報道特集【口永良部島噴火で全島避難▽証言!『イスラム国』脱出】 2015.05.30


鹿児島県屋久島町の口永良部島新岳が爆発的噴火をしたのは昨日午前9時59分頃。
噴煙は火口から9000m以上上がり、その様子は気象衛星ひまわり8号にもとらえられていた。
噴火警戒レベルは2007年の導入以来、全国初となる最高のレベル5、避難に引き上げられ屋久島町は島にいた137人全員におよそ12km東の屋久島に避難するよう指示した。
大きな雷だねって思ってたら、灰がいっぱい降ってました。
ここまで帰ることができてホッとしております。
今回の噴火では火砕流が発生し火口からほぼすべての方向に流れ、特に北西の方向では一部火口から2kmを超えて海まで達した。
火口から谷筋に沿って、緑の山がグレーに変わっています。
ちょうど火砕流が海に到達する手前のところに建物が幾つか見えます。
専門家は、火砕流の温度は数百度あったと見ている。
木がくすぶっているような状況がはっきり確認できましたので、かなり温度の高いものが直接火口から出てきたなと、そういうふうに感じました。
避難した住民らは、屋久島の3カ所に身を寄せている。
いつ帰れるか。
政府の方でも、結論を出せるように対応していきたいですけれども。
一方、今朝、上空から調査した専門家は…今後、例えば1年とか数年とか、それぐらいの時間スケールのことを考えないといけないわけですよ。
12km離れた屋久島の世界遺産の森にも火山灰が積もった。
ここは自然遺産の中核地。
2度目、3度目の爆発があって、こっちに堆積するようなことがあればさらなるダメージが心配されますし。
昨日から丸一日続いていた噴火は今日午前11時頃止まった模様だが、気象庁は、今後も規模の大きな噴火が発生するおそれがあるとし、厳重な警戒を呼びかけている。
いつ島に戻れるのか、住民は、先が見えない状況。
鹿児島県の屋久島に来ております。
昨日、爆発的噴火を起こした口永良部島が午後から強い雨に見舞われまして、今はあいにく、ご覧いただけません今も断続的に雨が降っています。
警戒レベルが最も高い5が発令され、島民の方々全員が屋久島に避難し、不安な一夜を過ごしました。
一体、南の島で何が起きて、今後どうなっているのか、後ほどの「特集」でこちらからお伝えしますけれども、まずは、屋久島の避難所前にいる記者に伝えてもらいます。
屋久島町の宮之浦公民館です。
昨夜はこちらで24人が一夜を明かしました。
避難所で生活している方の話を聞きますと、慌てて家を出てきたので戸締まりをしていない、家畜の牛やニワトリにエサをやりたい、どんな様子か気になるという声が聞かれます。
こちらの避難所からは今日、屋久島の親戚や知人を頼って避難所を出た人や、鹿児島県本土にフェリーで向かった人もいました。
ただ、口永良部島から避難してきている住民から共通して聞こえるのは、1時間でもいいから島に戻りたいという声です。
屋久島町は今後、避難が長期化する場合に備え、空き家の利用など、対応を考えたいとしている。
また、週明けからは小中学生を屋久島の学校で臨時に受け入れるなど、長期化を見据えた対策を進めていくとしているが、先が見えないだけに住民の不安は募っています。
ここからは東京のスタジオからお伝えします。
アメリカ国防総省は中国が埋め立てを続ける南シナ海の岩礁に兵器が置かれていることを明らかにしました。
南シナ海の問題をめぐっては、今日の国際会議の場でも日本とアメリカが中国を強く批判した。
アメリカ国防総省の報道官は29日、中国が埋め立てを続けている南沙諸島の岩礁の1つで兵器の存在を確認したことを明らかにした。
アメリカは中国の移動式の砲撃装置2基を岩礁の上で発見したとする「ワシントン・ポスト」紙の報道を追認した形。
ホワイトハウスの報道官は領有権を主張している諸国には周辺地域の緊張感を高める行動を慎むよう促したいとしている。
一方、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議では、中谷防衛大臣とアメリカのカーター国防長官が相次いで演説し、南シナ海問題で中国を批判した。
中谷大臣はさらに、南シナ海でのフィリピンやアメリカとの共同訓練の実績を挙げて、その重要性を強調。
自衛隊の精強さのもとでアジア太平洋のためにより大きな責任を果たすとして、この地域での自衛隊の関与を広げる方針を示した。
カーター国防長官も名指しで中国を批判し、アメリカは領有権争いのある地域の軍事拠点化に反対すると述べた。
アメリカからの批判に対し中国側はこのように述べて反論し、埋め立てなどの動きを正当化した。
巨額汚職事件に揺れるFIFAの次の会長を決める選挙は、現職のブラッター会長が当選したが、ヨーロッパのサッカー協会などからは落胆の声も聞かれた。
選挙は現職のブラッター会長が133票を獲得し、5回目の当選が決まった。
会長職4期17年で築き上げたアジアやアフリカ諸国での支持基盤を見せつけた格好だが、反ブラッターの急先鋒だったヨーロッパのサッカー協会などからは落胆の声も聞かれた。
ブラッター支持派と反対派の間にできた深い溝は残ったままで、FIFAの自浄能力が改善されるかどうかは不透明。
津波の被害を受け、一部区間が不通となっていた宮城県の仙台市と石巻市を結ぶJR仙石線が4年2カ月ぶりに全線で運転を再開した。
復旧したのは高城町駅と陸前小野駅の間の10.5km。
津波により列車や駅舎が大きな被害を受けたためこれまで不通となっていた。
JRでは2つの駅を内陸の高台に新たに再建するなどして全線再開にこぎつけた。
東日本大震災の最大の被災地、石巻市と仙台市を結ぶ路線がすべて復旧したことで、復興を後押しするものとして期待が高まっている。
天皇・皇后両陛下の傘寿を記念して歴代の三権の長らが招かれて、古式馬術の観覧会と茶会が催されました。
陣羽織を身にまとい、馬に乗った競技者たちがゴール目がけて紅白の毬を入れ合います。
両陛下は今日午後、陛下が即位して以降の歴代の三権の長や国務大臣ら160人を皇居の馬場に招き、宮内庁が保存・継承している古式馬術、打毬と母衣引の観覧会を催されました。
この会は80歳の傘寿を迎えた記念に、両陛下の意向を受け催されたものです。
このうち打毬は、両陛下が皇太子ご夫妻だった頃に親しまれていた競技で、日本には8世紀から9世紀頃に伝わったものと言われています。
観覧後に催された茶会で陛下は、これまで皆さんが国と国民のためにそれぞれの務めを果たしてこられたことに深く感謝していますとねぎらいの言葉をかけられました。
国交回復に向けて大きな一歩です。
アメリカがキューバにたいするテロ支援国家の指定を33年ぶりに解除した。
これでアメリカの金融機関によるキューバ側との取引などが一部緩和される。
指定解除はキューバ側が国交正常化の災害の要件に挙げていたほか、アメリカによる敵視政策からの転換の象徴とも言え、次の焦点である両国の大使館再開に向けて大きな一歩となりそう。
8月の世界陸上北京大会まで3カ月を切ったのを記念して、北京で日中友好ランニング大会が開かれ市民ランナーら100人が参加した。
再び屋久島です。
東日本大震災以来、私たちの住む日本列島の火山活動が活発化する兆しがあちこちで見られます。
去年の御嶽山の噴火は記憶に新しいところですが、昨日、鹿児島県の口永良部島の新岳が爆発的噴火を起こし、一時は噴煙が9000mにまで達して火砕流も発生しました。
日本の火山に何が起きているのでしょうか。
今朝方、口永良部島を近海からこの目で見てきました、ご覧ください。
空高く噴き上がる黒い煙。
これは島の住民が噴火直後に撮影した写真。
噴煙が車の窓のすぐ近くまで迫ってきているのがよくわかる。
鹿児島県口永良部島の新岳で爆発的噴火が発生したのは昨日午前9時59分頃のことだった。
避難しながら向けたレンズ。
その先には、画面いっぱいに噴煙が広がっている。
これは、上空を飛んでいた航空機から撮影した写真。
噴煙は高さ9000mにまで達した。
舞い上がる噴煙は、ダイバーの背後にも。
うわ〜、噴火した。
上がりましょう。
気象庁は、噴火警戒レベルをこれまでのレベル3から最高のレベル5に引き上げた。
2007年の制度導入以来、初めてのこと。
噴火当時、島には住民ら137人がいた。
その多くは火口から4kmほど離れた高台にいったん避難した。
持てるだけの荷物を持って今、船のタラップを渡って、避難をするための船に入っているのがわかります。
その後、住民らは船やヘリコプターに乗って全員がおよそ10km離れた隣の屋久島に避難。
このうち火砕流による熱風でヤケドをした70代の男性が病院で手当てを受けた。
早く帰りたいです、生き物がいるから。
何がいるんですか?鳥とか、牛とか。
口永良部島の新岳が噴火してからちょうど12時間が過ぎたところです。
こちらは災害対策本部が置かれております屋久島町役場です。
24時間態勢で、避難してきた島民の世話などに当たっているところなんですけれども、お邪魔します。
今、一番心がけていらっしゃる、注意を払っていらっしゃることは何ですか?一応今日は、避難していただいた、避難所に入っていただきましたので、あとは今日はゆっくり休んで、島民の方々も朝10時からずっと避難に追われていますので、ゆっくりしていただきたい。
屋久島の宮之浦公民館に来ております。
こちらには口永良部島から来られた40人ほどの島民の方が避難してきております。
夕方になって、この屋久島にフェリーで到着したわけなんですけれども、皆さんとても疲れていらっしゃいます。
先ほど、ちょっと見ましたら島民の方と一緒に来た飼い犬がとても元気よくほえていたのが印象に残っております。
噴火から一夜明けた口永良部島は…私たちは沖合からの島の撮影に向かった。
屋久島を出ておよそ1時間半。
前方に、昨日爆発的噴火を起こした口永良部島の島影がはっきりと見えてきました。
噴火を起こした新岳の山頂付近は厚い雲に覆われています。
思ったよりもかなり大きな島だということがわかりますけれども、ここから見る限り、かなり険しい地形で海岸線みたいなものも、崖が切り立っているような感じの地形ですね。
上空からの映像では、火砕流の跡がはっきりと確認できる。
周囲の木々がほぼすべて下の方に向けてなぎ倒されているような感じがします。
そして、残っている、立っている木にも葉っぱはほとんど見られません。
今日未明、気象庁の監視カメラは島の一部が赤く光る様子をとらえた。
高温の火砕流堆積物だと見られている。
避難している住民に話を聞いた。
ご自身はどうだったんですか、9時59分のやつは。
私は、年貢の納め時かなと。
一番近いところでかぶってきたから。
もう終わりかなと思ったんだけど。
男性は飼っている犬を連れて口永良部島を脱出し、屋久島へ避難した。
噴火の様子を間近で見たと言う。
あたふたしたって、しょうがないんですよ。
どうだったんですか、揺れたり何かしたんですか?揺れなかったの、ドカーンってしなかったの。
ワワワワッていう感じが。
上にしっかり上がって、上がったら今度は雷と音と大きい雨粒が始まったんです。
屋久島には救援に駆けつけた自衛隊員の姿も。
今、一番大変だと思っていることは何ですか?我々は特にないんですけれども、被災された方がいつ、もともとの生活に戻られることができるのかなと、それが一番大変かなと。
それに少しでも貢献できればなというところを今、模索しているところであります知人の家に避難している島の住民に話を聞くことができた。
雷が鳴るの、バーンじゃなくて、ドーンじゃなくて、雷が鳴る音で爆発、噴き出したんですよ。
見えたんですか?もう、目の前で見た。
もうピカピカっとしてたですね。
それで、うわっ、これ噴火やと思って、そんだら、僕の高かったから、頭の上を上を噴火の石が通過してきた、飛んでいったんですよ、大きなのが来て、ブワーンって。
それでわーんとかぶさってきたから、これはいかんと思うて、横に軽トラ停めてたからそれで逃げたんです。
牛は今、残ったままですよね、当然ね。
心配ですね?心配も心配、何事もないけど、その牛の心配ばっかりしてるのよ。
火山の噴火による全頭避難は過去にもあった。
1986年11月、伊豆大島の三原山が500年ぶりの大噴火を起こした。
大量の溶岩が噴出し、住宅地へ迫る中、町は全住民の島外避難を決断。
夜を徹しての脱出で島民1万人、全員が無事に避難した。
ここはどうにもこうにも火のあれが噴いてて怖くていれられくて来たですよ。
火山活動がおさまり、ライフラインの被害も少なかったため一月後、住民たちは島に戻ることができた。
2000年には同じ伊豆諸島の三宅島が断続的に噴火を繰り返し、9月、東京都と三宅村は全島避難を決定。
混乱を避けるため3日かけて4000人の住民を避難させた。
だが、火山灰と泥流によってライフラインが寸断。
さらに、その後も火山ガスの噴出が続き住民たちが島に帰ったときには、4年半もの月日がたっていた。
今回の口永良部島の全島避難。
住民たちの避難生活はいつまで続くのか。
口永良部島・新岳で何が起きたのか噴火発生からおよそ3時間後、鹿児島大学の井村隆介准教授と新岳上空に向かった。
山の端のところが、木が燃えているのが見える。
煙が出ている、だから多分かなり高温のものが流れ下ったんだというふうに考えられます。
ここの辺りの海も下まで茶色く濁っていますので、火砕流が海までいったんだというふうに思います。
火砕流が流れた跡ですね、やはり少し熱いものが流れ下ったという感じがします。
今も煙が出ているところが幾つかありますし、あと、木が下の方になぎ倒されているように見えます。
これは上の方から流れてきて火砕流が木をなぎ倒したんだと考えられます。
口永良部島は過去にも噴火を繰り返している。
1933年から34年にかけての噴火では集落が焼かれ、死者8人、負傷者26人が出た。
また、66年の噴火では3人のケガ人を出した。
そして、去年8月には34年ぶりに噴火している。
今年3月には、溶岩や火山ガスが噴煙や雲に映って赤く光る火映が確認されていた。
今回の噴火っていうのは去年ぐらいから突然起こったわけではなくて10年ぐらい前から地震が増える、その地震がだんだん浅くなってきている、あるいは噴気が活発になっている去年の噴火が起こった。
さらに去年の噴火以降、有感地震があったり、あるいは火映現象が見られたり二酸化硫黄が増えたりという、火山活動が活発化してくる、マグマが地下から上がってきて噴火するプロセスがそのまま見えていたわけですね。
2011年2月、「報道特集」は南九州で続く活発な火山活動を取材していた。
今、正面に見えてきたのが僕らがこれから降り立とうとしいる諏訪之瀬島です。
火山の火口から噴煙が上がっているのが見えます。
桜島の真横の上空に来ています。
ヘリの機内にも硫黄のにおいがプーンと漂ってきて…口永良部島の噴火も一連の火山活動と関係しているのか。
東京大学地震研究所の中田節也教授に聞いた。
今、ちょうど日本は南九州だけじゃなくて、去年の御嶽山、そして最近では箱根山と火山活動が非常に話題になりましたけれども、これというのは、今おっしゃった地殻の話で言うとやはり2011年の東日本大震災というのは関連してくるんですか?地震によって、例えば東北日本というのは大きいところでは5m超えたりしているわけですよね。
地殻の中にマグマが入っている、ためるところがあるんですね。
それ自身が形がゆがむということですよね。
そうすると、中に入っていたマグマが刺激を受けてあふれて出やすくなるということですよね。
中田教授によると、東日本大震災では蔵王山や栗駒山など、幾つかの東北地方の火山の山頂部がおよそ5cm沈み込むほど地殻変動が起きた。
この地殻変動が日本列島全体の火山活動に影響を与えている可能性があると言う。
過去にも地震が非常に起こりやすい時期があって火山活動も非常に活発になった時期があるんですね。
それが全く重複しているんですね。
再び屋久島です。
昨日、屋久島に避難してきた137人の方たちは、島内の3カ所の公共施設に分散してとりあえずの避難生活を始めたわけですけれども、その後、島外に移られた方もおりまして現在では42世帯69名の方が屋久島にとどまっているということです。
昨日の全島規模の住民避難、事態は大きな混乱がなく比較的スムーズに行われましたが、去年8月の噴火の際の自主避難の教訓が生かされて、事前の備えがきちんとされていたと言われています。
ヘルメットですとか、あるいは水、食料の配布がきちんとうまく運んでいたようですけれども、ただ、そうはいっても避難民の方々は着の身着のまま、さらには避難生活が長期化するおそれもありまして、行政サイドの手厚いケアが望まれるところです。
また、火山噴火活動の観測網のより一層の充実化が、地震対策とともに望まれるところだと思います。
実際、現場を取材してみて何か印象に残ったこと、感じたことはありますか?1つは屋久島の人たちが口永良部島から避難してきた人たちを非常に温かく迎えているなと、受け入れているなという印象がまず最初にあります。
それからもう1つですけれども、それほど大部隊ではないんですけれども鹿児島県ですとか熊本県から自衛隊が派遣されていて、その活動の一端を見ることができました。
地震、あるいは火山噴火など大規模な自然災害が起きた際の自衛隊の活動というのは本当に信頼に値するものだと思います。
その自衛官の活動する姿を見ておりまして、ちょうど今、国会で審議が続いております安全保障法制の関連の審議ですね、海外への武力行使絡みの自衛隊派遣論議というのを見ておりますと、私は、そういう論議よりも私たちの足元で起きている自然災害ですとか、あるいは地震、さらには原発事故の対策というようなそういう備えを自衛隊の活動とともに考えることの方が、よほど侵略、あるいは存立事態等々よりもよほど優先順位が高いんじゃないかというようなことをこちらに来て感じました。
国民を守るというのはまさにこういうことを言うんじゃないかなというのを本当に感じたところです。
ここで爆発的な噴火がありました口永良部島の新岳について新しい情報が入ってきました。
今日午後3時から臨時の会合を開いていた火山噴火予知連絡会が先ほど記者会見を行い、火山灰の成分を分析したところ、新しい溶岩のかけらが含まれていたことから、今回の噴火はマグマが直接関与しているマグマ水蒸気噴火であると断定しました。
また、去年8月の噴火よりも規模は大きかったとしている。
火山噴火予知連絡会は、今後も同じ程度の噴火が起きるおそれがあるとして、引き続き警戒が必要だとしている。
過激派組織イスラム国の実態に迫る日本人ジャーナリストの長期取材です。
この取材からイスラム国の支配地域で住民たちが虐殺され、女性が人身売買されるなど残虐な迫害が繰り返されていることが明らかになりました。
黒い煙が上がっています。
街の中心部に立ち上る黒い煙。
イラク国内で最も治安が安定した街の1つ、クルド自治区アルビルで先月、爆弾テロが起きた。
過激派組織イスラム国による攻撃は各地で連日続いている。
クルド人の部隊とともに、イラク北部の前線へと向かう。
およそ50km先にはイスラム国が支配するイラク第2の都市、モスルがある。
この前線ではクルド人部隊、ペシュメルガがイスラム国と対峙する。
今私は、イスラム国との境界線に来ています。
ここに今、塹壕がありまして、このすぐ向こうはイスラム国の支配地域になっています。
長く続く塹壕は、イスラム国の侵入を阻むためつくられた。
戦闘境界線を意味する。
塹壕はイスラム国の支配地域を取り囲むように数百キロ延びている。
イスラム国の支配地域は中東のシリア・イラクの広い範囲にわたる拠点都市、ラッカのあるシリアでは既に国土の半分まで勢力を伸ばしているとの情報もある。
迎え撃つペシュメルガのこの機関銃は、ドイツから提供された。
世界各国の有志連合と連携をとる。
前線の近くには、イスラム国戦闘員2人の遺体が放置されていた。
前日夜の戦闘で殺害された。
外国からの志願兵も多いイスラム国だが、モスル周辺では8割ほどが地元出身者だと言う。
イスラム国の戦闘員は様々な国籍・人種で構成され、実態は謎に包まれている。
クルド治安当局との数カ月に及ぶ交渉の末、拘束された戦闘員へのインタビューが許可された。
イスラム国のモハメッド元戦闘員は4人の部下を率いていたが、今年1月、有志連合の空爆で孤立し、ペシュメルガに拘束された。
イラク・クルド自治区の治安当局施設内で異例のカメラインタビューが許可された。
空爆があって水の中に隠れていましたが、2日後に捕まりました。
生きていたかった、そう吐露した元戦闘員には、妻と3人の子どもがいると言う。
イスラム国に参加した理由を尋ねると…私の2人の兄は、アルカイダにいました。
しかし、2人ともアメリカ軍に殺されました。
自ら志願したイスラム国でどのような生活を送っていたのか。
3日間仕事をして、3日間家に帰る生活でした。
この金額は、彼が小学校卒業後、建設現場で稼いだ月給の倍だと言う。
拘束された今もイスラム国を信奉している。
日本人がイスラム教徒なら殺しません。
別の元戦闘員には写真と音声のみの取材が許された。
彼は、イスラム国で送った日々を後悔している。
この元戦闘員は去年、イラク・マリキ政権下で治安部隊に拷問を受けた。
イスラム教シーア派によるスンニ派住民への弾圧だと言う。
こうした弾圧が同じスンニ派であるイスラム国への支持へとつながっていった。
イスラム国に入ったのは、マリキ政権の治安部隊のせいです。
イスラム国が侵攻し戦闘を繰り広げてきた最前線の街、シリアのコバニ。
去年12月、イスラム国と対立するクルド勢力に同行取材した。
身の安全を図るため、防弾服を着用し標的にならないよう動き続ける。
今、最前線に来ていますけれども、イスラム国とクルドの人民防衛隊の撃ち合いが始まっています。
最前線の一角を守るのは、若い女性兵士。
イスラム国はイスラム教徒を名乗りますが、イスラム教徒はあんなことをしません。
人の首を切って家族を殺し、住民を虐殺するようなやつらです。
イスラム国の拠点だった民家には、大きな穴が掘られていた。
地下を移動したり、爆弾を仕掛けたりするためのものと見られる。
これは、イスラム国の拠点から押収された大量の武器。
爆弾やロケット砲もある。
中には、アメリカ軍の自動小銃も。
イラク政府軍に提供したものが奪われ、イスラム国の手に渡っていた。
この白い粉は、コカイン。
これは去年1月、戦闘前のコバニ市内を取材したときの映像。
街の中心部には商店があり、賑わっていた。
病院は近くの街から妊婦を受け入れていた。
だが、戦いが始まり…街から住民の姿は消えた。
こちらに見えるのは、ここは病院だったんですけれども、イスラム国の自爆攻撃で3人の方が亡くなりました。
そして病院はすべて破壊されてしまいました。
アメリカが主導する有志連合の空爆もあり街は壊滅状態になってしまった。
主食のナンは夜中に焼かれてた。
日中の工場から煙が上がると標的にされるおそれがあるため。
光に外に漏れないよう、窓はふさがれている。
街の隅では、墓がつくられていた。
犠牲者は、毎日のように出ていた。
コバニは私たちの土地です。
トルコやどこか遠くへ逃げるくらいならここで死にます。
10万人いた住民の多くは、街から逃げ出し、2000人ほどまで減った。
シリアの隣国イラクの北西部ではイスラム国の襲撃で故郷を奪われさらに苛烈な迫害を受けている人たちがいる。
クルド系住民のヤズディの人たち。
ヤズィード教という宗教を信仰している。
ヤズィード教はキリスト教やゾロアスター教などの影響を受け、古くからこの地で受け継がれてきた宗教。
しかし、イスラム国からは邪教と見なされている。
3年前、イラク北西部の村で行われたヤズディの人たちの結婚式。
イスラム国が襲撃する前の映像。
着飾った新郎新婦、数百人の村人が祝福した。
この映像に映る人の多くが、拉致され、殺害された。
去年9月、難民キャンプで再会できたのは、結婚式を挙げていた、あの夫婦。
あんなひどい目に遭って、もう何も感じられません。
イスラム国は彼女の父親の一族全員を殺した。
この一月前、村はイスラム国に襲われた。
身重のイヴァンさんは夫とともに近くの山へと逃れた。
1週間飲まず食わずで隠れ続けていたと言う。
結婚式のときは、こんなことになるなんて思わなかった。
過酷な体験の後、出産した女の子にイヴァンさんは、チーマンと名づけた。
その意味は、何もかも失っただと言う。
イスラム国は、拉致したヤズディの人たちを奴隷とみなしている。
夫がいて妊娠しているにもかかわらず、イスラム国に拉致されレイプされた女性がいる。
戦闘員は、何も悪いことはしないと約束したのに、とてもひどいことをされました。
彼は言いました。
19歳のヒヤンさんの胸には、戦闘員につけられた傷が残る。
迫害の実態を知ってもらいたいと意を決して見せてくれた。
イスラム国は拉致した女性を幾つかの施設に集める。
そこで戦闘員が結婚の名のもとに女性を売買する。
結婚の形さえとれば、イスラムの教えに反しないとの考えだと言う。
たくさんの女の子が売られました。
拒否した女の子はベルトやムチで打たれ連れていかれました。
70人以上いたヤズディの男性は、イスラム教への改宗しを拒否し、殺された。
ヒヤンさんの夫、ハワースさんの兄も、その1人。
男性はみんな殺されました。
1カ所に集められた遺体はショベルカーでひかれ、バラバラになりました。
無残なものでした。
兄の遺体もバラバラになっていた。
妻の拉致も村人の虐殺も、ハワースさんが留守の間の出来事だった。
イスラム国に仕返しをしたい。
神がそれを許さなくとも。
ヤズディの人たちへの迫害をイスラム国はどう考えているのか、インタビューに応じた元戦闘員はこう主張する。
そのほとんどは老人、または障害者だった。
この少女は4カ月もの間、口がきけないふりをして奴隷にされず逃れた。
母親との再会を果たした13歳の少女もいた。
監禁されたホールに戦闘員が来るたび、女性の洋服や毛布の陰に身を隠していた。
だが、こうして解放される人たちはごく一部。
そのため、自力で脱出を図る人もいる。
イラク・クルド自治区の治安当局によるヤズディの少女の救出作戦に同行した。
今、もう1つ検問があります。
ここを抜けるとイスラム国になります。
今ここで、ヤズディ教徒の女性の解放を待ちます。
イスラム国の支配地域はこの川の向こう岸。
14歳の少女がここまで逃げてくるとの連絡があった。
今、女性が解放されたようです。
少女は無事、たどりついた。
すると…車に乗り込むなりヤズディの少女はイスラム教徒の黒い衣装を破り捨てた。
少女は髪形や服装を男の子のように変装して監禁先から抜け出し、地元市民にかくまわれたと言う。
もし、イスラム国に通報されれば殺されかねなかった。
イスラム教への改宗を迫られたとき食べ物に薬物を入れられたと証言する。
ホッとしたのか、少女は車の中で眠ってしまった。
彼女のようにイスラム国内に監禁されたままのヤズディの人たちはまだ、3500人以上いると見られる。
その1人に、治安当局者が電話をかける。
イスラム国内に監禁されているこの男性は情報提供者。
衛星携帯電話を使い、周辺地区の情報を密かに伝えている。
公開処刑はありましたか?イスラム国が敵視するイスラム教シーア派住民も虐殺されているとの情報。
外国、例えば日本の人たちに言いたいことはありますか?監禁されているヤズディの人たちは、大規模な戦闘が起こればいわゆる人間の盾にされるおそれがある。
少年兵も養成されている。
笑顔でかくれんぼをする14歳のフェルハン君は今年3月、イスラム国戦闘員の訓練所を脱出した。
訓練所では、10歳の弟も一緒だった。
だから戦って、弟の歯を折ってしまいました。
フェルハン君がいた訓練所はイスラム国の拠点ラッカにあり、映像が公開されている。
訓練所にいる100人以上の少年は全員拉致されたヤズディの子どもたち。
友達です、ここにも映っています。
寝るときはみんな泣いていました。
家族のことをいつも思い出して。
イスラム教への改宗を強制され、日々コーランを読み、銃の扱いも習わされた。
さらに、ヨルダン人パイロットを処刑するビデオも見せられた。
教官は、中央アジアのウズベキスタン出身だと言う。
彼はとても厳しく、ヤズディは悪、ジハードは神のためで命を差し出すものは天国へ行けると言っていました。
信じたり同意したりする子はいなかった。
だけど、命を守るためにそんな素振りは見せませんでした。
5カ月間で脱出できたフェルハン君と弟は極めてまれなケース。
多くの少年がまだ訓練所に残る。
いつも友達と話していました。
いつか神様が助けてくれて、生きて抜け出すことができると。
VTRにも登場しましたジャーナリストの玉本英子さんです。
よろしくお願いします。
今世界各地の若者が、自ら、このイスラム国に参加を企てたりですとか、また自ら身を投じたりするケース報告されていますけれども、このことに対しては率直にどうお感じですか?ネット動画サイトのイスラム国宣伝ビデオに映るいわゆる死を恐れない戦闘員の姿は若者の心を引きつけます。
しかし、今回の取材で違う面も見えてきました。
写真と声で取材した元戦闘員ですけれども、非常に人のよさそうな顔をしている男性でした。
文房具店で働いていたんですけれども、失業して家族を養うためにイスラム国へ参加したという理由もありました。
前線ではいつも恐怖に震えていたと言います。
その恐怖を取り除くためにコカインを使用した戦闘員たちもいるわけなんですね。
そういう現実を知っていただきたいと思います。
玉本さんは20年にわたって中東の取材を続けてこられて、今、日本では後藤健二さんの事件以降、ジャーナリストも含めて、とにかく危険地域には近づくなと、取材はもう海外の通信社に任せておけばいいと、そういった空気もありますよね。
その点、どうお考えですか?シリアやイラクは10年以上取材を続けています。
10年前取材で知り合った友人たちが、今も苦難の中で暮らしています。
その人たちが何とか普通の生活ができるまで取材を続けたいと思っています。
今のイスラム国の拡大、どうしてあれだけ大きくなってしまったか、理由の1つにやはり2003年に米軍などの空爆で始まったイラク戦争がありましたけれども、以降の混乱、そして宗派抗争などが理由に挙げられると思います。
このイラク戦争は日本も支持したわけなんですね。
ですから、遠い国の出来事に思えるかもしれませんけれども、これは決して人ごとではないんですね。
あと、戦争では噂やデマが広がります。
それが原因で戦争が拡大することもあるんですね。
今回のヤズディの人たちの迫害もまさにそうだと思います。
ですから、日本人が現地に行って、そして当事者から直接話を聞く、そして日本人の視点で伝えるということが大事なのではないかなと思います。
ただ、取材は安全面には十分に気をつけなければいけないと考えています。
ですから時には現場に行かないという判断をすることもあります。
この後はスポーツ、林さんです。
ボクシングのWBO世界ミニマム級王座決定戦。
19歳、田中恒成選手が日本最速で世界王座に挑みました。
やるべきことはすべてやったと19歳の田中。
プロデビューわずか5戦での世界王座獲得を狙う。
序盤から持ち前のスピードを生かし攻勢に出る田中は第2ラウンド。
続くラウンドもボディーから一気のラッシュで世界ランク1位のイエドラスを追い詰める。
しかし、相手はプロ26戦目の試合巧者。
中盤から接近戦に持ち込まれ、田中の足が止まる。
それでもメンタルとの戦いだったと田中は第7ラウンド、この壮絶な打ち合いを演じる。
最後までパンチを出し続け、12ラウンドを戦い抜いた田中。
勝敗は判定へ。
見事、日本最速プロ5戦目での世界王者誕生。
プロ野球、日本生命セ・パ交流戦。
開幕から6連勝中の日本ハム・大谷翔平が登板した。
2回、先制を許した大谷はここから本領を発揮。
140kmを超える高速フォークで3者連続三振を奪う。
さらに、5回には…この日最速、159kmで追い込むとスライダーで三振、ガッツポーズを見せる。
エースの頑張りに4番が奮起。
7回、中田翔にホームランダービー独走の18号ソロが飛び出す。
大谷は、今シーズン最多の13奪三振。
開幕から7連勝を挙げ、勝ち星、奪三振でリーグ2冠に躍り出た。
バスケットボール、NBLプレーオフ決勝。
2勝1敗と優勝に王手をかけるアイシン三河。
第1クオーターは相手にリードを許す苦しい展開となる。
それでも第2クオーター、エース・金丸のスリーポイントシュートで追いつくと、そこからはアイシンペース。
38歳の大ベテラン、桜木ジェイアールが両チーム最多となる26得点の大活躍。
アイシン三河が88−82でトヨタ自動車東京を下し、2シーズンぶり6度目のリーグ優勝を果たした。
口永良部島の新岳で昨日発生した爆発的噴火。
マグマが地下水などに直接接触して爆発するマグマ水蒸気噴火だったことがわかりました。
火山の専門家などで構成される火山噴火予知連絡会は今日午後3時から臨時の会合を開き火山灰の成分の分析結果などをもとに、昨日の爆発的噴火についての評価などを行った。
一方、今後の見通しについて京都大学の井口正人教授は、1週間で帰れるというのはあり得ないと思う、最大で年単位になることも考えておかないといけないと思うなどの見解を示しました。
2015/05/30(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【口永良部島噴火で全島避難▽証言!『イスラム国』脱出】

▽口永良部島で爆発的噴火!全島避難▽証言!『イスラム国』脱出

詳細情報
番組内容
【口永良部島噴火で全島避難!】
鹿児島県の口永良部島で爆発的噴火が起き、火砕流も発生。全島に避難指示が出された。海上保安庁の誘導に従って、船で島から出る住民たち。現地から最新情報を伝える。

【証言!
おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
小林悠(TBSテレビアナウンサー)
林みなほ(TBSテレビアナウンサー)
公式ページ
◇番組HP http://www.tbs.co.jp/houtoku/
◇twitter
@tbs_houtoku

http://twitter.com/tbs_houtoku

◇facebook

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番組内容
「イスラム国」脱出】
過激派組織「イスラム国」に捕えられ脱出した住民をアジアプレスの玉本英子が長期取材。救出作戦への密着や最前線のリポート、「イスラム国」元戦闘員へのインタビューも・・・。

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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