(無線)「警視庁から各局警視庁から各局」「丸の内西署管内東京ステーションガーデン内にて男性の死体発見との事。
近い局は向かってください」「事件性の有無について調査願いたい」
(太田文平)待機ってどういう事ですか?
(小菅光晴)所轄は事件性なしと判断してる。
正式な捜査本部設置の要請はない。
(太田)じゃあなんで…。
(島野誠)谷中刑事部長の命令だ。
(谷中寿也)いやぁ確かにね丸の内西署が言うとおり事件性のない服毒自殺かもしれん。
だけどな…。
死んだ人間が中日本興商の社員ってのが気になってな。
(佐久晋吾)中日本興商…。
あの海外にエネルギー事業を展開している大企業に何か?いやいや…。
まあ君が事件性がないと判断してくれれば私も異論はないんだが…。
だけどな…君も世田谷の連続殺人事件片付いたばっかりだしなぁ…。
休んでもらっても構わんよ。
やらせて頂きます。
本当?いやぁ助かるなぁ。
ハハハ…。
朝は信州のそば茶に限るね。
ハハハハ…。
生き返る。
ハハハ…どうぞ。
失礼します。
(谷中)佐久管理官。
(谷中)うま〜い漬物が出来たんだ。
今度届けさせるよ。
了解しました。
出動要請!
(太田)管理官が佐久って本当か?
(中藤卓)はい。
ノンキャリ最年少管理官。
どんな奴なんですかね?
(太田)佐久管理官と組んだ8係の係長胃に穴が開いて入院したってよ。
(中藤)マジですか?
(太田)そういや加藤さんと小菅さん刑事時代に一緒だったんですよね。
さくしん。
さくしん?
(加藤善浩)あだ名だ。
「策士」と呼ぶ奴もいる。
(小菅)まあどんな人間かは会えばわかるさ。
(中藤)係長は管理官とは?初めてだ。
(屋敷大地)本日付で佐久管理官付運転係を拝命致しました巡査長の屋敷です。
ご指導のほどよろしくお願いします。
丸の内西署でよろしいですね?現場へ。
…はい。
(古川達郎)事件性なしと署長が判断した。
(古川)なんなんですか?あなたたちは。
捜査一課13係の島野です。
(阿部誠)本庁?速やかに捜査本部の準備をお願いします。
(古川)待ってください。
課長の古川ですが捜査本部設置の要請などしておりませんが。
もうすっかり春ですね。
自然は絶えず我々と語るがその秘密を打ち明けはしない。
はい?
(古川)最近は自殺でも本庁は出張るんですか?我々は刑事部長直々の命令で来ています。
(谷中)いやぁ丸の内西署とはお隣同士ですが…ハハッ。
まさか恩田署長からランチのお誘いを受けるとは思いませんでした。
刑事部長のお口にはお合いでしょうか?お昼にアヒルだ。
ハハハ…。
うまい。
本当うまい。
いやぁお話っていうのはあれですか?今朝の?ええ服毒自殺の件です。
本庁の一課には事件性なしとお伝えしたはずですが…。
ええ私もね丸の内西署がもう事件性なしと言ってるんだからって散々止めたんですけどね佐久が…あの管理官の佐久がねゴリ押ししましてね。
どうもその…彼は死体発見後すぐに自殺と判断された事がなんか気になってたみたいなんでね。
うまいなぁこの北京ダック。
うちの初動捜査に問題があると?いやいやいや…。
佐久が…管理官の佐久がそう思ってるだけで。
(笑い声)中日本興商は警察OBにとってはまあ大事な受け皿の一つですからね。
まあ波風立てるなと釘は刺しておいたんでまあ適当にあしらっといてください。
(足を踏みならす音)管理官はどうした!事件性はねえんだよ!本庁のお遊びに付き合ってられねえんだよ!俺たちは他にいっぱい事件抱えてんだよ!捜査本部立ち上げを命じた管理官が遅れるとはな。
(古川)うちとしては出来る限りの人員を揃えたんですが何かご不満でもおありになるんでしょうか?
(足を踏みならす音)お静かに願います。
13係の島野です。
管理官からの捜査方針は追ってという事で捜査会議を始めたいと思います。
(古川)管理監不在で始めては報告の二度手間ではないですか?そうだ!時間の無駄だ!管理官。
(太田)着席!さっさと座れほらっ!管理官の佐久です。
13係の島野です。
こちらが署長の…。
時間の無駄です。
あいさつはあとに。
先に現時点での報告をお願いします。
さっさとやれ。
(古川)はい。
阿部!
(阿部)はい。
亡くなったのは岡本泰之さん32歳独身。
中日本興商経営戦略部勤務。
月島の自宅マンションに電話で呼んだタクシーに乗り現場に向かったのが死亡推定時間内の午前2時15分。
それから岡本さんの飲んだコーヒーは自宅にあったコーヒーと同じ種類のものであった事が判明しています。
自宅でトリカブト入りのコーヒーを作りポットに入れて現場へ向かったのではと。
服用した毒物はトリカブトだった?トリカブトの成分が胃液から検出され現場の吐しゃ物及び使用したポットからも同種のトリカブトが検出されています。
ポットの指紋は?
(古川)岡本氏以外のものは出ておりません。
ホトケさんは発見時座った状態で争った形跡もありませんでした。
勤務先の中日本興商を体調を崩して休んでいた事も判明しています。
以上の事からなんらかの悩みを抱えての自殺とみて間違いないと思われますが…。
佐久管理官いかがでしょうか?他殺です。
遺書がありません。
(古川)管理官は自殺者が全て遺書を残すとお思いですか?携帯電話も所持していません。
自宅で発見されたという報告も見当たらない。
自殺によって身内や会社に迷惑が及ぶのを考慮し本人が携帯を処理したとも考えられる。
その迷惑とはなんでしょうか?それは…。
それにあの場所を選んだというのも気になります。
どういう意味でしょう?岡本さんが死んでいたベンチを捉えた防犯カメラが周囲には1台もありませんでした。
トリカブトを服用した際の痺れは口からやがて全身に広がります。
呼吸困難嘔吐けいれん。
焼けるような感覚にのどをかきむしり床を転げ回る。
とても座った状態ではいられません。
待ってください。
我々の初動捜査に見落としがあるとでも?申し訳ありませんがあなたたちは駒です。
なんだと!所轄ナメんじゃねえ!本庁も所轄も関係なく駒にすぎない。
疑問を挟む必要はありません。
(太田)なんも考えず黙って働けって事ですか?我々は組織の一員ですがプライドを持って仕事して…。
あなた方の能力は信用していません。
私の指示に従ってもらえればいいだけです。
(恩田)中日本興商の上司がホトケを確認しました。
その上司がはっきりと自殺の原因を漏らしましたよ。
事前に投資会社に流して株を売買させておりまして。
まあ本人はその事に強く罪悪感を感じて…。
インサイダー取引への関与が発覚した2週間前から自宅謹慎という処置を取り…。
(刑事)お茶でも淹れましょう。
(古川)自殺をした場所についても岡本さんがインサイダー情報を流した投資会社が入ったビルのそばでした。
署長がおっしゃったように会社に影響を及ぼすと考え携帯は自分で処分したんでしょう。
(古川)さぞ無念だったでしょうな。
我々は自殺の線で固める。
異論があれば本庁で勝手にやって頂きたい。
以上。
お前あいつらに張りつけ。
恩田署長は確か東大法学部出身でしたね。
はい。
中日本興商の若月社長も東大法学部です。
8係の係長が入院したのもわかるような気がしますわ。
駒か…。
変わらないなぁ…。
差し出がましいようですが仮に事件だとしてもこの人数では捜査本部は機能しません。
小菅本部長風間巡査長。
トリカブトの入手経路を調べてください。
管理官。
中藤巡査部長は岡本泰之さんの携帯電話の記録を。
加藤警部補は岡本さんの銀行口座の金の流れを。
(太田)こんな状態で捜査しろって言うんですか!屋敷巡査長岡本さんの家へ。
はい。
あっ島野係長は現場の指揮をお願いします。
うん…。
そりゃ丸の内西署はカンカンだな。
えっ13係も?そうかみんなカンカンか。
そりゃみんな…ハハッカンカンだな。
ハハハ…。
新津さんは今年で定年を迎えられるそうですね。
(新津)それがどうした?俺たちの監視なんて損な役回りを背負ったもんだと思いまして。
フッ…お前もそうだろ。
においが違うお前だけな。
几帳面な性格ですね。
まだ濡れてますね。
出かける前にシャワーを…。
自殺っていうより女に会いにいったみたいだな。
風呂のあとで自殺考えたっておかしくはないはずだ。
(若月健太郎)経営戦略の社員によるインサイダー取引事件への関与が発覚致しました。
「残念ながらその社員は自ら命を絶ちましたがそれによって許される事ではございません」自殺を公表するって…。
警察発表はまだのはずだ。
(ドアの開く音)なんだあんたたち!
(坂口優一)「被疑者岡本泰之に対する金融商品取引法違反被疑事件について上記のとおり捜査及び差し押さえする事を許可する」皆さん日本語読めますよね?だったらどいてください。
おい。
はい。
ちょっと待ってください!
(テレビ)「神々が目覚める頃辺りは凜とした空気に包まれる」「漂う朝もやまでもがうやうやしく頭を垂れ…」
(坂口)切れ。
インサイダー取引の件を受けてにしては特捜の動きが早すぎます。
若月社長の記者会見もしかり岡本を巡る色んな事が怪しげですよね。
番組がわかりました。
山歩きを特集したものでした。
なんの事だ?岡本さんの家で昨夜から録画されてた番組の事です。
岡本さんは出かける前に番組を録画していました。
録画?自殺する人間がとる行動としては不自然です。
(リポーター)一言お願いします。
中日本興商本社前から中継でお送りします。
あっ地検特捜が出てきました。
大量の段ボール箱を持って続々と出てきます。
あの中にインサイダー取引の証拠が入っているのでしょうか?
(坂口)ダメだダメだダメ。
帰って帰って。
若月社長!
(木野)ちょっとお待ちください。
若月社長いらっしゃいますか?ああどうも失礼致します。
警視庁捜査一課管理官の佐久と申します。
君か…。
岡本の件で捜査本部を立ち上げたというのは。
どなたにその事を?丸の内西署からは自殺だと報告を受けてる。
もちろん警察内でコンセンサスをとった上でここへ来たと考えていいわけだな?一つだけ伺わせてください。
インサイダーには亡くなった岡本さん1人が関与していたのですか?
(若月)話にならん。
(若月)君!人と会う時はアポを取りたまえ。
失礼だよ。
完了しました。
お疲れさまでーす!
(車のクラクション)なんだあいつ…行くぞ。
本当によ…。
若月社長と丸の内西署とのパイプは思った以上に太いようですね。
オホホ…これはこれは北田部長。
お忙しい地検特捜部のトップが直々にとはハハハッ。
何か穏やかならぬ事でも?丸の内西署では捜査本部の要請はしていないという事ですがそちらの佐久管理官がいまだ指揮を執られているというのは本当ですか?いやこちらには報告はまだ…。
何か差し障りでもございますか?中日本興商はあくまで岡本個人の不祥事として幕引きを画策しています。
しかし我々はそうは考えていない。
何が言いたいかおわかりでしょう。
(北田)「我々は半年前から慎重に内偵捜査を進めている」はい。
中日本興商に警戒をさせぬよう自殺で処理しろという事でしょうか?こちらの捜査が終わるまでです。
承諾して頂けますか?先々検事総長になられる北田部長の申し出をお断りする理由がございません。
検察と警察兄弟も同然じゃないですか。
ではよろしくお願いします。
はいこちらこそ何とぞ…。
ごめんください。
たぬきが。
きつねが。
本当に捜査本部が解散するまでお泊まりに?それが私のやり方ですから。
(太田)現場近くの雑居ビルの一室ですが黒田政志という男の名義で借りられてました。
黒田政志…。
(太田)中日本興商と投資会社の仲介役をしていた男です。
引き続きこの黒田という男を追ってくれ。
(太田)はい。
あっお疲れさまです。
(小菅)お疲れ。
お疲れさん。
トリカブトの方どうですか?
(小菅)岡本さんは仕事一辺倒の商社マンだったようでちょっと時間がかかります。
おい夜食だよ。
(一同)はい。
(風間)島野係長もいかがですか?遠慮なく。
(中藤)さすが小菅さん気が利きますね。
(小菅)管理官は?またホテル住まいか。
太田2人分食え。
いただきます。
(太田)ホテル住まいねえ…。
ああ。
クモは罠を張ったクモの巣のすぐそばにいるもんだろ。
(太田)クモ?ああ。
(小菅)あらゆるところに網を張り虫を補食する。
時には敵味方関係なくな。
(小菅)クモってさ体のほとんどが脳みそで出来てんだって。
でっかい脳みそは常に獲物を捕食することしか考えちゃいねえのよ。
(中藤)岡本さんの携帯の履歴を現在当たっていますが不審な人物との交信は今のところありません。
(加藤)次に口座での金の流れですが普通預金定期預金ともに不明な金の出し入れはありません。
仲介者の男の方はどうだ?
(太田)黒田の行方はまだ…。
っていうかたったこれだけの人数で捜査しろっていうのが土台無理な話です。
引き続きよろしくお願いします。
管理官は人の話っていうのを…。
(小菅)太田。
(新津)はい。
登山用のポット。
山歩きの番組ちょっと気になってな。
(小菅)岡本さんがこのツアーに?
(新津)ああ。
2週間前。
それも1人でね。
派手な若い女と意気投合か…。
ツアー中岡本と出会ったっていうのは出来すぎな気がしませんか?初めから合流する目的でツアーに申し込んだんじゃ…。
(新津)放っとけ特捜だ。
てっきりどっかの指名手配犯かと思ったよ。
(坂口)岡本の件から手ぇ引いてもらえませんかね。
そいつは捜査妨害とも取れるが。
(坂口)だったら言い換えます。
(坂口)おとなしくしとけよ。
(太田)なんだこの野郎!おいおい…。
特捜か…やっかいだな。
(ドアの開く音)
(恩田)新津巡査部長。
君は何をやってるんだ?
(古川)私はこの人たちの監視をお願いしたはずですが。
私がお願いしました。
人員が足りません。
(恩田)佐久管理官速やかにお引き取り願えますか。
わずかでも他殺の疑いがある以上捜査を進めるのが我々の仕事です。
君らは必要ないと言ってるんだ。
失礼ですが署長はどちらを向いてお仕事をなさっていますか?中日本興商の若月社長ですか?それとも…地検特捜部の顔色を伺っておいでですか?
(太田)どっちもじゃねえのか?勝手にしろ!新津巡査部長。
残念ですが…。
外れろと?あなたの立場を考えるとこれ以上は…。
俺の立場ですか…。
あなたらしくない。
仕事をしているだけだ。
頼まれたからじゃない。
しかし…責任問題になります。
定年を前に汚点を残す結果になるかもしれません。
真実を突き止める事が汚点になると?責任は自分で取る。
わかりました。
そこまでおっしゃって頂けるのであれば…。
太田付き合え。
(小菅)新津さんもクモに取り込まれたか…。
(加藤)策士が…!刑事をなんだと思ってるんですか?あなたはずるい人だ。
新津さんが捜査に踏みとどまると見込んで故意に捜査から外れるように…。
駒をどう動かすか。
それが私の仕事です。
(電話)はい捜査本部。
はいわかりました。
地検特捜部の北田部長からです。
管理官と島野係長に話があると。
(坂口)もう察しはついてるでしょうが我々は中日本興商を随分前からマークしていました。
岡本の件はあくまでもトカゲの尻尾にすぎない。
中日本興商の不正はインサイダー取引にとどまらず会社ぐるみの粉飾決算にまで及ぶと我々は踏んでいる。
そしてそこで生まれたブラックマネーは少なからず政界へも流れている。
今回の件は日本経済の公正性健全性を揺るがす一大事件であり我々は慎重に捜査を進めたい。
我々警察が岡本さんは他殺だと動けば中日本興商の警戒が強まり捜査に支障が出る。
だから邪魔はするなと。
さすがは警視総監の甥御さんだ。
話が早い。
ところで…岡本さんの周辺から捜し物は見つかりましたか?恐らく岡本さんは中日本興商にとってもそしてあなた方にとっても必要不可欠な何かを握っていた。
それが手に入らなければ全容は解き明かされない。
上の椅子を狙うあなたにとってなんとしてでもそれを手に入れたい。
余計な詮索は無用だよ佐久管理官。
言うとおりにしてもらえればそれでいい。
自分は警察官として今の話に…。
島野係長!わかりました。
お言葉どおり地検特捜部に道をお譲りします。
私は納得出来ない。
明らかな殺人事件だ。
なのに捜査から撤退するなど許されるんですか!?私は道を譲ると言った。
あなた方駒はただそれに従えばいい。
それだけだ!俺たちは駒なんかじゃない。
人間だ!出世したいだけだろ…。
(中藤)降りた!?管理官がですか?
(太田)偉そうな事言っときながら怖気づいたな。
(加藤)クモもただの人って事か。
今後捜査本部の指揮は私が執る。
何かわかった事は?
(太田)黒田の所在がわかりました。
ぬけぬけと銀座のクラブを経営してましたよ。
その上その店には岡本さんが足しげく通ってたって話です。
(中藤)もしそのクラブに岡本さんの目当てのホステスがいるとすればバスツアーで岡本さんが出会った女かもしれませんよ。
だがツアーに申し込んだ女の住所も名前もでたらめだった。
どうやって同じ女だと確かめるんだ?ツアー客の記念写真だ。
(中藤)ここに写ってるの岡本さんですよ!って事はこの女が…。
明日銀座のクラブを当たってくれ。
(一同)はい。
(ホステス)あの人が奈月さんです。
(越坂奈月)失礼します奈月です。
そうか…特捜を前にしてさくしんは尻尾を巻いたか。
自分にはあの方が全く理解出来ません。
(笑い声)それでいいんだ。
さくしんの下について潰された係長は2人いるが君は違う。
私はこういう場合を想定して君を配属したんだ。
君が率いる13係は検挙率ナンバー1のチームじゃないか。
頼りにしてるよ。
部下に恵まれた結果です。
粘りの小菅に機動隊上がりの太田。
こういった猛者も君が引き抜いたそうじゃないか。
(谷中)捜査本部の決定権は管理官にある。
たとえ犯人を検挙出来なかったとしてもさくしんの責任だ。
武田二十四将知ってるか?信長家康が最も恐れた戦国最強の武将武田信玄。
その信玄を支えたのは軍略に長けた24人の武将たちだ。
君はさしずめ山本勘助ってところだろうな。
「人は石垣人は城」「情けは味方仇は敵武田節」エイ!…ってあれ?
(太田)女の素性がわかりました。
越坂奈月。
管理人の話だとこの1年岡本さんは頻繁にこの女のマンションを訪ねていたようです。
それからこの女にもすでに特捜のマークが…。
この女なら岡本さんの家でコーヒーを作りポットにトリカブトを混入させるのはたやすいか…。
いやあ旅行会社で面白い事がわかりましたよ。
山菜バスツアーのコースなんですがこの地点がなんとトリカブトの生息地でした。
岡本さんが服毒自殺だと印象づけるために越坂奈月がこのツアーに誘ったのかもしれないな。
あれ?管理官は今日も?自分は雲隠れして責任は全て係長に負わせるつもりっすよ。
結局管理官も組織の一員だって事か…。
そして俺たちもな。
これ以上深入りすれば上からまた横やりが入りかねん。
(ため息)
(ノック)新津さん…どうかされましたか?俺はあんたのような人間は嫌いだ。
俺もそうだがあんた友達いないだろ?俺にとって今回が最後のヤマだ。
ガタがきた駒だがその分どう使ってもらっても構わない。
(中藤)黒田政志が任意での同行に応じました。
どういう事だ?誰が聴取をしろと?いや管理官の命令では?自分に取り調べを…。
はい。
(黒田政志)取り調べじゃないって言ったじゃないっすか。
トリカブトについて聞きたいだけだよ。
(黒田)なんすか?それ。
新種のカブトムシですか?ふざけてんのかオラ!お前が岡本さんに情報漏洩させた事はわかってんだ。
知らないですね。
だったら越坂奈月に聞きゃわかるか。
ああ?
(奈月)離して!ああっ!黒田さん違うの!許して…。
私は何も言ってない!私は何も言ってないってば!離して!
(太田)あれ?管理官休暇はもうおしまいですか?島野係長確認ですが越坂奈月のマンションの出入り口は1か所ですか?特捜が張りついていて接触は困難です。
皆さん。
そろそろ仕掛けてもいい頃でしょう。
やっぱり…。
(ため息)
(奈月)なんでこんな事になっちゃったの…。
(携帯電話)「越坂奈月さんですか?」警察の者です。
(奈月)「警察?」黒田政志を知ってますね?だったらなんだっていうのよ。
「あなたの命を狙っているという情報が入ったんです」窓の外を見てください。
黒田の息のかかった連中があなたを見張っているはずです。
今黒田からキャッチが…。
どうしよう!出ないでください。
すぐに裏口へ。
「我々が保護します」わかった。
お願いします!黒田に返しておいてください。
(風間)はい。
(ノック)入れ。
(風間)失礼します。
おう。
2回も呼び出して悪かったな。
俺の携帯で何したんすか?
(スーツケースを運ぶ音)奈月さんですね?はい。
持ちます。
あっすいません。
(太田)乗ってください。
急いで!坂口さんあの車あの車!早く乗れ!あんたたちか?なんだお前!迷惑駐車の通報があってね。
(太田)「越坂奈月を同行しました」
(小菅)了解。
やられましたなぁ。
特捜を油断させるために係長と対立し捜査が停滞しているように見せかけた。
こんなやり方納得出来ません!あなたを納得させるためにこの仕事をしているわけではありません。
他に言い方があるだろうになぁ。
あっ小菅警部補。
少しよろしいですか?あっはい。
(ドアの開く音)よかったねえ命拾いして。
危ないとこだったよ。
岡本さんも殺されたとにらんでるのよ。
だから君には本当の事を言ってもらい助けたい。
(小菅)「わかるね?」「あなたもうすぐ店出すんだってね」「しかも銀座のど真ん中超高級クラブじゃない」でも黒田の店っていうのは実に惜しいよねえ。
黒田の店?だってそうでしょ?黒田が自分の資金源のためにあなたに店を出させようと…。
そんなんじゃない!この店は…この店は私の全てなの!あいつらには関係ない。
関係ないって君黒田からお金もらってたんでしょ?だから岡本さんに近づいて…。
黒田じゃない…。
黒田じゃない?
(小菅)じゃあ誰よ?木野さん。
(小菅)「木野?中日本興商の?」
(奈月)「今回だって200万くれるって言うから木野から受け取ったポットを渡しただけ」木野を任意で引っ張りましょう。
いや現時点で越坂奈月の証言を全部うのみにするのは危険だな。
仮に木野が罪を認めたところで中日本興商にとってはトカゲの尻尾。
木野一人の犯行として片づけられるのは目に見えてる。
岡本さんがつかんだ証拠を見つけない限り事件の全容解明には繋がらない。
でも半年も前から内偵を続けてる特捜ですら見つけ出せないでいるんですよ?それをどうやって…。
島野係長の言うとおり岡本さんが握っていた証拠を見つけるしかありません。
でしたら具体的な策をおっしゃってください。
どうやってこの人数で見つけろというんですか?
(新津)さあ捜査本部とやら始めましょうや。
「必ず不正の証拠を見つけ出さなければならない」「警視庁4万人の代表として皆さん捜査に当たってください」「よろしくお願いします!」それでは班割りを発表します。
いつの間に…。
「中藤巡査部長丸の内西署安田巡査長トリカブト班…」係長。
3月分です。
越坂奈月の方は?今日も取り立てて何も…。
ただ岡本さん車が趣味だったようですが10年も大事に乗ってた車を2週間ほど前に手放したとか。
越坂奈月との結婚資金にしたかったんじゃないの?
(風間)それだけ本気だったって事です。
屋敷巡査長岡本さんの携帯記録を!
(従業員)こちらです。
(クラクション)
(坂口)おい!お前らどこ行く気だ!木野を引っ張る。
ああ?バカ野郎!お前んとこの管理官がうちの部長に約束しただろ!
(クラクション)おい島野止まれ!いいからついて来い。
ああ?取引に来ました。
中日本興商による粉飾決算及び政界への裏献金の証拠木野の身柄と引き換えにお渡しします。
何?あなたは階段を上れる。
損な取引ではないはずです。
それで貸しを作るつもりか?申し訳ありませんがあなた程度の人間に貸しを作ってもなんの意味もありません。
9時38分木野吉晴逮捕。
繰り返す9時38分…。
(パトカーのサイレン)小菅さん。
取引成立ですね。
特捜さんへのプレゼントです。
岡本は自殺で処理すると約束したのは貴様じゃないか!もういい!定年後の約束など反古だ!
(通話の切れる音)
(ノック)誰だ?東京地検特捜部。
若月社長あなたに逮捕状が出てます。
(若月)なぜだ!?大人気だよ。
はい。
食べるの?君初日俺に対して厳しかったからな〜。
本当に食べる?はいはい。
管理官。
あなたのやり方は納得出来ない。
事件を解決する。
それが私の役目です。
(谷中)お疲れさまでございます法務大臣。
丸の内西の件は無事に…はい。
あっありがとうございます。
は?また一歩なんですか?警視総監の椅子に近づいたって。
ハハハッ!そんな滅相もない。
はいどうもごめんください。
失礼します。
(携帯電話)はい。
ああそうか。
ご苦労。
この先も佐久から目を離すな。
島野共々大事な踏み台だ。
はいわかりました。
(缶を蹴飛ばす音)俺はあの人とは違う…。
人間は生きている。
あの人が言うような駒なんかじゃない。
あの人は間違ってる。
2015/05/29(金) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
[新]TEAM〜警視庁特別犯罪捜査本部[再][字]
「座らされた毒殺死体の謎」
詳細情報
◇番組内容
小澤征悦が民放連続ドラマ初主演!バラバラの思いを抱える熱い刑事たちと、冷徹な管理官・佐久晋吾(小澤征悦)が、正義の名のもと、ひとつ≪TEAM≫になる…。
◇出演者
小澤征悦、田辺誠一、塚本高史、神尾佑、田中隆三、猪野学、篠田光亮、渡辺いっけい、西田敏行 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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