしたんだもん私。
友子。
彼の家族を壊したのも私。
旦那もさ全部分かってたんだって。
旦那のことは傷つけたくないなこれ以上と思ってたけどそんな奇麗事も言ってらんないしね。
うちの家族を壊したのも私だし。
いや。
もう一人で生きていくしかないのかなと思って。
笑わなくていいよ。
笑わないでいいから。

(久仁子)こんなところに呼び出して何なの?話って。
私だって忙しいのよ。
用件だけ手短に言って。
(渡辺)研究費なんですけどもお出ししますよ。
(久仁子)本当に?
(渡辺)もちろん。
ああ。
ついでにこちらもお受け取りください。
(久仁子)何?
(渡辺)以前先生が執刀なさった腹腔鏡での胆摘のオペといえば?
(渡辺)ご記憶にあったようですね。
思い出したくもない苦い記憶が。
(渡辺)人は誰でもミスを犯すものです。
ただ残念なことに医師にはそれが許されないときもある。
(渡辺)どうぞ。
その書類はお持ちください。
まあとはいっても二度と目にしたくない内容かもしれませんが。
(久仁子)代わりにあの写真を返せと?
(渡辺)そんな愚かな取引はいたしません。
あの写真を奪い取ったとしてもコピーなどいくらでもできる。
もちろん私の方も同様にね。
(久仁子)私を脅すつもり?
(渡辺)とんでもない。
こう見えても私は常日ごろからフェアプレーを心掛けているんですよ。
さあこれで手持ちのカードは1枚ずつ。
振り出しに戻ったわけです。
ただ研究費の増額を希望されるようでしたら今後いったい誰に従うべきか聡明なあなたならお分かりでしょ。
白石教授代理。
失礼します。
岩瀬さん。
気分はいかがですか?
(岩瀬)良くねえよ。
(スイッチを押す音)そうですか。
(岩瀬)な…何だよ?いいから。
沙織。
(沙織)お父さん。
(岩瀬)お前。
すいません。
(岩瀬)余計なことしやがって。
ぼけ医者が。
(沙織)式は少し先に延ばしたから。
(岩瀬)えっ?
(沙織)お父さんがリハビリして一緒にバージンロード歩けるようになるまで延期にしたから。
リハビリ頑張ってください。
ありがとよ。
えっ?何度も言わすな。
はい。
(沙織)大丈夫?
(岩瀬)ああ。
大丈夫だ。

(和佳子)退院日和ですね。
はい。
(和佳子)あっ。
もうこの辺でいいですよ。
はい。
じゃあ。
(和佳子)あっ。
すいません。
もうちょっと待ったら来ると思いますよ。
守田先生。
(和佳子)いいんですよ。
元気に働いてるんだろうから。
あの子から仕事取ったら何にも残らないからね。
私と同じですね。
(和佳子)そうなんですか?いい人いたらちゃんとつかまえとかなきゃ駄目ですよ。
まったくあの子は。
由梨絵ちゃんみたいないい子そうそういないのに。
えっ?
(和佳子)振られたらしいの。
近藤先生も仕事ばっかりしてると幸せ逃しちゃいますよ。
(和佳子)遅いよ。
まったく。
いいでしょ。
間に合ったんだから。
(和佳子)しばらく会えないだろうから抱き締めてやろうか?もうバス来る時間だよ。
(和佳子)もうちょっと母との別れを惜しみなさいよ。
じゃあそろそろ行きます。
本当にお世話になりました。
長野の病院にも連絡取っておきましたからこれまでどおり定期的に通院されてください。
(和佳子)はい。
ありがとうございます。
でもまだ全部治ったわけじゃないからね。
(和佳子)分かってるよ。
あんたこそ風邪ひくんじゃないわよ。
俺は医者だよ。
じゃあそろそろ行きます。
じゃあ。
じゃあね。
さて仕事に戻りますか。
はい。
2015/05/28(木) 22:00〜22:54
関西テレビ1
<木曜劇場>医師たちの恋愛事情 #08[字][デ]【動き出した運命の行方!!】

「3つの運命」
斎藤工 石田ゆり子 相武紗季 平山浩行 三宅弘城 板谷由夏 伊原剛志 生瀬勝久 ほか

詳細情報
番組内容
 守田春樹(斎藤工)は、整形外科から転科してきた岩瀬重雄(岩松了)の担当になり、手術の日程を相談しにいく。だが岩瀬は、死んでも構わないと言ってなぜか手術を拒む。同じころ、近藤千鶴(石田ゆり子)も、仕事中毒のキャリアウーマン・朝倉貴子(MEGUMI)から手術を拒否される。さらに高橋宗太郎(平山浩行)も、幼い3人の子どもを抱えるシングルマザーでキャバクラ嬢の前川留美(岩佐真悠子)から、金がないという
番組内容2
理由で手術を断られていた。
 別の日、春樹の元恋人・由梨絵(小松彩夏)が退院する。駅まで春樹に送ってもらうことになった由梨絵は、いまでも好きだと告白する。一方、河合奈々(相武紗季)は、宗太郎の息子・悠馬(矢村央希)が骨髄移植を受けなければならないことを知る。しかし、悠馬と母親の菜穂(上野なつひ)とはHLA=ヒト白血球抗原が適応せず、いま宗太郎と適合するかどうかを調べているのだという。泣いている菜穂
番組内容3
の姿を目の当たりにした奈々は、千鶴や市川友子(板谷由夏)にその複雑な胸の内を告白する。その際、奈々から春樹との関係を問われた千鶴は、もう止めたと答えるが…。
 岩瀬は、壊死(えし)した右足を切断しなければ命にかかわる状態だった。改めて岩瀬の説得を試みた春樹は、家族にも相談してはどうかと話す。しかし岩瀬は、家族なんかいないといって背を向けてしまう。そんな中、留美、そして貴子の容体が相次いで急変し…。
出演者
守田春樹: 斎藤工 
近藤千鶴: 石田ゆり子
  ・  
河合奈々: 相武紗季 
高橋宗太郎: 平山浩行 
大根良太: 三宅弘城
  ・  
市川友子: 板谷由夏
  ・  
仁志祐介: 伊原剛志 
渡辺幹夫: 生瀬勝久 


スタッフ
【脚本】
秋山竜平(『流れ星』ほか) 
坂口理子(『私が恋愛できない理由』ほか) 
小山正太(『ビター・ブラッド』ほか) 

【プロデューサー】
中野利幸(フジテレビドラマ制作センター『ディア・シスター』『ラスト・シンデレラ』ほか) 

【演出】
田中亮(フジテレビドラマ制作センター『医龍4』『ディア・シスター』ほか) 
平野眞(フジテレビドラマ制作センター『HERO』『ディア・シスター』ほか)
スタッフ2
関野宗紀(『ディア・シスター』ほか) 

【制作】
フジテレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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