ドキュメント72時間「高尾山・なぜかふらりと都会の山へ」 2015.05.29


深夜3時。
真っ暗な山道を歩く1組の男女。
ここは大都会に隣接する山高尾山。
朝昼晩いろんな人がふらりと山頂を訪れぼんやり自分の暮らす下界を見つめる。
いろんな人を呼び寄せるちょっと不思議な都会の山。
平日ふらりとやって来る人たちにその訳をじっくりと聞いてみた。
麓からケーブルカーと徒歩で1時間足らず。
すぐに山頂に到着。
平日なのにすごい人。
(子どもたち)イエ〜イ!子どもたちの向こうにいきなり迷彩服の集団。
どんな人たちなんだろう?関東にチェーン展開する美容院の社員。
毎年新人が入るとおそろいの服でここに登るという。
あれ?車椅子の人。
脳梗塞で倒れふだんは籠もりがちなお母さんのためにみんなで企画した。
どうしても山に登らせてあげたかった理由があるんだって。
はいチーズ。
ばかばかしい。
はいじゃあみんな行くよ。
お昼過ぎ。
少し静かになった山頂に女性だけの3人組。
みんなお客さん相手の販売員。
毎日気を遣ってばかりだから全く違う環境で息抜きしたかったみたい。
あれ?何かいるのかな?かわいい〜。
かわいい。
うんかわいいね。
(笑い声)少し街を離れるだけでこんな非日常と出会えるのもこの山の魅力らしい。
あさって面接なんですけど。
(取材者)おお〜。
ちょっと…まあ気負わず…。
深夜1時前山の麓に人影。
今度は10人以上の大集団。
(ざわめき)そして真夜中の午前3時。
えっそうなんですか?いいですね。
ただのノリで来たって言うけど…。
早朝5時半。
山頂には昨夜のあの夫婦。
ただぼんやりと朝まで過ごしたみたい。
じゃあ遅れないように。
ありがとうございます。
お疲れさまです。
同じ頃今度は年配の男性。
おはようございます。
おはようございます。
健康を祈願するため山頂近くのお寺目指してほぼ毎日登っているという。
あっもう一人来た。
お互い朝のこの山で知り合ったみたい。
更にまた一人。
突然すみません…。
ありがとうございました。
少しだけ世俗から離れたどこか不思議な空間。
にぎわいから離れ一人で携帯をにらむ人。
経営の立て直しを進める勤務先からついさっき重要な連絡を受けたらしい。
初めから何となく結果が分かっていたからここに来たという。
思い出の東京ともう少しだけ向き合って山を下りる。
静かになった山頂に1組の男女がいた。
(笑い声)会うの2回目!?はい。
ね?2回目だよね。
ふだんは都心のカフェで働く2人。
覚えたての手話でゆっくり話をしたいのでここに来たという。
今は友達以上恋人未満のちょっと微妙な関係。
彼女をもっと知りたいから懸命に練習したみたい。
大切な思い出がまた一つこの山で生まれる。
夕方6時。
山頂から人影が消えた。
麓と中腹を結ぶケーブルカーの最終便が出発。
薄暗い山奥から下りてきた人がいた。
3日間高尾山の密着取材してるんですけど…。
山にある寺で住み込みで働くお坊さん。
今日は久々に実家に帰るという。
実家の寺を継ぐためにここでの修行を決意した。
高尾で。
高尾でまあ…。
そんな時気晴らしになるのが大学時代に始めた趣味らしい。

(ヒューマンビートボックス)すみませんこんばんは。
NHKなんですけど今頂上に来ている人にお話を伺ってまして。
こういう景色とか見ると達成感ありますねやっぱり。
NHKで高尾山に密着取材をしてるんですけど。
密着取材…。
ええ3日間ずっといてですね。

(ほら貝の音)撮影3日目は金曜日。
この日は午前中から登山客があふれていた。
混み合う山頂を一人でぼんやり歩き回る男性。
どんな人だろう?すみませんこんにちは。
こんにちはNHKなんですけど。
23年勤めた会社。
気持ちの整理がつかず両親にも報告できずにいる。
そしてなぜか今日入社した頃登ったこの山にまた来てしまったという。
目標に向かって走り始めたあのころ。
その時と同じ風景が目の前に広がる。
頑張って下さい。
応援してます。
何かに区切りをつけるため人は山に登りまた下っていく。
山頂で自分と向き合おうとする人がここにもまた。
人工透析をしている66歳。
体に不安があって登るのをためらっていたけど今日は決意してやって来たという。
働き盛りの40代の頃突然病に襲われた。
週3回の透析が欠かせずなかなか思うように就職もできなかった。
目の前にそびえ立つ富士山を彼はいつまでも見つめていた。
おはようございます。
おはようございます。
これから登られるんですか。
薬王院まで。
(笑い声)
(一同)頂きます。
イエ〜イ!
(笑い声)
(歓声)2015/05/29(金) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
ドキュメント72時間「高尾山・なぜかふらりと都会の山へ」[字]

東京都心から電車で1時間。お手軽な山・高尾山の3日間。昼間は登山客や遠足の子どもでにぎわうが夜になると雰囲気が一変。ムササビが舞う山に深夜訪れる人々の事情とは?

詳細情報
番組内容
東京の都心から1時間で行ける“お手軽な山”高尾山の3日間。新緑の季節、山頂は都会のけんそうから逃れてきた人で大にぎわい。都心を遠くに眺めてビールを飲む人、遠足の子どもたち、じっとめい想する人…。しかし夜になると雰囲気が一変。ムササビが飛び交う暗闇に、ぽつりぽつりと人が訪れる。深夜に山頂を目指すカップル。暗い山道を一人歩く男性。「世界一登山客が多い」と言われる高尾山で、都会人たちの胸の内に耳を傾ける
出演者
【語り】仲里依紗

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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