先どり きょうの健康「コレステロールが引き起こす 動脈硬化」 2015.05.30


「きょうの健康」今週は「コレステロールと内臓脂肪」と題してお伝えします。
今日と明日2日間は林家三平師匠にご一緒して頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
お願いします。
師匠!はいはい。
コレステロール何か気にしてらっしゃる事ありますか?人間ドック行ったんですけど総合コレステロールというのは大丈夫だったんですが中性脂肪が高いって言われましてねドキッとしました。
やばいなと思ってます。
でも何がどうなってるのかよく分からないですね。
その辺り詳しく教えて下さる方ご紹介致します。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
三平さんコレステロールって一体何だかご存じですか?コレステ…ロール?そもそもって事ですね?そもそもどういうものかと。
血液中に流れているもんだなっていうぐらいしか…。
おっしゃるとおりですね。
コレステロールが一体どうして悪いのか。
これは動脈硬化を進める要因になってしまうという事があるんです。
動脈硬化?そこでまず今週のテーマに関するホットトピックスご紹介したいんですがこちらをご覧頂きましょう。
それをクローズアップされました。
2015年の4月に改定されたどれだけどのようなものを食べると体にいいか健康にいいかという事を示した指針なんですけれどもこの中でコレステロール対策としてコレステロールを上げ過ぎないために飽和脂肪酸を制限する事が強調されたんです。
飽和脂肪酸今度はどんなものだかお分かりでしょうか?飽和という字を見ると飽和状態の飽和ですよね。
脂肪酸というとお肉の脂身…のような感じがしますけども。
飽和脂肪酸というのは肉の脂身に含まれる脂の成分の一種なんです。
常温で非常に固まりやすい脂肪という特徴があります。
よく置いといても溶けない脂みたいな形ですね。
そうですね。
そのような区別があるんですけれどもコレステロールを下げるためには上げ過ぎないためにはこの飽和脂肪酸を控える事が重要だというふうにこの指針で示されたんですね。
今週はご覧の4本なんですけれども…どうぞよろしくお願い致します。
お願い致します。
まずクイズから始めてみましょう。
三平さんいかがでしょう?だってコレステロールは駄目だ駄目だってみんな言うんで×!悪い悪いといわれますけれども実はコレステロールというのは体になくてはならない必要な脂分の一つなんです。
必要なんですか?コレステロールというのは細胞膜あるいは体のホルモンの原材料になるそれがなくては我々は生活できない物質なんですね。
という事は細胞の一つ一つが作られるという事ですか?そうなんです。
これがないと細胞ができないんですよ。
体が成り立たない。
そうなんですか!例えばこの男性ホルモンコレステロールと形が似てません?本当だ何となく似てますね。
コレステロールから男性ホルモンや女性ホルモンコルチゾールなどが作られるんです。
そしてこのコレステロールは食事から体の中に取り込む事もできますが実はその大部分は肝臓が自分で作っているんです。
肝臓でコレステロールが作られてる?えっ作ってるんですか?そうなんです。
それだけ大事だという事の裏返しなんですけれども食事でとるコレステロールよりも2倍3倍の量が肝臓で作られています。
へえ〜肝臓ってそういう働きがあるんですね。
よく解毒作用を肝臓がやってくれるっていう事は教わってましたけども。
悪いものを壊す働きと大事なものを作る働きの両方が肝臓にはあるんですね。
あ〜そうなんだ。
肝臓で作られたコレステロールは体中に血管血液を通って運んでいきます。
そして余った使い切れなかったコレステロール余分なものはまた逆に血液中を通って回収されてきれいにする。
そういう働きがあって体中にコレステロールを運ぶこれがLDLコレステロール。
逆に回収されていくコレステロールがHDLコレステロールというものなんです。
いわばLDLHDLというのはコレステロールを積んだトラックのようなものなんですよ。
血液中を運ぶいわゆる移動車みたいな形ですよね。
移動する車。
おっしゃるとおり。
それでね悪玉善玉という言葉もお聞きになる事があるんじゃないかと思うんですがLDLコレステロールとHDLコレステロールは片方が悪玉片方が善玉なんです。
どちらがどちらだかお分かりになりますか?悪玉…でもDLは一緒な訳ですよね。
LかHかって事になってくると思うんですけれどもまずじゃあ回収する方が悪玉?大事なものを回収しちゃいますからね。
いかがでしょう。
実は逆なんですね。
えっ!?LDLコレステロールが悪玉HDLコレステロールが善玉。
何だかだんだんややこしくなってきましたけど。
先生難しくなってきました。
このLDLコレステロールというのは体中に運んでいますよね。
ただ増え過ぎてしまうとこのLDLコレステロールは血管の中にどんどんどんどん入り込んでしまうんです。
そしてコレステロールがたまってこぶのように血管の壁が膨らんできます。
そして血の流れが悪くなって血管が狭くなったこの状態がいわゆる動脈硬化と呼ばれるものなんです。
そしてこのコレステロールはブヨブヨしていますから血管の壁が破れてしまう事があります。
そうするとそこに血の塊血栓というかさぶたのようなものができていよいよ血が流れなくなってしまう。
そうするとその先に栄養や酸素が行きませんからいろんな体に悪影響が出てしまう訳ですね。
このように悪玉と呼ばれるLDLコレステロールは動脈硬化を進める要因なんです。
栄養が運ばれないという事はその先の細胞がダメージを受けてしまう。
受けてしまう。
そのとおりで一方でもう一つの善玉何が一体よいんでしょうか?という事は体に取り込まれている悪いものを吐き出してくれる?おっしゃるとおりですね。
それは正解です。
ですので善玉先ほどのこの図を見て下さい。
回収する。
余分なたまったものを回収してきれいにしてくれる。
これが善玉HDLコレステロールで血管の壁にたまったコレステロールを引き抜いて回収してくれるのでいわば清掃トラックのような役割を果たしていると考えられます。
意味合い的にはごみ収集車。
ごみ収集車ですね。
ですので結果的に動脈硬化を抑えてくれる働きがあるから逆にこちらは善玉と呼ばれている訳なんですね。
…って事は善玉がどんどん増えてくれればいい訳ですよね。
一般的にはそういわれてるんです。
ですので善玉の値は多い方がよいというふうに考えられています。
このコレステロールの値を聞いた時に一般的になかなか分かりにくいですけれどもこういう基準で判断を致します。
悪玉は先ほどのような理由でLDLコレステロール多すぎると悪いという事で一つの目安として140mg/dL以上の場合は要注意としています。
一方の善玉は多ければよいと申し上げましたよね。
低すぎると悪いので40mg/dL未満の場合は要注意というふうに第1段階判断致します。
一般的に血圧は家に血圧計をお持ちの方も多いですしご自身で知ってる事が多いんですね。
ところがコレステロールって案外気にしない事が多いという事ですので健康診断職場やあるいは地方自治体で測った時にちょっと引っ掛かった時には注意をして頂く事が必要じゃないかと思います。
そしてもう一つ影響を及ぼす要因があるんですがそれが中性脂肪なんですね。
中性脂肪というのもコレステロールと同じ脂の一種なんですがコレステロールがホルモンとか細胞の構成要素だったのに対して中性脂肪はいわばガソリンみたいに燃料として細胞が活動するために大事な脂なんです。
ですからこれも体にとっては大事なんですよ。
でもやはり増え過ぎるとよくないという事があって一般的に150mg/dL以上は要注意とされています。
そしてこの3つの成分のうちいずれか1つもしくは複数が基準をはみ出していた時に脂質異常症と診断するんです。
血液中の脂質すなわち脂分が異常ですよという事になります。
1つでもですか?1つでも脂質異常症というふうに。
ちょっと厳しいですね今は。
はい。
でもねLDLとHDL聞きました。
中性脂肪は何で多いと体によくないのか脂質異常症になるのか。
そうですね気になりますね。
それはどういう事ですか?この中性脂肪というのは増え過ぎた場合に悪玉の味方善玉の敵となってしまう性質を持ってるんです。
ですので中性脂肪が多くなり過ぎるとやはり動脈硬化を進めてしまうんですね。
詳しく言うと中性脂肪が増え過ぎると悪玉は変身してしまうんです。
あら!どんなふうに変身するんでしょうね?こういうふうではないですよね。
「変身!」って。
どういうふうに…何かの成分に変わる訳ですか?何か変わるんですよ。
何かが。
何かが変わる?この悪玉が中性脂肪が多くなる事で小さくなってしまうんです。
小型化しちゃうんですね。
小型化するといいじゃありませんか。
ところが血管の壁に入り込みやすくなってしまう。
小さいからどんどんどんどん入っていけるようになってしまう。
同じ量でも小型化した悪玉の方が血管の壁にたまりやすいので超悪玉なんて呼ばれる事があるんです。
「超」がつくんですね。
ひどいですね超悪玉。
あ〜チョーとは知らなかったな。
もう一つ善玉にも影響を及ぼすと言いましたね。
善玉の敵である。
中性脂肪が増え過ぎると今度はこの善玉の量が減ってしまうんですよ。
減らされるのは困りますね。
せっかく高かったものが減ってしまう。
という事ですので中性脂肪は悪玉や善玉への影響を介して動脈硬化を進みやすくする。
そういう要因があるので高すぎると悪いという事になるんです。
それではここで動脈硬化が進むとどんな病気が起きるかご存じでしょうか。
これはだって血管にこぶができる訳ですよね。
血液が行かないという事になってくるとその先のダメージとかあとは脳なんかそうですよね。
おっしゃるとおりですね。
脳梗塞などの…。
そうなんですよ。
実は血管が先に栄養を送れない。
畑に水がやれなくて枯れてしまうようなものですから脳の血管が詰まってしまう動脈硬化で詰まってしまうと脳梗塞大変深刻な状況を起こしますよね。
それから心臓も動脈による血管で養われてるんですね。
栄養が送られてる。
ここが詰まってしまうと狭心症とか心筋梗塞特にこの悪玉コレステロールは心臓の動脈狭心症や心筋梗塞のもとになる動脈硬化をもたらしやすいという事がいわれています。
心臓もそうだし脳にも関係するってこれは本当に命に関わる問題ですよね。
そうなんですよ。
実はこの40〜50年日本人のコレステロールの値というのは右肩上がりに増えているというふうにいわれています。
例えば戦後車が増えた。
駅にもエスカレーターが完備している。
アパートにもエレベーターがあると。
歩かなくて済む生活便利な生活になってきた。
これも脂質異常症を増やす要因だと考えています。
確かに我々は噺家です。
江戸時代の方はかなりの量を歩いてましたね距離を。
そうなんですよ。
歩くという事がやっぱり大切なんですか?先生。
とても大事ですね。
そしてこの悪玉コレステロールは冒頭に申し上げたように飽和脂肪酸のとり過ぎで増えます。
脂分が多くなったという事は大きく影響してるんだと思います。
戦後の食生活で随分と変わってしまった。
それでは今日のメッセージお願いします。
コレステロールや中性脂肪というのはその値が異常でも症状がない場合がほとんどなんですね。
しかし本日お話ししたように知らず知らずのうちに動脈硬化を進めていつの間にか突然心筋梗塞を起こしてしまう。
命に関わる事が起こりうるんです。
ですから取り返しがつかなくなる前に予防しなきゃいけません。
ですので健診などを受けて値がおかしいなという事があったらお医者さんに相談して自分にどういう事が必要かというのを是非注意して頂きたいと思います。
今日はどうもありがとうございました。
2015/05/30(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「コレステロールが引き起こす 動脈硬化」[解][字]

コレステロールはホルモンや細胞膜の原材料となる必要な脂質で、食事で摂取する以上に肝臓で日々作られている。しかし多すぎると動脈硬化を引き起こし狭心症・心筋梗塞に。

詳細情報
番組内容
コレステロールはホルモンや細胞膜の原材料となる体に必要な脂質で、食事で摂取する以上に、肝臓で日々作られている。しかし多すぎると問題となる。LDLコレステロールは悪玉と呼ばれ、動脈硬化を引き起こし、狭心症・心筋梗塞の原因となる。一方、HDLコレステロールは善玉と呼ばれ、動脈硬化を改善する。また、血液中の中性脂肪が増えると、悪玉LDLコレステロールが超悪玉になって動脈硬化がより進む。
出演者
【ゲスト】林家三平,【講師】千葉大学大学院教授…横手幸太郎,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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