おはようございます。
桂文珍でございます。
このところスマホなるものはですね大変便利なご時世ですね。
びっくりしました。
この間音楽流れててこの曲何ていう曲かななんてこう思いましてほいでそれをスマホに「この曲は何という曲?」ふっとスピーカーの方向けるとこれは誰それの曲でタイトルがこうでこうでってデータが全部出るんですよ。
これは面白いと思いまして私も落語のCD出してますからねこのスマホに向かってその落語の導入の部分をバ〜ッとしゃべって「これは誰?」ってこう言うと「問題が生じました」って出るんですよ。
「どういう事?本当に。
何が問題やで」思ってね。
さあ今日の出演者でございますよ。
Wヤングさんおにいさんお元気で。
70を過ぎてらっしゃいますけどますますお元気です。
そして古今亭菊丸さん。
声もいいし踊りもおできになっていいですよ。
はいどうぞ。
(拍手)どうも。
どうもWヤングです。
よろしくお願いします。
しかしテレビ見とったらいろんな番組やってるのテレビ今。
最近はテレビ離れで視聴率がとれんらしいね。
当たり前やないかい。
何で?同じ事ばっかりやってんだもんね。
君はどういう番組見てんねん?僕はNHKしか見いひんがな。
何?NHKの「演芸図鑑」しか見いひんもん。
僕はこの番組ねいつも皆さんね4時ぐらい起きてねちゃんとテレビの前座ってこうやって待ってる。
あんたオジンかいな。
ほいでず〜っと待ってたらそのうち寝てまうねや。
寝とったらあかんやないか。
こうやってたら番組終わってまうねん。
待ておい!分かってへんやないかお前。
どうなの?「どうなの?」やあらへんがな。
どういう番組見てんねや?僕が大体見るのはドキュメンタリーやね。
年関係なくみんな見てるもんね。
例えばどういうやつ?この間やってたがな。
熱血教師の番組。
やってたな〜。
不良学生を更生する訳やろあれ。
僕らの子ども時分ね先生怖かったもんね。
こんなやったね。
「おい平川!」。
「何やねん!」。
「何やわれたばこ吸うとるやないかお前は!」。
「ほっといてくれ」。
「ほっといてってなんぼや?」。
「63や」。
ちょっと待って。
誰がお前のほんまの年言えって…。
いやちゃうわ!ちゃいますよ63と!なんぼか知ってる?ほんま。
なんぼやねん。
73やで。
(観客)え〜!何このざわめきはこれ?63とか言うからおかしなってまうやん。
高校生の役や。
高校生の役や。
1617や。
分かった分かった。
「平川こら!」。
「何やセンコー」。
「センコーこら!誰に言うとんねんこらほんまに!」。
「お前に言うとんじゃ!」。
「おい!」。
「何や?」。
「今からわしはお前をこのグーで殴る」。
「パーで防ぐ」。
「負けた。
アホかお前は!」。
(笑い)「じゃんけんしてる場合かおい!歯食いしばれ!」。
「はい」。
「目つぶれ!」。
「はい」。
「もっと近づけ!」。
「ん〜」。
「ぶわ〜!」。
怖い先生やね。
お前が怖いわアホ。
一番怖いやないか。
気持ち悪いわほんまに。
君はどんな番組見てんの?僕もドキュメンタリーや。
どんなやつ?青森県の大間のマグロの一本釣り。
あ〜あれ男らしいな。
男のロマンがあるやろ。
ロマンやね。
2年ぐらい前でしたかな。
ごっついの釣ってきて1億5,000万ぐらいで競り落としたやつ。
大体これぐらいでもう100万下らないらしいよ。
100万すんの?いっぺん釣りに行きたいね。
いっぺんここでやってみようか。
ほんなら僕はマグロ漁船の船長で君新米の漁師な。
「平川!船乗れ船!」。
「乗りました。
おえっ…」。
「ちょっとお前…。
お前いきなり船酔いしとるやないかアホ」。
「あんたの嫁の顔思い出したんや」。
「せやろ」。
(2人)「おえ〜っ」。
「やかましいアホ!」。
「そんなんできけへんやろうちの嫁の顔」。
「うえ〜っ」。
「ええねんエンジンかけ!」。
「はい分かりました」。
ブルルンブルルンブルルルル…プス〜ン。
「故障しとるやないかお前!細かい事ええからちゃんとかけ」。
ブルルルルルル…。
「よしよし平川今日はなどでかいマグロ釣るまでは陸に上がらんからな。
おい双眼鏡。
マグロ探せマグロ」。
「はい分かりました」。
「お〜よしよしよし。
沖まで来たらな皆新鮮でピチピチしとるなおい」。
「いや〜中にはしなびたやつもおりまっせ」。
「あっイルカ!」。
「おらん」。
「いやイルカ!」。
「おらんで」。
「何を言うとるのお前は。
違うわ!イルカいう魚やないか」。
「あれ魚ちゃいまっせ」。
「何や?」。
「あれ哺乳類でっせ」。
「細かい事言うなもう。
はよ探せ!」。
「はい」。
「オコゼおるオコゼ。
フナもおるしトビウオおるわ。
ハゲおるハゲ」。
あのオッサンか?ちょっと待てお前。
指さすな。
1人しかいてへんやないか。
もう一人いてはんな。
余計な事言わんでええ。
海やからお前。
「探さんかいマグロほんまに!」。
「あマグロおるよマグロマグロ」。
「マグロほんまか?マグロマグロ」。
「おりました」。
「おいちゃんとお前…。
エンジン全開エンジン全開」。
ブルルルルルルル…。
「てぐすエサのイカのついたやつ。
貸せ貸せはよはよ。
逃げてまう逃げてまう。
よいしょ〜。
食いついてくれ。
頼むで食いついてくれよ。
頼むぞ。
お〜食いついた!食いついた!こりゃあかん!食いついた!うわ〜こりゃ食いついた!ごっついぞ!食いついた食いついた!」。
知らん顔すなお前は!俺アホみたいやないか何してんやほんま。
「巻き上げ機早く巻き上げ機!」。
「巻き上げ機故障しとります」。
「故障してる?我が腕で引き揚げなあかんやないか。
俺とマグロの一騎打ちや。
こうやってマグロ釣るのよう見とけよ!俺がな海に引きずられんように後ろから支えといてくれな」。
「分かりました」。
「海に引き込まれたあかん」。
・「海はヨー海はヨー」「歌はええねやないかい!」。
「すいません」。
「波が来んねん波が!」。
・「波の谷間に命の花が」「歌はええってほんまに!」。
「すんません」。
・「ふたつ並んで咲いて」お前下手やろ?歌。
歌知らんねんそれ。
歌うなほんまに。
「あかん。
しつこいしつこい。
暴れまくっとる。
おいおいショッカーショッカー」。
「ショッカーはい分かりました。
ヒ〜ッ」。
「仮面ライダー」やアホ!違うがな!動き回れんようショック与えんねんショックを!分かった。
あ〜!アホかお前は。
誰や言うとんねん!「マグロやマグロ」。
「じゃあてぐす使って」。
「そうそう」。
「お〜いったいった」。
「お〜静かになった。
来た来た来た来た。
引き揚げるぞよっしゃ」。
「マグロ背中見えましたよ」。
「見えるぞ。
モリモリモリ」。
「はい」。
「これでもくらえこら!揚げるぞよいしょ」。
(2人)「よいしょよいしょ〜」。
「ほらごっついわ」。
「お〜すごいでな〜」。
「100万は下らんぞおい」。
「港へ帰りまっか?」。
「帰ろう帰ろう。
うわ〜波や波やおい波来た!ものすごいわ!うわこれ大波やこれ!沈没するわ!」。
「波だっせ〜」。
「投げ出されるわ!」。
「えらい波や」。
ちょっとぐらい動けお前も!リアリティーも何もあらへんやないか。
73やもん。
知らんがな。
「あかんこのままやったらあかんから要らんもん海に捨て!」。
「要らんもん分かりました。
要らんもんや!」。
「ちゃうちゃう要らんもん」。
「はい要らんもん」。
「違う俺や俺や俺や」。
「分かった分かった。
死ね!」。
待ってよ。
誰が死ね?アホんだらお前。
船長やないかお前。
「あかんあかん。
重たいもん捨てよう」。
「重たいもん重たいもん。
これ捨てようか。
よいしょ〜!」。
「静かなった静かなった。
これ楽になったやないか。
今何捨てたんや?」。
「マグロ」。
ええ加減にせえアホ!
(拍手)
(拍手)しばらくの間おつきあいを願います。
だいぶ陽気がよくなってまいりましてね。
日本という国は大変にいい国で四季折々の楽しみというのがありますね。
お節句なんていうのもそうかもしれません。
やはりおなじみなのは3月と5月でございますね。
3月の方はってえと女の子の節句ですから人形もかわいいです。
一番上へ内裏様を飾りまして下へ3人官女5人囃子供えますものは白酒にひし餅という事になっております。
5月の方はってえとこれは男の子の節句ですから人形も勇壮活発で金太郎が熊と相撲を取っているところとかまたは加藤清正が虎退治をしているところ。
供えますものもちまきにお柏と大概相場が決まってるようで。
「おうお前んとこ何か大家のところからちまき配ってこなかったか?」。
「配ってきたよ。
何だか分からねえんだよ。
で俺聞きに行ったの。
そしたらね心配しなくたっていいんだって。
大家のとこじゃこの間産まれた男の子があるだろ。
あの子の初節句でね長屋中にちまき配ったんだってさ。
でうちに帰っておかみさんにね『心配しなくたっていいよ。
大家のとこじゃ初節句で長屋中にちまき配ったんだよ』ったら『じゃあお前ぼんやりしてちゃ駄目じゃないか。
お前は今月の月番なんだから長屋20軒25銭ずつ集めてこなきゃいけないよ。
お祝いの人形を買って持ってくんだから』ってあたいねダ〜ッと駆け出してね25銭ずつ20軒だろ5円にまとまったんで『おっかあ5円にまとまったけどどうしよう?』ったら『どうしようったって駄目だよお前は人間がぼんやりしてんだから。
来月の月番は松つぁん。
あの人は人間がこすからいんだからあの人をうまくおだててやってもらった方がいい』ってねかかあがそう言うからねお前に相談するけどもさどうする?」。
「お前どうするって松つぁんってえのは俺だぜ」。
「そうだよ。
だからお前に相談してんじゃねえか」。
「相談はしたっていいよ。
相談はしたっていいけどさお前のとこのかかあは俺の事を何つったんだ?」。
「『あの人は人間がこすからいからあの人をうまくおだててや…』」。
「かかあもそう言ってたよ。
『面と向かって言っちゃ駄目だよ』」。
「何を言ってんだ。
もう言ってんじゃねえかよ。
まあお前の言う事はいちいち腹立てたってしゃあねえや。
5円にまとまってんのか?ああじゃあこっちへ貸しな。
俺が預かっておいてやる。
あ〜よしよしよし。
お前も一緒についてくな?」。
「俺行かなくたっていいだろ。
俺人形なんか買いに行った事ねえもの」。
「何言ってんだよ。
お前が今月の月番じゃねえかよ。
月番が行かなきゃ始まらねえんだよ。
いや悪いようにはしねえやな。
お前が1合。
俺が1合。
大したもんじゃねえぜ。
冷ややっこか何かでキュッと一杯やろうってんだよ」。
「ごちそうしてくれんのかい?松つぁん」。
「ごちそうするんじゃねえよ。
人形からひねり出すんだよ」。
「人形から?酒と冷ややっこを?そら初耳だね。
じゃあ何かね松つぁんやっぱり人形の首か何かひねって…」。
「バカかお前は。
人形の首ひねったって出る訳はねえだろうよ。
俺の首をひねるんだ俺の首を」。
「松つぁんの首を?痛えだろうな」。
「何を言ってんだよそうじゃねえんだよ。
向こう行ってうまい事言って値切るんだよ。
いくらか浮くだろう。
2人で一杯ずつやろうってんだ。
黙ってついてこい。
お前は黙ってりゃ一人前で通るんだからな。
ほらもう人形屋の前来た。
おうごめんよ」。
「いらっしゃいまし。
お人形でございますか?」。
「ちょいと見せてもらおうと思って。
入った入った。
店中人形だらけ。
こいつは目移りがするな。
お?正面の人形よく出来てるな」。
「八幡太郎義家様でございます」。
「八幡太郎義家?あれが。
はあ〜強そうだね。
高えんだろうな」。
「85円でございます」。
「85円?やっぱりな。
ただ銭は取らねえや。
おいあの正面の人形85円もするんだってよ」。
「え?」。
「あの正面の人形85円もするんだってよ」。
「あれが85円もするの?へえ〜。
それを5円に値切る?」。
「バカか。
値切れきれる訳ねえじゃねえかよ。
値段聞いて褒める訳じゃねえけどもね衣装といい顔といい寸分の隙がねえや。
こうやって見てると生きてるようだな」。
「え?」。
「生きてるようだろうよ」。
「あれが?生きてるよう?そうかな?」。
「張り合いのねえ野郎だなお前は。
昔から言うじゃねえか。
いい職人がこさえた人形はな明かりが揺れただけで人形が泣いたり笑ったりするように見えるってお前。
生きてるようだろうよ」。
「そんな怒らなくたっていいじゃないの。
松つぁんがそう言うならしょうがないよ。
生きてるようだよ。
俺はでもねあれよかあっちの方が生きてるようだと思うけど」。
「どれどれ?」。
「ほらあそこ。
のれんから顔出してさこっち見てニヤニヤニヤニヤ笑ってやがる。
あの目の玉の動く調子といいはなの垂らし具合といい俺はあの方が生きてるようだと思う」。
「ご冗談さまで。
あれは手前どもの小僧でございまして」。
「あれ小僧っていうの?あれ。
へえ〜。
まるで生きてるようだね」。
「生きております」。
「生きてんの?はあ〜よく生かしとくね。
あれはなかんでいくらにまける?」。
「バカ野郎。
あれはなかんだって飾りようがねえじゃねえかよ。
俺っちはなそういう70円だ80円だいい人形買いに来たんじゃねえんだよ。
もっとグッと安物でいいんだ」。
「あ〜さようでございますか。
じゃあいかがでございます?前通りにズラッと並んでおりますのがお値段もグッとお安くなっております」。
「前通りってどれよ?あ〜これかい。
ああなるほどな。
ふ〜ん。
これ何てんだい?」。
「太閤様でございますな」。
「太閤様!へえ〜こんな顔してたのかね。
こっち方は何てんだい?」。
「神功皇后様でござい…」。
「神功皇后?あ〜そっかそっか。
じゃあ何だこっち方が神功様でこっち方が皇后様?」。
「いえいえお一方で神功皇后様でございます。
おそばにいらっしゃいますのは武内宿禰様と申しまして。
あちょっとちょっともし。
そのそばにいらっしゃる方。
虎のひげをお抜きにならないよう」。
「虎がさ張り子のくせに生意気に俺の事にらみつけんだよ。
悔しいからさクッと引っ張ったら取れちゃった」。
「バカだなお前。
売り物じゃねえかよ。
勘弁してやってくんな。
ちょいと頭がボ〜ッとしてるもんだからよ。
これいくらだい?」。
「その方でございますとお値段もグッとお安くなっておりまして10円でよろしゅうございます」。
「10円?か〜安いね!勉強するねお前んところは。
へえ〜10円とは安すぎるよ。
いくらかまからねえか?」。
「そりゃまあご愛きょうでございますんでいくらかでしたらお引きさして頂きます」。
「まけてくれるか?じゃあどうだろうねこれ。
「1円にまからねえかい?」。
「ご冗談をおっしゃっちゃ困ります。
人形なんてものはそんなに儲かるもんじゃございませんで。
とても1円という訳には」。
「ああそうかい。
じゃあ四の五の言わねえでなもう3円買って4円で買おう。
まけときな」。
「はあ〜お客様お買い物がお上手でございますな。
10円のものを1円に踏み倒しておいてあとから3円買って4円!いや〜これはどうも恐れ入りました」。
「まけとくかい?」。
「いやまかりません」。
「お前も駆け引きが強いじゃねえかよ。
俺だってさ初めて人形買いに来たんじゃねえんだよ。
だからこれが4円が相場じゃねえぐらいの事それは俺だって分かってるよ。
分かってるけどもさ4円しか金がねえものはしゃあねえだろうよ」。
「松つぁん」。
「何だよ?」。
「あのさ長屋20軒25銭ずつ集めたんだ。
だから5円…」。
「黙れ」。
「いや5円…」。
「うるせえなお前は。
冷ややっこだよ」。
「え?」。
「冷ややっこの話をしただろ」。
「冷ややっこの話?ああ〜。
松つぁんここんとこでひねり出す」。
「うるせえなお前。
ばれちまうじゃねえかよ。
いやいやこいつは5円あったら5円出そうってんだよ。
6円ありゃ6円出そうじゃねえか。
だけどねえものはしゃあねえだろうよ。
なあ。
昔からよく言うじゃねえか。
『あきんどは損して得を取れ』。
俺は友達がたくさんいるんだから。
友達が人形買いに来るったらお前んとこ一本やりで紹介するよ。
ほかの店へなんざ行きやしねえやな。
またその時にもうけりゃいいだろうよ。
縁つなぎにまけときなよ」。
「う〜んそうですか?じゃあまたおあとお埋め合わせを願う事に致しましてへい。
じゃあ今日お引きしておきます」。
「まけてくれるかい?悪いなあ。
何だか無理にまかしたようで。
もっともそうなんだけど。
実はこれ2人で買いに来たけど買うのは長屋20軒で買うんだよ。
長屋には口のうるせえやつがそろっててさ後で何だかんだ言われるのも嫌だからさどうだろう?さっきいたあの小僧さん。
あの垂らし具合のいい小僧さんにさ2つしょってきてもらって太閤さんと神功皇后さんと。
一つもらって一つはそのまま返すってのはどうだ?じゃあ間違えがあっちゃいけねえ。
勘定は先に済ませておこうじゃねえかな。
ここへ4円置かしてもらう」。
「どうもありがとう存じます。
へいへいへい…え〜確かにございます。
はいはいはい。
おいおいお前ねお客様のお供をして。
前通りにある太閤様と神功皇后様にかめの方だよ。
間違えのないように。
この風呂敷に包んでお供をして一つはあちらへ置いて。
一つはそのまんま持って帰ってきなさい。
お代はもう頂戴しましたからね。
ああお前おしゃべりだからね道々余計な口をきくんじゃありませんよ。
分かりましたね」。
「かしこまりました。
どうもお待ち遠さまでございました」。
「おう小僧さんかい。
悪かったな」。
「どういたしまして。
うちにおりますより表へ出ました方が精神が爽やかになります」。
「薬屋の広告みたいな事言ってるな。
いくつだい?」。
「14でございます」。
「14?14にしちゃいやに小せえな」。
「そのかわりよくひねております」。
「言う事が変わってんな」。
「あのお人形をお買いになりましていくらでお買いになりました?」。
「俺っちはな買い物上手だなんて事を言われてなあきんどが嫌がってしゃあねえんだ。
今日もちょいと安くて悪いと思ったがな4円で買った」。
「4円?プッ!じゃあ2円買いかぶったな」。
「買いかぶった?じゃあこれもっと安くていいのか?」。
「これねまめくいてましてねいちめにかめともいっておととしの売れ残りなんでございます。
ですからよく見ますとね衣装や何かも日に焼けてましてところどころ虫に食われたりなんかして。
この間まで蔵の隅に放り出してあったんですよ。
若旦那が『弱ったな。
たきつけにする訳にもいかないし掃きだめに捨てる訳にもいかない』なんて言いましたらねそこへ大旦那がやって来ましてね『いやいや…こんなもんでもまた店へ出しておけばまたどういうバカが来て買ってかないとも限らない』なんて言いましてねで店へ出しておきましたら今日バカが2人参りまして」。
「冗談言っちゃいけねえ」。
「人形買い」というバカバカしいお笑いでございました。
(拍手)落語に「はてなの茶わん」というのがありましてねひびもいってないのにポタポタお湯お茶が漏るというね。
これが高い値段で売れるというそんなお茶わんの話なんですけれどもこの方だったらきっとねそのお茶わん高く買って頂けるんじゃないでしょうかね。
いろんなものを集めてらっしゃいます。
やくみつるさんです。
はいお入り下さい。
おはようございます。
おはようございます。
すんません。
どうも朝早うから。
ありがとうございます。
何かすんませんね。
あ何か大相撲のように。
よいしょ。
「よいしょ」って。
癖ですね。
癖ですかそうですか。
お世話になります。
よろしくお願いします。
初めてですよね?いえお会いした事あります。
あそうですか。
いや私もその番組は思い出せないんですけれど多分NHKのクイズバラエティー系で…。
分かりました。
「この人本当?」みたいにおっしゃった…。
「日本人の質問」の時に…。
かもしれないです。
解答者でお出まし頂いた。
はい解答者の方だったと…。
そうですかありがとうございました。
随分前ですけど。
いやどうもそれは失礼致しました。
いつもこうね一コマ漫画っていうんですか?あれもなかなかシャープな。
まあ一コマで描けばよろしい訳ですから。
何ページも描かないでいいんですから。
何か今日はお持ち頂いてる?いろいろ集めてる手前ですねこんなのもありますという事でまずはこの…。
多分その時にサインを頂いたと思うんです。
そうでしたか。
これ私の貯金箱ですよ。
そうですね。
これどちらかというとかみさんの担当のジャンルなんですけどね。
実在人物人形シリーズっていう。
実在人物…。
そこにサインを頂くっていうのをライフワークにしてるんです。
そうですか。
確かに後ろにサインしてますね。
へえ〜。
そうですか。
こちらお土産なんですけどちょっと色紙を1枚描いてみました。
うれしいな。
空の色紙があったもんですから映りますか?これ。
お空なんですよこれが。
空のブルーがきれいに出ましたね。
あこれ通天閣になってますね。
ちょっと大阪上空を…。
ありがたい。
これは大事に私の宝にさせて頂きます。
私の色紙は不思議な効能がございまして。
といいますと?ガタガタの家具の下とかに入れると揺れが止まるという。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
そんな恐ろしい事は致しませんです。
もったいないですからね。
大事にさして頂きたいと。
ここに一応ちょっと置いときますね。
ありがとうございます。
そうですか。
いろんな物集めてらっしゃる。
そうですね。
およそジャンルでも100ぐらいのジャンルがあるんですよ。
人様のタバコの吸い殻とかトイレットペーパーの包み紙とかもろもろ集めてます。
物を集めておりませんとやっぱり日々平板でしかたがないんです。
毎日ルーチンワークの繰り返しですから人生なんていうものは。
なので物を集めますと毎日小さな幸せが飛び込んでくるんですね。
まして門戸を広げてたくさんのジャンルの物を集めてると今日はこのジャンルの物が集まった。
次の日はこっちのジャンルの物が集まったっていう感じで毎日なにがしかの物が集まるんですよね。
これが日々のアクセントになっている。
はいはい。
おっしゃってるのは何となく分かります。
ほかにはどんな珍しい物を集めてはるんですか?近頃はライフワークとしてお笑い短冊集というのを集めておりました。
さまざまな日々お笑いのフレーズが出ては消費されていくという。
やっぱり文字として残しておきたいなというのがあるもんですから。
その短冊にしたためて頂いて。
あご本人に?名前も書いて頂いて。
例えば「ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん」って。
一番新しいのはそれを頂きましたね。
「あったかいんだからぁ♪」も頂きましたし。
ただ何度も文枝師匠にお会いするんですけれど大御所すぎて頼めないっていうのがありますね。
今の文枝ですか?兄弟子ですからね。
「いらっしゃい」とか書いて頂けますかね?すぐ書いてくれますよ。
もうそれが…。
いやでも書きたがりです。
どっちかというと。
「文珍師匠がおっしゃった」って言って今度お願いしますからね。
ものすごい喜びます。
すごく喜びます。
自己顕示欲が強いですから。
時々クイズ番組でお会いするんですけどとても恐れ多くてお願いできないもんですから。
いろんな物集めてはるんですけどそれはそうと大相撲ですけど。
ねえお好きですな。
面白くなってきましたですよね。
急にまた人気が復活して。
これほなちょいちょいお返ししときます。
ほれで大相撲面白くなってきた。
何か妙に活気が出てきましたからね。
一時もう土俵際だったでしょ。
存廃の危機でしたですからね。
徳俵のところでぐわ〜っなってる感じですよ。
1場所中止になったの大阪場所だったですもんね。
デーモン閣下とね対談なさってる本を読ませて頂きますとなかなか力の入ったお二人の対話が載っておりまして力士がね水をもらって口をこうやってペッとこうなさる。
ちょっとこう隠しながらこうなさったり。
あれはなかなか柄杓でやっていいなと思うんですけど見てるとねペットボトル持ってキュッとお飲みになってるのがどうも絵にならないという話が出てましたですけどああいうのは?一度外部委員を仰せつかった時に各部屋の稽古を見てた事があったんですけどもやっぱりペットボトルを土俵に持ち込んで猛稽古だと喉渇きますから口を湿らせると。
本当に一握りの親方がやはりあれはあまり粋でないなという事もおっしゃってましたのでどうせなら全て原点回帰を目指そうじゃないかという時だけにそれもなしにしたらどうですかというような事は申し上げたんですけどもその会合でですね一顧だにされませんでしたけども。
現実的じゃないという事で。
現実的ではない。
今あるんだからそれで飲めばいいんだみたいな。
でもおっしゃるところは気持ちは分かるんですよね。
大相撲を見る側にこれは心掛けてほしいなっていう何かございますか?近頃升席などでですねやっぱりいろんなものを掲げますね。
あれは早いところやめさせとかないと野球場みたいになってしまうとややこしくなるなと思いますね。
今のところまだ半紙に力士の名前をしたためたぐらいのものだとまだ…まだっていう気はしますけれど金のモールがついたりハートがついたり「Ilove遠藤」みたいなのこうやられた日にはやっぱりその場の空気がね…。
お客もあっての伝統継承の場ですからそれをやっぱりお客の方が崩しにかかっちゃいけないだろうなと思いますよね。
いいご指摘でございます。
相撲に関する限りは堅いですね考え方が。
相撲だけですか?相撲だけであとは本当にフレキシブル。
フレキシブルかな〜。
融通利きますよ。
融通利くんだ。
利きますよ。
なぜ漫画家になろうとなさったんですか?一応会社には就職したんですけれどもまあ割に小さな会社だったんですけれど部署に配属されると自分がいて主任がいて課長次長部長みたいなのが一つの部屋にいる訳ですけどそれがすごろくに見えちゃったんですよね。
でもう上がりが見えちゃってるそこに。
はいはいはい。
上がりが見えるってのもなって思ったのがやっぱり…はい。
はあ〜。
でも今多少の後悔はありますね。
上がりがないってのもこれなかなかつろうございますよね。
つらいですね。
なるほどなるほど。
でもいいパートナーに恵まれてらっしゃる。
愚妻…。
いや愚妻やない。
それなのかもしれませんが。
どこで知り合ったんですか?読者でしたね私の漫画の。
あ読者。
はい。
するとファンの方?はい。
彼女も私と同じ大洋ホエールズのファンだったもんですから。
屋鋪のバッティングがなってないだの毎日書いてくる訳ですよ。
こいつは一癖ありそうだなと思いましてね。
何か価値観を共有なさっているというのは話に聞いてますんですけど。
今日はねちょっとクイズをね出して来週に答えを頂こうかなと思ってるんですけど。
何か別々にお休みになってる?新婚の時から寝室は別ですね。
はな出た今。
新婚の時から寝室…。
え〜?第1日目から別ですね。
でまあまあ別々にお休みになってる。
何か理由があるんだと思うんですよ。
果たしてどうして別々にお休みになってるのか。
ではまた来週という事で。
2015/05/31(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
桂文珍の演芸図鑑「Wヤング、古今亭菊丸、やくみつる」[字]
落語家・桂文珍が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、Wヤングの漫才、古今亭菊丸の落語「人形買い」。対談のゲストは、やくみつる
詳細情報
番組内容
落語家・桂文珍が、演芸界のよりすぐりの至芸をナビゲートする。演芸は、Wヤングの漫才、古今亭菊丸の落語「人形買い」。対談のゲストは、やくみつる。
出演者
【出演】Wヤング,古今亭菊丸,やくみつる,【ナビゲーター】桂文珍
ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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