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寺社に油 「呪われた寺社を油で清めた」 医師の傍ら布教活動

産経新聞 6月2日(火)7時55分配信
 各地の寺社に油のような液体がまかれるなどした事件は、米国に住む日本国籍の医師の男の逮捕状を千葉県警が取ったことで急転した。男は医師業の傍らキリスト教系を標榜(ひょうぼう)する布教活動にも従事し、各地で集会を開催。ネット上で公開されている集会の動画では「東日本大震災の発生を事前に神から予言された」「呪われた寺社などを油を注いで清めた」などと話していた。

 複数の動画で男が語っているところによると、男は東京出身で、17歳の時に韓国系牧師が創立した都内の教会でキリスト教に出合った。神の命令に従い渡米して医学を研究。産婦人科医として米国で働きつつ、布教活動にも従事してきた。

 平成25年7月に東京で開いたとする集会の動画では「震災を神から予言された」と主張。震災を機に、油で日本の寺社などを清める活動を開始するよう神に命じられたという。100カ所以上の神社や城郭などを訪れ、「清めた」と説明。この活動は「誰も連れて行かないように神に命じられた」とし、1人でレンタカーなどを使って行っていたとした。清めたとする複数の寺社や景勝地のスライドを聴衆に示したが「具体的な地名を明かすのは神に禁じられている」と述べていた。

 「清める活動が終了した」などとして25年5月、布教などのために団体を設立。各地で集会を開き、社会で働きつつ神に奉仕する重要性を説いていた。

 この男が創立した団体は都内の高層ビル内に事務所を設置。同団体関係者の女性は産経新聞の取材に「逮捕状が出たと報道されているが、氏名が報じられたわけではなくコメントはできない」と回答。その上で、「われわれはキリスト教徒が中心となった集まりだが、宗教団体ではなく、会費もない」と説明した。
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最終更新:6月2日(火)12時22分
産経新聞
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