(テーマ音楽)
神奈川県三浦半島。
その東の端にある岬観音崎です。
東京湾の玄関口浦賀水道に面しています
訪れたのは4月下旬
ほんとに船が多いですね。
大きなのも小さなのもあっちからもこっちからも。
混雑した海ですね。
対岸に見える房総半島までは7キロ足らず。
東京湾で最も幅が狭い所です
一日およそ500隻もの船が行き交います
海を見下ろすような場所にある神社
古くから海の安全を祈る神社とされてきました。
ヤマトタケルがここ走水の海を渡ったという伝承が残されています
船員や漁師など海で働く人たちが訪れています
観音崎にそびえるレーダー塔
海上保安庁の東京湾海上交通センター通称東京マーチスです
こんにちは。
こんにちは。
仕事中の様子を特別に見せてもらいました
こちらは東京マーチス横須賀港から出航中こちら貴船の前に入りたいという情報ですどうぞ。
東京マーチスは船が安全に航行できるよう誘導したり情報提供を行ったりしています
管制官は10人体制で24時間東京湾全域を見守り続けています
手がかりにするのはレーダーで捉えた船の位置。
三角や丸で示されているのは全て船です
船同士が接近してる場合近づいてる場合についてはこちらから無線で呼びかけて情報を提供するようにしています。
最も重要な仕事は大型船の誘導。
安全に通れるよう専用の航路を設けています
船が無理なくこの航路を通れるよう順番や時間を調整し無線で連絡しているのです
(無線)「東京マーチス東京マーチスこちらタグあらさきタグあらさきです」。
タグあらさきこちら東京マーチスどうぞ。
管制官になって2年目の小野亜由美さん。
この日は午後4時から翌朝までの徹宵勤務です
はい大型船ですが現在UNライン越えて南下中です。
え〜また入港事情調整する場合ご協力下さいどうぞ。
夕方は海のラッシュアワー。
港で荷物の積み降ろしを終えた船から「出発したい」という連絡が相次ぎ小野さんは対応に追われます
貴船から確認できてると思いますけど横須賀から大型船浦賀水道航路向け入航してきます。
混雑が一段落したのは午後7時前。
小野さんつかの間の休息です
出入りする船が多いとなかなか食事がとれない事もあると言います
無線が多い時は一気に来るので。
忙しい時は忙しいです。
小野さんは瀬戸内海に面した山口県周南市の出身。
高校卒業後海に関わる仕事がしたいと海上保安庁に入りました
最初は巡視船に乗って海難救助をしていましたが事故を未然に防ぐ管制官の仕事に魅力を感じ志願しました
最初無線を取るだけでも私は緊張してしまって。
まずは何て事ない情報提供なんですけどそれすらも最初はできなかったので。
無線が大変でしたね。
どういう声で何を言おうとか?そうですね頭でまず考えてから言葉にするのが難しくて。
最初よりはだいぶ慣れてはきましたけどそれでもまだまだ勉強する事が多くて日々吸収していってます。
(無線の声)
午前4時半にわかに慌ただしくなりました。
東京湾に入る船の中に目的地や大きさなどが分からない船があったのです
入ってなかったです。
ちょっといってきます。
小野さんは船の情報を新たに登録し周りに伝えました
ThisisTokyoMartis,changetochannel1414please.
すると今度は別の外国船が航路をはみ出して航行していると警告が出されました
航路の外には浅瀬もあるため座礁などのおそれがあります。
小野さんが注意した後貨物船は無事航路に戻りました
朝9時半小野さんの勤務が終わりました。
その間160隻余りの船を無事航行させる事ができました
全て自分が情報提供をする時は責任は感じながらやってます。
やりがいっていうのはどんな?やりがいはやっぱり自分の情報提供をしたのを役立ててもらった時ですね。
無線をやってて「ああ情報ありがとうございました」って言われるのはやっぱりうれしいですね。
東京マーチスからおよそ200メートル。
岬の突端にある観音埼灯台です
結構壁が塗り直し塗り直しで相当年季が入ってますねこの灯台。
あっ着いた!うわ〜見晴らしがいい。
風が強い。
わ〜。
観音埼灯台は明治2年に建てられた日本初の洋式の灯台。
現在の建物は3代目。
大正14年に建てられました
映画…
観音埼灯台を振り出しに全国を渡り歩いた灯台守の夫婦の物語です
よ〜しやってみよう!
命の危険を顧みず海の安全を守り抜く姿が描かれています
非常に懐かしいです。
きれいな形ですね。
真っ白だし。
ええきれいな形ですね。
観音埼灯台の灯台守だった…
この真っ白っていう色は当時みんな白かったんですか?灯台。
大体灯台はですね背景がこういうふうな緑の山になっていますので海から見ますとこの白い灯台の位置がすっきり分かるんです。
そのために自分たちで昔は真っ白く塗ったんです。
これは何ですか?これがですね霧笛なんです。
霧笛ですか?これが。
(古賀)はい。
視界が見えなくなってきたら鳴らすわけです。
霧が出ている間中ず〜っとこれを?そうなんです。
古賀さんは昭和58年から灯台守人生最後の3年間をここで過ごしました
今は無人化されたこの灯台。
当時働いていた部屋が残っていました
このカーテンはいつも開いてたんですけどね。
開けていたんです。
東京湾の入り口の海を見て海に異常がないかという事をここで見張っていました。
このころ古賀さんは24時間灯台からほとんど離れる事のない日々を過ごしていました
視界が十分確保されているか雨や風波で航行が難しくなっている船はないか。
気の休まる時がなかったと言います
北海道から九州まで11か所の灯台で働いた43年間の灯台守人生。
厳しい勤務の中古賀さんを支え続けた思いがあります
(古賀)子供も家内もまあ非常に大変だったと思いますけど私の勤務中にですね在職中に一回も遭難事故とか衝突とか海難が私の勤務してる範囲内でなかった事がですね一番私の誇らしく皆さんに自慢できるところです。
それもうほんとにうれしいです。
感謝しております。
潮の流れの速い観音崎の沖は豊かな漁場となっています
30人ほどの漁師が暮らしを立てる走水港です
春は昆布漁
軟らかな一年物を刈り取ります
そしてマコガレイ。
濃厚な味わいが特徴です
中学卒業後すぐ父の後を追って漁師になりました
弟2人も漁師。
兄弟3人で海に出ます
流れの速い豊かな海が漁師一家を支えます
一番ここが東京湾の入り口じゃ狭まってるから潮の具合もあるんだと思いますけどいろいろ魚も入ってきますし時期時期でいろんな魚とったり釣ったりもできますし。
やっぱりカレイなんかは品物いいですよね。
脂ののりもいいしよそよりはおいしいのかなって。
中でも年間を通してとれるのがアジ
向かったのは大型船の航路から1キロ以上離れた漁場
身を傷つけないよう一本釣りで狙います
潮の流れを見極めながら場所を変え漁を続けます
港を出てから1時間余り
(青木)これは大きい!これは大きいと思うね。
ちょっといいんじゃないですか。
輝くような見事な魚体。
走水のアジは「黄金のアジ」と呼ばれています
きれいで色もいいし。
体長30センチを超す走水のアジ。
身が締まって味もよいと評判です
とれる魚もおいしいし自慢ですねこれは。
出てきたいとか思った事もない?全くないですね。
もういれるだけ死ぬまでここにいたいですね。
仲良くは言い過ぎかもしれないですけど3人で力合わせて一目置かれる漁師になってればいいかなって思いますね。
水走る海の道。
今日も穏やかでありますように
(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2015/05/30(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「海の道 みちびく〜神奈川県 横須賀市〜」[字]
神奈川県三浦半島にある小さな岬、観音崎。古くから交通の要衝とされ、1日500隻の船舶が行き交う。海の安全を守る人、海の恵みを受けて暮らす人々に出会う旅。
詳細情報
番組内容
神奈川県三浦半島の東南に突き出した小さな岬、観音崎。古くから交通の要衝とされ、1日500隻の船舶が行き交います。かつては灯台守が守っていた海。今は、東京湾海上交通センター、通称「東京マーチス」が24時間休みなく、海の安全を見守っています。観音崎に連なる小さな集落は、海の守り神「走水神社」に抱かれ、海の恵みを受けながらの暮らしが続いています。海の道を見守り、たくましく生きる人々と出会う旅です。
出演者
【語り】山田敦子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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