東北最大の歓楽街国分町を歩くとそこかしこで目にするのが…
会社帰りの男性客が集まる店をのぞくとテーブルの上に…。
あった牛たん!何度食べてもこのひと言
仙台牛たんは焼き肉屋で食べる薄切りのタン塩と違い分厚く切った豪快さが特徴。
それにはわけが…
そう仙台牛たんは居酒屋のおつまみメニューとして親しまれてきた逸品だ。
確かにめっちゃうまそう!
今宵はそんな牛たん屋から外食業界に革命を起こしたある男の物語
その執念には村上龍も驚いた!
感動を呼ぶおいしさをご覧あれ!
東京駅八重洲口
お昼が近づくとその地下に広がる広大な飲食街には財布の中身と相談しつつ店選びをするサラリーマンの姿が
するとある店の前に驚くほどの大行列を発見
よほど安くてうまい店なのだろうと思いきや…
ん?定食が1,300円!?高くないですか?
そう語った客たちが大行列に並んででも食べたいメニューとはいったい何なのか?そこにあったのは…
どの客が頼んでいるのも…
東京ではおなじみの牛たんの店…
う〜んもう我慢できない!
大満足の牛たん専門店ねぎしは現在東京を中心に34店舗を構えるチェーン店
どの店を訪ねてもとにかく大賑わい。
実はねぎし牛たんの店を劇的に変えることで客をつかんできた
その最大の功績は仙台で夜の居酒屋のおつまみとして親しまれていた牛たんをお昼に食べる定食メニューとして大ヒットさせたことだ
こちらがねぎしで大人気の定食
メーンの牛たんはかなりの贅沢。
たんの中でも貴重な「しろ」と呼ばれる部分だけを厚切りにしたジューシーでやわらかい逸品。
それを囲むのは旨みたっぷり熱々の…
牛たんと相性抜群の…
更に絶妙な辛さの…
そして今では定番のとろろ。
実は牛たんにとろろを組み合わせたのはねぎしが初めて
この絶妙の組み合わせで1,530円
ねぎしはもともと低カロリーだった牛たんを麦めしやとろろをつけることでヘルシーなメニューに変えた。
今や客の5割近くが女性だという
客を熱狂させる秘密はこんなところにも
そこでは厳選された牛たんを専門のスタッフがひとつずつ丁寧に手切りしていた。
機械で切る店が少なくないなか筋などを丁寧に取り除きいちばん食べやすい大きさ35グラムに切りそろえていく。
下処理の手間を惜しまないのだ
そしてもうひとつ牛たんのおいしさを決めるのが焼きの技術だ。
ねぎしでは社内で…
炭火を使って肉汁たっぷりでやわらかい絶妙の焼き加減に仕上げていく
ほんのりピンク色の中心部が最高の食感の証し
そんな牛たんで客の心をがっつりつかみ年商は現在…
右肩上がりで成長を続けている
実はねぎし外食業界のなかでも驚異的といえる強さを誇っている
例えば錦糸町駅ビルのレストラン街を覗くと…
並みいる競合店をおさえてこの大行列
ねぎしは1坪あたりの売り上げで毎月圧倒的トップに君臨し続けている
そんなねぎしの強さを週に一度は来るというこの常連客も大絶賛
実はこの人東証1部上場企業…
熱烈なねぎしファンだというが経営者として大きな不満が
そんな熱い不満をぶつけるため早速西新宿のねぎし本社を訪ねた
しかしそこにあったのはいささか質素な緑色のビル。
確かに郵便受けにはねぎしの文字
2階のこの小さな部屋が本社。
お店と違い本社にはお金をかけない主義なんだとか
おはようございます!お疲れさまです元気ですか?
それでも社内はなんだか笑顔が絶えない楽しそうな雰囲気だ
そして社長はというと…
窓際のずいぶんと狭いスペースにいる…。
この人。
それにしてもイスと壁がこの近さ
社員同様よく笑う社長だ
この日横浜でねぎしの新店がオープンすると聞いてやってきた
これが34年目にして34店舗目の店
1年に1店舗とは確かに人気店とは思えない出店ペースの遅さだ
早速社長の根岸を直撃した
実はねぎしの出店は人材ありき。
人が育たなければ出店しないという
そうやって時間をかけ育てられた人材のサービスがねぎしの熱狂的なファンを生んでいた
ありがとうございます。
6卓さまごはんをいただきました。
お願いいたします。
例えば客が寒そうなしぐさをすればすぐに駆け寄り…
すぐ弱めますのでお待ちくださいませすみません。
その席の温度を調節する…
そしてこの女性客へのささやきにもある親切が…
更にこの男性には感動の親切が…
ありがとうございます。
客のちょっとした表情の変化も見逃さない店員たち
ライバル店を寄せつけないねぎしの圧倒的な強さは牛たんだけじゃなく驚くほど親切な接客力にあった
それを証明するのが店頭に置いてある接客の感想を書いてもらうこのハガキ
そのほとんどにすばらしい接客への感謝の言葉がつづられている
そして重要なのがここ!すばらしい接客をした店員の名前を書く欄。
ここに名前が書かれたスタッフは社内に告知され親切賞として表彰される
ねぎしでは親切こそが最大の評価基準なのだ
しかもこの接客事例が書かれたハガキを全店舗で共有することで更なる親切が広がっていく
そうねぎしが他の外食と一線を画する最大の理由こそ親切なのだ
今宵は…たかが牛たん屋と侮るなかれ!
はいということでスタジオをねぎしのお店に見立てて牛たん定食を注文しちゃいました。
失礼いたします。
来ましたね早速。
白たんセットでございます。
スープお熱いのでお気をつけくださいませ。
持ってきていただいた丹羽さんは営業中の銀座のお店をね抜けて今日は来ていただいたということでありがとうございます。
お待たせいたしました。
ごはんのおかわりできますのでお気軽にお申しつけくださいませ。
根岸さん丹羽さんは親切賞の常連だそうで。
そうです。
あれですよねたぶん親切賞をもらおうと思ったら難しいんでしょうね。
もらっちゃおうとかって思っちゃうと意識的になっちゃって。
それでは早速いただきたいと思います。
じゃ失礼して。
いただきます失礼します。
まいったな。
いただきます。
う〜ん。
やわらかくておいしいです。
これは人気あるのわかるな。
もうひと切れいただこう。
ちょっとほんのりピンクが…。
とろろごはんもいただきます。
うんおいしい。
でもよくこの組み合わせを考えられましたね。
ご自分が好きだったんですか?まず自分が好きですね。
龍さん黙々と…。
あの根岸さんいろいろ言葉はあると思うんです。
お客さんに対する態度を表す。
どうして親切っていう言葉を選ばれたんですか?なんかいろいろそういう似たような言葉があるでしょ?まごころとか…孝行とか誠実とかあると思うんですけど親切っていうのはすごく新鮮な感じがしたんですよ。
小学生でもね人に親切にしましょうって言うとわかりますもんねどういうことなのか。
そしてこちらに先ほどのハガキがあるんですけれども。
見てくれて評価されるっていうのはやっぱり人としてとても嬉しいといいますか。
こういうアンケートのハガキとかを置いてある店は少なくはないと思うんですけど例えばですけどこの番組見てる人たちがですねそうかそうかハガキがあればいいのかってまねしてもダメでしょ?いやそんなことないです。
いいんですかまねしても?それもですねアンケートのハガキを置いてるお店は死ぬほどいっぱいあるんですよ。
ありますね。
ただねぎしほど機能してないじゃないですか。
このあとは大失敗が生んだねぎし驚異の店舗力。
店長30人が経営を決める目からうろこの感動システム
ねぎしには他の外食企業では考えられない仕組みがある
この日テストキッチンで行われたのは…
実践さながらに次々に入る注文を聞きながら焼き始める肉の優先順位と焼き加減を判断し正確に仕上げていく。
2度目の挑戦となる佐々木。
審査するのはベテランの店長たち。
試験に合格した社員だけが焼士として認められるのだ
実はこの焼士制度現場の店長の発案で始まったものだ
ねぎしにはそんな現場発の仕組みがいくつもある。
錦糸町の店長関が向かったのは…
この日開かれたのは…
更にレジ周りでは…
わずかなホコリまで見逃さない厳しい審査。
実はこのコンテストも店長の発案で始まった
そうですね。
今回の第1位はこちら…
現場で計画し実行する取り組みだからこそやる気も違う
現場に権限を任せるのがねぎし。
モチベーションの高い現場からは細かい接客手法などさまざまなアイディアが生まれてくるという
こちら中野店の店長蓮沼は以前大手外食チェーンで社員として働いていた。
だが現場に任せるねぎしの仕組みに魅力を感じ移ってきた
会社のさまざまなことを現場に任せ決めさせる。
そんな独自の経営の裏には根岸自身の苦い経験があった
福島県いわき市出身の根岸は30歳の頃地元で飲食店経営に乗り出した
東京でヒットしている業態をそのまま地元に持ってくるという手法で根岸は次々と人気店を作りわずか数年で20店舗を構えるまでに会社を成長させる
ところが40歳のとき仙台に作ったある店で事件が起きた
それは1年前に東京から持ってきた大皿料理の店
それまでと同じように物珍しさから大成功を収めていた
ところがある日根岸が店に顔を出すと開店時間を過ぎているのになぜかシャッターが閉まったまま…
(呼び出し音)ちくしょう!
店のスタッフと連絡が取れない。
いったい何が起きたのか根岸にはまったく理解できなかった
しかし理由はすぐにわかる。
それは100mと離れていないところにオープンしたほとんど同じ業態の店
そこに店長もろともスタッフ全員が引き抜かれていたのだ
根岸は考え続けた。
その場の利益ばかり追いかけても結局商売は永く続かない
永く続けるにはどうすればいいのか?
行き着いたのが従業員が会社のためでなく…
そして根岸はすべての店を手放し東京で再出発を決意する
それが…
以来こだわり続けてきたのは社員が…
今ねぎしでは店長たちで構成する5つのチームで会社のあらゆるルールを自ら考え作り上げている
そんなねぎしの店長たちが作り上げた集大成ともいえるものが年に一度銀行や食品メーカーなど取引先を招いて行うこの発表
それは向こう1年のねぎしの…
いまや店長たちは自らの手で経営方針をまとめあげねぎしの経営自体の舵取りを行っているのだ
店長が会社の経営方針を決めるっていうのはちょっとびっくりしたんですけれどもそういう社員の方たちへの思いっていうのはやはり大皿料理店で従業員の方たちが引き抜かれていなくなってしまったっていうときの関係性が壊れてしまったことから学んだっていうの大きいですか?行っちゃった人を?下り坂になっていくんですねそれに気づかれたわけですね?それはですねよく平凡な考えで言うとお給料を上げるとかボーナス高くするとかじゃないんですね?店長さんたちがチームに分かれてるプロジェクトがあるじゃないですか?どこまでを店長さんたちのチームに任されるんですか?難しいですけどこれだけやりがいのあることってないですもんね。
なるほど。
それってやっぱり難しいと思うんですけどそうでもないんですか?いやおっしゃるとおりです。
時間かかる。
朝8時過ぎの…
現れたのは黄色いいでたちで人目を引く人々。
誰が呼んだか…
ねぎしで働く社員たちだ。
彼らはものすごい勢いで路上のゴミを集めていた。
実はこれ本拠地として30年来お世話になってきた新宿の街への恩返し。
月に一度の取り組みに社長の根岸も参加していた
と思ったら今度はそのね軍団なぜか会津にやってきた
ありがとうございます…。
始めたのは田植え
実はね軍団のこの奇妙な行動に最強の店づくりの秘密が隠されていた
(ナレーター)ぬくもり驚きを届けてきたパナソニックの光が今進化する。
LEDの光で情報をつなぐ新たな技術を開発。
光あるすべての場所であなたと街に新しい関係を。
ありがとうございます…。
この日ねぎしの一行が福島の会津地方に田植えの手伝いにやってきていた
いつも店で使っている会津のお米に感謝をこめて
ねぎしでは通常バラバラに働く店のスタッフが一緒になり交流する場にこだわってきた
その理由は…
とにかく仲よしのねぎしの従業員。
そのチームワークでさまざまな問題を解決してきた
メールで打ち始めたのはバイトが休んでしまったため他の店へ…
実はねぎしには店舗間で人を融通しあう仕組みがある
外食にありがちな店長の重い負担。
その問題をチームワークで解消しているのだ
更に力を入れるチームワークがある
(一同)乾杯!
中国人スタッフとの関係づくり
悩みを聞いたり更にこちらは…
彼らに楽しく働いてもらうための努力を惜しまない
この取り組みを続けてきたおかげでねぎしは働きやすいという口コミが広がり優秀な人材が集まってくる
店も国籍も超えたチームワークこそがねぎしの強さなのだ
(一同)ねぎし!はいとっても中国人スタッフの方楽しそうに生き生きしてましたけども。
待遇とかはほとんど変わらないんですか日本人と。
同一労働同一賃金みたいな感じですか?はい同じです。
そうですか。
すばらしいな。
僕が思うのは根岸さんと話したりVTR見てきてなんとなく清々しいっていうか気分がよくなるんですけどそれは何だろうなと思うと根岸さんの経営とか人を使う戦略のいちばん根本的なところにですね…人間の能力とかってそんなに変わらないんだと…たいした差はないと。
ですからその人を信じてあげたほうが信頼したほうがその人はより自分の能力を発揮するもんなんだっていうことが伝わってくるんですよ。
でもそれはすごく僕勇気がいることだと思うんですよね。
命令するほうが楽ですもんだって。
そういう人がいっぱいいる組織は強いですよ。
ねぎしの牛たん定食に欠かせないこのとろろ。
その甘みのある独自の粘りに熱狂的ファンも少なくない
原料となるのはかつて高級料亭でしか使われなかったという貴重な大和芋。
実は今この大和芋に大問題が
その危機に挑むねぎし流感動のチームワークとは
とろろに使う大和芋の全国でも有数の産地。
この日ねぎしの仕入れ担当者が作付けの視察に来ていた
土に埋めている種芋がこれ。
しかし驚くべきことに…
大和芋は恐ろしく効率の悪い作物なのだ
そんな事情から大和芋農家は絶体絶命の危機に瀕している
実はねぎし多古町の農家の危機を知り…
年間220tの大和芋を使うねぎしにとっても今もなお続く後継者問題は深刻だ
多古町の農家もそんな思いに応えどんな不作の年でもねぎしへの出荷だけは確保してきた
農家との強い信頼関係が他にまねのできないねぎしのおいしさと強さを支えている
収録が終わって村上龍はこんなことを考えた
2015/05/28(木) 21:54〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【経営は現場が決める!感動の仕組みを生んだ奇跡の外食チェーン】[字]
不振が噂される外食産業の中にあって、「牛たん専門店・ねぎし」の前には、連日大行列ができている。“外食の奇跡”とも言われる「独自すぎる経営術」を徹底解剖する。
詳細情報
お知らせ
「全仏オープンテニス2015」の場合あり
番組内容
ランチの平均客単価1200円以上。それでも連日、大行列ができる飲食店がある。牛たん・麦とろ飯で知られる「牛たん専門店・ねぎし」だ。圧倒的なリピート率と高い顧客満足度を誇る人気店で、その接客ノウハウは、あのトヨタまでもが参考にしているという。不振が噂され、人材確保もままならない外食産業で、低い離職率と高い満足度を生み出す「ねぎし」。“外食の奇跡”とも言われる「ねぎしの独自すぎる経営術」を徹底解剖する!
出演者
【ゲスト】ねぎしフードサービス 社長 根岸榮治
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
【公式Facebook】
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