2014年09月06日(土)

もし不敬罪が復活したら

テーマ:政治・経済・社会問題に関するブログ

「不敬」なんて言葉はとうに死語になっていると思っていたら、予想に反して、 「お前のブログは不敬も甚だしい。やめろ!」 と非難してくる御仁が少なからず存在することに、最近驚かされました。

まして実際に「不敬罪の復活」を狙うおバカな勢力もあります。 彼らに共通するのは、『皇室を敬わない人間は、反日的・非日本人』 と決まって短絡的に考えることです。

    

以下に戦後の「不敬」?事件を列挙してみます。


天皇・マッカーサー会見の写真。 敗戦直後の1945年9月27日、天皇裕仁氏が占領軍(GHQ)最高司令官のマッカーサー氏を訪問した際の記念写真。 これが、9月29日の新聞朝刊第一面にに大きく一斉に掲載される。 ところが、当時の政府は、この写真掲載が 「不敬」 にあたるとして、同日の新聞を発禁処分とした。(単に天皇の写真掲載が不敬というだけでなく、天皇とマッカーサーの身長差、さらにラフな格好のマッカーサーと正装で直立不動の天皇という構図が、天皇の権威を失わせるものとの理由と考えられる。なお戦後であっても新聞紙等掲載制限令がまだ効力を有していた。)
しかし、こうした言論統制をGHQは許さず、同日午後には、GHQにより発禁処分取り消しが指示された。

この事件後、GHQは戦時諸法令廃止指令を出し、言論統制などを目的とする戦時中の法律の廃止を指示した。これにより、新聞紙等掲載制限令は1945年10月6日に、治安維持法は同年10月15日に廃止が公布され、また刑法中の不敬罪は1947年に削除される。

不敬\裕仁・マッカーサー会見2

       

1945年9月29日の新聞朝刊第一面。 この写真の掲載は、敗戦直後の日本国民にとって驚天動地の大事件で、多くの人が衝撃を受けたました。

それまで神と崇めていた天皇が、大柄でくだけた格好のマッカーサーGHQ最高司令官の傍らで、直立不動、緊張した子供のようにかしこまっている。 このなさけない間抜け顔の天皇裕仁氏の姿は、日本の歴史の真実を瞬時に国民に知らしめるのに十分過ぎました。

\不敬\裕仁・マッカーサー会見1



食糧メーデー不敬事件(プラカード事件)。 敗戦後間もない1946年5月19の食糧メーデーの際に掲げられたプラカードの文面。 当時まだ形式上不敬罪が存在したため起訴され最高裁まで争われたが、大赦による免訴となり、不敬罪についての判断は、結局うやむやのまま終えた。

不敬\天皇批判プラカード事件5改


 

不敬\反天皇24改


ひめゆりの塔事件。 1975年7月17日、戦後皇室として初めて沖縄県を訪問し、ひめゆりの塔に献花しようとした当時皇太子の明仁氏とその妻美智子氏に、洞窟に潜んでいた左翼過激派2人が火炎瓶を投げつけた事件。 写真はまさに火炎瓶を投げつける瞬間。

当時の映像http://www.youtube.com/watch?v=uJkPdpJ-qYs

不敬\明仁600


投げつけられた火炎瓶が発火炎上しているようす。 皇太子夫妻と同行者は、かろうじて難を逃れた。

もしこの事件が戦前ならば、「不敬罪」よりはるかに罰則の重い 「大逆罪」(死刑のみ) によって、犯人は命を落とすことになったと思われます。 その大逆罪も 1947年に刑法から削除されていたため、この2人はともに懲役2年6ヶ月の実刑で済んでいます。

不敬\明仁193



週刊「金曜日」が主催した皇室を批判する寸劇。 (日比谷公会堂 2009.11.19)  週刊「新潮」等保守右派系雑誌から不敬だと激しい非難を受け、結局、謝罪広告を載せる羽目に。

不敬\皇室コント5


反天皇デモ行進

不敬\反天皇23 - コピー



前天皇裕仁氏が死んだ日(1989. 1. 7.)以降、自粛ムードの中、全国にばらまかれたステッカー

不敬\裕仁116改3改



習近平氏との特例天皇会見。 2009年12月15日、当時中国国家副主席でしかなかった習近平氏が、不遜な笑みを浮かべて天皇明仁氏を見下ろしながら握手するこの態度は、天皇崇拝者の目にはひどく不愉快で 「不敬」 なものに映ったらしい。

不敬\明仁710


2013年10月31日、秋の園遊会に出席した参院議員の山本太郎氏が、天皇明仁氏に直接、手紙を手渡す。 「原発事故の現状を訴えたかった」とのこと。 この一件も 「不敬」 の点から非難する向きが多い。

不敬\園遊会20131031-48

    

なお一方、ネット上には天皇を茶化す画像も数多く転がっています(以下3点とも)。 こうしたものには、何の批判精神も風刺も感じられず、悪質なイタズラ、悪ふざけ以上の価値は無いと言えるでしょう。

不敬\裕仁145



不敬\明仁401

          

今後もし、「不敬罪」が復活すれば、私なんかたちまち密告され、刑務所にぶち込まれるかも知れません。 当然同じ目にあう人たちも大勢でてきます。
そして、皇室を敬わない人間は、「非国民」、「国賊」 と戦前のように排撃されることでしょう (今でもそんな感じがありますが)。

絶対にそのような日本にしてはなりません。
       
© 2014 HIRAI HIROAKI 無断転載禁止。
               

※ ご注意! 私の「なりすまし」など、ネット上の悪質な行為にご注意ください。

相変わらず、私(平井宏明・日本再生投資(株)代表取締役社長)になりすまし、ネット上のあちらこちら(例えば右翼・保守系ブログやコメント非承認制の有名人のブログなど)に、くだらない愚劣な書き込みをするケースが多数発生しています。 私に無関係な、嫌がらせ、悪ふざけ、他人を騙る虚偽発言、茶化し、暴言、脅迫など悪質なコメントが多数ばらまかれています。

また、私が他の多くのブログやサイト等で、いわゆる「荒らし」を行なっているとか、多数のハンドルネームを使い回して嫌がらせの書き込みをしているなどの虚偽の情報が流されたりもしています。

私がネット上でやり取りがあったのは、竹田恒泰氏とその支援者1名、百田尚樹氏、櫻井よしこ氏、田母神俊雄氏(本年4月17日分まで)、津川雅彦氏(本年3月25日分まで)、大日本皇國氏、地元前国会議員の8名のサイトおよび、最近では「BLOGOS」というオピニオン投稿・議論サイトだけに限られます。 これら以外のサイトには一切関係していませんのでご注意ください。



AD

コメント

[コメントをする]

1 ■今の日本に必要なこと

幼少よりの願い天皇制の廃止。
天皇は日本国民の象徴および日本国民統合の象徴である…らしいです。わかりにくいです。そこで私なりにわかりやすく解釈してみますと天皇とは日本人の責任の所在を曖昧にしたがる所(戦争時における最高責任者にもかかわらず…)、男尊女卑が根強い所(伝統の名の下に男系にこだわる天皇崇拝etc達)、上っ面だけの民主主義(全体主義的な政治・国民性)などの象徴である。とてもわかりやすいです。
戦争に担ぎ出されていいように利用された傀儡責任者であったとしてもその責任は重い。昭和天皇が亡くなった時などなんでこんな人の為に何十億も出して墓を作るんだ?と思ったものです。日本国民は長い洗脳状態です。悪いことに最近はまた天皇を利用しようとする輩たちの洗脳が強くなってきています。連合国(アメリカ)が戦後天皇制を廃止してくれてらいたらなぁ…と毎日思います。幾ら統治しやすいからといって…自浄能力ないのにさ。
最後にこのブログの主である平井さんには頭が下がります。私など天皇制廃止と願いながら知識は乏しく理論の構築も出来ていません。匿名がせいぜいの小市民なのです。これからも読ませて頂きます。長々とありがとうございました。

ps.幾らなんでもチンカス扱いは酷すぎますよ。言ってないかw



2 ■Re:今の日本に必要なこと

ジョンさんへ

貴重なご意見ありがとうございます。
現在の天皇制度は、明治政府が政権強化のため、それまで死に体だった天皇を、貴方の言葉をお借りすれば「傀儡責任者」に担ぎ上げ、国民に崇拝を強制した政策の結果成立したものでしかありません。
こんなものが、「世界最古の日本の伝統・文化そのものである。」などと言えるはずがないのは当然です。 皇国史観者や右翼保守主義者の妄想や願望に過ぎず、大した価値はありません。
こんな天皇制度は廃止しても何の支障もないでしょう。

3 ■不敬罪なんていうモノは、復活させてはいけません。

不敬罪というモノはない方がよいと私は思っています。しかし、平井さんが、今している発言は、名誉毀損になるかもしれません。このブログは、平井さんの個人的ブログなので、大丈夫でしょうが…。ただ、平井さんは、ネトウヨには知名度が高い方なので、注意した方がよいかと思われます。

それに、昭和天皇は、別に人間のクズでも、ボンクラでもありません。ただ、一般人とは違い、究極のお坊ちゃん育ちなので、あまりにも浮世離れをしているだけです。昭和天皇は、日中戦争には反対でしたし、先の対米英戦も当然大反対でした。しかし、2・26事件で、皇軍と皇軍が戦うということに、非常に心を傷めて、以後はなるべく政治には口を出さないようにしていました。
昭和天皇も、元々、日独伊三国同盟には反対でしたし、東條英機も、天皇が平和を望んでいることを知っていましたから、水面下では、交渉をしていました。よく、東條内閣は戦争遂行内閣と言われていますが、真実は、戦争回避内閣でした。これは、当時、海軍の将官であった、祖父から聞いた話です。祖父が、天皇に直々に面会して聞いた話です。祖父は、伏見宮と昵懇の間柄でもありました。
そして、水面下での交渉は成立しかけていたのをぶち壊したのは、ヒトラーの毒気にあてられて、帰国した松岡洋祐外相です。
ですから、昭和天皇は、最後まで戦争回避をしようと努力したということだけはお忘れなく。

平井さんは、これをどう捉えますか?

4 ■Re:不敬罪なんていうモノは、復活させてはいけません。

真田島榎さんへ

貴重なご意見ありがとうございます。
名誉棄損については、心配していません。天皇・皇族について名誉棄損で訴訟を提起できるのは、内閣総理大臣だけです。安倍氏がいちいちこのくらいのことで訴訟を起こすとは思えません。
ただネトウヨには既にかなりの反感をくらって反駁コメントが多数寄せられています。しかし、あまりにも内容が下品で差別的なので、ほとんど不承認にして掲載していません。
また一般の右翼陣営からも反発も激しく、抗議や脅迫の電話がかかってくることもあります。
しかし、どんなことがあろうと、このブログをやめるつもりはありません。

また、裕仁氏の評価ですが、私の判断では、同氏は知能水準がどうもかなり低いようで、高度な政治判断はできなかったと思われます。(父である大正天皇に知的障害があったのでやむを得なかったのでしょうが)
ですから、裕仁氏は、一般的な意味での人間のクズや、ボンクラとは言えないことは承知しています。
ただ、戦争回避の信念がどれほどの知的能力によって支えられていたかといえば、甚だ心もとないという意味で、非常にレベルの低いことしかできなかったという言い方をしたが正確でしょう。

コメント投稿

AD

Amebaおすすめキーワード

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

ランキング

  • 総合
  • 新登場
  • 急上昇